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【高次脳機能障害】

2019年6月13日 (木)

【高次脳機能障害】 労災12級を、自賠責3級で請求し、頚部腰部症候群を理由に14級を認定した事案

 自保ジャーナルNO2039号で紹介された静岡地裁平成30年10月12日判決です。

 自賠責保険については、事前認定又は被害者請求手続は行われていない事案で、労災では、局部に頑固な神経症状を残すものとして、12級の12が認定されたという事案です。

 

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 事案をみてみると、脳脊髄液減少症の疑い、MTBIが議論されたとても難しい内容を含んだケースであることがわかります。
 裁判所は、オーソドックな判断手法、つま、外力により脳に損傷が生じたと合理的に推認できることが必要であること、そのためには、①受傷時の意識障害の有無程度、②画像上(CT、MRI)の異常所見、③受傷時の外力の強さ、事故前後の受傷者の状況の比較、神経心理学的テストの結果等を考慮しております。
 
 本件については、①意識障害はないこと、②CTやMRIに以上はないこと、③神経心理学的テスト等も問題がないことから、高次脳機能障害を否認しています。
 1億4000万円程請求して、認容されたのは300万円弱です。
 
 ただ、裁判所も、14級9号とはいいながらも、通常の14級9号よりは、逸失利益、慰謝料ともに増額させています。
 
 ある程度、予想された判決の結果とはいえ、MTBIが認容されるのはハードルが高いようです。

2019年5月26日 (日)

【高次脳機能障害】 66歳女子主張の5級高次脳機能障害は認定基準の「4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの」と自賠責同様7級認定した事案

 自保ジャーナルNo2038号で紹介された横浜地裁平成30年11月2日判決です。

 急性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折、脳挫傷等の傷害を負い、自賠責7級4号高次脳機能障害認定も、5級高次脳機能障害を残したとする66歳兼業主婦の原告の事案につき、

 高次脳機能障害の認定基準の「4能力のうちの社会行動能力については、いずれもその半分程度が失われていることが認められるものの、それ以外の能力については、いずれもその半分程度以上が失われているとは認められないから、結局のところ、原告の高次脳機能障害の程度は、「4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの」として、後遺障害等級第7級の「高次機能障害のため、簡易な労務にしか服することができないもの」に当たるものと認めるのが相当である」として、自賠責同様7級4号高次脳機能障害を認定しました。

 5級の場合ですと、4能力の1つ以上の能力の大部分が失われていること、或いは、4能力の2つ以上の能力の半分程度が失われていることが必要になります。

 自賠責での認定は7級でしたが、裁判所も自賠責での認定を追認しました。

2019年4月18日 (木)

【高次脳機能障害】 自賠責7級が、裁判したら、なんと非該当に。。。。トホホ

 自保ジャーナルNo2035号で紹介された名古屋高裁平成30年9月21日判決です。

 自賠責7級の高次脳機能障害が裁判した結果、非該当になってしまったというトホホ事案です。

 入院中からブログを更新して、最近の出来事を比較的詳細に記録していたこと等が不利に働いたという事案です。最近、SNSをされている方が多くて、しかも、非公開に設定していることから、プライベート情報が筒抜けということが増えております。筒抜けになっていい情報はいいのですが、男女の交際でしかもそれが不倫ということがあるので、注意が必要です。そういえば、最近、サービス業でスタッフが不適切動画を載せて会社が多大な迷惑をこうむることが増えていますね。SNSは、使い方を誤ると大変ですので、注意が必要です。田舎弁護士も、非公開設定でしているSNSを外部に公開されたことがあり、痛い目にあったことがあるので、非公開の範囲も注意する必要があります。

 閑話休題

 さて、自賠責7級4号高次脳機能障害について、裁判所は次のとおり述べます。

 自賠責認定の高次脳機能障害は、頭部外傷にかかる画像所見については、MRI検査で嗅覚障害の原因となる左嗅球付近の出血痕が認められたのみであり、そのほか異常所見は認められていない

