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書籍紹介(交通事故)

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【人身傷害補償特約】

2016年6月12日 (日)

【人身傷害補償特約】  人身傷害補償特約の落とし穴 !? 東京地裁平成27年12月15日判決

 自保ジャーナルNo1967号で紹介された東京地裁平成27年12月15日判決です。

 まず、事案を紹介いたします。

 原告自動車を運転中、Y自動車に衝突され、頸椎捻挫等から自賠責併合14級認定の後遺障害を残し、Yと自動車保険契約を締結する乙損保と総損害額527万1888円、原告とYの過失割合を1対9とし、乙損保が過失相殺後の額から既払い金200万5596円を控除した残額を支払う旨の「和解契約」を締結したことから、原告が自動車保険契約を締結する甲損保に対し、人身傷害補償特約に基づき、過失相殺後の保険金を求める事案

 次に、判決要旨です。

 保険約款は、多数の保険契約を画一的に規律するものであり、その文言は厳格に解釈すべきところ、本件計算条項の文書からは、人傷基準額から控除する額を保険金請求者の権利を害しない範囲」に限定して解釈すべきと読み取ることはできない。

 また、上記限定解釈は、保険金請求権者に裁判基準損害額が確保されるように解釈すべきとするものと解されるところ、確かに、保険会社が定める算定基準に従い算出される人傷基準損害額の方が、裁判基準損害額よりも少額であるのが通常であり、これを前提にすると、先に保険金を受領する場合と比較して、先に損害賠償金を受領する場合に被害者側の回収額が減少することがある。

 しかし、本件計算条項によれば、賠償義務者に対する損害賠償請求訴訟に係る判決又は裁判上の和解において、甲損保が定める算定基準に従い算出された金額の合計額を超える額が認められ、かつ、その額が社会通念上妥当であると認められる場合には、当該額が人傷基準損害額とみなされるのであるから、保険金請求権者が裁判基準損害額を確保する手段は用意されているといえ、本件計算条項につき、上記限定解釈をする必要はない

 甲損保は、本件保険契約に係る人身傷害補償特約に基づいて、原告に対し、本件過失割合相当額の保険金支払義務を負わないとして、原告の請求を棄却しました。

 本件は、依頼を受けた弁護士に対するクレームが発生してもおかしくはない事案です。

 受任の際に、まずは、クライアントにきちんと説明がされること、また、クライアントが契約されている損保会社との連絡を密にすることが、お客様からのクレームを防ぐ有効的な方法といえます。

 Kimg2040                (日比谷公園)

2016年6月11日 (土)

【人身傷害補償特約】  人身傷害補償特約の落とし穴 !?

 人身傷害補償特約という優れものの特約があります。

 交通事故って、当事者双方に過失がある場合が多いです。

 簡単にいえば、お客様の過失部分についてはお客様が契約している保険会社がカバーするという保険です。

 例えば、Xさんが運転する車と、Yさんが運転する車が交差点で出合頭に衝突して、Xさんが大けがをしたとします。なお、XさんとYさんの過失割合は、計算しやすいように50%とします。

 Xさんが、弁護士Zに依頼して、Yさんに対して、怪我の賠償請求をしたとします。

 弁護士Zが頑張って、Xさんの損害額を100万円として、過失分を控除した50%に相当する50万円を受け取りました。

 そうすると、単純に考えると、残りの50万円を、Xさんが加入している人身傷害補償特約の保険会社に請求するということになります。

  安心、安心

 ではなかったのです。

 交渉の場合、人身傷害補償特約で規定されている約款での計算によります。仮に、保険会社がXさんの損害の合計を40万円と見積もった場合には、Xさんは40万円以上のものを受け取っているから、人身傷害補償特約から支払われるものはないのです。

 この点がまさに問題となったのが、東京地裁平成27年12月15日判決です。

Kimg2045

              (日弁連会館から日比谷公園を望む)

 人身傷害補償特約の理解について不十分な弁護士が少なくなく、当事務所では、過失が考えられる事案の受任に際しては、人身傷害補償特約の有無を確認するようにしております。