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書籍紹介(交通事故)

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【施術費】

2020年1月24日 (金)

【施術費】 信号待ち停車中に追突された原告らの接骨院治療は、医師の指示に基づくものとはいえず、必要かつ有効であったとは認められないとして、事故との因果関係を否認した 令和元年6月6日付神戸地裁判決

 自保ジャーナルNo2053号で紹介された神戸地裁令和元年6月6日判決です。 

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(自研センター)
 女子原告Wが同乗する乗用車を運転して信号待ち停車中のXは、被告乗用車に追突された訴外D乗用車に玉突き追突され、X及びWが頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負ったとする事案の整骨院治療につき、
 XのC接骨院への通院治療については、その治療内容がBクリニックでの治療内容とほぼ同じであること、
 
 XはC接骨院への通院と並行してBクリニックへの通院も継続していたこと、
 C接骨院への通院がB医師の指示に基づいたものではないこと、
 Xは本件事故以前からC接骨院に通院していたことなどを総合考慮すると、XのC接骨院での治療は必ずしもXの受傷に対するものとして必要かつ相当であつたとは認められないから、XのC接骨院への通院治療を、本件事故と相当因果関係のあるものと認めることはできないとして、因果関係を否認しました。
 治療費は、Bクリニックが、47万8955円
  
      C接骨院が、41万1290円
 となっております。
 裁判所は、やはり、接骨院での施術について医師の明確な指示がないことに重きをおいております。そして、BクリニックでのリハビリとC接骨院での施術がほぼ同じ内容であったことについても、必要性や有効性に疑問を投げかけています。
 クリニックでのリハビリと接骨院での施術が同じという要素は、因果関係の認定について消極要素になっております。 

2020年1月23日 (木)

【施術費】 父親経営の整骨院での施術は原告に対する肉親としての情からサービスで行ったにすぎないと必要かつ相当な施術行為とは認められないとして、事故との因果関係を否認した事例 福岡地裁令和元年7月30日判決

 令和元年7月30日付福岡地裁判決です。自保ジャーナルNo2053号で紹介されています。

 

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(自研センター)
 市道を乗用車で走行中、対向のY乗用車に衝突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫、両肩関節捻挫の傷害を負ったとして、父親経営のX整骨院に186日実通院する男子原告の事案です。
 
 裁判所は、施術費を損害として認めるには、被害者は、①施術の必要性、②施術の有効性、③施術内容の合理性、④施術期間の相当性、⑤施術費用の相当性について、個別具体的な主張立証が必要と述べます。
 そして、原告の障害は、X整骨院の診断によっても、頚椎捻挫、腰椎捻挫、両肩関節捻挫等であり、これらの症状について他覚的所見は認められず、両車両の損傷の程度等から推察される本件事故の衝撃の程度に照らしても原告に大きな障害が生じたとは考えられないところ、
 
 原告が医療機関を受診したのは頭部MRI検査や画像検査を行った合計2日間のみである一方で、本件事故日から6ケ月の間、1日を除いて連続して整骨院で施術を受けるというのは、明らかに①施術の必要性及び④施術期間の相当性を欠いているといわざるをえないほか、
 原告は、X接骨院に対して未だに本件請求にかかる治療費合計125万1070円を支払っておらず、Xもこれを原告に請求する予定はないことから、
 Xは、あくまで、原告に対する肉親としての情からいわばサービスのような形で施術行為を行ったにすぎないといえるのであって、X整骨院における施術を必要且つ相当な施術行為と認めることはできないとして、全額を否認しております。
 治療費として、C整骨院 125万1070円
        D病院    3万3340円
        E病院    3万4452円
 整形外科には、2回 しかも、レントゲンとMRIの画像を撮影したのみの通院となっております。
 整骨院での施術について、医師の関与があることをうかがわせるものはありません。
 もしかしたら、自賠責保険においても、施術費の因果関係については否認されているのではないかと想像します(自己負担になっていることから)。

2020年1月20日 (月)

【施術費】 軽微追突された52歳男子の整骨院等での施術の必要性は認めれないとし、事故と因果関係のある治療期間は3ケ月と認定した事例 東京高裁令和元年8月21日判決

