<(_ _)>

  • 弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータル

書籍紹介(交通事故)

無料ブログはココログ

【頸髄損傷】

2021年2月19日 (金)

【頚髄損傷】 乗用車で交差点走行中に赤信号で進入してきた被告乗用車に衝突されて71歳女子主張の5級2号中心性脊髄損傷を否認し右上肢しびれの14級9号後遺障害を認定した事例

 自保ジャーナルNo2079号で紹介された名古屋地裁令和2年8月19日判決です。 

Kimg8689
(今治・千疋峠)
 青信号交差点を乗用車で走行中、赤信号で進入してきた被告乗用車に出合い頭衝突され、中心性脊髄損傷等の傷害を負い、自賠責非該当も、5級2号後遺障害を残したと主張する71歳女子原告の事案につき、
 ①本件事故当日に撮影された頭部CT、頚椎単純X線、頚椎CT、頚椎MRI検査において、明らかな外傷性の異常所見は認められず、他方、原告には、頚椎症、脊柱管狭窄症の既存障害があること、
 ②中心性頚髄損傷は、脊髄中心部にダメージが加わることによって頚椎部への錐体路が障害されて生じるものであり、運動麻痺は両側性であり、下肢に比較して上肢に著名となる病態であるところ、原告の症状は右上下肢に強く現れていること、
 ③原告の深部腱反射に一貫性が認められないこと
 に照らし、原告に中心性脊髄(頚髄)損傷が生じたとは認めるに足りないと中心性脊髄損傷を否定しました。
 件数は多くはありませんが、頚髄損傷ということで、四肢麻痺の主張をされる方がご相談にお見えになることもあります。自賠責非該当であり、ご本人は当然のことですが、納得されません。ただ、かなり明確な他覚的な所見が必要なところであり、14級であればともかく、ご相談者が望むような高度の後遺障害を獲得するのは至難の業です。
 本件も、14級の局部の神経症状は認定されています。
 
 

2020年9月20日 (日)

【頸髄損傷】一時停止中に追突された35歳X主張の9級10号脊髄損傷及び低髄液圧症候群の発症を否認し、自賠責同様頸部痛等の併合14級後遺障害を認定し心因的要素から3割の素因減額を適用した。 

 自保ジャーナルNo2069号で紹介された福岡地裁平成30年3月22日判決、福岡高裁平成30年11月20日判決、最高裁令和元年7月5日決定です。 

Kimg4900
(しまなみ海道・くるしま海峡)
 脊髄損傷については、Xの症状は、頸部の軟部組織の損傷を伴う外傷性頸部症候群だる可能性や、心因的な要因が自律神経障害の発症に寄与している可能性もあることからすると、直ちに、これらが、Xが脊髄損傷を負ったことを裏付けるものとはいえないとし、
 Xが訴えていた麻痺の症状は、平成19年3月末から4月にかけては軽快していた一方、同月中旬頃からはしびれの症状が増強し、また、同年6月に入ってからは、それまで左半身に見られたのと同程度の麻痺症状が右半身にもみられるようになったと述べており、経過した後に再度増強するという経過を辿っているなどから、Xの麻痺の症状の推移も、Xが脊髄損傷を負ったことを裏付けるものとはいえない他、Xが入通院していた各医療機関で撮影されたCT画像、MRI画像及びレントゲン画像等については、いずれについえも、異常は確認されていない。また、若年性の脊髄損傷の場合には、脊椎の脱臼や骨折を伴う場合が多いが、Xには、脊椎に脱臼や骨折の所見はないとして、Xの神経学的所見、症状の推移及びCT画像等から得られる他覚的所見を踏まえると、Xの症状は脊髄損傷の症状と整合せず、また、脊髄損傷を負ったことを裏付ける他覚的所見もないから、本件事故によってXが脊髄損傷を負ったと認めることはできないと判断されました。
 

2020年9月19日 (土)

