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書籍紹介(交通事故)

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【その他】

2019年5月 8日 (水)

【その他】 主婦X主張の左肩関節拘縮は、事故4ケ月後からの出現で本件事故により発症したとは認められないとして否認

 自保ジャーナルNo2036号の福岡高裁平成30年9月28日付判決です。

 

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 平成25年8月19日、主婦Xが片側3車線道路の第2車線で乗用車を運転して停止中、第1車線のY大型貨物車が左折した際に右後部をX車の左ドアミラーに衝突され、頚椎・腰椎・左肩関節捻挫を負い、左肩関節拘縮を発症したとする事案でした。

 裁判所は、本件事故はY車両の右後部がX車両の左ドアに衝突したというもので、X車両の左ドアミラーが破損した程度であること、本件事故時、X車両が揺れることはなかったことからすると、本件事故により、Xの上肢に大きな負担がかかったとは認めがたい

 そして、B病院におけるレントゲン撮影の結果、頚椎に中程度の変性、腰椎に軽度椎間板狭小が認められることを併せて考えると、Y車両が衝突した際、ハンドルを強く握り、身体を緊張させたというXの主張を前提としても、本件事故と因果関係のある治療は、平成25年10月23日まえと認めるとし、

 Xは、左肩関節拘縮も本件事故による傷害であると主張する。

 しかし、左肩関節拘縮は同年12月ころより出現したものであるところ、本件事故態様に加えて、上記のとおり、本件事故によりX車両に揺れは生じていないことからすると、本件事故から約4ケ月経過した後、左肩に症状が現れるとは言い難いし、B病院の医師も本件事故と左肩関節拘縮との関連性を否定している。左肩関節拘縮が本件事故により生じたとは認められないと判断しました。

 

 

2019年5月 7日 (火)

【その他】 刑事関係諸費用って請求できるの?

 自保ジャーナルNo2036で紹介されたさいたま地裁平成30年10月11日判決です。

 刑事事件関係費用について、裁判所は次のとおり述べます。

 「原告らは、本件刑事事件において、原告甲野がF地方検察庁で参考人として事情聴取を受けた際の交通費(往復高速道路利用料)の支払を求めるが、事故の被害者の親族として捜査に協力することは市民の義務といえるから、上記交通費は本件事故と相当因果関係のある損害とは認められない。」と判断しております。

 

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2019年4月 4日 (木)

【その他】 交通事故で「健康保険」使っていいのか問題、正解は?

 弁護士ドットコムのニュースで、交通事故で、健康保険を使っていいかという質問に対する回答がなされていました。

 詳細は解説を読んでいただくとして、健康保険は利用できます。

 しかしながら、田舎弁護士の地域の病院でもいい顔をしないところがあります。

 受付で、「交通事故は、健康保険利用できません。」、「交通事故の場合には、自由診療になります。」、「健康保険を使いたいのであれば、示談を成立させて下さい。」等と言われたことがあるようです。

 そして、困ったことに、そのようなことを患者に伝える病院の場合、作成していただく後遺障害診断書も、凡そ後遺障害診断に必要な事項が漏れていることが少なくないということです。

 交通事故の場合でも、健康保険の利用は、被害者にとってメリットがあることが少なくありません。

 ただ、被害者の認識としては、健康保険を利用する場合、使わせてあげているという気持ちを抱いている方も少なくありません。

 困るのは、治療費を相手方の損保が立て替え払いを(ほとんどの場合、自由診療になっております)していたところ、途中で打ち切った場合です。この場合ですら、健康保険の利用を渋るところがなぜかありました。😵  これは正直困ります。😠

 他方、被害者の人身傷害補償保険を利用している場合には、健康保険を利用されていることが多いように思います。損保の担当者が説明すれば、健康保険を利用させていただけるところ、つまり、誤解されているところも多いのだと思われます。

 

2019年2月18日 (月)

【その他】 労災2級高次脳機能障害が非該当で、自賠責14級相当になった事案

 自保ジャーナルNo2030号で紹介された千葉地裁平成30年5月17日判決です。

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 労災では高次脳機能障害で2級認定だった被害者でしたが、裁判では結局のところは高次脳機能障害自体は否認されてしまいました。