 自保ジャーナルNo2053号で紹介された東京高裁令和元年8月21日判決です。

 平成28年5月23日、普通貨物車を運転して信号停止中、Y普通貨物車に追突され、頚椎捻挫等の傷害を負い、220日間通院したとする52歳男子Xの受傷につき、

 Xの主治医であるD医師は、Xについて整骨院等での施術を受けることを妨げることまではせず、診療情報提供書の作成は行っていたものの、整骨院等での施術を必要であると考えていたとは認めることはできないのであり、他に、Xにつき整骨院等での施術が必要であると認めるに足りる証拠はないのであるから、Xの本件事故による受傷について、接骨院や整骨院での施術が傷害の治癒のために必要で、有効であったと認めることができないと否認しています。

 治療費は、  病院が17万9351円(治療費4万9751円、文書料12万9600円)、

        E接骨院が47万7810円(治療費40万7810円、文書料2万円)

        F整骨院が3万0610円(全額治療費)

        G薬局が4万8030円(調剤費3万7530円、文書料1万0500円)

 となっております。

 第1審は、施術費については、大半を認めてくれていましたが、第2審は、全額否認となりました。

 厳しいです。第2審は、「接骨院等の施術費用は、症状固定までに行われた必要かつ相当なものに限って交通事故による損害として認められるものであり、①施術の必要性、②施術の有効性、③施術内容の合理性、④施術期間の相当性、⑤施術費の相当性がその要件とされる」として、「接骨院や整骨院での施術が傷害の治癒のために必要で、有効であったと認めることはできない」と判断しています。とにかく、高裁は、医師が整骨院での施術の必要性や有効性についての具体的な記載がしていなかったことを理由に、全額否認です。 

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(自研センター)
 この第2審判決からすれば、主治医の先生の協力がなければ、整骨院の施術費は全く認められないことになります。

2020年1月19日 (日)

【施術費】 一部否認  東京地裁平成30年12月21日判決

 交通事故民事裁判例集第51巻6号で紹介された東京地裁平成30年12月21日判決です。

 

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(第8位で紹介されました)
 右腕部打撲、右手関節捻挫を受傷した被害者(男・41歳)の整骨院への通院施術費について、
 病院の医師に整骨院での施術内容を説明しており、医師は施術の中止や変更を指示しておらず、施術内容をみても、事故による傷害の内容や症状に照らして適正とはいえない施術が行われたということはできないが、
 病院への通院が合計10日であるのに対して整骨院への通院は100日以上に及んでおり、施術証明書には施術の具体的内容や施術費の算定根拠がないことから、事故と相当因果関係のある施術費は、施術録記載の施術費の約3分の1と認めた事例
 ※病院代 約2万円  整骨院 約45万円 薬代 約1000円
 施術費は高額になりやすく、後日、訴訟に発展した場合には、全部又は一部が否認されることもあるので、注意が必要です。
 田舎弁護士の地域の病院は、整骨院での施術については、禁止するところが少なくなく、好意的なところでもせいぜい黙認ですね。医師の指示が明確なものは田舎弁護士自身は見たことがありません。賠償請求するという見地のみからいえば、やはり、整形外科医のいる整形外科での治療及びリハビリテーションが最も好ましいと言えます(※整骨院での施術を否定しているわけではありません。)。

2020年1月18日 (土)

【施術費】 令和2年以降の書籍の中から、整骨院施術費を重点的に取り上げていきたいと思います。

 最近、「整骨院」の施術費を巡る相談が増えております。田舎弁護士は、むち打ち症を取り扱う件数が多いために、なおさらになっております。

 「整骨院」の施術については、過大請求等の不祥事が一部生じたことから、数年前から、損害保険会社の見る目も厳しくなっており、被害者が通院している整形外科の医師の指示を必要とするものがほとんどです。そして、整形外科の医師は、整骨院施術については、田舎弁護士が経験するところ、ほとんど必要性を認めてくれません。

 しかしながら、急性期であればともかく、3ケ月程経過した後は、整形外科に通院しても、ほとんどリハビリとなります。中には、整骨院の施術と余り変わらないものもあります。当然、リハビリについては、医師の指示のもとで行っており、2~4週間に1回は定期診察を受けている患者さんが多いように思います。それであれば、2~4週間に1回の整形外科の定期診察を条件に、「整骨院」での施術も容認してくれたらいいのにと、田舎弁護士は考えたりしています。