【頸髄損傷】 68歳男子主張の中心性脊髄損傷は、画像・神経学的所見認められず、事故後3か月以降に症状悪化からも否認し、後遺障害の残存も否認されたという事案

 自保ジャーナルNo2068号で紹介された京都地裁令和2年2月5日判決です。 

Kimg4955
(しまなみ海道・名駒峠)
 平成28年3月13日、68歳男子原告が訴外Bが運転する乗用車に同乗して停止中、被告乗用車に追突され、中心性脊髄損傷、頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負い、自賠責非該当も、14級9号右手指神経障害を残したと主張する事案につき、
 本件事故後に撮影された原告のレントゲン画像では、骨傷等の外傷性の異常所見は認められておらず、本件事故後に撮影された原告の頚椎MRI画像においても、外傷性の損傷の存在を示唆する髄内の輝度変化等の所見は認められていない。
 他方で、原告には、同MRI画像において、本件事故とは無関係なものとして、変形性頸椎症、脊髄圧迫寸前といあれる高度のC5/6の脊柱管狭窄症等が認められている。これらによれば、原告には、頸髄損傷を裏付ける明らかな外傷性の画像所見があるとは認められないとし、
 神経学的所見としては、本件診断書において、3月14日の結果といてMMT(徒手筋力テスト)二頭筋3、三頭筋4、手首屈曲3、手首伸展3、手指屈曲4、手指伸展4、病的反射であるホフマン反射は認められないとされているが、同日の所見は本件事故から9日後の急性期のものであって、これをもって原告に、同日岸のMMTに示されるような後遺障害が残存したとはいえない。
 また、本件診断書上の症状固定日とされる10月11日の所見として、握力が右10㎏、示指、小指は十分な筋力があるが、中指・環指はMMT3程度であり、巧緻作業は困難と記載されているが、その他の神経学的所見や他覚的所見は記載されておらず、これらの握力やMMTの結果をもって、ただちに原告が中心性脊髄損傷と診断されるものとは認めることはできないと判断されています。

2020年1月21日 (火)

【頸髄損傷】頸髄損傷等から自賠責1級1号を残す8歳男子の将来介護費は、月額1万7426円で認め、移動支援及び居宅支援費については、月額2284円で認定した事例 大阪地裁令和元年7月3日判決

 自保ジャーナルNO2053号で紹介された大阪地裁令和元年7月3日判決です。 

Kimg2407_20200112223201
 頸髄損傷及び腸管損傷等の傷害を負い、排尿・排便困難、歩行不能等から自賠責1級1号認定の後遺障害を残す8歳男子Xの将来介護費が問題となった事案です。
 
 小さな子供が母親の車に同乗されていたようですが、とても気の毒な事案です。
 将来介護費用としては、将来の訪問看護費として約404万円、将来の移動支援及び居宅支援費として約84万円、将来の介護雑費として127万円が認められています。
 いわゆる大きな金額になりがちの、親族介護とか職業介護人の介護費用の請求はされていません。

2019年8月24日 (土)

【頸髄損傷】 頸髄損傷等から自賠責3級3号四肢麻痺等神経機能障害等併合2級自賠責認定の、34歳の男子の後遺障害を、手足の軽度麻痺と認め7級4号等併合6級認定した事案

 自保ジャーナル2043号で紹介された大阪地裁平成30年12月21日判決です。

 自賠責保険では、3級3号四肢などの神経機能障害、12級6号の左肩関節機能障害の併合2級後遺障害認定を受けた事案が、裁判した結果、脊髄症状については7級4号、左肩の関節可動域制限は12級7号として、併合6級後遺障害に、評価落ちしてしまったトホホ事例です。

 

Kimg1795
(赤穂城)
 裁判所の認定をみてみます。
 
 原告には、右足に軽度の麻痺があり、右手に軽度な麻痺があり、その他、左足や左手を含む頚部以下の部位に軽微な麻痺があると認められるが、
 原告の麻痺の程度は、右手及び右足の軽度の麻痺を中心とするものであり、7段階の区分に完全に合致するものがあるわけではない。
 もっとも、原告の麻痺の程度は、軽度の単麻痺のある場合の第9級よりは重く、軽度の対麻痺のある場合の第5級よりは軽いと考えられ、
 そして、脊髄症状のため、軽易な労務以外には服することができないものであり、1下肢の中程度の単麻痺がこれに該当するとされる、第7級、すなわち、7級4号の神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないものに該当すると認めるほか、損保料率機構の認定によれば、原告の左肩の関節可動域の制限は、12級7号に該当すると認められるとして、併合6級後遺障害となりました。
 トホホです。

2018年12月 4日 (火)

【頸髄損傷】 追突され自賠責14級9号認定の49歳男子の中心性脊髄損傷を認め、9級10号後遺障害を認定しました 名古屋地裁平成30年4月18日判決

 自保ジャーナルNo2026号で紹介された名古屋地裁平成30年4月18日判決です。

 Kimg5864

 自賠責は、頚椎捻挫等で14級9号後遺障害認定でしたが、中心性脊髄損傷により7級4号後遺障害を残したとして主張された事案です。

 原告は、C整形外科を受診した平成25年3月30日には、右手指の巧微性にかかる症状を訴えていたものと、そして、10秒テストの結果では右に異常のあったことを認めることができる

