【繊維筋痛症】 繊維筋痛症と事故との因果関係を否認 神戸地裁平成28年1月13日判決
自保ジャーナルNo1970号で紹介された神戸地裁平成28年1月13日判決です。
追突された35歳女子の繊維筋痛症は、事故による受傷以外の要因を否定できず、因果関係を否認しました。
以下、判決要旨を紹介いたします。
「Xは各種血液検査から関節リュウマチや膠原病を完全に否定でき、1年以上も持続する全身性の激しい筋肉痛や関節痛及び圧痛点が18か所所在することから線維筋痛症の診断が確実であり、繊維筋痛症の原因は全く不明であるが、下腿骨骨折患者と頸部外傷(むちうち症等)についての繊維筋痛症発症患者数を比較すると、前者が1.7%であったのに対し、後者が21.6%と高率であったとの調査報告があり、Xの場合、頸部外傷6か月後に発症しており、本件事故との関連が濃厚である旨のK医師作成の意見書がある」
えっ、こんな医学的意見書があるの !?
じゃあ、認められますね。。。。
とはなりませんでした。
引き続き説明します。
「本件事故は比較的軽微な追突事故であったことが認められ、また、V(子)が高機能広汎性発達障害との診断を受け、Z(子)が注意欠陥多動性障害・高機能広汎性発達障害との診断を受けたことが認められることも考慮すれば、Xの症状が1990年のアメリカリウマチ学会の線維筋痛症分類基準に合致し、また、Xに本件事故前の既往症や通院歴がなかったとしても、Xの繊維筋痛症の発症について、本件事故による受傷以外の要因を否定することはできず、Xの線維筋痛症の発症原因は不明というほかなく、本件事故とXの繊維筋痛症との相当因果関係を認めることはできない」と、交通事故と線維筋痛症との因果関係を否定しました。
なかなか、難しいものです。
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