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2008年6月 6日 (金)

【交通事故】 専門訴訟講座 交通事故訴訟 民事法研究会

 民事法研究会から、専門訴訟講座①として、「交通事故訴訟が4月23日に出版されました。

 本の構成としては、3部構成となっており、第1部が交通事故訴訟の法理、第2部が交通事故訴訟の実務、第3部が交通事故訴訟の要件事実と裁判となっています。

 しかし、論点については、かなり重複部分が多く、くどい印象を受けました。

 内容的には、平易な調子で書かれており、読みやすかったです。交通事故を扱う弁護士にとっては、基本的な書籍として、一読しておく必要は感じられました。なお、資料は、ほとんど赤い本の参考資料とかぶります。

 なお、以下、いくつか気になった点をあげておきます。民事法研究会の方が見られるようなことがあれば、検討しておいてください。

 P30の逸失利益算定方式の統一(任意保険) は、(共同提言)の誤記と思われます。

 P47では、責任設定的因果関係と責任充足的因果関係について論じられていますが、文章が難解なため、結果的にわかりにくい内容になっています。同じことが論じられていますが、P509の解説者の方がわかりやすいです。

 P139では、調停申立に民事調停法19条を引用して、申立人がその旨の通知を受けた日から2週間以内に提訴した場合には、調停時に時効中断効が認められると紹介しつつも、最高裁平成5年3月26日の調停申立てに民法151条を類推適用した裁判例を紹介しているため、民事調停法19条と民法151条との関係がわかりにくくなっています。P229の解説者は、民事調停法19条が民法151条の特別法と考える見解を紹介し、これを否定した前述の最高裁判例を紹介した書き方をしているが、この書き方の方がわかりやすいです。

 P105以下では、自賠法2条の「自動車を当該装置の用い方に従い用いること」について、学説及び個々の判例を紹介しているが、まさに紹介しているだけである。P325でも同様の説明があるが、判例学説の変遷をきちんと述べているため、こちらの説明の方がわかりやすいです。

 P113では、駐停車中の自動車への事故での裁判例の紹介で、B車の駐車状態と記載されているが、B車は駐車していたのかどうか、これだけの記載ではよくわからなかったです。

 P390では、交通事故対策センターからの介護料支給についての記載がありますが、同センターについての説明が欲しかったです。

 P574では、「判決が確定すると、訴訟費用については、多くの場合、双方の代理人間で金額を確認し、支払がなされている」と記載されています。この記載を書かれた先生は、42期のベテランの先生のようなので、東京ではこのような慣行があるのかもしれません。ただ、田舎では、勝訴しても、訴訟費用を請求したことはありませんし、敗訴しても、請求されたことはありません。「多くの場合」と記載されているため、心配になりました。P679では、「訴訟費用の精算をせず、そのままにしている例もかなりあるようである」と記載されています。この記載はやめ判の先生が書かれているようです。

 P779では、①交差点の出会い頭の衝突「の」関するものは、「に」が正しいでしょう。P781では、中段付近の「や」が変な場所に入っています。

 P926の塩崎先生の昭和4年3月 函館地家裁所長は、平成の誤記でしょう。 

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