 そして、原告の右手指の症状は、それ以降も続いており、平成28年3月頃に右母指用の装具が、同年6月頃に右中指用の装具が作成され、その使用は現在まで続いている

 原告の頚椎(C6-7)のMRI画像には輝度変化が認められることは欠く意見書ともこれを認めるところである

 ここで認められる脊髄空洞症の原因についてであるが、D医師が指摘するように、外傷性ではない脊髄空洞症の場合は、基礎疾患に伴う合併症として発症することが多いところ、原告にはそのような基礎疾患は認められず、また、突発性の脊髄空洞症は極めてまれな症例とされている

 そのうえ、E医師・G医師の意見書において、原告の脊髄空洞症が突発性のものであるとする重要な根拠の1つは、原告の右手指の症状や四肢のしびれに関する症状が本件事故からある程度期間をおいて発現した点にあるが、この前提を採用できない・・・・原告の脊髄空洞症はD医師が意見を述べる様に外傷性のものと認めるとして、原告は、本件事故により中心性脊髄損傷、頚部捻挫、胸椎捻挫、右前腕挫傷等の傷害を負ったと認定されました。

 Kimg5841

2018年11月 7日 (水)

【頸髄損傷】 事故から10日後の神経学的検査異常ない48歳主婦の不全頸髄損傷を否認し、自賠責同様14級頸部痛を認定した 京都地裁平成30年3月29日判決

 自保ジャーナルNo2024号で紹介されていた京都地裁平成30年3月29日判決です。

 48歳主婦原告運転の原付自転車が、路外駐車場から進入してきた被告乗用車に衝突され、不全頚髄損傷等から2級後遺障害を残したと主張する事案につき、

 「外傷によって頸髄損傷ないし頚椎の神経圧迫が生じた場合、

 ①受傷後、直ちに頚髄損傷ないし神経圧迫に由来する症状が生じ、外傷直後が最も重篤な症状を呈するのが通常であるが、本件の場合、受傷の2週間以内には、左肘痛、左肩痛、身体のだる痛さ、頸部痛、背部倦怠感、頭痛、頚部から左肩にかけてのだるさ、腰痛の訴えがあったものの、歩行に支障がなく、上肢のしびれもなく、上肢の筋力低下もなく、上肢の関節可動域の制限もなく、神経学的所見にも異常がみられなかった。鞄が持てない、シャンプーができない、握力が0キログラムといった上肢の重篤な症状が現れたのは、本件事故から2ケ月が経過した平成24年6月以降であり、交通事故による頸髄損傷ないし神経圧迫由来とするには余りにも間隔が空いていること

 また、②外力によって頸髄損傷ないし神経圧迫が起きた場合、頸髄損傷ないし神経圧迫を裏付ける神経学的所見が見られるのが通常であるが、本件事故の10日後に実施された神経学的検査(深部腱反射、ワルテンベルグ、ホフマン、スパーリング、ジャクソン各検査)はいずれも正常であり、握力低下も顕著ではなかった。

 さらに、③MRI画像上、原告には、頚椎第5/第6に骨棘を伴う著しい脊柱管狭窄症があり、これは経年性の変性であるところ、このような頚椎の変性があれば、その自然的悪化によっても、原告に生じた重篤な上肢の症状が生じ得る。

 以上の①乃至③からすれば、本件事故により原告に頸髄損傷ないし神経圧迫が生じたといえず、平成24年6月以降に生じたカバンが持てない、シャンプーができない等の重篤な上肢の障害は、頚椎の著しい脊柱管狭窄症による可能性が高く、本件事故によるものと認めることはできない。

 Kimg5294

2018年10月 3日 (水)

【頸髄損傷】 40歳男子主張の1級脊髄損傷は、他覚的所見等なく否認し、同主張の非器質的精神障害を14級認定しました。東京地裁平成30年3月15日判決

 自保ジャーナルNo2022号で紹介された東京地裁平成30年3月15日判決です。

 Kimg5124
 40歳男子自営業者の原告は、原付自転車でT字路交差点を直進中、左方道路から右折進行してきた被告自動二輪車に出合い頭衝突され、脊髄損傷等を負い、両下肢麻痺、膀胱直腸障害から、1級1号または1級6号後遺障害等を残したと主張する事案です。