 「整骨院」での施術で「治癒」或いは「完治」した場合には、「整骨院」での施術で問題(過大請求でなければ)が生じることはありません。

 問題は、「整骨院」での施術が中心になってしまった場合、「中止」で症状が残存している場合には、後遺障害の獲得を目指す必要がありますが、この場合には、田舎弁護士の印象として、整形外科と比べて、後遺障害の認定が非常に厳しくなるという状況にあります。

 とはいえ、先ほど述べたような理由により、リハビリが中心になった場合には、それを整骨院が代替しても、その内容は大きくは変わらない事例もあるのではないかと思います。

 令和2年の書籍から、暫くの間、「整骨院」の施術を取り上げていきたいと思っております。

① 東京高裁令和元年8月21日判決 自保ジャーナルNo2053 P89~

  軽微追突された52歳男子の整骨院等での施術の必要性は認められないとし、事故との因果関係のある治療期間は3ケ月と認定した。  1月20日ブログ  

② 福岡地裁令和元年7月30日判決 自保ジャーナルNo2053 P105~

  父親経営の整骨院での施術は原告に対する肉親としての情からのサービスで行ったにすぎないと必要かつ相当な施術行為とは認められないとして事故との因果関係を否認した。1月23日ブログ

③ 神戸地裁令和元年6月6日判決 自保ジャーナルNo2053 P116

  信号価値停車中に追突された原告らの整骨院治療は医師の指示に基づくものとはいえず、必要かつ相当であったとは認められないと事故との因果関係を否認した。 1月24日ブログ

【施術費】 整骨院の施術費を全て認めた裁判例 東京地裁平成30年11月30日判決

 交通事故民事裁判例集第51巻第6号で紹介された東京地裁平成30年11月30日判決です。

 

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(第8位で紹介されています)
 加害C車(大型貨物自動車)に追突された被害B車(普通乗用自動車)を運転していた被害者乙(男・会社代表者)が、
 事故による頸部受傷及び腰背部受傷について主治医の同意によらずに受けた整骨院での施術について、
 施術箇所は整形外科で症状が認められた部位と矛盾しないこと、
 
 被害者が多忙で勤務先近くでの整骨院で施術を受けることが便宜であること、
 施術回数内容が過剰であるとは認められないことから、
 事故後1年間の施術について、必要性・相当性を認めた事例
 ※整形外科 約73万円 整骨院 約54万円 薬代約12万円の事案

2019年9月 5日 (木)

【施術費】 鍼灸整骨院への通院は、病院の通院とは異なり、注意が必要です!

 交通事故民事裁判例集第51巻第4号で紹介された名古屋地裁平成30年8月31日判決です。

 

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(赤穂城)
 他覚所見のない頚椎捻挫等で、後遺障害も認められない追突事故の被害者(女・38歳)の約7ケ月半の鍼灸整骨院への通院(通院実日数165日)につき、施術の必要性・有効性・合理性を認めた上で、通院頻度と施術費用総額は、同期間の病院通院頻度と比べても高すぎ、病院医師からは認められてはいたが勧められていたわけではなく、鍼灸整骨院への通院んの必要性は高くなかったとして、施術費の5割に相当する金額に限り、事故との相当因果関係を有する損害と認めました。
 病院代は、薬代を入れて、約25万円程度でしたが、整骨院は100万円近いです。整骨院は、その半分は、被害者の自己負担となったわけです。

2019年7月11日 (木)

【施術費】 30歳男子の整骨院施術費は、症状緩和が認められず必要性に疑問は残るが、施術箇所は医療機関の診断名と対応しているとして、4分の1を認めました 大阪地判平成30年12月18日

 自保ジャーナルNo2040号で紹介された大阪地判平成30年12月18日です。

 30歳男子原告が歩道を自転車に搭乗し、信号のない交差点に進入したところ、右方一時停止路から進入してきた被告運転の乗用車に衝突され、右膝半月板損傷等を負い、自賠責12級13号右膝痛を残した事案につき、「施術録によれば、原告が、施術箇所について医療機関で傷病があるとの診断を受けたことは認められるが、原告は、E店での施術の効果について、日常生活活動動作での指導を受けたことはあるとは供述するものの、その施術によって、症状が緩和したことを明確に認められる証拠はなく、有効性という意味での施術の必要性には、やや疑問が残る」が、「E店での施術を受けている間、原告は、B病院やCクリニックへ通院し、医療機関を受診していたところ、施術録から認められる施術箇所は、医療機関による診断名と対応している。そして、施術期間もそれほど長くないこと、その他、施術頻度、施術費用等をも考慮すると、施術の相当性は、一定限度、認められる。」として、「必要性及び相当性が認められる施術費用は、全体額である24万3180円のうち、4分の1である6万0795円であるとするのが相当である」と4分の1の整骨院施術費を認定しました。

