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2006年5月 4日 (木)

昨今の司法改革について

 昨今の司法改革は、革命といってもおかしくない位の内容であり、正直、町弁である私は大きくとまどっております。

 まず、裁判員制度は、重大事案について、裁判官だけではなく民間から選ばれた裁判員が事実認定と量刑を判断するという制度です。

 しかし、世論調査の結果、裁判員になりたくないという方がそうでない方よりも多いということのようです。実際、一般的な日本人の意識からすれば、他人の裁判には関わりたくないというのが本音ではないでしょうか。 

 また、裁判官とは異なり事実認定の訓練などをされていない一般の方が正しく証拠を評価できるのか疑問です。自信のない裁判員は、結局、裁判官に誘導されてしまう可能性もあるものと思われます。

 さらに、公判前整理手続きの導入により、弁護人の方も、審理の迅速化に協力させられます。審理の迅速化自体は、プラスとして評価されるものですが、拙速なものであれば、弁護権を侵害する可能性も捨て切れません。

 何よりも、現在、国選弁護料は極めて低廉ですから、短期間の審理を事実上強制される事案であれば、一般の民事事件を受任しずらくなり、法律事務所としての経営が成り立たなくなります(本音をいうと、国選事件を積極的に受けたい弁護士は、殆どいないものと思います。)。

 従って、裁判員制度は、運用開始後に、大きな修正が加えられる可能性が高いものと考えております。

 次に、いわゆる法テラス(日本司法支援センター)という、従来の法律扶助協会にかわる組織についてです。この組織は、法律扶助協会の業務を引き継いで、さらに、発展させたものです。刑事事件の弁護人を斡旋したりします。

 しかし、この組織は、法務省所轄の独立行政法人に準じた組織であり、理事長も法務大臣によって任命されます。刑事弁護人は、法テラスから派遣されることも予想されますが、在野法曹としては、対立当事者である検察官と同じ法務省管轄というのが、非常に気になります。

 さらに、弁護士の飛躍的増加です。地方での弁護士数は少ないと言われていましたが、昨今の司法試験合格者数の増加により、大きく改善されていました。私は平成11年に今治に開業しましたが、現在まで、森岡弁護士、近藤弁護士(大阪から)、志水弁護士(東京から)、田中弁護士(東京から)が加わり、平成11年当時の2倍までふくらみました。

 但し、弁護士の数が増えることにより競争原理が入り、消費者にとっては、弁護士の敷居が低くなることを意味するため、良い面もあります。

 他方で、修習期間短縮のためか、昨今の司法修習生の大量の合格留保者が生じているという困った状況が生じてきており、また、法律事務所に就職できない新規登録者が生じているようです。

 私は、弁護士業は、公益的な業務が多いため、完全な自由競争には馴染まないと考えているものですが、近い将来は、そのような考え方は放棄せざるえないでしょうね。ひっとすれば、10年後の私は、事務長と一緒に、救急車の後を追いかけているのではないかとの悪夢をみたりします。(*^_^*)

 小泉さん、あまり、アメリカからの要求をのんでばかりいると、日本の司法制度はがたがたになりますよ。

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