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書籍紹介(交通事故)

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【むち打ち損傷】

2019年6月23日 (日)

【むち打ち】 自賠責非該当も22歳男子消防士の左膝神経症状は職務に影響があるとして、14級9号が認定された事案

 自保ジャーナルNo2039号で紹介された京都地裁平成30年11月12日判決です。

 

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 自動二輪車に搭乗して交差点を直進中、先行被告乗用車が左折したため、急制動したが衝突して、左大腿部挫傷等の傷害を負い、自賠責非該当も14級9号左膝神経症状を残したと主張する22歳男子消防士の原告の事案です。

 原告の症状固定後の症状は、さほど強くなく、かつ、常時自発痛があるわけではないものの、左膝に痛みが生じることがあると認められる

 そして、原告が消防士として火災、救助・救急等の出勤をしていることに照らすと、通常神野勤務と比較して肉体上の影響があることが職務に影響を及ぼしやすいといい得る

 そうすると、原告にほとんど常時疼痛が残存しているとまでは認めがたいが、

 職務上の支障が生じることは否定できない

 原告の述べる痛みについては、C整形外科において診断されているとおり、創傷によるものとして医学的に説明が可能なものとして、

 左大腿挫滅創に伴う左膝創部の圧痛などの症状は、14級9号に該当する

 

 →14級9号の一般的な要件を充足しているとはいいにくような事案ですが、原告が消防士であることに着目した救済裁判例ではないかと思われます。

2019年4月21日 (日)

【むち打ち損傷】 クリープ現象 で、12級13号を主張された事案

 自保ジャーナルNo2035号で紹介された神戸地裁平成30年9月27日判決です。

 クリープ現象で追突された27歳男子主張の12級頚部神経症状ですが、裁判所は、約4ケ月で症状固定とし、後遺障害の残存を否認しました。

 頚部可動域制限の数値が初診時よりも後遺障害診断書作成時が悪化していること

 治療により疼痛の軽減がみられるのに後遺障害診断書作成時に悪化したのが不自然であること

 レントゲン写真上頚椎に軽度の変性所見(骨棘)が認められるが外傷性と認めるに足りる的確な証拠はないこと

 事故の軽微性

 等を理由に、14級9号を否定しました。なお、治療期間が4ケ月程しかありませんが、それでよく後遺障害の主張をされたと思います。

 結論として、約1900万円の請求に対して、判決は85万円程度です。

2019年3月31日 (日)

【むち打ち損傷】 腰部痛の後遺障害を否認

 自保ジャーナルNo2034号の京都地裁平成30年8月20日判決です。

 原告は、腰部痛につき、「腰部については、ヘルニアが確認されており、ラセーグテストも陽性で、足のしびれの原因となっていると推測される。原告には本件診断書に記載されたような神経症状が残つており、これは12級13号の後遺障害に該当する」と主張されています。

 う~ん。この理由で、被害者の方は、53歳大工の方のようですが、12級13号はきついなと思います。

 裁判所は、

 原告は、平成28年12月7日、腰痛を訴えたが、B医師は、事故との因果関係が証明できないと判断しており、腰部についての治療も実施されていない。

そして、転院後のD医院では、原告は腰部の症状を訴え、その治療がされているものの、そこでの傷病名は、「腰椎ヘルニア(L4/5)とされており、これは変性所見(加齢による所見)とされているばかりか、交通事故の後遺障害診断書(本件診断書)の傷病名欄には「腰椎ヘルニア」との傷病名は記載されていない」等から、「本件事故は原告車及び被告車が相当程度破損する事故であり、原告の身体に大きな衝撃が加わったことが認められることを考慮しても、受傷の早い段階から症状を訴えていた事実は認定できないといわざるをえず、その結果、本件事故により原告が腰部を受傷したとの事実は証明できていないと腰部受傷を否認しました。

 本件交通事故の大きさを考えると、被害者の方が受傷直後から腰痛を訴え、適切な治療を受けておれば、もしかしたら、14級9号の認定はあったのかもしれませんが、頚部神経症状では14級9号が認定されているので、併合しても等級には変化がないので、結果的には腰部痛で14級9号認定を受けても大きく変わるところはないと思われます。👓

2019年3月30日 (土)

【むち打ち損傷】  症状固定時期!?

 交通事故民事裁判例集第51巻第1号で紹介された京都地裁平成30年1月18日判決です。

 

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 追突事故により頸部痛、腰痛等を訴え、約1年1ケ月余治療を受けて症状固定と診断された原告(男・63歳・無職)につき、

 

 治療期間は一般的な頚椎捻挫、腰椎捻挫の治療期間である3ケ月とするべきだとの被告の主張を認めず、

 

 症状固定日には頚部痛及び腰痛が軽減していたこと、軽減に至ったのは同日までの治療費の結果であると考えられるとして、同日までの治療と事故との因果関係を認めました。

 

 ※後遺障害については、軽減を理由に否認されています。ということは、後遺障害非該当事案については、軽減を理由に、ある程度の治療期間は認められやすいということになるのでは!?

