<(_ _)>

  • 弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータル

書籍紹介(交通事故)

無料ブログはココログ

【TFCC損傷】

2020年9月18日 (金)

【TFCC損傷】 自賠責12級8号後遺障害を残す35歳男子主張の右手TFCC損傷を否認し、右手首痛の影響は限定的として10年間5%の労働能力喪失で逸失利益を認定した事例

 自保ジャーナルNo2068号で紹介された大阪地裁令和2年2月28日判決です。 

Kimg4957
(来島大橋)
 平成27年4月18日、路上を自転車(クロスバイク)で走行中、前方でハザードランプを点滅させて停止していた被告タクシーの左側方を通過した際、被告タクシーの左後部ドアが開いたため、非接触でバランスを崩し転倒して、右手関節TFCC損傷及び右尺骨茎状突起の偽関節から自賠責認定同様に12級8号後遺障害を残したとする35歳男子会社員の原告の事案につき、
 D病院による後遺障害診断書には、右手関節TFCC損傷との傷病名が記載されているが、損保料率機構の判断によれば、原告にはTFCC損傷は判然としないとされているほか・・・D病院診療録の平成27年9月10日には、Fovea+との記載があり、TFCC損傷の誘発テストで陽性とされたことが記載されている
 しかし、その前の診断日である同年8月6日の記事には、同テストは陰性であったとされているし、D病院の医師もこれ以上、TFCC損傷であるかどうかの検査を実施した形跡がない等から、D病院による後遺障害診断書の上記記載は、にわかに採用することはできないとTFCC損傷を否認しました。
 とはいえ、右尺骨茎状突起の偽関節で12級8号は維持されているのですが、後遺障害慰謝料は、労働能力喪失率5%で、労働能力喪失機関10年の判断になっております。
 う~ん。やはり、控訴されているようです。
 

2020年8月16日 (日)

【TFCC損傷】 自賠責12級13号TFCC損傷を残す減収のない24歳男子会社員の逸失利益を痛みによる就労や日常生活への影響は限定的と10年間9%の労働能力喪失で認定 大阪高裁令和元年12月10日判決

 自保ジャーナルNo2066号で紹介された大阪高裁令和元年12月10日判決です。

 左手関節痛について、自賠責保険は、12級13号を認定しています。

 第1審は、後遺障害慰謝料として280万円、逸失利益は5%5年(14級9号)と判断しております。

 第2審は、後遺障害慰謝料として290万円、逸失利益は9%10年と判断しております。

 第2審の判断が妥当と思います。

 

Kimg3832
(今治・四阪島)
 TFCC損傷については、平成28年12月2日の交通事故で、その時は右肩や右膝の強い痛みを訴え、1月13日以降に左手関節痛を訴え、専門医により、MRI検査等により、TFCC損傷と診断され、損害保険料率算出機構も、12級13号を認定したという事案です。
 左手関節痛を訴えるまで事故から約1ヶ月程度が経過しているのが気になるところです。
 なお、損保側からは、医学意見書が提出されています。時折、損保の顧問医が毒にも薬にもならぬ意見書を出してくることがありますが、高裁は一蹴しております。
 交通事故を取り扱ってよく思うのは、14級や12級レベルでの事案でも、損保の顧問医の意見書が提出されることがあるということです。そんな意見書にお金を支払う位であれば、被害者への補償に廻してもらいたいものだといつも思っております。工学的意見書になるとなおさらです。金太郎飴のような意見書が提出されますが、難しい数式が記載されていることから、悩まされます。

2020年3月10日 (火)

