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2006年11月22日 (水)

遺産に属する普通預貯金の共同相続人の1人からの払い戻し

 旬刊金融法務事情(2006年11月25日号 NO1787号)判決速報搭載のケースについてです。

 太郎さんは、今治銀行と、しまなみ公社に対して、普通預貯金を有していました。

 太郎さんには、妻花子さんと、長男治郎さんがいました。

 太郎さんが死亡したため、花子さんが、法定相続分に該当する2分の1の払い戻し請求を行いました。

 この払い戻し請求に対して、今治銀行と、しまなみ公社は、支払いを拒絶しました。

 理由は、2つです。

 1つめは、当該預貯金が遺産分割協議の対象となる可能性があること

 2つめは、相続開始後遺産分割協議成立前においては、金融機関が共同共同相続人全員の同意に基づきその全員に対して一括して預金の払い戻しを行う、という事実たる商慣習の存在があること

 東京地裁(平成18年7月14日)は、

 共同相続人の一部から払戻請求訴訟が提起されている場合には、その可能性は存在しないから、払戻請求を拒絶することはできない

 前述したような商慣習は、存在しない

 として、花子さんからの請求を認めました。

 にも拘わらず、現在でも、任意で、法定相続分に基づく払戻しに応じていただける金融機関は、少ないですね。私も、1回しか、経験しただけです。

 しかし、法定相続分に基づく払戻が可能と言うことになりますと、寄与分を有する相続人、特別受益のある相続人の相手方相続人は、取り分が少なくなりますから、困りますね。

 個人的には、原則として、遺産分割協議の対象に含める取り扱いをしていただきたいものですが、時代の流れには逆らうことはできませんね。

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