 裁判所は、

① 本件事故後に意識喪失や健忘といつた意識障害はなかったこと、

② 本件事故直後に異常傾向はなく、原告が主張する異常傾向が発症したとしても、本件事故後相当期間が経過してから発症し、増悪したと認められること、

③ 頭部MRIやCTなどの頭部の画像所見においても、原告に外傷性の脳損傷や脳梗塞の所見があると直ちに認めることはできないから、前記認定事実記載の高次脳機能障害の診断基準に該当しないし、

 K医師やJ医師及びL医師の意見や労災の認定を踏まえても、本件事故による外傷性脳損傷(脳梗塞)により、原告が高次脳機能障害を発症したと認めることはできないと判断したものです。

 労災で高い等級が認められても、自賠責保険や裁判所が同じような認定をするのかについてはわかりません。

 時折、労災と自賠責保険での等級が異なるとして相談にこられる方がおられますが、乖離は認定機関が異なる以上やむを得ないこともあります。

2019年1月14日 (月)

【その他】 労災11級  → 自賠責14級 

 自保ジャーナルNo2028号で紹介された京都地裁平成30年3月19日判決です。

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 54歳男子の労災11級認定の聴力障害及び同12級耳鳴は、本件事故との因果関係ないと否認し、自賠責同様併合14級を認定しました。

 労災での等級が、自賠責の等級よりも、高い場合に、自賠責の等級についておかしいとして、労災での等級を求める方が時折おられます。

 ただ、労災と自賠責ですが、審査基準はほぼ同一とされていますが、等級が労災の方が自賠責よりも高いケースを散見します。

 そのために、異議申立を行うことがありますが、労災と自賠責との等級が一致していないことのみをもって異議申立てを行ってもそれが認められたケースに、私は見たことがありません。

 やはり審査基準に沿う立証資料を整えることができるかどうかであろうと思います。

 また、労災から申請した方がいいのか、自賠責から申請した方がいいのかという質問を受けることがあります。労災を先行することについては労基はいやがる傾向にあります。

 が、ネットサーフィンをすると、労災を先行させて労災の認定を受けてから自賠責での認定を受けた方がよいとする解説もあります。

 田舎弁護士的には、労災と自賠責とは認定機関が異なるので、同時に申請してもよいのではないかと思うのですが、前記解説もあったために現時点では労災を先行することをお勧めしております。

2019年1月12日 (土)

【その他】 成年後見人の報酬

 交通事故民事裁判例集第50巻第6号で紹介された東京地裁平成29年4月13日判決です。

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 被害者(男・症状固定時41歳・会社員)の成年後見人(弁護士)報酬につき、報酬付与審判のあった88万3000円に加え、引き続き成年後見人の職務を遂行する必要があり、その報酬額は月額2万円を下らないとして、平均余命までの35年間につきライプニッツ方式により算定した金額を併せて、411万6040円を損害として認めた事例

 昔、加害者側損保の代理人事件を取り扱っていた際に、この請求を落としている被害者側代理人弁護士が散見されていました。しっかりと加害者側から回収する必要があります。

2018年11月15日 (木)

【その他】 遠方のご相談者へのお願い m(__)m

 最近、弁護士ドットコム等を見て、交通事故事案の相談をしたいとお電話をいただく方が増えております。

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                  (金沢城)

 頼りにされるということは大変ありがたいことです。そして、遠方から相談のためにこられる方もおられます。

 第1に、1回だけの相談事案であればともかく、継続的な相談を予定されている方の場合には、まずは、ご相談者の地元の法律事務所にご相談されることをお勧めいたします。

 継続的な相談の場合には、やはりアクセスという点は非常に重要です。

 当事務所は交通事故事案においては、損害保険協会、日本交通法学会、日本賠償科学会、自研センター等の研究会や研修会に積極的に参加して、交通事故事案については、高品質のリーガルサポートを提供することができるよう、日々努めているところです。当事務所が関与した裁判例は、自保ジャーナル、交通事故民事裁判例集等の判例集にもたびたび紹介されているところです。