【TFCC損傷】塾経営の原告男子主張のTFCC損傷を「疑い」にとどまることから否認し、新規入塾生取り逃がしによる逸失利益を2人分の約46万円を認めました。

 自保ジャーナルNo2056号で紹介されたさいたま地裁令和元年7月12日判決です。 

Kimg1480
(自研センター)
 平成28年7月2日、男子原告が乗用車を運転して停止中、被告乗用車に追突され、右TFCC損傷(三角繊維軟骨複合体)損傷の傷害を負い、頸部・右手関節痛、右手関節可動域制限から併合12級後遺障害を残したとする主張事案につき、
 D病院で撮影されたMRI画像所見は、右TFCCに浮腫性信号あり。解析の問題で、細かい損傷部位は、わかりにくい。円盤部に損傷があるように見える。断裂有無判断は難しいというもので、TFCC損傷は「疑い」にとどまっており、また、同病院の後遺障害診断書も原告の右TFCCの症状については炎症的変化としており、傷病名としてもTFCC損傷が記載されていないことや、原告の訴える症状は単なる捻挫でも説明可能な範囲であることからすれば、原告のTFCCが本件事故により損傷したとは認めるに足りないとTFCC損傷を否認し、本件事故により、原告には後遺障害等級14級相当の他覚的所見のない頚部痛の後遺障害が残ったと14級頚部痛を認定しました。
 自賠責保険がどのように認定されたのかは裁判文からは不明です。但し、被告の主張として、原告の後遺障害は14級9号に該当する頚部受傷後の頸部痛のみと主張されていることから、頚部痛みの14級9号は認めているようです。
 後遺障害の逸失利益についても、労働能力喪失期間は5年、また、慰謝料も、110万円となっており、14級9号の相場どおりです。
 TFCC損傷については、裁判文をみる限り、MRI画像以外の積極的な立証はされていないようです。
 まあ、こんなもんでしょうという裁判例だと思います。

2019年11月20日 (水)

【TFCC損傷】 自転車同士の正面衝突で37歳男子主張の12級左TFCC損傷を否認、後遺障害の残存も否認した事案 

 自保ジャーナルNo2050号で紹介された東京地裁令和元年5月27日判決です。

 

Kimg0807
 37歳男子会社員の原告が自転車通行可の歩道を自転車に搭乗して走行中、対向被告自転車に正面衝突され、左手関節三角繊維軟骨複合体損傷(左TFCC損傷)等の傷害を負い、12級13号の左手関節機能障害を残したと主張する事案です。
 
 原告の左TFCC損傷に関しては、MRI画像はD整形外科初診日と同日の平成28年1月9日に撮影されたものがあるだけであり、その所見についても部分断裂が示唆される、軽度の骨挫傷が疑われるというのにすぎないものであったのだから、同所見をもって、その後の治療等の経緯にかかわらず、その損傷につき後遺障害が残存するほどに重篤なものであったとは直ちにはいえないとし、
 
 実際の治療等の経緯にみても、D整形外科で原告が訴えていたのは尺屈時の痛みのみであったが、その痛みも徐々に緩解し、治療が中止された平成27年8月3日には自制内のものであったとされ、医師がその後に作成した後遺障害診断書にも「使いすぎ時に違和感の出現の可能性あり」と記載するにとどめているのであるから、原告に後遺障害と評価できるような左手関節の痛み等の神経症状が残存したと認めることはできないと左TFCC損傷を否認し、後遺障害の残存も否認しました。
 
 Eクリニックで左手関節MRIを受けたところ、TFCC尺側にスリット状の脂肪抑圧T2強調画像高信号域がみられ部分断裂が示唆され、左手TFCC損傷と診断されたようです。
 
 示唆される程度のMRI画像だけでは決め手になりませんね。

2019年11月 9日 (土)

【TFCC損傷】 三角線維軟骨複合体損傷および手関節靱帯損傷の評価に関する賠償科学的考察

 「賠償科学」No47号で掲載された「三角線維軟骨複合体損傷および手関節靱帯損傷の評価に関する賠償科学的考察」です。

  

Kimg1439_20191026214301
(市川・自研センター)
 三角繊維軟骨複合体(TFCC)損傷は、田舎弁護士でも、最近、取り扱うことが増えている交通事故外傷の1つです。
 自保ジャーナルや交通事故民事裁判例集でも興味深くTFCCの裁判例を見ています。
 賠償科学の論文は、JA共済の方の執筆によるものです。
 抄録には次のように書かれています。
 「手関節MRIに関する論文及びTFCC損傷の有無もしくは因果関係を争った判例を収集し、賠償上の問題点を整理した。TFCC損傷の診断においては、TFCCの解剖学的名称と構造上の解釈、MRI検査の撮像条件と読影に議論が残っており、画像所見のみで診断を行うことは困難で、今なお関節鏡が最も重要である。
 
