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書籍紹介(交通事故)

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【共同不法行為】

2017年9月 6日 (水)

【共同不法行為】 乗用車を運転停止中、追突(第1事故)された3ケ月後の追突(第2事故)も軽微で、46歳男子の自賠責14級認定の後遺障害をいずれも否認し、既払金で填補ずみと認定しました 名古屋地裁平成29年1月25日判決

 自保ジャーナルNo1996号で紹介された名古屋地裁平成29年1月25日判決です。

 判決文をみる限り、「虚偽の通院交通費明細書を作成・提出」等と記載されていることから、何かしら、被害者に問題がありそうな事案っぽいです。

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 判決要旨を紹介します。

 46歳男子外交員の原告は、乗用車を運転・停止中にY乗用車に追突された第1事故の約3ケ月後、妻と子が同乗する乗用車を運転・停止中、W乗用車に追突された第2事故により、14級9号頚部痛、14級9号腰痛から自賠責併合14級後遺障害認定を受ける事案につき、

 第1事故に関し、

 第1事故によって生じた原告の傷害は、非常に軽微なもので、軽い頚部挫傷程度であること、第1事故と相当因果関係のある治療期間は10日間であることが認められる。

 そして、自賠責保険においては、第1事故と第2事故による共同不法行為が成立することが前提として認定されたが、その理由の要旨は、提出の画像上、本件事故による骨折等の器質的損傷は認められず、その他診断書等からも症状の存在を裏付ける他覚的所見は認めがたいから、他覚的に神経症状の障害が証明されると捉えることは困難であるが、受傷当初から症状の訴えの一貫性が認められ、その他受傷形態や治療状況も勘案すれば、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられるというものであるところ、共同不法行為の成立は認められないし、症状の訴えに関する原告の主張及び供述は全体的に信用ができないから、症状の訴えの一貫性を認めることはできず、受傷形態も非常に軽微というべきであり、治療状況も、信用できない原告の主訴に基づくものであるから、自賠責保険の認定は、その前提部分に誤りがあるとし、

 原告が第1事故により後遺障害を発症したことを認めるに足りる証拠はないとして、第1事故での後遺障害発症を否認しました。

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 約3ケ月後の第2事故の後遺障害につき、

 第2事故によって生じた原告の傷害は、非常に軽微なもので、軽い頚部挫傷程度であること、第2事故と相当因果関係のある治療期間は14日間であることが認められ、自賠責保険においては、第1事故と第2事故による共同不法行為が成立することを前提として、頸部捻挫に伴う頚部等の痛み及び腰部挫傷に伴う腰痛について、併合14級に該当すると認定されたが、その前提部分に誤りがあるとし、

 原告が第2事故により後遺障害を発症したことを認めるに足りる証拠はないとして第2事故での後遺障害の発症を否認しました。

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 Y、Wらの共同不法行為責任につき、第1事故と第2事故は、日時場所を全く異にする別個の事故であって、それぞれの衝撃の程度は非常に軽微で、原告の傷害の程度も軽微であったことが認められるから、両事故との間に客観的関連共同性を認めることはできないと否認しました。

 


2017年4月 9日 (日)

【共同不法行為】 第1事故と第2事故 さいたま地裁平成28年4月20日判決

 交通事故民事裁判例集第49巻第2号(ぎょうせい)で紹介されたさいたま地裁平成28年4月20日判決です。

 第1事故(信号待ち停車中の被害者運転四輪車への後続四輪車の追突事故)と、その約2ケ月後に発生した第2事故(信号機のない交差点での被害者運転の直進自転車と左折四輪車との衝突事故)につき、

 別個の事故ではあるが、

① 両事故間に約2ケ月しかなく、第2事故が第1事故による傷害の症状固定前に発生していること、

② 両事故により被害者が負った傷害(頸椎捻挫)及び後遺障害(頸部痛及び右手しびれ)に共通項があること、

③ 両事故の寄与度が不明であることから、

 民法719条1項後段の趣旨に照らし、両事故の加害者が連帯責任を負うのが相当とした事例

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2017年2月 1日 (水)