 

 

2019年3月 1日 (金)

【むち打ち損傷】 自動車工学の専門家による事故態様についての私的鑑定書が排斥された事例 

 判例タイムズNo1455号で紹介された東京高裁平成30年8月8日判決です。

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               (佐川町・青山文庫)

 加害者側損保会社から、自動車工学の専門家と称する方の工学についての私的鑑定書が提出されることがあります。被害者いじめの最たるものと言えます。

 交通事故に詳しい裁判官であれば、惑わされることなく、排斥していただけるのですが、そうでない裁判官もおられるために、このような私的鑑定書が提出されますと、こちらも同様の私的鑑定書を提出せざるを得ず、経済的に苦しい立場に陥っている被害者がさらに厳しい立場に置かれることになります

 東京高裁は、このような私的鑑定書の問題点を正確に指摘して、証拠として排斥しております。妥当な判断です。

 すなわち、重力加速度1Gは、①常時24時間加わり続けるものであり、②常時上から下方向に加わるものであるのに対して、本件非接触事故により加わる加速度は、①加速度の加わっていない状態から新たに加速度が加わっている状態に予告なく突然変化するものであり、②加速度が加わる方向も斜め前、斜め後、横からなど定まっていないものであることから、両者の加速度数値(1と1未満)の比較により科学的に何が解明できるのか分からないことを指摘している。

 また、これと併せて、車体のような剛体に加わる加速度の影響と、人体のような剛性でないものに加わる加速度の影響を同一に論じることはできないことなどを指摘している。

 そして、結論的には、自動車工学の専門家を自称する工学博士による私的鑑定書は、読者を誤解に導き、裁判を混乱に陥れ、鑑定と名乗るに値しないものとして、厳しく指摘しております。

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 田舎弁護士が経験した案件も、やたら分厚い私的鑑定書が出てきて、閉口した記憶があります。田舎弁護士は、加害者事案は被害者の方に同情してしまうケースが多いので、現在では、ほとんど受けておりません。

 被害者の請求に相応の合理性がある場合には、加害者損保は支払うべきものはきちんと支払って欲しいと思います。 

2019年2月27日 (水)

【むち打ち損傷】 頚部痛及び腰部痛の併合14級を残す51歳男子の症状固定を約7ケ月後と認定し、素因減額の適用を否認した 

 自保ジャーナルNo2031号で紹介された神戸地裁平成30年7月11日付判決です。

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 平成28年5月6日、51歳男子が運転する乗用車が赤信号無視の被告タクシーに衝突され、自賠責14級9号頚部痛及び腰部痛から併合14級後遺障害認定を受け、約7ケ月間の治療を主張する事案につき、

 C医師が作成した後遺障害診断書には、症状固定日が平成28年12月3日と記載されているところ、C医師は、原告がC病院整形外科を初めて受診した同年5月7日に原告を診察して以降、他の医師とともに継続的に原告を診察し、治療を担当している医師であり、

 原告は、本件事故後、頚部や腰部の疼痛を継続して訴え・・・原告が本件事故により、頚部、腰部等に相応の衝撃を受けたと推認され、頚部、腰部の各症状につき、それぞれ後遺障害等級別表第二14級9号の認定を受ける程であった一方で、

 本件事故による治療の開始から上記診断による症状固定までの期間は7ケ月足らずに過ぎない

 これらの事情に照らせば、C医師による症状固定の診断に、特段不合理な点は見当たらないとして、

 症状固定日は、C医師の診断のとおり、同年12月3日と認めると事故約7ケ月後の症状固定日を認定しました。

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 素因減額に有無につき、

 原告は、MRI検査において、頚部につき、骨棘の形成、脊柱管狭窄症及び神経椎間孔狭窄が認められ、脊髄・神経根圧迫の状態が疑われ、椎間板ヘルニアによる頚椎症と診断され、

 腰部につき、椎間板L2/3、L3/4の変性及び軽度の膨隆の状態が認められているが、

 原告は、本件事故によって初めて頚部や腰部の疼痛の症状を訴えて通院を開始しており、本件事故以前から原告の頚部や腰部に症状が生じていたとは認められないこと、

 C医師が原告の症状・治療への影響が懸念されるような既往症や基礎疾患について特にない旨回答していること、上記認定の原告の治療経過は、本件事故の態様や原告の受傷内容に照らして明らかに長期化しているとまで認めることはできないことを総合考慮すると、

 原告の頚部、腰部の状態が、原告に生じた傷害の有無・程度や後遺障害の残存等に寄与するまでの身体的素因であったとは認めることはできないとして、素因減額を否認しました。

 ※14級程度の後遺障害で、素因減額を主張する損保会社が少なくないことを考えると、被害者にとってありがたい判決です。



2019年1月 7日 (月)