  外傷性TFCC損傷について適正な損害認定を行うためには、加齢変性に伴うTFCC損傷を理解した上で、「palmerの分類」に準じて画像所見を検討するとともに、受傷機転や症状の経過を確認することが大切である。」と説明されています。
 関節鏡については、田舎弁護士の地域の病院では余りききませんね。XP、せいぜい、MRIというような状況です。
 損害認定上の注意点として、「最近の後遺障害請求事案、特に弁護士が介入する異議申立事案において、主治医でない放射線診断専門医や手外科専門医の意見書が添付され、画像上の異常所見が認められることを根拠に、後遺障害残存の正当性を主張する事案が散見される。」と書かれています。
 田舎弁護士も、そうです!
 論者は、続けて、「自覚症状がないにも関わらず、TFCCの異常が画像上認められる比率は少なくない。TFCC損傷は、出血を伴わず、膨張や発赤などの急性炎症所見を認めることもほとんどないために、急性発症のものか慢性的な経年性変化によるものかという判断は、臨床症状からでは困難である。」と書かれています。
 なにか、無症状のヘルニアに通じる議論ですね。。。

2019年11月 6日 (水)

【TFCC損傷】 TFCC損傷で14級9号が認定された事例(自賠責非該当)

 交通事故民事裁判例集第51巻5号で紹介された名古屋地裁平成30年9月5日判決です。

 TFCC損傷で自賠責非該当ながら、右手関節のTFCC(三角繊維軟骨複合体)を原因とする右手関節の疼痛について、14級9号が認められた事案です。

 

Kimg1533
(東京都現代美術館)
 要旨は以下のとおりです。
 右手関節のTFCC損傷及び後遺障害(自賠責保険では非該当)の有無につき、
 事故の態様とTFCC損傷発生との間に整合性があること、
 
 右手関節の痛み等の訴えがTFCC損傷の臨床症状に合致すること、
 事故から1年余り経過した時点で行われた造影検査でTFCC損傷の存在が認められたことなどを総合考慮して、
 事故によってTFCC損傷が生じたことを認め、右手関節の疼痛について14級9号の後遺障害を認定しました。

 

2019年9月 3日 (火)

【TFCC】 「むち打ち・TFCC損傷賠償金増額の最新テクニック」を発売します!

 むち打ちと、今後大注目のTFCC損傷の後遺障害獲得ノウハウが詰まった、「むち打ち・TFCC損傷賠償増額の最新テクニック」を発売します!

 Kimg1835_20190903182801 Kimg1835_20190903182801

 

 宜しくお願い申し上げます

 

 

 

2019年4月20日 (土)

【TFCC損傷】自賠責非該当 → 14級9号認定

 自保ジャーナルNo2035号で紹介された名古屋地裁平成30年9月5日判決です。

 自賠責非該当事案でしたが、裁判の結果、14級9号が認定されています(請求は、12級13号)。

 自賠責非該当事案であることから、判決文が詳細です。参考になります。

「TFCCは、三角繊維軟骨とその周囲の組織からなるものであり、外傷性TFCC損傷は、手関節に強い背屈力や捻れの力が加わること等によって生じる。

 TFCC損傷の臨床症状としては、手関節尺側の運動時痛、前腕の回内外運動制限、遠位橈尺関節の不安定性があり、ドアの開閉のように物を握りしめながらの回内外動作で疼痛等が生じる。

 単純X線写真ではTFCCそのものは描出されないため、TFCC損傷を診断するためには、徒手検査(前腕回外位で尺屈する等のストレステストで疼痛を訴えることが多い、遠位橈尺関節の不安定性があるときはピアノキーサインが陽性となる)のほか、MRI検査関節造影検査が有用とされている。

 もっとも、MRIによる診断は機械の性能や撮像法に左右され判別が難しいこともある。

 TFCCは遠位橈尺関節と橈骨手根関節の隔壁であり、正常では両者間の交通は見られないが、TFCC損傷の場合、関節造影検査により、造影剤の橈骨手根関節から遠位橈尺関節への漏出やTFCC内への侵入がみられる。」

