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書籍紹介(交通事故)

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【TFCC損傷】

2019年11月20日 (水)

【TFCC損傷】 自転車同士の正面衝突で37歳男子主張の12級左TFCC損傷を否認、後遺障害の残存も否認した事案 

 自保ジャーナルNo2050号で紹介された東京地裁令和元年5月27日判決です。

 

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 37歳男子会社員の原告が自転車通行可の歩道を自転車に搭乗して走行中、対向被告自転車に正面衝突され、左手関節三角繊維軟骨複合体損傷(左TFCC損傷)等の傷害を負い、12級13号の左手関節機能障害を残したと主張する事案です。
 
 原告の左TFCC損傷に関しては、MRI画像はD整形外科初診日と同日の平成28年1月9日に撮影されたものがあるだけであり、その所見についても部分断裂が示唆される、軽度の骨挫傷が疑われるというのにすぎないものであったのだから、同所見をもって、その後の治療等の経緯にかかわらず、その損傷につき後遺障害が残存するほどに重篤なものであったとは直ちにはいえないとし、
 
 実際の治療等の経緯にみても、D整形外科で原告が訴えていたのは尺屈時の痛みのみであったが、その痛みも徐々に緩解し、治療が中止された平成27年8月3日には自制内のものであったとされ、医師がその後に作成した後遺障害診断書にも「使いすぎ時に違和感の出現の可能性あり」と記載するにとどめているのであるから、原告に後遺障害と評価できるような左手関節の痛み等の神経症状が残存したと認めることはできないと左TFCC損傷を否認し、後遺障害の残存も否認しました。
 
 Eクリニックで左手関節MRIを受けたところ、TFCC尺側にスリット状の脂肪抑圧T2強調画像高信号域がみられ部分断裂が示唆され、左手TFCC損傷と診断されたようです。
 
 示唆される程度のMRI画像だけでは決め手になりませんね。

2019年11月 9日 (土)

【TFCC損傷】 三角線維軟骨複合体損傷および手関節靱帯損傷の評価に関する賠償科学的考察

 「賠償科学」No47号で掲載された「三角線維軟骨複合体損傷および手関節靱帯損傷の評価に関する賠償科学的考察」です。

  

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(市川・自研センター)
 三角繊維軟骨複合体(TFCC)損傷は、田舎弁護士でも、最近、取り扱うことが増えている交通事故外傷の1つです。
 自保ジャーナルや交通事故民事裁判例集でも興味深くTFCCの裁判例を見ています。
 賠償科学の論文は、JA共済の方の執筆によるものです。
 抄録には次のように書かれています。
 「手関節MRIに関する論文及びTFCC損傷の有無もしくは因果関係を争った判例を収集し、賠償上の問題点を整理した。TFCC損傷の診断においては、TFCCの解剖学的名称と構造上の解釈、MRI検査の撮像条件と読影に議論が残っており、画像所見のみで診断を行うことは困難で、今なお関節鏡が最も重要である。
 
  外傷性TFCC損傷について適正な損害認定を行うためには、加齢変性に伴うTFCC損傷を理解した上で、「palmerの分類」に準じて画像所見を検討するとともに、受傷機転や症状の経過を確認することが大切である。」と説明されています。
 関節鏡については、田舎弁護士の地域の病院では余りききませんね。XP、せいぜい、MRIというような状況です。
 損害認定上の注意点として、「最近の後遺障害請求事案、特に弁護士が介入する異議申立事案において、主治医でない放射線診断専門医や手外科専門医の意見書が添付され、画像上の異常所見が認められることを根拠に、後遺障害残存の正当性を主張する事案が散見される。」と書かれています。
 田舎弁護士も、そうです!
 論者は、続けて、「自覚症状がないにも関わらず、TFCCの異常が画像上認められる比率は少なくない。TFCC損傷は、出血を伴わず、膨張や発赤などの急性炎症所見を認めることもほとんどないために、急性発症のものか慢性的な経年性変化によるものかという判断は、臨床症状からでは困難である。」と書かれています。
 なにか、無症状のヘルニアに通じる議論ですね。。。

2019年11月 6日 (水)

【TFCC損傷】 TFCC損傷で14級9号が認定された事例(自賠責非該当)

 交通事故民事裁判例集第51巻5号で紹介された名古屋地裁平成30年9月5日判決です。

 TFCC損傷で自賠責非該当ながら、右手関節のTFCC(三角繊維軟骨複合体)を原因とする右手関節の疼痛について、14級9号が認められた事案です。

 

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(東京都現代美術館)
 要旨は以下のとおりです。
 右手関節のTFCC損傷及び後遺障害(自賠責保険では非該当)の有無につき、
 事故の態様とTFCC損傷発生との間に整合性があること、
 
 右手関節の痛み等の訴えがTFCC損傷の臨床症状に合致すること、
 事故から1年余り経過した時点で行われた造影検査でTFCC損傷の存在が認められたことなどを総合考慮して、
 事故によってTFCC損傷が生じたことを認め、右手関節の疼痛について14級9号の後遺障害を認定しました。

 

2019年9月 3日 (火)

【TFCC】 「むち打ち・TFCC損傷賠償金増額の最新テクニック」を発売します!