 原告について、本件事故後に実施された頚椎、胸椎及び腰椎のX-P画像上、外傷性の異常所見は何ら認められず、頚椎、胸椎及び腰椎のMRI画像上も、第7/8胸椎間にヘルニアが認められたのみであり、髄内輝度変化等の明らかな脊髄変性所見は認められていない。

 なお、椎間板ヘルニアは一般に経年性変化であることが多く、原告の代7/8胸椎間のヘルニアについても本件事故により生じたものであることが明らかとはいえないが、いずれにせよ、上記ヘルニアによる脊髄の圧迫は顕著なものではないし、上記ヘルニアの部位と本件事故後の原告の知覚消失部位は相関していないから、上記ヘルニアは本件事故による胸髄損傷の発生を示す画像所見とはいえない。

 以上によれば、原告が本件事故により脊髄損傷(胸髄損傷又は中心性頸髄損傷)を負ったと認めることはできない。

 なかなか難しいものです。

 主治医は、胸髄損傷、頸髄中心性損傷とする後遺障害診断書を作成されたようですが、

 自賠責等級認定手続、異議申立手続、裁判所、いずれの手続きにおいても、否定されています。

 主治医がその傷病名を診断書に記載したからといって、裁判所が認めてくれる保証はないのですが、一般の方にこの説明をしてもなかなか理解していただけませんね。

2018年9月 4日 (火)

【頸髄損傷】 51歳男子主張の頸髄損傷は異常所見等認められず、加齢性変性による頸髄圧迫によって生じているとも証明できるから否認された事例 東京地裁平成29年7月19日判決 

 自保ジャーナルNo2020号で紹介された東京地裁平成29年7月19日判決です。

 Kimg4719
 乗用車を運転して走行中、右方の路外施設駐車場から右折進入してきた被告貨物車に衝突され、頸髄損傷等の傷害を負い、右上肢のしびれ等から自賠責14級9号認定も、12級13号後遺障害を残したとする51歳男子原告について、

 本件事故によって原告の頚部に衝撃が加わったものの、その程度は軽度であったと認められること、

 原告には頸髄損傷を裏付ける明らかな外傷性の異常所見はないといえること、

 原告には頸髄損傷の裏付けとなる有意的な神経学的な異常所見があるとは認められないこと、

 原告の本件事故後から生じた右上下肢の痺れ等の症状は、原告の加齢性の変性によって頸髄が圧迫されていることによって生じているとも説明できることに照らせば、

 原告が本件事故によって頸髄損傷(中心性頸髄損傷を含む)を負ったと認められないと頸髄損傷を否認しました。

 Kimg4967

2018年6月20日 (水)

【頸髄損傷】 52歳男子7級主張の中心性頸髄損傷は、特徴的な症状と合致しないと否認し、自賠責同様14級9号を認定した事案 大阪地裁平成29年10月18日判決

 自保ジャーナルNo2015号で紹介された大阪地裁平成29年10月18日判決です。

 Kimg3470

 原告普通貨物車が停止中、被告普通貨物車に追突され、中心性頸髄損傷等から7級4号後遺障害(自賠責14級9号)を主張する52歳男子原告の事案につき、

 本件事故直後の原告の主な症状は、左足関節及び左足の底背屈の制限や、左大腿部後面の痛み、左足の知覚鈍麻であり、上肢については、本件事故翌日の平成23年7月12日頃から同月19日頃まで、左手指等の上肢のしびれを訴えているにすぎず、B病院退院後、平成24年5月25日に右手のしびれや脱力を訴えるまでの間、B病院やE診療所に退院した際に、上肢のしびれや麻痺等の訴えやこれに対する治療があったとは認められない

 中心性頸髄損傷では、上肢の麻痺が下肢と比較して重度であるところ、原告は、本件事故直後、下肢に運動制限や知覚鈍麻の症状が現れているのに対して、上肢は左手指のしびれがあったにすぎないから、原告の同症状は、中心性脊髄損傷の特徴的な症状と合致しないとして、原告主張の中心性頸髄損傷を否認しました。

 Kimg3470_2
 田舎弁護士の事務所でも、時折、頸髄損傷という傷病名の方が相談にこられることがあります。ただ、中には確定的な所見がなく、期待する程の後遺障害認定が取れていないケースもあります。車椅子で事務所にこられて、非該当や14級程度しか認定されていないものもありますが、弁護士は医者でないので主治医の積極的な協力が得られない案件は非常に厳しいです(°°;)



より以前の記事一覧

2021年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

最近の記事