【むち打ち損傷】 41歳男子主張の頚部痛等の12級13号後遺障害は外傷性の器質的損傷及び他覚所見は認められないとして、後遺障害の残存を否認した 神戸地裁平成30年4月19日判決

 自保ジャーナルNO2027号で紹介された神戸地裁平成30年4月19日判決です。

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 後遺障害診断における頸部痛、両手・背部のしびれ、首を急に廻せないなどの症状及び頚椎部の運動障害については、

 レントゲンやMRIで外傷性の器質的損傷は窺われず、

 神経学的テストでも特に異常は窺われず、

 他覚的所見は認められず、

 また、原告のC病院における症状経過及び治療経過に照らしても、頸部痛、両手・背部のしびれ等の症状が頑固かつ強度であるとまで認められず、

 頸部痛、両手・背部のしびれ等の症状が将来においても回復が困難と見込まれる症状であると認めることはできない、

 として、否定されています。

 過去に既存障害もあったようです。

2018年7月20日 (金)

【むち打ち損傷】 14級9号だけど、労働能力喪失期間は10年!?

 ぎょうせいの「交通事故民事裁判例集第50巻第3号」です。横浜地裁平成29年6月29日判決です。

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 被害者(女・美容院の代表社員)の後遺障害(頚部痛・頭痛頚部から右上肢のしびれー14級9号)による逸失利益につき、

 事故前年の収入を基礎に、外傷性の異常所見が認められないこと等から労働能力喪失率を5%、被害者の美容師という職業、櫛やハサミを自在につかえず、意識していないと道具を落としてしまう状況にあること等に鑑み、労働能力喪失期間を10年として、ライプニッツ方式で算定されました。

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 一般的には、労働能力喪失期間は、5年程度として評価されることが多いように思われますが、裁判所は10年と考えております。


2018年7月 1日 (日)

【むち打ち損傷】 追突され頚部及び腰部受傷の42歳原告の受傷程度は、事故後の通院加療1ケ月と認定した事案 大阪地裁平成29年12月22日判決

 自保ジャーナルNo2015で紹介された大阪地裁平成29年12月22日判決です。

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 平成28年1月29日、普通乗用車を運転して信号待ち停止中、被告貨物車に追突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負い、約5ケ月間通院したとする42歳原告の事案につき、

 本件事故による原告車の損傷は、リヤバンパカバーの擦過痕及びマフラーの接触痕にとどまり、内部部品には損傷が生じておらず、被告車にあっては、本件事故による損傷は生じていないとし、

 衝突実験の結果によっても、時速4.4キロメートルで固定バリヤに衝突した場合、衝突車両には、バンパカバー中央部が全体的に押し込まれて変形する等の損傷が生じることと比較すると、被告車の追突時の速度は時速4.4キロメートルを下回っていたとするのが自然で合理的である

 原告が最後にB病院を受診したのは平成28年3月2日で、同月3日以降、原告は、同病院でのリハビリを勧められるも同病院に通院することなく、C整骨院に通院していたことなどを考慮すると、

 原告の受傷の程度としては、同年6月24日までの5ケ月近くに及ぶ通院加療を要するものであったとは認めがたく、1ケ月程度の通院加療で足りる程度のものであったとして、受傷の程度は通院加療1ケ月と認定しました。

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 時折、病院での通院治療ではなく、整骨院の施術が中心になっている相談者を散見します。

 しかし、お気をつけて下さい。後遺障害の認定が難しくなる場合、整骨院の施術費の一部を否認される場合、本件の様に事故との因果関係が問題となる場合等が発生しております。

 頸椎捻挫、腰椎捻挫は、まずは、整形外科医にきちんと治療してもらいましょう💦

2018年5月19日 (土)

【むち打ち損傷】 8年4ケ月前に14級9号の認定を受けている被害者 名古屋地裁平成29年4月21日判決

 交通事故民事裁判例集第50巻第2号で紹介された名古屋地裁平成29年4月21日判決です。

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 事故による受傷につき、外傷性頚部腰部症候群、両側僧帽筋損傷、両側大後頭神経痛、頸髄浮腫等の診断を受け、現時点においても、頭・首・腰の痛み、上半身から指先にかけてのしびれがあるとする原告(49歳土木建築業)の後遺障害の有無・程度につき、

 症状の一貫性、治療経過、車両の損傷状態等や労働基準監督署調査官の意見等も考慮して、

 14級9号相当の後遺障害が残ったものと認め、

 本件事故の約8年4ケ月前の交通事故による同様の部位についての後遺障害(14級9号)の症状は、

 本件事故時には残存していなかったとして、原告の上記症状について、14級相当の後遺障害が残存し、その内容及び程度等から、労働能力喪失率は5%、労働能力喪失期間は5年と認めて、後遺障害による逸失利益を算定しました。

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