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【非器質的精神障害】

2019年11月 1日 (金)

【非器質性精神障害】 脳挫傷痕から自賠責12級認定も、20歳男子主張の5級高次脳機能障害をびまん性軸索損傷等認められないと9級非器質性精神障害を認定し、逸失利益に3割の素因減額を適用した事例

 自保ジャーナルNo2046号で紹介された福岡地裁平成31年2月1日判決です。 

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(市川・自研センター)
 被告Y運転の乗用車に同乗中、Yの自損事故により、びまん性軸索損傷等の傷害を負い、脳挫傷痕から自賠責12級12号後遺障害認定も、5級2号高次脳機能障害を残したと主張する20歳男子医学部2年生の原告の事案につき、
 びまん性軸索損傷の画像所見は認められず、その他高次脳機能障害を裏付ける画像所見の存在を認めることはできないと否認し、
 画像所見がない場合の高次脳機能障害については、原告は、本件事故に遭遇して意識を消失し、刺激しても覚醒しないJCS100ないしGCS7点の意識障害に陥り、本件事故から約4時間後になって、呼びかけに対して開眼し、問いかけに頷く程度まで意識が回復したものであるが、
 自賠責診断基準においても、永続的な高次脳機能障害が残ることが多いとされるのは、半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態(JCS3桁、GCS8点以下)の意識障害が6時間継続するケースであることから、原告の意識障害の程度は、高次脳機能障害の診断根拠となるほどのものとまではいえないことから意識障害を否認
 
 症状の時間的経過については、自賠責診断基準でも、高次脳機能障害は急性期に重篤な症状を発現しても時間経過とともに軽減傾向を示すことが多く、外傷から数か月以上経て高次脳機能障害を思わせる症状が発現し次第に増悪するなどした場合では外傷とは無関係の疾病が発症した可能性が高いとされている等から、原告の症状の時間的経過は、高次脳機能障害を根拠づけるものとはいえない等として、
 原告の意識障害の程度、症状の時間的経過、神経症状の内容は、高次脳機能障害を肯定する根拠としては、薄弱であるから、びまん性軸索損傷の画像所見がない以上、高次脳機能障害と診断することは困難であると高次脳機能障害を否認した。
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 後遺障害認定につき、
 原告は、本件事故後に残存した後遺障害(頭部外傷後のうつ状態等)のため、大学の留年を繰り返し、臨床研修も終了できずに臨床医として働くことができず、業務の手順を記憶できない、集中力が続かない、相手に自分の思考が伝わっているとの思いにとらられてコミュニケーションを十分にとることができないなどの支障を生じ、
 大学院研修室における研究補助や問診医など医師としては比較的簡単な業務も遂行できず職を転々とし、リハビリ室にきた患者の受付表に印鑑を押すだけという、医師としての専門的知見やコミニケーションが不要な仕事しか就けない状態となっていることが認められるとして、
 原告の後遺障害(頭部外傷後のうつ状態)は神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないものとして、後遺障害等級9級10号に相当するものと認められると、9級10号非器質性精神障害を認定しました。
 
 
 

2019年8月 6日 (火)

【非器質的精神障害】 追突された7歳男児主張の12級PTSDは診断基準満たさず発症を否認し非器質性施新障害の14級後遺障害を認定した(名古屋地裁平成30年11月21日判決)

 自保ジャーナルNo2041号で紹介された名古屋地裁平成30年11月21日判決です。

 

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(西条・裁判所前)
 非器質性精神障害につき、
 被告は、労災障害認定基準を満たさないことを主張し、たしかに、本件所見上は、労災障害認定基準能力に関する判断項目について、何ら能力の低下が認められず、労災障害認定基準を満たしていないが、
 そもそも、労災補償は賃金労働者を対象として能力評価する基準であり、未就労若年者である原告の能力評価としては適切ではなく、労災障害認定基準を満たさないからといって原告の本件症状が後遺障害ではないと直ちに判断することはできない。
 また、車に乗らない際の日常生活において何らの能力の低下等の支障が認められなくとも、日常生活において車の利用を完全に避けることは困難であるから、車に乗ることを困難とさせる本件症状について、後遺障害としての能力の制限が一切ないものと評価することは相当でなく、身辺日常生活に支障を残すものといえると非器質性精神障害を認め、
 本件症状は、車に乗る際に生じる症状であり、車に乗らなければ日常生活や学校生活上特段の問題は生じないこと、もっとも、生活上車の利用が避けられない場面も存在すること、車に乗った場合でも必ず吐き気等が生じるわけではなく、薬による対処もある程度可能であり、当初に比べて症状が改善していること等からすると、日常生活において時々支障が生じる程度の後遺障害と認めるとして、14級非器質性精神障害を認定しました。

2018年9月18日 (火)

【非器質的精神障害】 43歳女子12級主張の外傷後ストレス障害を否認、自賠責同様非器質的精神障害等併合14級認定した事例

 自保ジャーナルNo2021号で紹介された東京地裁平成29年7月18日判決です。

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 外傷後ストレス障害は否認されて、非器質的精神障害として14級が認定されたという事案です。

 なお、自賠責14級9号の頚椎捻挫後の頚・腰部痛、14級9号非器質的精神障害の、併合14級が認定され、裁判所においても同様ですが、後遺障害慰謝料については110万円の相場どおり、逸失利益については、労働能力喪失率は5%と相場どおりですが、喪失期間は10年と相場の5年よりは長く認めてくれています。

2018年2月15日 (木)

【非器質的精神障害】 自賠責等級14級 → 12級 UP した事案

 自保ジャーナルNo2006号で紹介された名古屋地裁平成29年7月7日判決です。

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 40歳代男子会社員の非器質性精神障害を12級認定し、収入状況の推移から、10年間9%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めたという事案です。

 自賠責保険上は、抑うつ気分等の症状が非器質的精神障害に該当するとして、14級9号、頚部、項部痛、背部痛、左優位上肢痺れの症状について、14級9号ということで、併合14級という事案でした。

 裁判の結果、第1審では、非器質的精神障害が、14級から、12級にUPしたわけです。

 以下、判決要旨を引用します。

 労災保険において、非器質性精神障害(抑うつ気分、意欲低下、思考停止)が後遺障害等級の第12級の12(通常の労務に服することはできるが、非器質的精神障害のため、多少の障害は残すもの)に該当するか否かの判断基準は、次のとおりである。

 精神状態として、A抑うつ状態、B不安の状態、C意欲低下の状態、D慢性化した幻覚・妄想性の状態、E記憶又は知的能力の障害、Fその他の障害のいずれか1つ以上に該当する。

 能力に関して、①身辺日常生活、②仕事・生活に積極性・関心を持つこと、③通勤・勤務時間の遵守、④普通に作業を継続すること、⑤他人との意思伝達、⑥対人関係・協調性、⑦身辺の安全保持、危機の回避、⑧困難・失敗への対応のうち、4つ以上について、時に助言・援助が必要であるとし、

 D大学病院の後遺障害診断書、平成26年2月6日付け非器質性精神障害にかかる所見について(医師D作成)、さらには医師D作成の回答書によれば、原告については、上記のA及びBに該当し、②~⑥の5項目について、時々援助・助言が必要と認められるとして、

 労災保険の基準に準じて行われる自賠責保険における後遺障害等級においても、原告については、別表の12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)に該当すると認定しました。

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 非器質性精神障害事案ですが、14級から12級に、UPしたわけです。

 やはり認定UPには主治医の協力が不可欠です。

 

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