強姦事件で逮捕された被疑者の弁護人がした被害者に対する示談交渉が不法行為を構成するとされた事例
強姦事件で逮捕された被疑者の弁護を引き受けた弁護士が、被疑者からの事情聴取により被疑者が無実を訴え、また、その心証を得たのであれば、被害者の女性からも、事情を聴取するため、接触を試みるのは当然であるとはいえます。
しかし、弁護人だからといって何でもできるとわけではなく、やはり、社会常識の範囲でなければなりません。
高松高等裁判所(平成17年12月8日)(判例時報1939号10月21日号)は、
①被害者の女性は、面談拒絶の意向であったこと
②面談が深夜の時間であったこと
③被害者は女性に強姦被害を両親に打ち明けていなかったにもかかわらず、これを知りながら、両親との面会を求めたこと
などを理由に、社会的相当性を逸脱していると認定しました。
どうやら、強姦事件としては不起訴として処理されているようであり、原審の徳島地裁は、告訴状の記載内容が、弁護活動として行き過ぎではないかと指摘しつつ、弁護人の役割を協調して、違法性を否定しました。
社会常識が、徳島の裁判官と、高松の裁判官とで異なるわけです。
ただ、私として気になったのは、高裁の判決の言い回しです。「刑事弁護人たる○○の身勝手かつ自己中心的な考えというほかない。」(複数同じ表現がみられました。) 判決を起案されたのは、刑事畑を歩んでこられた裁判官ですかね。
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