 むち打ちと、今後大注目のTFCC損傷の後遺障害獲得ノウハウが詰まった、「むち打ち・TFCC損傷賠償増額の最新テクニック」を発売します!

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 宜しくお願い申し上げます

 

 

 

2019年4月20日 (土)

【TFCC損傷】自賠責非該当 → 14級9号認定

 自保ジャーナルNo2035号で紹介された名古屋地裁平成30年9月5日判決です。

 自賠責非該当事案でしたが、裁判の結果、14級9号が認定されています(請求は、12級13号)。

 自賠責非該当事案であることから、判決文が詳細です。参考になります。

「TFCCは、三角繊維軟骨とその周囲の組織からなるものであり、外傷性TFCC損傷は、手関節に強い背屈力や捻れの力が加わること等によって生じる。

 TFCC損傷の臨床症状としては、手関節尺側の運動時痛、前腕の回内外運動制限、遠位橈尺関節の不安定性があり、ドアの開閉のように物を握りしめながらの回内外動作で疼痛等が生じる。

 単純X線写真ではTFCCそのものは描出されないため、TFCC損傷を診断するためには、徒手検査(前腕回外位で尺屈する等のストレステストで疼痛を訴えることが多い、遠位橈尺関節の不安定性があるときはピアノキーサインが陽性となる)のほか、MRI検査関節造影検査が有用とされている。

 もっとも、MRIによる診断は機械の性能や撮像法に左右され判別が難しいこともある。

 TFCCは遠位橈尺関節と橈骨手根関節の隔壁であり、正常では両者間の交通は見られないが、TFCC損傷の場合、関節造影検査により、造影剤の橈骨手根関節から遠位橈尺関節への漏出やTFCC内への侵入がみられる。」

 判決文をみると、原告の右手関節の痛みは、事故の2日後から現在まで一貫として痛みを訴えていること、ドアノブやペットボトルを回す際に痛みを感じたと訴えているがこれはTFCC損傷の臨床症状に一致すること、徒手検査の結果が整合していること、本件事故の態様がTFCC損傷の発生との間にも整合性があること、関節造影検査において造影剤の流入が認められたことを理由に、TFCC損傷が認められると判断しております。

 MRI画像については、医師により判断が分かれているところ、MRIによる検査は判別が難しいことから、MRIの画像のみではTFCC損傷を認めることは困難としております。

 これって、12級13号では難しかったんですかね。。。

 判決は、「その等級については、原告の症状経過、徒手検査の結果等に照らして、14級9号の限度で該当すると認める」とされています。

 なんで、12級ではないのでしょうか。。。。

 MRI画像でははっきりしない、関節造影検査は事故から1年余り経過した時点でされた検査であること、初診時に右手関節の痛みを訴えていないこと、別件事故で右手関節等の痛みを訴えていたこと等が不利に働いたのですかね。判決文から明らかでないので分析が難しいです。

 いえることは、自賠責保険で非該当の場合には、具体的な主張立証がなければ、後遺障害が認定されにくいということです。  

2019年4月19日 (金)

【TFCC損傷】 後遺障害等級12級  大阪地裁平成30年9月28日判決

 自保ジャーナルNo2035号で紹介された大阪地裁平成30年9月28日判決です。

 46歳男子会社員の左手TFCC損傷を12級と認め、10年間14%、5年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めました。

 TFCC損傷で、12級13号です。

 自賠責保険でも12級13号が認定されていることから、相手方の反論も具体的なものはありません。

 なお、なぜか、原告は後遺障害慰謝料を280万円としております。290万円にしなかった理由はわかりません。判決は280万円となっております。

 やはり、自賠責保険で認定されているのは、強いなあと思いました。

2019年2月22日 (金)

【TFCC損傷】 TFCC損傷から併合9級主張の43歳男子は確定診断ができる検査は実施されていない等から、TFCC損傷を否認し自賠責同様14級左手関節神経症状を認定した事例 

 自保ジャーナルNo2030号で紹介された大阪地裁平成30年6月22日付判決です。

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 左手TFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷等から併合9級後遺障害を残したと主張する43歳男子会社員の原告につき、

 右手関節については、本件事故直後の診察において、両手打撲挫傷とは別にあえて右手関節打撲挫傷を診断されているのに、左手関節については、本件事故から10日間が経過するまで、特段カルテ等に症状の記載がない。

