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書籍紹介(交通事故)

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【休業損害・逸失利益】

2018年3月24日 (土)

【休業損害・逸失利益】 主夫休業損害 賃金センサス6割 横浜地裁平成29年9月28日付判決

 自保ジャーナルNo2010号で紹介された「主夫」休業損害の裁判例です。横浜地裁平成29年9月28日付判決です。

 被害者(後遺障害非該当。異議申し立てもしている。)は、主夫休業損害として、約470万円を請求しておりますが、裁判所が認めたのは、わずか8万6000円程度です。

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 なかなか厳しい判決ですね。。。。控訴しております。

 裁判所は、

 ① 原告が無職であったことや同居家族の状況からすれば、本件事故の当時、原告が母及び妹のために家事、母の生活介助等を行っていたことは推認されるが、

 ② 原告の供述によっても、母も食事の後片付け等一定の家事を行っていたことがうかがわれるのであって、原告が通常の主婦業と同等の負担と負っていたとは考えにくいこと、

 また、本件事故による症状が受傷8日後に医師により一旦治療終了とされる程度の比較的軽度の症状であり、その後1箇月以上通院がないことからすれば、家事についても、本件事故直後に限定的な支障があったにすぎないとして、

 基礎収入を平成21年女性全年齢平均賃金の6割、休業期間を1ケ月、平均休業率を5割として、休業損害が算定されています。

 自賠責非該当事案でありながら、14級相当の後遺障害が生じたとして約1100万円程度の請求をされていますが、裁判所はわずか50万円程度を認めたにすぎません。

 かりに、「主夫」が認められたとしても、本人が希望されるような金額を獲得するのは、なかなか難しいということなのかもしれません💦

 主夫については、2月7日のブログも参考にしてください。

2018年3月 3日 (土)

【休業損害・逸失利益】 給与所得者の休業損害を算定する上での問題点

 赤い本平成30年度の裁判官講演録の第3のテーマです。休業損害の収入日額について、休日を含んだ一定期間の平均日額とする場合(A)と、休日を含まない実労働日一日あたりの平均額とする方法(B)があります。

 日額は、 A  <  B   となります。

 これって、よく有給休暇の時に問題になります。損保会社は必ずといっていい程、Aで計算します。相談者は、Bで計算すべきじゃないか?と言われます。

 ただ、有給休暇を使った場合の賃金は、労働基準法12条1項から、A的に解釈されています。。。

 過去の交渉では、Bで請求しても、最終的には同意していただいたことが多いように思います。

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 これまで、あまり論じられてきたことがない論点なので、非常に助かりました。happy01

 

2018年3月 1日 (木)

【休業損害・逸失利益】 女子年少者の逸失利益算定における基礎収入

 赤い本平成30年度講演録で収録されているテーマの1つとして、「女子年少者の逸失利益算定における基礎収入について」です。問題の所在は、義務教育修了時までの女子年少者の逸失利益を算定する際には、賃金センサスの全労働者の平均賃金を基礎収入とすることが多いので、今回は、義務教育を修了した後の若年の女子についても、全労働者の平均賃金を用いるべきかという問題について論じられています。 

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 「高校生について」は、「大学進学等の進路が具体的に決まっているような場合等については、後に検討する大学生等の場合と同様に個別の事情に応じて判断するとしても、それ以外の場合には、基本的には全労働者の平均賃金を用いることとしてよいのではないかと思います。」

 「大学生等について」は、「基本的には大学生等の場合、女子の大卒等の平均賃金を基礎とし、それでは実態に合わないというべき具体的な事情が存在する場合に個別の認定によって判断するのが相当であると思われます。すなわち、大学生等の年齢に達していれば、将来得られるであろう相当程度に蓋然性のある収入額を認定する基礎となる個別の事情を立証することは十分に可能であると考えられますから、個別の具体的な事情に応じた認定にゆだねる方がより実態に即した判断になると思われます」

 「社会人について」は、「現に就労をしている以上、若年であつても事故時の職業、稼働状況や現実の収入額を総合して基礎収入を算定するのが原則となります。」

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2018年2月 7日 (水)

【休業損害・逸失利益】 「主夫」休業損害は「主婦」と異なり難しい事案が少なくないですね。。。。

 最近、時代を反映しているのか、無職の男性が専業主夫、或いは、有職の男性が兼業主夫を主張することが増えているように思います。

 田舎弁護士の印象では、ここ5,6年程前から、数が増えているような印象です。

 田舎弁護士も加害者側損保の代理人として大活躍💦していたころは、被害者の失業中の男性が「主夫」と主張するケースもあり、家事労働の実質を巡って争いになったこともありました。 

