土地・地上建物に設定した先順位と後順位共同抵当権に関わる法定地上権成立の有無
JA金融2007年10月(No433)に紹介されていた判例(宇津木旭先生ご解説)です。
JA金融法務で紹介されていたケースは、以下のとおりです。
Aさんは、建物を、Aさんの妻であるBさんは、建物を所有し、Bさんの物上保証で、土地・建物に共同抵当権が設定登記されました(先順位共同抵当権)。
Aさんの死亡により、建物は、Bさんと、子どもであるCさんが共同相続しました。
その後、Dさんのために、土地・建物に共同抵当権が設定登記されました(後順位共同抵当権)。
その後、先順位共同抵当権が消滅し、その旨の登記がなされました。
そして、後順位共闘抵当権者が競売の申立を行い、競売による土地の買い受け人Eさんが、BCさんに対して、建物収去土地明け渡し請求を行いました。
平成19年7月6日の最高裁判例は、
先順位共同抵当権が消滅した後に、後順位共同抵当権が実行された場合において、
土地・同地上建物が先順位共同抵当権の設定時には、同一所有者に帰属していなかったとしても、
後順位共同抵当権設定時に同一の所有者に帰属していた時は、法定地上権が成立する
と判断しました。
設問では、BCさんは、法定地上権の成立をもって、Eさんの請求を断ることができます。
ところで、最高裁は、他方で、平成2年1月22日に、
土地について一番抵当権が設定されていた当時は、土地・地上建物の所有者が異なっていたが、
その後、土地と建物を同一人が所有した後、2番抵当権が設定された場合、
抵当権の実行により、土地が競落されたため、1番抵当権が消滅した場合の法定地上権の成否争われた事案で、
地上建物のために法定地上権は成立しないと判断しています。
平成19年の最高裁の第1審、第2審ともに、平成2年の場合と同様と解して、地上権の成立を認めていません。
単純に考えると、原審等と同じに考えそうですが、そうはならないところに難しさがあります。
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