 この点、もしも、原告が主張し、供述するように、利き腕であった左手首を動かしたり力を加えたりするだけで痛みがあり、利き腕を右手に変更しなければならないほどの症状があり、これが本件事故による左TFCC損傷を原因とするものであったのだとすれば、本件事故直後からかかる痛み等の症状を発生していたはずであるから、当初原告を診察した2名の医師が整形外科医ではなく外科医であったのだとしても、原告が訴える左手関節の症状につき、適切な診察を行い、その内容をカルテや診断書に記載するのが通常であると考えられるとし、

 本件MRI検査において、原告の左TFCC部に輝度変化が認められるが、輝度変化の程度は小さく、症状は軽度であること、

 また、B医師によれば、MRIの輝度変化だけでは外傷性TFCC損傷の確定診断ができる関節鏡検査等の検査は実施されていないこと等を考慮すると、本件MRI検査の結果をもって、原告に外傷性左TFCC損傷が生じたものとまでは認めがたいとして、TFCC損傷を否認し、

 本件事故と相当因果関係のある原告の後遺障害は、本件事故の態様、左手関節の痛み等の症状の内容・程度、治療経過等に鑑み、自賠責保険で認定された左手関節の神経症状による14級9号にとどまると、自賠責同様14級9号を認定しました。

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2017年7月20日 (木)

【TFCC損傷】 33歳男子の自賠責12級認定TFCC損傷は本件事故以外の機会に生じたと因果関係が否認された事例 大阪地裁平成28年12月8日判決

 自保ジャーナルNo1993号で紹介された大阪地裁平成28年12月8日判決です。

 自転車で交差点を横断中、左折してきた被告タクシーに衝突され、右三角繊維軟骨複合体(TFCC)損傷から自賠責12級13号認定の後遺障害を残す33歳男子インストラクター等の原告につき、

 原告は、本件事故の19日前の平成26年6月2日、1ケ月前に自転車でアクロバットの練習をしていた際に右手首をひねってから右手首に痛みがあるとしてE病院を受診し、右手関節の尺側の痛みと回外時痛が認められ、医師は三角繊維軟骨複合損傷と診断しているとし、

 医師がやや長めの21日分の痛み止めを処方していることからすると、原告は医師にある程度強い痛みを訴えていたことが推認される上、

 自転車のアクロバットの練習をして右手首をひねった場合、右手関節に強い力がかかるなどしてTFCC損傷は、本件事故以外の機会に生じたものである可能性が否定できない等から、

 本件事故と原告の右TFCC損傷(あるいは、三角繊維軟骨靭帯損傷)との間に相当因果関係を認めることはできないと、TFCC損傷を否認しました。

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2017年6月12日 (月)

【TFCC損傷】 12級TFCC損傷を否認して14級認定の後遺障害逸失利益を40歳という年齢を考慮して、8年間5%の労働能力喪失で認めた事例 神戸地裁平成28年11月28日判決

 自保ジャーナルNo1991号で紹介された神戸地裁平成28年11月28日判決です。

 14級の局部の神経症状が自賠責で認定されている方のようですが、右手関節捻挫等の受傷からTFCC損傷等を負い、12級13号後遺障害を残したとして、請求された事案です。

 なんと、原告の右手関節の症状について、後遺障害等級12級12号(13号)が相当である旨のE医師の意見書及びG医師の意見書を取り付けられているという事案です。

 C病院、D病院及びG大学病院における手関節MRI検査及び遠位堯尺関節造影検査上、TFCC損傷(断裂)は認められず、TFC周辺の輝度変化は認められるものの、TFCの損傷も疑いに止まっており、むしろ右手関節の痛みの原因として水腫や炎症等が指摘されていることに照らすと、

 TFCC損傷や手根管症候群までは認められないから、右手関節の症状は、他覚的所見・画像所見が認められず、局部に神経症状を残すものとして、後遺障害等級14級9号相当を認めるのが相当であるとして、14級9号後遺障害を認定しました。

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               (大和屋・本店)

2017年3月18日 (土)

【TFCC損傷】 右手関節のTFCC損傷と事故との因果関係を認めた裁判例

 自保ジャーナルNo1985号で紹介された大阪地裁平成28年7月15日判決です。

 右手関節のTFCC損傷につき、

 D病院は右手関節のX線検査及びMRI検査結果に異常所見を認めていないが、上記MRI検査を実施したEクリニックはTFCC損傷の疑いがあるとの所見を示していること、

 原告の右手関節痛はTFCC損傷と診断された後のG整形外科における保存的治療を経て改善し、症状固定に至ったこと、

 E医師が右手関節のTFCC損傷と本件事故との因果関係を完全に否定することも困難である旨述べていること

 以上の各事実に照らすと、本件事故による原告の右手関節の受傷はTFCC損傷であったと認められると認定しました。

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