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2006年2月 3日 (金)

依頼者とのトラブル

 判例時報(NO1912・平成18年2月1日号)に、弁護士と依頼者とのトラブルの裁判が紹介されていました。

 事案は、平成3年6月に、Aさんが交通事故に遭い、大けがをしました。そこで、Aさんは、B弁護士に依頼して、平成6年6月、加害者側に対して6000万円強の支払いを求める訴訟を提訴しました。

 Aさんとしては、警察や医療機関の対応に大きな不審を感じ、その旨理解して貰うよう、B弁護士にもお願いしましたが、B弁護士は、Aさんの考えを理解しようとはしてくれないと、Aさんは感じました。

 そのため、Aさんは、平成10年6月に、B弁護士との委任契約を解除して、相談していたC弁護士に訴訟の遂行を依頼いたしました。

 Aさんは、C弁護士に対して、着手金として、合計250万円を支払いました(着手金の額としては、請求金額から考えれば、さほど高額と評価できるものではありません。あくまで一般論ですが・・・)。

 しかし、その後のC弁護士の訴訟の遂行のあり方について疑念を持ち、Aさんは、着手金のうち150万円の返還と、50万円の慰謝料の支払いを求める裁判を起こしました。他方、C弁護士もAさんに対して、Aさんが勝手にC弁護士の事務所の内部を撮影した(証拠保全のためということらしいです。)として、400万円の支払いを求める裁判を起こしました。まさに、泥仕合のような状態です。

 裁判所(東京地裁H17・3・23)は、まず、Aさんの起こした裁判について、C弁護士が「一定の事実調査や証拠収集活動を行い期日に出頭し、若干の書面を提出した」ことは認めました。

 しかし、C弁護士は、その内容について、Aさんについて説明をしておらず、また、裁判所に提出した書面も極めて簡単な内容にとどまっていたこと、さらには、具体的な主張立証活動を行っていないこと、加えて、本件訴訟においても、C弁護士は期日に書面を提出せず遅刻をしていることから、C弁護士に善管注意義務違反があることを認めました。

 その結果、裁判所は、Aさんの訴えを全て認めました。

 他方、C弁護士からAさんに対する裁判についても、Aさんの撮影はC弁護士の同意を得ていない以上、管理権を侵害するものであり、賠償として、15万円の支払い義務を認めました。

 この判決は控訴されているようです。

 裁判所が認定している事実を前提にするのであれば、C弁護士に大きな問題があったケースといえるでしょう。C弁護士にて、根気よく、依頼者の希望に添うよう努力していればこのような事件は生じなかったものと思います。

 とはいっても、依頼者の希望全てをC弁護士が従わなければならないとすれば、かえって、訴訟の遅延を招来することにつながるものと思います。

 私であれば、依頼人に対して、意味のある活動とそうでない活動について根気よく説明し、それでも理解してくれない相談者であれば、事件自体受けません。依頼者とトラブルになるのが一番手間がかかる上、無駄な活動を強いられますから。

 

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