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書籍紹介(交通事故)

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【運行起因性】

2017年5月 3日 (水)

【運行起因性】 降車の際の事故 最高裁平成28年3月4日判決

 交通事故民事裁判例集第49巻第2号で紹介された最高裁平成28年3月4日判決です。

 要旨は以下のとおりです。

 老人ディサービスセンターでディサービスを受けた後、同センターの送迎車で自宅に送り届けてもらい、自宅前の平坦な場所で停車した同車の床ステップから、同センター職員に手をひかれて降車した際に右大腿骨頸部骨折の傷害を負った被害者(女・83歳・骨粗鬆症で身長約115㎝、事故の2年8ケ月後に死亡)が、同車につき自動車保険契約を締結している被告保険会社に、搭乗者傷害特約に基づき入通院保険金、後遺障害保険金の支払を請求したところ、事故は同車の運行が本来的に有する危険性が顕在化したものであるということはできないので、事故が同車の運行に起因するものとはいえないとして、これを斥けました。

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2016年7月 2日 (土)

【運行起因性】 老人ディサービスセンターの利用者が当該センターの送迎車から降車し着地する際に負傷したという事故が、当該送迎車に係る自動車保険契約の搭乗者傷害特約にいう当該送迎車の運行に起因するものとはいえないとされた事例 最高裁平成28年3月4日判決

 判例タイムズNo1424号で取り上げられた最高裁平成28年3月4日判決です。

 本件は、自動車保険契約の搭乗者傷害特約に基づく保険金請求等の事案であるところ、自動車保険の搭乗者傷害特約等では、通常、約款において、保険金支払要件として、「運行に起因する急激かつ偶然な外来の事故により被保険者が傷害を被った」などと定められています。

 そして、通説的見解によれば、この「運行に起因する(事故)」といういわゆる運行起因性の要件は、自賠法3条本文の運行起因性の要件と同義に解されており、運行起因性の解釈も主として自賠法3条の解釈問題として議論が積み重ねられてきました。

 判決要旨を紹介いたします。

 老人ディサービスセンターの利用者が当該センターの送迎車から降車し着地する際に負傷したという事故は、

(1)当該送迎車の運転を担当した当該センターの職員が降車場所として危険な場所に当該送迎車を停車しておらず、

(2)上記利用者が当該送迎車から降車した際に上記職員による介助を受けるという当該送迎車の危険が現実化しないような一派的な措置がなされていたなど判示の事情の下においては、

 当該送迎車の運行が本来的に有する危険が顕在化したものであるということはできず、当該送迎車に係る自動車保険契約の搭乗者傷害特約にいう当該送迎車の運行に起因するものとはいえない

 解説によれば、降車時の事故について「運行起因性」の有無が問題となった事案は極めて少なく、その中でも、運行起因性を認めたのは、夜間に自宅前の坂道で停車したタクシーから降車し、1,2歩程度歩いた際に道路端の段差につまずいて転倒して傷害を負った者が自動車保険契約の人身傷害補償特約に基づいて保険会社に対して保険金を請求した大阪高判平成23年7月20日のみだそうです。

 この裁判例は、タクシーの停車位置等に問題があったといえなくもない事案だったので、運行起因性を認めること自体は必ずしも不合理とはいえないものであったと評価されています。

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               (西条のおそば屋さん)