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書籍紹介(交通事故)

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【頸髄損傷】

2017年12月31日 (日)

【頸髄損傷】  68歳男子の8級主張の中心性頸髄損傷は画像上の所見があることをもって頸椎への衝撃の強さを図ることは困難として、自賠責同様14級認定した事案 京都地裁平成29年4月26日判決

 自保ジャーナルNo2004で紹介された京都地裁平成29年4月26日判決です。

 病院敷地内で乗用車を運転、駐車場入庫待ち中、ブレーキ操作ミスの被告乗用車に衝突され、中心性頸髄損傷等から8級2号脊柱運動障害を残したと主張する68歳男子原告の事案につき、

 「頸髄中心性損傷は、頸椎の過屈曲、過伸展した際や、高所からの転落や転倒をして頸髄が激しく揺すられる状態、いわゆる頸髄振盪で起こる、

 病態としては、脊髄の断面で中心部近くに出血を起こしていたり、浮腫を起こしていたりして神経症状を呈する、

 症状の多くは四肢の自発痛や比較的強いしびれ感であるとされているところ、

 原告については、頸髄MRI画像上、C5/6レベルでの頸髄中心性損傷と考えられる高信号領域があることが認められるが、

 本件事故直後に受診したB病院では、首と腰の痛みを訴えるのみで、歩行もスムーズであったこと、

 その後の受診時においても、右頸部痛や右太腿から下腿外側部痛を訴えるようになったが、手指神経脱落症状等はなく、特段神経学的異常所見が見られないまま、B病院においては、頸椎捻挫と診断されていたことが認められるとし、

 原告には、頸髄中心性損傷に基づく症状は発症していないと認められる。

 そのため、MRI画像上、頸髄中心性損傷と考えられる高信号領域があるとしても、原告には同損傷に基づく症状が発症していないのであるから、単に画像上の所見があることをもって、頸椎への衝撃の強さを図ることは困難であると、頸髄中心性損傷を否認し、自賠責同様14級9号後遺障害を認定した。

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2017年4月23日 (日)

【頸髄損傷】 MRI画像等からも脊髄損傷を示す異常所見は認められないと30歳男子の左半身麻痺受傷を否認した事例 横浜地裁平成28年9月26日判決

 自保ジャーナルNo1987号で紹介された横浜地裁平成28年9月26日判決です。

 30歳男子原告は、乗用車を運転、停止中に被告普通貨物車に追突され、先行車に玉突き追突し、頸髄不全損傷等から、2級1号左半身麻痺(自賠責非該当)を残したとする事案につき、

 F医師は、平成22年8月4日の頸椎MRI画像について、C2レベルで髄内信号異常がある旨診断するが、D病院や自賠責保険の後遺障害等級認定手続において、MRIの画像については異常所見が認められておらず、その他の画像所見でも脊髄損傷を示す所見は認められないことからすれば、F医師の上記診断は採用できない他、

 針筋電図は、被験者が随意に力を入れない場合ににも同様に干渉波は出ないものであり、被験者の真摯な協力がなければ、正確な結果が出ない検査である。

 そして、原告において、平成22年11月26日の針筋電図では正常な結果が出ており、さらに誘発筋電図の結果は2回とも正常であったことからすれば、同年8月16日の針筋電図が、正確な結果を示しているものであるか、疑いが残る等から、

 原告が受けた本件事故の衝撃の程度は決して軽微なものではないこと、

 入通院において左半身のしびれを訴え、症状固定とされた後の平成23年8月以降も通院を続けたこと、

 B国に帰国する際のビジネスクラスの特別対応席を確保し、付添人の渡航費用を負担するなど、高額の渡航費用を負担したこと、原告の両親がB国の自宅の改装をしたことを考慮しても、原告及び原告の母親の供述は信用することができず、原告が「頸髄不全損傷」、「左片麻痺」であるなどとする医師の診断や意見等は採用できないとして、原告には、頸髄不全損傷、左半身麻痺が生じているとは認められないと判断しました。

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2017年4月21日 (金)

【頸髄損傷】 1級四肢麻痺を残す47歳男子の将来介護費を職業付添い人と近親者合せて日額1万8000円で認定した 大阪地裁平成28年8月29日判決

 自保ジャーナルNo1987号で紹介された大阪地裁平成28年8月29日付判決です。

 自動二輪車で走行中、対向Y右折普通貨物車を避けて転倒、受傷し、頸髄損傷等から自賠責1級1号四肢麻痺等を残す47歳男子原告の事案につき、

 原告は、常時介護を要するところ、D病院を退院した後、妻と自宅で生活しており、原告の介護は、妻もその一部を担ってはいるものの、大半が介護サービス等を利用することにより職業付添い人によって行われているとし、