 判決文をみると、原告の右手関節の痛みは、事故の2日後から現在まで一貫として痛みを訴えていること、ドアノブやペットボトルを回す際に痛みを感じたと訴えているがこれはTFCC損傷の臨床症状に一致すること、徒手検査の結果が整合していること、本件事故の態様がTFCC損傷の発生との間にも整合性があること、関節造影検査において造影剤の流入が認められたことを理由に、TFCC損傷が認められると判断しております。

 MRI画像については、医師により判断が分かれているところ、MRIによる検査は判別が難しいことから、MRIの画像のみではTFCC損傷を認めることは困難としております。

 これって、12級13号では難しかったんですかね。。。

 判決は、「その等級については、原告の症状経過、徒手検査の結果等に照らして、14級9号の限度で該当すると認める」とされています。

 なんで、12級ではないのでしょうか。。。。

 MRI画像でははっきりしない、関節造影検査は事故から1年余り経過した時点でされた検査であること、初診時に右手関節の痛みを訴えていないこと、別件事故で右手関節等の痛みを訴えていたこと等が不利に働いたのですかね。判決文から明らかでないので分析が難しいです。

 いえることは、自賠責保険で非該当の場合には、具体的な主張立証がなければ、後遺障害が認定されにくいということです。  

2019年4月19日 (金)

【TFCC損傷】 後遺障害等級12級  大阪地裁平成30年9月28日判決

 自保ジャーナルNo2035号で紹介された大阪地裁平成30年9月28日判決です。

 46歳男子会社員の左手TFCC損傷を12級と認め、10年間14%、5年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めました。

 TFCC損傷で、12級13号です。

 自賠責保険でも12級13号が認定されていることから、相手方の反論も具体的なものはありません。

 なお、なぜか、原告は後遺障害慰謝料を280万円としております。290万円にしなかった理由はわかりません。判決は280万円となっております。

 やはり、自賠責保険で認定されているのは、強いなあと思いました。

2019年2月22日 (金)

【TFCC損傷】 TFCC損傷から併合9級主張の43歳男子は確定診断ができる検査は実施されていない等から、TFCC損傷を否認し自賠責同様14級左手関節神経症状を認定した事例 

 自保ジャーナルNo2030号で紹介された大阪地裁平成30年6月22日付判決です。

 Kimg6314
 左手TFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷等から併合9級後遺障害を残したと主張する43歳男子会社員の原告につき、

 右手関節については、本件事故直後の診察において、両手打撲挫傷とは別にあえて右手関節打撲挫傷を診断されているのに、左手関節については、本件事故から10日間が経過するまで、特段カルテ等に症状の記載がない。

 この点、もしも、原告が主張し、供述するように、利き腕であった左手首を動かしたり力を加えたりするだけで痛みがあり、利き腕を右手に変更しなければならないほどの症状があり、これが本件事故による左TFCC損傷を原因とするものであったのだとすれば、本件事故直後からかかる痛み等の症状を発生していたはずであるから、当初原告を診察した2名の医師が整形外科医ではなく外科医であったのだとしても、原告が訴える左手関節の症状につき、適切な診察を行い、その内容をカルテや診断書に記載するのが通常であると考えられるとし、

 本件MRI検査において、原告の左TFCC部に輝度変化が認められるが、輝度変化の程度は小さく、症状は軽度であること、

 また、B医師によれば、MRIの輝度変化だけでは外傷性TFCC損傷の確定診断ができる関節鏡検査等の検査は実施されていないこと等を考慮すると、本件MRI検査の結果をもって、原告に外傷性左TFCC損傷が生じたものとまでは認めがたいとして、TFCC損傷を否認し、

 本件事故と相当因果関係のある原告の後遺障害は、本件事故の態様、左手関節の痛み等の症状の内容・程度、治療経過等に鑑み、自賠責保険で認定された左手関節の神経症状による14級9号にとどまると、自賠責同様14級9号を認定しました。

 Kimg6355

2021年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

最近の記事