 経時的なMRIの比較でも、脳の萎縮といった、びまん性脳損傷の所見も認められていない等から、

 画像所見では、外傷性高次脳機能障害の原因を示す所見が得られていないとし、

 意識障害については、本件事故直後ことJCSⅢであったが、30分程度の内にJCSⅠ~Ⅱに回復しており、事故から約39時間後にはクリアな状態に回復している。

 すなわち、Xの本件事故後の意識障害の程度は、一般に高次脳機能障害を残すとされる程度に達していないとして、

 Xの本件事故による意識障害の程度、推移は、高次脳機能障害の発症を裏付けるに十分なものでないし、自賠責保険の事前認定はその前提事実を誤って把握した可能性が否定できない。

 →約1億円の請求ですが、裁判所はわずか50万円のみを認めております。トホホの結果です。

2019年3月29日 (金)

【高次脳機能障害】 66歳男子労災5級認定高次脳機能障害 → 高次脳機能障害非該当

 自保ジャーナルNo2034号で紹介された東京地裁平成30年9月26日付判決です。

 労災では5級認定高次脳機能障害、自賠責では自賠責12級13号認定、裁判も自賠責12級13号認定というケースです。

 労災の認定と、自賠責・裁判の認定との間には、大きな開きがあります 😠

 高次脳機能障害について、裁判所は、

① 本件事故当時にB病院で実施された頭部CT検査画像の読影医は、頭部の両側に薄い硬膜下液体貯留を認める以外には、外傷由来の異常所見は認められないとの所見を示している

② 事故直後からの意識障害の有無についてみると、本件事故当日に救急搬送されたB病院では、意識障害はないとされており、認定事実の他、各医療機関の診療録その他の医証を精査しても、それ以降の間もない時期に原告に意識障害が生じたことをうかがわせる記載は見当たらない

 本件事故によって原告の頭部に外力による衝撃が加わったことが推認できるものの、頭部に骨折ないし挫裂創は総じておらず、本件事故後の頭部の画像所見及び意識障害の有無等に照らせば、これによって原告の脳に一次的損傷が生じたことを認めるに足りず、そうである以上、かかる脳の一次的損傷によって、原告が高次脳機能障害を発症したことは認められないと否認し、

 脳の二次的損傷による高次脳機能障害の発症については、原告の慢性硬膜下血腫による症状の内容・程度、治療状況及び症状経過等に照らせば、原告に本件事故により発症した慢性硬膜下血腫によって脳が圧迫されたことで脳全体が損傷したとの高度の蓋然性があることを認めるに足らず、このことは、平成25年6月13日に頭部CT検査の画像により外傷性変化と捉えられる脳室拡大が認められたことをもって、直ちに左右されるものではない。

 そうであれば、本件事故により原告の脳に二次的損傷は生じたものの、それにより原告が高次脳機能障害を発症したことは認められない。

 💔労災と、自賠責との後遺障害の認定が大きく異なります。たいていの場合、労災の方が高くでる傾向にありますので、それよりも低く認定された自賠責保険の認定については、大きな不満を抱かれることが多いように思われます。

2019年3月 8日 (金)

【高次脳機能障害】 自賠責3級高次脳機能障害等併合2級を残す36歳男子の将来介護費を両親及び姉と同居等から近親者介護のみとして日額4000円で認定した 東京地裁平成30年7月17日判決

 自保ジャーナルNo2032号で紹介された東京地裁平成30年7月17日判決です。

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 将来介護費について、

 原告の状況は、リハビリ治療の効果もあって、スプーン等であれば自分で食事をとったり、ボタン等がない服について時間はかかるものの着替えたり等できるほか、一定距離であれば杖等を用いて独立で歩行することも可能であり、E整形外科へのリハビリ通院等の慣れた経路で遠距離でなければ付き添いなく電車に乗ることもできる等の改善も認められる等から、原告の症状の改善状況に加えて、原告がその父母であるZやWのほか、姉のVと同居していることなどを考慮し、その将来介護費用は日額4000円として親族介護のみとするのが相当であると平均余命の45年間につき日額4000円で認定しました。