 原告と同居し、基本的に24時間原告の体調を観察する立場になる妻の介護能力の有無について、妻は、本件事故前後にわたり、精神科を受診して治療を継続しており、本件事故後、その病状が比較的悪化していた時期があり、また、原告の入院中にその予後や危険性に関する認識が不十分であり、C病院からの転院が検討されたJ病院では妻の介護能力が問題とされたことや、実際に、妻が自宅で担っている介護の内容からすれば、妻の介護能力は高いとはいえない。

 しかし、少なくとも、妻の精神状態が在宅介護開始後に改善し、安定していることに加えて、各種介護サービスの利用や原告のレスパイト入院によって、その精神的・身体的な負担も軽減されていること、

 妻自身が行える介護の範囲も在宅介護開始直後よりも増えていることなどに照らすと、妻はある程度の介護能力を有していると認められる等

 職業付添い人による介護と妻による介護が併せて行われることによる在宅介護は、原告にとって必要性及び相当性があると認められるとして、

 原告が、常時介護を要し、ほぼすべての日常生活動作について介護を要する状態であることを前提として、職業付添い人による介護と親族による介護を並行する在宅介護についての必要性及び相当性については前項のとおりであるものの、原告の現在の介護サービスの利用状況は相当程度充実したものであること、前記のとおり妻が行える介護の範囲が時間の経過とともに広くなっていると認められること、介護サービスの利用料は現在においても業者にとっても異なり得るものである上、将来、介護の環境や整備の充実により、その利用料が変化する可能性があることなどを総合すると、

 現在の介護サービスの利用状況を考慮しても、原告の介護費は職業付添い人によるものと妻によるものを含め、日額1万8000円を認めるのが相当であると日額1万8000円で将来介護費用を認定しました。

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2017年3月19日 (日)

【頸髄損傷】 43歳男子の中心性頸髄損傷は、異常所見認められず、14級認定した 大阪地裁平成28年7月28日判決

 自保ジャーナルNo1985号で紹介された大阪地裁平成28年7月28日判決です。

 症状固定時43歳男子会社員の原告は、乗用車を運転中、対向車を避けるために左側に寄ったところ脱輪し、河川敷に滑落して中心性脊髄損傷を負い、9級10号後遺障害を残したとする人身傷害保険金の請求につき、

 原告の場合、C6/7の狭小化は加齢に伴う変性所見の可能性が高いと考えられるのであって、原告には中心性頸髄損傷の発症因子となるような脊柱管狭窄が存していたとは認められない

 頸部の画像上、外傷性の異常所見はうかがわれず、中心性頸髄損傷を客観的に裏付ける脊髄の明らかな輝度変化や、中心性頸髄損傷特有の症状と整合する脊髄への圧迫所見も認められないことは、損保保険料率算出機構が判断したとおりである

 B病院で行われた各種神経学的検査は上記認定のとおりであって、脊髄損傷を裏付ける所見に乏しい

 原告の症状の推移をみると、受傷直後から時間が経過するにつれて症状が改善しているとは評価しがたく、外傷性による脊髄損傷であることと整合性を有しない推移をたどっている

 原告が主張するような態様で本件事故が発症したとの点については相当疑問があるところであって、少なくとも本件事故の際に、頸髄損傷が生じるほどの過大な外力が原告の頸椎に作用したとは考えられないとして、

 原告に遷延性排尿等をはじめ、中心性頸髄損傷の場合に一般的に生じるとされる症状がみられる点を考慮に入れても、原告が本件事故によって中心性頸髄損傷を受傷したとは認められないと中心性頸髄損傷を否認し、

 異議申し立て後の損害保険料率算出機構の判断のとおり、両上肢のしびれ感や疼痛につき、局部に神経症状を残すものとして第14級9号に該当する後遺障害が残存したものと判断するのが相当であるとして、14級9号後遺障害を認定しました。

 逸失利益は、喪失率5%、労働能力喪失期間は5年と、むち打ち症状並みです。

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2017年1月14日 (土)

【頸髄損傷】 地裁では約3500万円(元本)程度認められたものの、高裁で0円になったトホホ事案

 自保ジャーナルNo1981号で紹介された高松高裁平成28年7月21日判決です。

 被害者事案ですが、事件のスジとしては、被害者の勤務の実態が把握しずらく当事務所ではお引き受けが難しそうなケースです。

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 頸髄損傷、頭部打撲から左上下肢知覚運動障害等の5級後遺障害を残したとする55歳男子Xの事案(但し、裁判の途中にXは死亡し相続人が相続放棄したことから相続財産管理人が選任されています。)につき、

 Xは、C病院でのリハビリを通じて上肢の回復が見られたのに対し、左下肢が改善せず、C医師は、画像所見と臨床症状との不一致から診断に悩みながらも、左下肢の麻痺を重視して脊髄損傷との診断をしたものであるが、

