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2006年9月13日 (水)

生命保険契約の被保険者が自殺した場合において、うつ病に罹患していたことにより、自由な意思決定によって自己の生命を絶ったものとはいえないとして、保険金請求が認容された事例(大分地裁H17・9・8)

 判例時報1935号(平成18年9月11日)P158に、以下のケースが紹介されていました。

 Aさんが保険会社Yと間で、Aを被保険者、Xを保険金受取人とする生命保険契約を締結しました。

 契約締結後1年も経過しないうちに、Aさんが自殺しました。

 Xさんが、Y会社に対して、死亡保険金を請求しました。

 これに対して、Y会社は、契約締結後2年以内の被保険者の自殺は、約款により、支払い免責事由になっていることを理由に、支払いを拒絶しました。

 ☆よくある話です。

 そこで、Xさんは、Y会社に対して、保険金請求訴訟を提訴しました。

 確かに、約款上、契約締結後2年以内の被保険者の自殺については、免責事由となっています。

 しかし、「自殺」全てが免責事由となるわけではなく、裁判例によれば、自殺とは、被保険者が自分の生命を絶つことを意識し、これを目的とする行為に限られ、さらに、自由な意思決定に基づき意識的に行われた行為であることが必要であると、限定的に考えられています。

 そこで、Aさんの自殺が、自由な意思決定をすることができない状態であったといえるかどうかが問題となります。

 大分地裁は、以下のとおりの基準を定立しました。

 精神障害の程度影響などを個々的に斟酌し、精神医学上の見解を前提としつつ、

① うつ病罹患前の被保険者の本来の性格人格

② 自殺行為に至るまでの被保険者の言動及び精神状態

③ 自殺行為の態様

④ 他の動機の可能性等の事情

を総合的に考慮して、

 うつ病が被保険者の自由な意思決定能力を喪失ないし著しく減弱させた結果自殺行為に及んだものと法的に認められるとの判断が必要であるとしました。

 そして、その証明は、保険金請求者、即ち、Xさんにあるものと判示しました。

 本件ケースでは、Xさんの証明ができているものとして、Xさんが勝訴しました。

 ☆自殺だからといって、画一的に、免責されるわけではないことに注意しなければなりませんね。

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