 姉のVと同居していることに着目されて、親族介護のみとされてしまったようです。でもどうなんでしょうかね。。。

2019年1月15日 (火)

【高次脳機能障害】 当事務所が関与した松山地裁今治支部平成30年3月22日判決が、自動車保険ジャーナルNo2029号(1月10日号)で紹介されました。

 自動車保険ジャーナルNo2029号(1月10日号)で田舎弁護士が関与した松山地裁平成30年3月22日判決が紹介されていました。

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 自賠責7級4号高次脳機能障害、同14級10号顔面醜状から併合7級認定の後遺障害を残す19歳男子病院で就労し専門学校生の原告の後遺障害逸失利益の算定について、

 「平成21年産業計企業規模計高卒男子全年齢平均賃金と平成26年のそれとの差額が年額5万円強にとどまっていること、

 原告が当時若年であったこと、

 及び就労可能年数が長かったことも考慮すると、

 原告は、平成26年男子高卒全年齢平均賃金である年額466万3500円を取得する蓋然性があったこと」と基礎収入を認め、

 「原告の後遺障害は、頭部外傷後遺症について後遺障害別等級表第7級4号に該当すると認定され、自賠法施行令ではその労働能力喪失率は56%とされている。

 この点、原告は、平成23年から平成27年までの給与収入と前記賃金センサスの乖離の程度が56%を上回っていることから、少なくとも労働能力喪失率が60%程度に達していると主張する」が、「本件に顕れた一切の事情を考慮しても、原告の前記後遺障害に伴う労働能力喪失率は、56%とする」とし、「原告の労働喪失期間は45年であ」るとしえ、センサス男子高卒全年齢平均賃金を基礎収入に45年間56%の労働能力喪失で認定しました。

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 この事案は、当初は他の弁護士に依頼されていたのですが、解任後に紹介者を通じて田舎弁護士が依頼を受けさせていただいた事案です。

2018年12月 3日 (月)

【高次脳機能障害】 8歳男子の高次脳機能障害の程度は、深刻なものと自賠責同様2級1号認定し、将来介護費用を日額9000円で認めた事例

 自保ジャーナルNO2025号で紹介された東京地裁平成30年3月29日判決です。

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               (今治・事務所付近)

 平成26年3月15日、片側1車線道路を自転車に搭乗して横断中、被告運転の軽貨物車に衝突され、外傷性脳損傷等の傷害を負い、自賠責2級1号認定の高次脳機能障害等を残す8歳男子小学生の原告について、

 ①本件事故後、原告は通学するのに原告母や通常学級介添員の付き添いを要していること

 ②平成27年7月に実施されたWISC-Ⅳは全検査IQ52というレベルであり、平成28年6月頃に至っても、全般的な認知障害(記憶・記銘力障害、集中力障害、遂行機能障害等)が残り、とりわけ記憶・記銘力障害は顕著で、そのため学習内容が進むにつれて学校の成績は低下する傾向にあり、中学校では特別支援学級に通学することが検討されており、主治医の所見でも、「記憶力・記銘力障害のために、知的活動は大きく阻害され、学習場面では配慮を要する。」、「危険予知などの判断力も低下し、多くの場面で声かけ~介助を要する」とされていること、

 ③平成27年8月12日時点で、感情易変、不機嫌、幼稚、羞恥心の低下等の人格変化がみられており、医療記録によっても、その後のこれらの人格変化が改善したとはうかがわれないこと、

 ④社会生活適応能力についても、友達の名前を忘れたり脈絡のない話をしたりするために友達とのコミュニケーションをとれないような状況にあることから、

 原告に残存する高次脳機能障害の程度は深刻なものである。

 これに加えて、身体的な機能障害もある程度残存することを併せ考慮すると、原告の本件事故による後遺障害は、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」として、別表第一第2級1号に該当すると、自賠責同様2級1号後遺障害を認定しました。

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                (今治・大島)

2018年8月10日 (金)

