チャイルドシート未装着により被害が拡大した幼児の損害について、母親の監督責任を理由に5%の過失相殺が認められた事例(大阪地裁平成15年9月24日)
シートベルトの未装着については、不装着が損害拡大につながった場合には、過失と評価され、5~10%程度の過失が認められる場合があります。
交通事故判例速報NO457にて紹介されていた事案は、チャイルドシート未装着のケースです。
チャイルドシートですから、被害者は子どもですが、裁判所は、母親の監督義務違反を、被害者側の過失として構成して、5%の過失を子どもに認めています。
子ども、本件では、2歳の男の子だったため、被害者に事理弁識能力はないため、被害者自身の過失として評価することはできないため、どうしても、被害者側の過失という構成をとらざるをえません。
しかし、この法律構成では、身分上生活関係上のいったい関係のない者、例えば、保母の過失で未装着した場合には、過失として斟酌できないという批判がされています。
なお、解説者によれば、行政上の装着義務違反と、過失を考える際の装着義務違反とは、論理必然的には影響を及ぼすことがないと指摘されています。
すなわち、「監督責任者は幼児をチャイルドシートの装着された車両に乗車させるように監督指導する責任があるというべきであるから、原則として、行政的なチャイルドシート装着義務の有無にかかわらず、幼児をチャイルドシート未装着車両に乗車させた時点で、監督責任者の監督義務違反が問われることとなろう」と説明されています。
基本的にはこのように考えられますが、保険賠償の実務(あくまで私がたずさわる限度での印象ですが)では、行政的にシートベルト装着が要求されていない場合には、損保会社も、過失を主張することはそれほど多くないのではと思います。
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