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書籍紹介(交通事故)

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【保険金】

2017年2月 2日 (木)

【保険金】 3年以上無保険を突如新契約した翌日の漏水事故は契約前に発生していると事故後の保険契約締結として、不当利得返還をみとめた 松山地裁平成28年3月10日判決

 自保ジャーナルNo1982号で紹介された松山地裁平成28年3月10日判決です。

 判決要旨を紹介いたします。

 保険契約締結翌日、被告所有ビルで漏水事故が発生し、被告に保険金を支払った甲損保が不当利得返還請求する事案につき、

 本件漏水事故のような事故は、頻繁に発生するものではない。本件店舗においても、本件漏水事故以外にはこのような事故は発生していない。このようなめったに生じることがない事故が、3年以上の間に付されていなかった損害責任保険を付した翌日に発生するというのは、きわめて稀有な事態であるといえる。

 このことに、本件保険契約締結の理由ないしきっかけに関する被告の供述が不自然であることを併せ考えると、本件保険契約が、本件漏水事故の発生後に、その発生をきっかけに締結されるに至ったものであるとみることも十分に可能であるといえるとし、

 本件漏水事故は、本件保険期間開始時である平成26年3月13日午前11時よりも前・・・同月12日に発生していたものと推認できるとして、

 本件支払いは、本件漏水事故が本件保険契約における保険金支給要件を満たしていなかったにもかかわらず、これを満たしているとの理解を前提に行われたものであり、本件支払いに伴う被告の利得は法律上の原因を欠くものといえるとして、甲存否の請求を認めました。

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               (ハーバリーのレストラン)

2016年11月13日 (日)

【保険金】 他車運転特約による保険金請求が否認されたケース 福島地裁会津若松支部平成28年4月14日判決

 自保ジャーナルNo1977号で紹介された福島地裁会津若松支部平成28年4月14日判決です。

 Zの被用者である原告Xは、Z所有の普通乗用車を運転して作業現場に向かう途中、対向のW普通乗用車と正面衝突して、同乗者Aを死亡させたことから、Xが自動車保険契約を締結する被告甲損保に対し、他者運転特約に基づいて保険金請求を行ったという事案です。

 裁判所は、本件事故は、原告において、その被用者であるZの意向を受けて、Zの被用者である従業員が同乗する車両を運転し、Zの業務のために必要な重機を使用するための鍵を借り受ける道中、又は、原告自身を含む作業員が作業現場に向かう道中で発生したものであり、原告による本件車両の運転はZの業務に必要かつ有益なものであったというべきであるから、

 その運転中に生じた事故については、使用者であるZにおいて本来負担すべきものである。

 そうすると、本件事故については、本件免責条項が適用され、甲損保は、保険金の支払いを免責されると免責条項を適用しました。

 時折ですが、業務中の事故でも、他者運転特約が適用されると考えている方がいますが、怖いです。注意しましょう。

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2016年10月16日 (日)

【保険金】 交通事故による人身傷害保険金及び車両保険金の請求事案において、いわゆる酒気帯び免責が認められ、請求が棄却された事例 大阪地裁平成27年10月23日判決

 判例時報No2303号で紹介された大阪地裁平成27年10月23日判決です。

 本件は、Y1と個人総合自動車保険契約(本件保険契約)を締結していたXが、被保険自動車を運転中に発生した交通事故(本件事故)により負傷し、自動車も損傷したとして、Y1に対して、本件保険契約に基づいて人身傷害保険金及び車両保険金の支払いを求めた事案です。

 Xは、本件事故後に救急搬送先の病院で飲酒検知を受け、呼気1㍑中0,1㎎のアルコールが検出されていたところ、Y1は、本件保険契約の保険約款に規定された免責特約が適用されると主張し、Xの請求を争いました。

 本件免責特約の内容は、被保険者が道路交通法65条1項に定める酒気帯び運転またはこれに相当する状態で、被保険自動車を運転している場合に生じた損害に対しては、保険金を支払わないとする規定であり、本件では、特約の有無に関連して、同特約の解釈が問題となりました。

 裁判所は、本件免責特約にいう道路交通法65条1項に定める酒気帯びとは、社会通念上酒気を帯びているといわれる状態をいい、具体的には通常の状態で身体に保有する程度以上にアルコールを保有していることが、顔色、呼気等により、外観上認知することができるような状態にあることをいうと解しました。

 その上で、本件判決は、本件事故後のXの状況等を認定し、本件免責特約を適用して、XのY1に対する請求を棄却しました。

 免責特約の解釈が問題となった事案です。

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2016年9月30日 (金)

【保険金】 人身傷害補償特約の落とし穴

 判例タイムズNo1427号で紹介された東京高裁平成26年8月6日付判決です。

 交通事故の加害者からの賠償金の支払が人身傷害保険金より先行した場合において、上記賠償金の額が人身傷害基準額を超過しているとして、被害者の人身傷害保険金が請求がされた事例です。

 賠償金の支払いを先行してしまった場合の問題点として、ずいぶん前から議論がされているところですが、平成24年ころに示談されているようなので、弁護過誤になるかどうかはさておき、注意を払っておく必要があったのではないかと思われます。

 人身傷害保険がからんでいる場合には必ず加害者に対して提訴を行うようにしております。

 判決又は裁判上の和解であれば、人傷約款基準が訴訟基準に変更される約款になっていることが多いからです。

 少なくとも、現在では、これを看過して示談を行うと、弁護過誤になりうると思われますので、注意が必要です。

 交通事故事案は、損保会社の事案も受けており、損保会社の約款にも詳しい弁護士に依頼される方がいいと思います。

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2016年8月21日 (日)

【保険金】 末期肺がん状態の被保険者が自宅で入浴中に死亡したことについて、外来の事故であることは認めたが、疾病免責条項に該当するとして保険金請求が否定された事例

 判例時報No2297号で紹介された東京地裁平成27年12月14日判決です。

 本件は、被保険者A(死亡時84歳)が自宅で入浴中に溺死した保険金請求事件において、事故は、「外来の事故によって」発生したものなのか、それとも、肺がんによる衰弱又は意識障害のために溺水し発生したものかが問題となった事案でした。

 裁判所は、外来の事故であることは認めましたが、疾病免責条項に該当するとして、保険金請求を否定しました。

 後者について、判決は、Aは肺がんにより身体が極めて衰弱した状態にあったためずりおちて溺水したか、または、肺がんの影響で意識障害を起こして溺水した蓋然性が高いとして、疾病免責条項を認めてしまいました。

 う~ん。

 肺がんで死亡したわけではないんですがね。。。。

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                 (一乗谷)