【高次脳機能障害】 自賠責2級認定が裁判すると12級13号になったというトホホ事例 

 自保ジャーナルNo2019号で紹介された東京地裁平成30年2月8日判決です。

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 自賠責2級1号高次脳機能障害を受けた16歳男子原告の事案ですが、

 現時点において原告の高次脳機能障害及び視野障害がどの程度残存するかを正確に把握しうる的確な証拠はないが、本件行動調査報告の内容等に照らすと、少なくとも平成28年7月頃には、原告は階段の昇降を含めた自立歩行、日常生活動作、販売員との意思疎通を伴う買物等を行うのに何らの支障のない状態であったと認められ、

 原告に四肢麻痺が残存するかのような介助状況を録画した証拠は証拠提出の目的にそって原告が演技することにより作成されたものと考えざるを得ないことも併せ考慮すると、

 原告の認知能力、社会行動能力等に大きな問題があるとは考えがたいとして、

 原告の本件事故による後遺障害は、頭部外傷後の神経系統の機能又は精神の障害につき、脳挫傷痕が残存していることを考慮し、別表第2第12級13号に該当すると認めることができる。

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 自賠責2級認定でありながら、高次脳機能障害を1級として請求したところ、返り討ちにあって、12級までランク大幅ダウンとなっております。

 


2018年8月 7日 (火)

【高次脳機能障害】 自賠責7級認定から、裁判すると、9級に下がってしまったトホホ事例

 自保ジャーナルNo2018号で紹介された静岡地裁平成30年1月23日判決です。

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 自賠責7級4号高次脳機能障害、同9級3号視野障害、同12級嗅覚障害等の併合6級認定の後遺障害を残す64歳男子原告の事案につき、

 原告は、現在まで約4年近くにわたり独り暮らしをしており、炊事・洗濯・掃除等の家事の他、買物、外食、目的地までのバスやタクシーの乗車、家賃、公共料金の支払など身の回りのことを全て自身で行って日常生活を送っていることが認められるのであるから、これは社会行動能力や意思疎通能力が失われていないことを裏付けるものであるとし、

 原告は、本件事故後にE会社に復帰し、高所での作業は止めているものの重機の塗装業に再度従事し、経営者と良好な関係を築き、他の従業員らとともに就労を継続していることが認められるから、 原告の作業負荷に対する持続性・持久力、社会行動能力及び意思疎通には特段問題がないというべきである

 さらに、原告は、通っているスポーツクラブのトレーニングマシンが故障した際に、自ら工具を持参して修理した旨申告しており、その申告内容が事実であるとすれば、原告の問題解決能力に特に問題が生じていない可能性が高い等から、

 本件事故により原告の上記4つの能力に特段問題が生じていないとして、

 原告の高次脳機能障害は、自賠責認定に係る後遺障害等級第7級4号と評価されるべきではなく、被告らの主張するとおり、第9級(10号)に該当するにとどまるというべきである。

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 う~ん。不思議な裁判例です。スポーツジムのトレーニングマシーンが故障した際に、自ら工具を持参して修理した話を自ら申告しているんですよね。。。

 自賠責等級が裁判すれば等級が軽くなるというケースも散見されます。怖いですね 怖いですね

2018年6月30日 (土)

【高次脳機能障害】  後見人費用と弁護士費用

 自保ジャーナルNo2016号で紹介された広島地裁平成29年12月7日付判決です。

 ここで着目したのは、後見人費用と、弁護士費用です。

 つまり、本人が1級1号の後遺障害を受けた場合、後見人としてA弁護士、そして、A弁護士がB弁護士に依頼した場合の弁護士費用です。

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 専門職後見人費用については、

 管理している流動資産が3600万円であること、本訴の結果によって流動資産が増加し合計額は5000万円を超えることがみこまれること、東京家裁では報酬のめやすとして流動資産5000万円をこえる場合、月額5万円から6万円とされていることがそれぞれみとめられる。

 以上によれば、平均月額5万円の報酬が発生するものとみとめらえるので、後見人費用としては、596万5560円(=60万円×(13.4886-3.5460)となっております。

 また、弁護士費用については、500万円をもって相当額と認められています。

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