 とはいえ、田舎弁護士のように被害者側の立場にたって、積極的に交通事故事案に取り組んでいる弁護士は、各県に数名はおられるのではないかと思います。

 まずは、そのような弁護士を探されて、その中で、アクセスのよい法律事務所にご相談下さい。

 第2に、田舎弁護士は、法律の専門家ですので、過失割合、後遺障害の獲得の可能性等について、ご相談者にとっては耳障りな説明をさせていただくこともあります。田舎弁護士の眼からみて、難しい事案の場合には、正直にそのままお伝えいたします。後遺障害の獲得が難しい事案を、容易に後遺障害が獲得できるような説明はいたしません。遠方から訪ねていただきながらも、相談者が望まれるような結果の回答ができない場合もあります。ご容赦下さい。

 第3に、既に他の弁護士さんにご依頼されており、その弁護士さんの弁護活動に大きな不満がある事案についても、原則としてお引き受けしておりません(通常の能力のある弁護士が誠実に事件処理をされている場合においては、田舎弁護士が代わりに対応したとしても結果は変わりません。)。

 もっとも、「相談料無料・着手金無料」、「高齢者の弁護士」の法律事務所の中には、事件処理を放置されているのではないかと思われるケースもありますので、この場合にはご相談に対応させていただきます。

 第4に、当事務所の原因によらずして、事件解決が遅れる場合があります。

 当事務所の原因による遅延であれば、田舎弁護士としても謝罪するしかありませんが、そのようなことは過去一切発生させたことはありません。

 事件解決が遅れるケースとしては、例えば、相手損保や代理人の回答が遅い場合もあり、催促しても、なかなか回答が出てこないこともあります。

 このような場合においても、当事務所に対するクレームとなりがちですが、ご理解いただけますと幸いです。

 なお、当事務所は、相談料無料、着手金無料の事務所ではありません。また、ご依頼される場合の費用も、それ相応の費用をいただいております。費用の支払い方法等についてはご相談にのりますが、決して安いものではありません💦

2018年11月 5日 (月)

【その他】 労災は1級、自賠責は非該当。。。。と言う事案

 交通事故民事裁判例集第50巻第5号で紹介された東京地裁平成29年10月19日判決です。

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 自賠責保険では後遺障害に該当しないという判断を受け、

 労災保険では併合1級の認定を受けた被害者(男・症状固定時48歳・会社員)の事故後に出現した四肢のしびれ、上下肢の知覚鈍麻・知覚過敏、手指の運動障害、排尿・排便困難等の症状につき、

 事故以前から広範囲にわたる脊柱管狭窄、椎体の術後変化、椎間板の変性等の既往が存在したところに、事故による相当重大な外力が加わったことにより、脊髄が圧迫されて発生したものと考えるのが合理的であるとして、

 ①上記症状と事故との間に相当因果関係を認めるとともに、

 ②手足のしびれ、知覚異常、排尿障害などの神経障害につき9級10号、右手小指の機能障害につき13級6号、併合8級の後遺障害を認定し、

 ③症状の発生及び重篤化には上記既往があったことが大きく影響しているとして、40%の素因減額を認めた事例

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 労災は、1級、自賠責は、非該当、裁判所は、併合8級として、40%の素因減額を認めるという事案でした。

2018年11月 2日 (金)

【その他】 自賠責保険会社と闘う!?

 交通事故民事裁判例集第50巻第5号で紹介された大阪地裁平成29年10月18日判決です。

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                  (新居浜)

 ① 被害者が、自賠責保険会社の調査義務違反により自賠法に基づく賠償金の支払を不法に妨げられて精神的苦痛を負ったと主張するのに対して、被害者請求を受けた自賠責保険会社は、必要性の有無を問わず、全ての資料を自ら入手調査したうえで、後遺障害の有無を判断しなければならない義務を負っているとまでは認められないとし、

