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2006年5月24日 (水)

破産者が破産手続中に自由財産から破産債権者に対して任意の弁済をすることの可否

 判例時報1923号(平成18年5月21日号)に、非常に重要な最高裁の判例が紹介されていました。

 ケースは、地方公務員であったXさんが、共済組合Yからお金を借りていたところ、多重債務に陥り、破産宣告を受け、管財人が選任されました。

 その後、勤務先を退職したところ、◎△県市町村総合事務組合(給与支払機関)は、Xさんの退職金について、

 破産管財人に対して、Xさんの破産宣告時に退職したとすれば支給されたであろう退職金(約1800万円)の4分の1にあたる約460万円を、破産財団に属する財産として交付

 Yに対して、地方公務員等共済組合法115条2項に基づき、退職金から貸付残金に相当する約431万円を控除して払い込み

 Xに対しては、上記約460万円と上記約431万円を控除した残りの退職残金を支給しました。

 Xさん、かわいそうですね  (T_T)

 これに対して、Xさんが、Yさんに対して、不当利得返還請求訴訟を提訴し、高松高裁は、Xさんの主張を認めたものの、Yが不服として上告したものです。

 最高裁(平成18年1月23日)は、上告受理申立を受理しましたが、

 ①破産者がその自由な判断により自由財産の中から破産債権に対する任意の弁済をすることは妨げられないものの、少しでも強制的な要素を伴う場合には任意の弁済にあたるということはできない、

 ②任意の弁済というためには、組合員が、破産宣告後に、自由財産から破産債権に対する弁済を強制されるものではないことを認識しながら、その自由な判断により、地共法の弁済方法をもって貸付金債務を弁済したものということができることが必要である

 と判示した上、本件では任意性はないとして、任意の弁済を否定しました。

 その結果、Xさんは、Yから、退職金を取り戻すことができました。よかったですね。 (^O^)

 理論構成、結果とも極めて妥当な判決であると考えます。

 なお、Xさんの代理人弁護士は、徳島の篠原健弁護士です。修習同期の弁護士ですが、活躍されていますね。

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