 実際は、XがC病院を退院した平成23年3月22日の左下肢の徒手筋力検査の結果は2/5であり、重力に抗することはできないもののそれなりの筋力を保持していたと認められ、左下肢の徒手筋力検査の結果には疑問があり、左下肢に痙性麻痺の症状が見られないことからも、Xの症状が脊髄損傷を原因とするのか疑問があり、同25年1月、9月又は10月におけるXの行動を撮影した映像及びこれを見たC医師がXの左下肢麻痺を疑うことがなかったために脊髄損傷と診断したものであって、現時点では診断は間違っていたと認めていることも合わせ考慮すれば、Xの左下肢に脊髄損傷による麻痺が残存していたとは認めがたく、

 同23年12月5日のB整形外科のB医師による症状固定の診断時においても左下肢に不全麻痺が残存していたといえるのか、実際は軽度の神経症状が生じていたにすぎず、それまでのリハビリによって軽快していたのではないかの疑問が残り、この疑問を解消するために実施する予定であったP大学病院での運動誘発電位(MEP)検査が実施されないままにXが亡くなったことから、上記の疑問が解消されなかった以上、Xに左下肢不全麻痺等の後遺障害が残存したと認めるには足りないとして、後遺障害の残存を否認しました。

 自賠責上は、14級9号が認定されていたようです。

2016年12月 2日 (金)

【頸髄損傷】 四肢不全麻痺等1級主張68歳男子の中心性頸髄損傷を否認、右手指機能の症状は詐病が強く疑われると事故による受傷を否認し請求棄却した事例 福岡地裁平成28年1月28日判決

 自保ジャーナルNo1978号で紹介された福岡地裁平成28年1月28日判決です。

 高速道路上でB運転の普通乗用車に同乗中、被告貨物車に追突され、中心性頸髄損傷の傷害を負い、自賠責14級認定も、四肢不全麻痺、神経因性膀胱障害等の1級後遺障害を残したと主張する68歳男子原告の事案につき、

 原告には、平成22年4月19日(本件事故後約3週間)実施の頸椎MRI検査、平成24年7月30日(本件事故後約2年4ケ月後)実施の頸椎MRI検査のいずれにおいても、異常所見(髄内輝度変化)が認められていないのであり、これらの検査結果は、原告の頸髄組織に壊死等が生じていないこと、さらには原告の症状が中心性頸髄損傷に起因するものではないことを示すものといえること、

 原告車両と被告車両の衝突ないし接触の程度は非常に軽微であって原告車両が前方に押し出されるほどの外力が加わったとは認めがたく、したがって、Bブレーキをかけて原告が前方助手席に額をうちつける事態が生じたとも直ちには考え難いなどから、

 本件事故によって、原告につき、中心性頸髄損傷の発症原因となるべき頸部の過伸展が生じたと認めるに足りる証拠はないと、中心性頸髄損傷の発症を否認しました。

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2016年11月 2日 (水)

【頸髄損傷】 頸髄損傷等から1級1号主張の21歳女子は、頸髄損傷等を裏付ける所見はなく、14級9号認定された事案 大阪地裁平成28年3月9日判決

 自保ジャーナルNo1976号で紹介された大阪地裁平成28年3月9日判決です。

 事故自体は愛媛県で発生した事案のようです。

 被告会社従業員の21歳女子原告が、被告会社の送迎バスに乗車中、バス車内を移動していた従業員Yがよろけ、倒れ掛けられて頸髄不全損傷の傷害を負い、四肢麻痺等の1級1号後遺障害を残したとする事案です。

 原告のMRI検査の画像上、頸髄の萎縮が認められるとするC医師の見解にはたやすく左袒することができない。

 なお、原告は、本件事故当時の頸椎CTにおいて環椎が軸椎に対してわずかに右方向に転位している異常所見の存在を指摘する。しかし、原告指摘の所見から直ちに頸髄損傷が基礎づけられるものではなく、E医師によれば、上記所見が本件事故に起因するものか、それ以前から存在するものなのかは断定できないとされているから、原告の指摘は上記判断を左右するものとはいえないとし、

 神経学的所見では、本件事故当日の原告は,深部腱反射が左右ともにやや亢進し、トレムナー反射が片側陽性であったものの、ホフマン反射は左右とも陰性で、本件事故当初から一貫して両上下肢の深部腱反射の著名な亢進や両上肢の病的反射が認められていたわけではなく、むしろ本件事故から相当期間経過してからそれらの神経学的異常所見が現れているとして、原告の神経学的所見や各種症状は、本件事故当初から一貫して認められていたわけではなく、本件事故後の入院過程で変化していったものが多数であって、原告指摘の所見等から頸髄損傷が裏付けられているとはいいがたいとして、頸髄損傷を否認しました。

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