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書籍紹介(交通事故)

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【むち打ち損傷】

2018年7月20日 (金)

【むち打ち損傷】 14級9号だけど、労働能力喪失期間は10年!?

 ぎょうせいの「交通事故民事裁判例集第50巻第3号」です。横浜地裁平成29年6月29日判決です。

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 被害者(女・美容院の代表社員)の後遺障害(頚部痛・頭痛頚部から右上肢のしびれー14級9号)による逸失利益につき、

 事故前年の収入を基礎に、外傷性の異常所見が認められないこと等から労働能力喪失率を5%、被害者の美容師という職業、櫛やハサミを自在につかえず、意識していないと道具を落としてしまう状況にあること等に鑑み、労働能力喪失期間を10年として、ライプニッツ方式で算定されました。

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 一般的には、労働能力喪失期間は、5年程度として評価されることが多いように思われますが、裁判所は10年と考えております。


2018年7月 1日 (日)

【むち打ち損傷】 追突され頚部及び腰部受傷の42歳原告の受傷程度は、事故後の通院加療1ケ月と認定した事案 大阪地裁平成29年12月22日判決

 自保ジャーナルNo2015で紹介された大阪地裁平成29年12月22日判決です。

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 平成28年1月29日、普通乗用車を運転して信号待ち停止中、被告貨物車に追突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負い、約5ケ月間通院したとする42歳原告の事案につき、

 本件事故による原告車の損傷は、リヤバンパカバーの擦過痕及びマフラーの接触痕にとどまり、内部部品には損傷が生じておらず、被告車にあっては、本件事故による損傷は生じていないとし、

 衝突実験の結果によっても、時速4.4キロメートルで固定バリヤに衝突した場合、衝突車両には、バンパカバー中央部が全体的に押し込まれて変形する等の損傷が生じることと比較すると、被告車の追突時の速度は時速4.4キロメートルを下回っていたとするのが自然で合理的である

 原告が最後にB病院を受診したのは平成28年3月2日で、同月3日以降、原告は、同病院でのリハビリを勧められるも同病院に通院することなく、C整骨院に通院していたことなどを考慮すると、

 原告の受傷の程度としては、同年6月24日までの5ケ月近くに及ぶ通院加療を要するものであったとは認めがたく、1ケ月程度の通院加療で足りる程度のものであったとして、受傷の程度は通院加療1ケ月と認定しました。

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 時折、病院での通院治療ではなく、整骨院の施術が中心になっている相談者を散見します。

 しかし、お気をつけて下さい。後遺障害の認定が難しくなる場合、整骨院の施術費の一部を否認される場合、本件の様に事故との因果関係が問題となる場合等が発生しております。

 頸椎捻挫、腰椎捻挫は、まずは、整形外科医にきちんと治療してもらいましょう💦

2018年5月19日 (土)

【むち打ち損傷】 8年4ケ月前に14級9号の認定を受けている被害者 名古屋地裁平成29年4月21日判決

 交通事故民事裁判例集第50巻第2号で紹介された名古屋地裁平成29年4月21日判決です。

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 事故による受傷につき、外傷性頚部腰部症候群、両側僧帽筋損傷、両側大後頭神経痛、頸髄浮腫等の診断を受け、現時点においても、頭・首・腰の痛み、上半身から指先にかけてのしびれがあるとする原告(49歳土木建築業)の後遺障害の有無・程度につき、

 症状の一貫性、治療経過、車両の損傷状態等や労働基準監督署調査官の意見等も考慮して、

 14級9号相当の後遺障害が残ったものと認め、

 本件事故の約8年4ケ月前の交通事故による同様の部位についての後遺障害(14級9号)の症状は、

 本件事故時には残存していなかったとして、原告の上記症状について、14級相当の後遺障害が残存し、その内容及び程度等から、労働能力喪失率は5%、労働能力喪失期間は5年と認めて、後遺障害による逸失利益を算定しました。

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2018年5月17日 (木)

【むち打ち損傷】 7年半前の別件事故で併合14級認定を受ける35歳男子の本件事故による後遺障害を併合14級と認定した事案 神戸地裁平成29年9月28日判決 

 自保ジャーナルNo2012号で紹介された神戸地裁平成29年9月28日付判決です。

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 7年半前に別件事故で自賠責併合14級認定を受ける35歳男子原告は、自動二輪車で直進中、被告右折乗用車に衝突され、外傷性頸椎椎間板ヘルニア等から14級9号後遺障害が残存したという事案です。

