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2007年12月17日 (月)

過失相殺事案における人身傷害保障保険による支払額の充当方法

 交通事故判例速報No498(交通春秋社)に掲載されていた事案です。

 東京地裁平成19年2月22日の裁判例(交通部合議)を、単純化して説明すると、

 花子さんは、交通事故に遭い、大怪我を負い、裁判所では、花子さんの総損害を7000万円、花子さんの過失を、20%と認定しました。

 その結果、加害者が負担する損害は、5600万円になります。

 花子さんは、自らが契約している損保から人身傷害補償条項に基づき、500万円を受け取っていたため、加害者は、500万円も既払金として控除すべきであると主張しています。

 考え方は、3通りあります。

 第一説は、絶対説と言われる考え方で、人傷保険の支払い額は、加害者負担分に充当され、人傷保険会社は全額を加害者から改修でき、被害者は加害者からは5100万円しか受け取れないとする考え方です。

 第二説は、差額説と言われる考え方で、過失相殺で被害者に未填補の損害が残る限り求償し得ず、被害者は、加害者に対し、その負担額全額を請求できるとする説です。この説によれば、花子さんは、加害者から5600万円を受け取ることができます。

 第三説は、比例配分説で、500万円を過失割合に応じて配分を行い、加害者負担部分400万円については、保険会社が求償できるとされるため、被害者は、加害者から、5200万円を受け取ることができます。

 東京地裁は、差額説を採用しました。解説者の先生によれば、「本件は東京地裁交通部合議体の判決であり、今後おそらくこの差額説が定着していくものと思われる」と説明されています。

 なお、今回の判例速報には、「無職者の休業損害」というおもしろいテーマについても解説されており、参考になるかと思います。

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