 

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 自賠責12級13号認定の方ですが、整骨院の施術費は、4分の1のみの認定となっております。
 最近の事例等では、整骨院が、医療機関が認定している傷病名とは異なる部位に、施術することもあるようです。このケースでは、施術箇所が医療機関の診断名と対応していたので、まだよかったですが、中には、整骨院の先生がよかれと思って施術を行い、加害者側損害保険会社ともトラブルになるようなこともあるようです。
 怪我をしたら、やはり、整形外科の医師にきちんと診てもらうがスタートです。そして、継続的に整形外科のいる病院で治療を受けて下さい。病院以外は治療行為はできません。後で弁護士になんとかしてもらおうと思っても、既成事実となってしまうと、リカバリーできません。後遺障害診断書を作成してくれる医師がいないようなことは絶対に避けましょう。 

2019年7月10日 (水)

【施術費】 17歳男子の整骨院施術費は、医師の指示等なく施術の効果も判断できない等から必要かつ相当とは認めがたいと事故との因果関係を否認した 大阪地判平成30年12月11日

 自保ジャーナル2040号で紹介された裁判例です。

 17歳男子原告が自動二輪車を運転して十字路交差点手前で転回した際、右方道路から左折進行してきた対向被告乗用車に衝突され、外傷性頚部症候群、腰椎・右足関節捻挫を負い、整骨院等に通院した事案につき、「原告は、本件事故により頚部、腰部及び右足を負傷したことが認められるが、本件事故当日には痛み等はなく、本件事故後の3日後である平成28年4月25日に通院したBクリニックでは、レントゲン検査でいずれの部位にも異常が認められず、医師による特段の検査所見もなく、何らの治療も湿布等の投薬すら行われなかったことからすると、原告が本件事故により負った傷害の程度は軽微と考えられる」とし、「原告は、同日以降、病院等に通院することなく日常生活を送り、C整骨院に通院を開始したのは、本件事故から約1ケ月が経過した同年5月18日であるが、同日までの間に原告が通院をしなかった合理的理由は見当たらない。その後、原告は、C整骨院に高頻度で通院しているが、その間、同年10月14日にBクリニックにて初診時との症状の比較を求めた以外は、医師の診察を全く受けていないため、C整骨院における施術は医師の指示等によるものではないし、その施術の効果についても客観的に判断することができない」として、「C整骨院における施術が本件事故により原告が負った症状に対する治療として必要かつ相当であるとは認め難く、本件事故との相当因果関係を有するとは認められない」と整骨院施術を否認した。

 

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 整骨院での施術は、加害者側損害保険会社と争いになった場合には、施術費用の否認されることもあります。また、後遺障害診断書は、整骨院の先生では作成できないので、後遺障害を考えている方は、必ず、整形外科に通院しなければなりません。
 病院と異なり、整骨院は通院しやすいので、どうしても、整骨院の施術が中心になりがちです。。。
 治療中止になった場合には、リカバリーできない場合もあるので、交通事故に不幸にもあって怪我された場合には、一度、弁護士に相談されることをお勧めいたします。

2019年5月25日 (土)

【施術費】 整骨院施術費用を全部否認

 自保ジャーナルNo2038号で紹介された横浜地裁川崎支部平成30年11月29日判決です。

 14級9号の腰部捻挫の後遺障害が得らえた方ですが、残念ながら、治療費と薬局代はほぼ全額は認められましたが、整骨院施術費用は全額否認されました。治療費施術費薬代は、約125万円ですが、治療費等は36万円程度はほぼ全て認められ、残りの整骨院施術費は全て否認という恐ろしい結果となっております。

 整骨院における施術費は、医師の明確な指示に基づくものでない限り、全部又は一部を否認されるという可能性を秘めているものです。

 整骨院における施術費については、とりわけ、訴訟の場合には、とんでもないことになるリスクもありますので、注意が必要です。

 必ず、医師の指示によるものであるかどうか、施術の効果がでているのかどうかなどを確認しておくべきです。

 

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