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 このように、主婦休損と異なり、「主夫」休損は争われるケースが少なくなく、まずは、加害者側保険において主夫認定を受けられるかどうかが最初の関門になろうかと思います。

 田舎弁護士自身は、「主夫」の事案では、理想的な「主夫」の場合以外では、残念ながら余りうまくいったことがありません。

 理想的な「主夫」の場合、つまり、夫が無収入で、妻が男性並みの収入があり、小さな子どもがいたような事案の場合には、認められていますが、それ以外の場合は、主張立証に大変苦労したような記憶しかありません。

 あるいは、裁判所の和解限りになりますが、双方の夫婦(両方が正社員で共ばたらきのケース)が育児を含む家事労働を役割分担しており、それを裏付ける資料がきっちり提出された場合(詳細な役割分担表に加えて、双方の勤務表等も提出され、詳細な裏付けをいただけました)には、夫に相応の家事労働分の休損を認めていただいたことがあります(これは、性差関係なしに共働き家庭夫婦の一方に、役割分担部分の家事労働を認めてくれましたので、画期的な和解だったと内心では自負しております。)。

 ただ、最近の事案は、主夫と主張されながらも、裁判所を説得できるような資料が乏しいのが増えているような印象があります。

 現在も、「主夫」事案は、4件程扱っておりますが、「主夫」と言っても、本当に千差万別です。

 なお、主夫についての裁判例も自保ジャーナルの検索ソフトで調べてみました。

 ① 京都地裁平成17年7月28日判決

    専業主夫(57歳男子)、妻330万円程度の収入

    →認定

 ② 神戸地裁平成22年10月28日判決

    専業主夫(49歳男子)、妻小学校教員、15歳のアレルギーの子ども、高齢者の両親

    →認定

 ③ 釧路地裁平成26年3月17日判決

    専業主夫(45歳男子)、妻栄養士、子ども2名

    →認定

 ④ 東京地裁平成28年9月28日判決

    兼業主夫(カメラマン 約150万円の所得)、妻約640万円の収入

 やはり、認定されているのは、理想的な「主夫」か、これに類似するものば多そうです。

 「主夫」を主張する方には、家事労働を強調されれますが、その割には、収入や家計簿等の資料も乏しい方も散見されることが少なくなく、立証に苦労することが少なくありません💦  

 ネットでは、「主夫」「休業損害」「交通事故」で検索すると、かなりの法律事務所のホームページ等がヒットします。いずれも、請求できると書かれています。

 確かに、抽象的には請求できるということになります。主夫なのだから。

 ただ、理想的な専業主夫以外は、「主夫」の立証が相当に大変であろうという印象を抱いております。

 弁護士に依頼されても、当然に、「主夫」認定が得られるとは考えない方がよいかと思います。

2018年1月28日 (日)

【休業損害・逸失利益】 申告していない自営業者の休業損害・逸失利益は、認定は厳しいですね。

 自保ジャーナルNo2006で紹介された福岡地裁平成29年6月22日です。

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 耳鳴等併合12級を残す38歳男子で、確定申告していない雑貨卸業の方ですが、

 休業損害については、否認されて、0円

 逸失利益についても、賃金センサスの50%である約260万円程度にとどまっております。

 労働者であれば会社の証明や源泉徴収票にての立証で足りることが大半ですが、収入を裏付けるものがない自営業者や主夫の場合は大変です。

 農業ですが、税務申告していない、していたとしても、僅少

 開業する準備だった

 主夫である

 いずれも、立証の壁というハードルがあります。

 まず、税務申告していない事案は、税務申告をするだけの資料の作成をお願いしているところですが、散逸していることが多く、本人が希望するような金額には到底ならないことが少なくないように思います。

 また、税務申告していたとしても過少申告だったというのも、難しい印象を受けます。

 開業する準備だったというのは、なおさらです。労働者で内定通知を受けていたというのであれば、認められたことがありましたが、自営で開業する準備だったというのは、よほどの裏付けがないと無理なような気がします。私は、開業する準備という理由で、休業損害を認められた事例を経験したことがありません。

 主夫についても、単なる無職ではないか、家事労働といっても仕事を持っている妻も担当しているのではないかという疑問を必ず呈されるので、ハードルが高いように思います。主夫ではありませんが、共働き家庭(夫婦ともに高学歴者)で夫の家事労働の休業損害が和解で認められたことがありますが、1週間及び月間の、夫婦の家事労働の役割分担表が詳細に作成され、且つ的確な裏付け資料が添付されていたという事案でした。他方で、認められたこともあるので、このケースのように詳細且つ具体的な主張立証がいかにできるかにかかっているのだと思います。

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 感じでいうと、うまく前進できないような印象を抱いております。

 ただ、最近、増加しているのですよね。この種の相談が。。。

 受ける際には、難しい事案であることを説明してから、受けるようにしております。

2017年11月 2日 (木)

【休業損害・逸失利益】 主夫 !?

