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2008年7月 3日 (木)

【消費者法】 利息制限法所定の利率を超過する過払金の返還請求について、旧会社更生法241条所定の免責が認められなかった事例(神戸地裁平成20年2月13日)

 判例時報No2002(平成20年7月1日)号に記載されている神戸地裁の判例です。

 昭和58年ころから平成15年6月ころまでの過払金を、ライフに請求したところ、ライフからは、同社は、平成12年6月30日に、会社更生手続開始決定を受けているから、基準日以前の過払金については、失権するから、請求できないと反論された事案です。

 神戸地裁は、ライフの主張を退け、原告の主張を全面的に認めました。

 その理由は以下のとおりです。

   ライフは、会社更生手続開始の決定を受けたが、更生裁判所がライフの更生手続開始決定において、ライフの融資業務に必要な日常取引は裁判所の許可を要しないと定めたため、原告とライフの取引はその後も継続したこと

 本件更生手続において過払金返還債権を一般更生債権として債権届出をしたのは、ライフとの間で金銭消費貸借契約を継続している者では皆無であること

 本件取引は、同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付と弁済が繰り返される金銭消費貸借取引であり、この貸金債権の個数は1個であり、貸付と弁済が繰り返されることにより貸金の額が変動し、この取引において過払金については、その後発生する新たな借入金に充当する合意を含むものと解することができること

 そうすると、過払金返還請求権の個数も、貸金債権と同様に1個であり、貸付と弁済が繰り返されることにより、過払金返還請求権の額も変動し、これが確定するのは、基本契約が終了した時点(新たな借入も弁済もしないことが確定した時点)であるというべきであること

 原告はライフの更生手続終了後も引き続き取引をし、その後に取引を終了したが、本件請求にかかる過払金返還請求権が具体的に権利行使の可能な金銭債権として発生したのは最終取引以後であり、本件取引には、旧会社更生法241条の適用はなく、原告は、ライフに対して、最終取引時点の過払金全額の返還を請求できる

 との判断を示しました。

 解説には、「先例はないが、貸金業者に対して高利を支払わされた消費者を保護する観点からも注目される。」(同書132)と記載されています。

 ポイントは、「継続的な金銭消費貸借取引において発生する過払金は、取引終了時に発生した一個の債権として認識すべき」と判示したことだと思います。

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