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2007年8月28日 (火)

弁護士法人について その2 (起業)

 弁護士法人とは直接関係有りませんが、「起業」に関連する本を読みましたので、その感想を少し述べさせていただきます。

 私が事務所を開設して、今年は9年目になりますが、顧問企業様やご紹介先様、そして、ご依頼人様のおかげで、現在は、順調よく、事務所経営ができています。

 しかし、今年は、新司法試験による合格者が弁護士登録される年でもあり、これまでとは異なり、大量に、新人弁護士が誕生する年でもあります。

 そのため、弁護士といえども、市場原理にさらされることになり、マーケティングなどが必要になります。

 東京では、船井総研の弁護士向けのセミナーがあり、私も受講しましたが、セキナーで学んだことを実践に移すことはできていません。

 実践に移すまでもなく、仕事に追われる状況です。

 船井総研以外に弁護士向けの起業セミナーや解説書は、少ないようで、一般の書店にはこれといったものがありません。

 それでも、行政書士や税理士向けの解説書は多少あるようで、行政書士については、丸山学氏のご著書①資格で起業 ノーリスクで年収3000万円稼ぐ方法 をご紹介させていただきました。

 税理士向けの解説書は、いくつかありましたので、早速、購入して読んでみました。

 ②開業1年目で1700万円 税理士絶対成功の開業術・営業術 税理士 山本憲明 インデックスコミュニケーションズ

 山本氏は、まだ開業して2年余りがたった段階で、この著作を書かれています。まず、税理士の経営を安定させる顧問契約の重要性を説かれています。そして、いかにして、顧問契約を獲得するのか、或いはそれを維持するのか、という点について、具体的にご解説されています。

税理士で笑いが止まらない開業ノウハウ 税理士大井敏生 ぱる出版

 基本的には、②と同じスタイルです。税理士にとって、顧問契約の獲得は、死活問題に直結するようです。小さな税理士事務所が、既存の大きな事務所に対抗するための具体的な方法が書かれています。ランチェスターの法則というおもしろい戦術についても触れられています。

 ④士業のための開業3ヶ月で月収100万円にする法 長渡恒久 同文館出版

  本書は、税理士だけではなく、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士、司法書士も、対象に書かれたものです。顧客を見つける方法について具体的に書かれています。セミナーの方法、チラシの作り方などてんこ盛りです。

   

 これらの本を読むと、このような営業の必要のない弁護士という職業が、いかにこれまで恵まれてきたんだなあとしみじみ感じました。

 司法試験が極めて難関であるため、20年前は、年間500人程度しか、合格しませんでした。そして、それが、事実上、流入規制となり、仕事の数に対して弁護士の数が足りないため、自由競争にもさらされるもありませんでした。

 ところが、昨今は、司法試験合格者の増加、法科大学院の設置、新司法試験制度の実施により、新人弁護士の中には就職できない人も生じている状態になっています。

 弁護士の数が増えると、弁護士業務の中でも、比較的定型化がしやすい業務については、価格競争の波にのみ込まれることでしょう。

 しかし、価格競争の結果、低価格路線ということになれば、1件にかける時間を大幅に削らざるをえないでしょうが、人権にかかわる業務についてまで、そのような姿勢で本当にいいのかどうか、疑問があります。

 元々、人権にかかわる業務は、その報酬もすこぶる低廉で、経営ということから考えると引き受けたくないのですが、これまでの弁護士は、民事事件で得た収入で、これらの業務も、積極的に行ってきたように思います。

 裁判員制度は近い将来導入されますが、やり手の弁護士が国選事件を受けられるのかどうか、私は、懐疑的に考えております。弁護人も一定の長期間拘束されますが、とうてい、それは事務所を維持するのに足りる報酬が得られることはないからです。

 このあたりの事情については、最近、新潟の法科大学院の先生が、本を執筆されたと思います。

 一連の司法改革は、弁護士と市民とのアクセスをより近づけたという点では、評価される点もありますが、市場原理をそのまま導入したことに対する弊害に対する対応策はあまりとられていないような印象を持っています。

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