 交通事故民事裁判例集第49巻第5号で紹介された平成28年10月11日付東京地裁判決です。

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 原告(男・事故時80歳)の家事労働に関する休業損害につき、

 視力障害のある長男のために食事の用意・掃除・洗濯等の家事労働を一定程度行っていたと推認されるが、

 その範囲は限定的だとし、

 原告の年齢・性別等を考慮して、基礎収入を70歳以上の女性学歴計平均賃金の30%とし、通院の際は半日程度の休業が必要であったとして、実通院日数の50%相当分を認めました。

 80歳であること、男性であることが、マイナスポイントだったようです。

 女性であれば、70%程度は認められたのではないかと思われます。

2017年7月 4日 (火)

【休業損害・逸失利益】 外鼻線状痕と逸失利益

 交通事故民事裁判例集第49巻第3号で紹介された東京地裁平成28年6月24日付判決です。

 弁護士(男・症状固定時30歳)の後遺障害(外鼻の線状痕により12級14号該当)に伴う逸失利益につき、外鼻線状痕の形状から労働能力に影響を及ぼすおそれがあると認められるとしつつも、後遺障害が影響して仕事が断られたと原告が推測する依頼件数は約3年間で2件しかないことを勘案して、逸失利益を100万円と認めた事例

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2017年6月29日 (木)

【休業損害・逸失利益】 1つの腎臓の機能喪失(13級11号)の後遺障害を負った女児の逸失利益

 交通事故民事裁判例集第49巻第3号で紹介された平成28年5月31日付横浜地裁川崎支部判決です。

 ① 後遺障害等級及びその労働能力喪失率は、有力な証拠資料としてそれに見合った逸失利益があることを事実上推定させ、ことに逸失利益の認定に係る考慮要素が極めて限定される幼児ないし年少者の場合、その事実上の推定力は相対的に増すこととなり、これに反する特段の事情の主張立証のない限り、その立証がされたものと解するのが相当である

 ② 1つの腎臓の機能喪失(13級11号該当)の後遺障害を負った女児(症状固定時3歳)につき、残存する右腎臓でも生体活動を維持していく上での機能はあり、食事制限・運動制限は不要とされていても、残存する腎臓にできるだけ負担をかけない生活上の不利益を受け、或いは、就労上の配慮を要することになることが充分に予想されるとして、男女を含む全労働者の全年齢平均賃金を基礎に18歳から67歳まで労働能力を9%喪失すると認めライプニッツ方式により逸失利益を算定した事例

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2017年5月14日 (日)

【休業損害・逸失利益】 東京地裁平成28年4月27日判決

 交通事故民事裁判例集第49巻第2号で紹介された東京地裁平成28年4月27日判決です。

 要介護5の母(76歳)と二人暮らしで事故年の給与所得が244万1735円であった被害者(女・50歳・会社員)の死亡逸失利益算定に際し、

 基礎収入については、

 被害者が通常の家事労働を超える日額1000円に相当する介護労働を行っていたと認めることができるとして、母と同居して介護を前提とする14年間は賃金センサス女性労働者学歴計全年齢平均賃金(353万9300円)+1000円×365日を、

 母と同居を前提としない3年間については、事故前年の給与所得を

 それぞれ基礎とし、生活費控除割合を40%としてライプニッツ方式により算定した事例

 要介護5の者がいる場合に、家事労働+年36万5000円を加算したものです。

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2017年3月21日 (火)

【休業損害・逸失利益】 将来の年金が逸失利益としてみとめられた裁判例

 交通事故民事裁判例集第49巻第1号で紹介された大阪地裁平成28年1月14日判決です。

 被害者(女・57歳、兼業主婦)の年金逸失利益が問題となりました。

 裁判所は、被害者は、死亡時(57歳)において、同人の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年を超えていたこと、同人が年金受給年齢(65歳)に到達する時点での年金受給見込み額は75万7000円を認められることから、同人は65歳以降平均余命の87歳まで年金を受給する蓋然性があったとし、年金には生活保障的な意味あいがつよいことにも鑑み、生活費控除率は50%とするのが相当として、337万2435円を認めました。

 ※計算式

  75万7000円×(1-0.5)×(15.373-6.463)=337万2435円

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             (松山空港の寿司屋さん)