 仮に、一部の資料が被害者請求の判断にあたって入手提供されていなかったとしても、そのことから直ちに不法行為が成立すると認めることはできない

 ② 自賠責保険会社の書類開示義務につき、自賠法16条の4第3項が交付を求めるのは支払いを行わないこととした理由を記載した書面であり、同書面に引用した書面を被害者に交付すべき義務まで定めたものと解することはできない

 ③ 自賠責保険会社の書類開示義務につき、被害者の同意に基づき医療機関から取得した被害者に関する傷病名、病状、治療内容、検査結果、既往症などの照会に対する回答は、

 個人情報保護法25条1項本文にいう保有個人データに該当するとしても、同条1項ただし書及び同項2号により、個人情報取扱事業者である自賠責保険会社の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがあるものとして、開示義務を負わないとしました。

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2018年10月14日 (日)

【医療セミナー】  画像鑑定の基礎 MRIについて

 東京日比谷で開催された「画像鑑定の基礎 MRIについて」を受講いたしました。

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 最近、交通事故事案や医療過誤事案等医療に絡む相談や依頼を受けることが増えております。

 特に、交通事故事案においては、弁護士費用特約の普及に伴い、画像鑑定費用も支払っていただける損保会社が少なくないので、鑑定会社から、医学意見書をいただくことも増えております。

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 特に、むち打ち症例、手足の機能障害等についての相談がケースとしては多いのですが、画像がレントゲン程度しかないことが多くて、等級認定に支障が生じることも目につくようになっております。

 現在、鑑定会社は1社を中心にお願いすることがほとんどですが、それぞれに個性があると思い、今回、思い切って、医療セミナーに参加することになりました。

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 医療画像の種類としては、①X線を使用する画像(XP、TV撮影、血管造影、CT)、②X線を使用しない画像(US、MRI)、③γ線を使用する画像(RI)があり、それぞれについての概要説明がありました。

 XPは、椎間板ヘルニア、腱板損傷、TFCC損傷は診断できない

 当然、脳の損傷もわからない

 ということは、最低限押さえておくべきことです。

 CTについては、撮影時間が短い、脳血流に対する感度がよい、骨の異常がわかる、身体に金属やペースメーカーあ入っていても撮影できる、急性期脳梗塞に対する感度は低い等の特色があるようです。

 MRIについては、歴史から説明がありましたが、医学鑑定に多い6大部位としては、頭部(矢状断)、頚椎(矢状断)、腰椎(矢状断)、膝関節(矢状断)、肩関節(冠状断)、手関節(冠状断)についての説明がありました。

 RIについては、各種シンチ検査があげられます。脳槽脊髄腔シンチが有名ですね。

 RIは、半減期の短い放射線同位元素を、目的部位にあわせて作られた化合物に標識して静脈注射(吸入)し、体内での分布や臓器の機能を調べる検査ですが、形態画像ではなく機能画像ということに注意をする必要があります。

 MRIについては、磁場を用いて核磁気共鳴現象を起こす、身体に電波を送り、身体から出る信号を受信する、画像化の対象は水素原子という機器です。

 特徴としては、撮影時間が長い、カラに金属やペースメーカが入っていると撮影しない、放射線被ばくしない、脳や骨盤や骨など動かない臓器に強い、病気の発症時期や状態がわかる、いろいろな撮影方法があり、画像鑑定では必要不可欠なものです。

 MRIでわかることはたくさんですが、例をあげると、

① 神経や靭帯

   圧迫されている、途切れている、炎症を起こしている

② 最近の障害か古い障害か(活動性の炎症)

   T2強調画像で白く写る 脂肪抑制画像

③ 骨挫傷や不顕性骨折

   T2強調画像で白く写る 脂肪抑制画像

  これらには、高磁場1.5テスラ以上のMRIが必要。脂肪抑制画像が撮影できるかどうか。

  ※T1強調画像は解剖的な構造がわかり、T2強調画像は病変がわかりやすいとされています。

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 画像鑑定には、MRIが必要。

 MRIは、骨の中の組織の状態がわかる、筋肉や靭帯等の軟組織の状態がわかる、炎症の程度や時期がわかる という特徴があり、事故が原因で生じた病変であることが表現されるのです。

 今回のセミナーを受講して、大変勉強になりました。



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