【共同不法行為】 Y事故と1週間後のW事故との共同不法行為責任を認め、寄与度Y1割、W9割と認定した事例 さいたま地裁越谷支部平成28年5月26日判決

 自保ジャーナルNo1982号で紹介されたさいたま地裁越谷支部平成28年5月26日判決です。

 36歳男子水道設備業の原告は、普通貨物車を運転停止中、Y運転の乗用車に玉突き追突され(第1事故)、その1週間後、トンネル内を走行中に車線変更してきたW運転の乗用車に衝突され(第2事故)、トンネル外壁にも衝突したという事案です。

 裁判所は、以下のとおり判断しております。

 まず、第2事故は、「第1事故による頸椎捻挫の傷害が症状固定する前であり、後遺障害の有無も未定であったところ、原告は、第1事故からわずか1週間後に発生した第2事故によって、同一部位を受傷したのであって、後遺障害の発生という結果について、本件各事故のいずれに起因するものかは明らかでない。よって、本件各事故は、民法719条1項後段の共同不法行為にあたるといえる。」

 「もっとも、第1事故は、Y車両により時速30㎞で追突された原告車両の後続車が、玉突きで原告車両に追突したものであって、その衝撃は比較的軽かったといえること、

 原告は、頸椎捻挫で全治2週間との診断を受けていたこと、

 一方で、

 第2事故は、原告車両が少なくとも時速60㎞程度でW車両から衝突された上、同速度程度でトンネル外壁に衝突したものであり、原告は大きな衝撃を2度受けていること、

 原告は、第2事故により、第1事故では受傷しなかった腰背部挫傷を負い腰痛が残存したことからすれば、

 損害の発生に寄与した割合は、第2事故の方が圧倒的に高いといえ、このような場合まで、第1事故の加害者であるYらに、全損害についての連帯責任を負わせることは、損害の公平な分担という不法行為の理念に反するというべきである。」

 「そうすると、本件においては、Y、Wらは、それぞれ寄与度に応じた分割責任を負うべき」とし、

 「第1事故の寄与度は1割、第2事故の寄与度は9割とするのが相当である」

 被害者は、YやWに対して、元本としては、約3650万円程の損害を請求しておりましたが、裁判所は、Yに対しては、約1120万円程度、Wに対しては約124万円程度として、寄与度に応じた分割責任としております。

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              (沖縄・ 勝連城)

2016年9月 5日 (月)

【共同不法行為】 交通事故の後に、医療事故で被害者が死亡した場合

 交通事故民事裁判例集第48巻第4号で紹介された横浜地裁平成27年7月15日判決です。

 約1030万円の請求をしていたところ、裁判所は約8万円の賠償義務を認めたにすぎません。

 判決の要旨を紹介いたします

① 事故により既往症(腰部脊椎管狭窄症による腰痛)が悪化したため、実施された手術における医療事故で医師による重過失により被害者が死亡したことにつき、

 事故と医療事故とが競合して死亡という不可分一体の結果を招来した関係になく、担当医師の治療行為に係る過失の性質・内容からも事故と死亡との間に相当因果関係は認め得ず、両者間に客観的関連共同性を認めがたいとして共同不法行為の成立を否定し、加害者は事故により生じた傷害の範囲に限り責任を負うとした事例

② 症状固定前に後発事故により被害者が死亡した場合、先行事故による傷害の治療中はそれによる後遺障害の有無、程度は不明であり、死亡時を症状固定時とみなすことも著しい擬制を前提とするもので相当でないとして、同人が先行事故に関して請求できる損害は、死亡時までの治療費、通院交通費、入通院慰謝料、休業損害等についてであり、症状固定を前提とする損害(逸失利益及び後遺障害慰謝料)は請求できないとした事例

 症状固定前に後発事故により被害者が死亡した場合、損害額の計算をどう考えるのか難しいところですね。

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