 原告は、本件事故により、頸椎捻挫、腰部打撲の傷害を負い、初診時から継続して、頚部痛、腰痛、右足のしびれ感の症状を訴えており、

 さらに、本件事故の態様及び原告車の破損状況からすると、原告が原告車もろとも転倒し、被告車に衝突した際に、原告の身体に対しても相当程度の衝撃が加わったものと推認されることも踏まえれば、

 原告には、後遺障害診断書に記載された頚項部痛、腰痛、右下肢のしびれ感の後遺障害が残存しており、受傷時の状況や治療の経過、医師の診断内容などからすれば、頚部及び腰部に関し、局部に神経症状を残すものとして、それぞれ別表第二14級9号に該当し、別表第二併合14級に相当する後遺障害が残存したとし、

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 別件事故による後遺障害につき通院治療等を行っていなかった原告が、本件事故を機に、頚部や腰部の症状を訴えるようになったこと、

 別件事故から本件事故まで約7年半経過していること

 自賠責保険の事前認定手続きにおける判断も、他覚的所見が認められず、別件後遺障害認定があるため、本件事故による後遺障害が別表第二14級相当に留まるかぎり、障害程度を加重したものとは捉えられず、自賠責保険における後遺障害には該当しないとの判断をしているのであり、本件事故による別表第二14級相当の後遺障害が残存することを否定する趣旨とまではみられないことを併せ考えれば、

 原告が本件事故を機に訴えるようになった各症状については、自賠責保険の事前認定手続における判断にかかわらず、別表第二併合14級と認めると認定しました。

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2018年5月 4日 (金)

【むち打ち損傷】 後遺障害の認定と異議申立 -むち打ち損傷事案を中心としてー

 保険毎日新聞社から平成30年1月に出版された「後遺障害の認定と異議申立ーむち打ち損傷事案を中心としてー 」です。

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 ①基礎知識、②判例紹介、③異議申立にわけて解説されています。

 田舎弁護士も被害者請求手続で異議申立てを行うことがありますが、その時に大いに参考させていただければと思います。

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2018年4月25日 (水)

【むち打ち損傷】 追突された65歳女子の頚椎椎間板ヘルニアは事故を契機に症状が発現したとして、自賠責同様14級9号を認定した裁判例 京都地裁平成29年9月15日付判決

 自保ジャーナルNo2011で紹介された京都地裁平成29年9月15日付判決です。

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 乗用車の後部座席に同乗して信号停止中、被告貨物車に追突され、頚椎椎間板ヘルニアと診断されて自賠責14級9号後遺障害認定を受ける65歳有職主婦の原告の事案につき、

 自賠責保険の後遺障害等級認定においては、頚椎椎間板ヘルニア、右肩関節捻挫に伴う頸部~右肩甲部痛、右上腕筋萎縮等の症状については、提出画像上、本件事故による骨折、脱臼等の明らかな外傷性変化は認めがたく、後遺障害診断書及びその他の診断書上、自覚症状の裏付けとなる客観的な医学的所見には乏しいことから、他覚的に神経系統の障害が証明されたものとは捉えられない。

 しかしながら、症状経過、治療経過等を勘案すれば、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから、「局部に神経症状を残すもの」として、別表第二第14級9号に該当すると自賠責同様14級9号後遺障害を認定しました。

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 頚椎椎間板ヘルニアにつき、自賠責の後遺障害認定手続においては、画像上外傷性変化はないとされており、外傷によるものと認めるのは困難であるが、本件事故前は、原告にはしびれ等の症状はなかったのであるから、本件事故を契機として症状が発現したものと認められる。そのため、頸椎椎間板ヘルニアに対する治療も本件事故により必要な治療として認めると認定しました。

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 素因減額については、原告が本件事故前にしびれ等の症状が現れておらず、頸椎椎間板ヘルニアと診断されたこともその治療を受けていたことも認められないのであるから、本件事故前から変性があったとしても疾患には当たらない程度のものであり、さほど重いものでなかったといえる。そして、原告の年齢及び上記治療期間も踏まえれば、損害の拡大に寄与したものと素因減額を行うことが損害の公平な分担の見地から相当であるとは認められないと否認しました。

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2018年3月29日 (木)

【むち打ち損傷】 症状固定時35歳男子10級主張の複視は素因による疾病、14級主張のヘルニアによる右顔面部しびれ等は加齢現象によるものとして後遺障害の残存を否認した事案 名古屋地裁平成29年9月15日判決

 自保ジャーナルNo2009号で紹介された名古屋地裁平成29年9月15日判決です。

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 椎間板ヘルニアにより右顔面部のしびれ、後頭部・後頚部の痛みから、14級9号を主張する後遺障害につき、

 MRI画像で外傷性変化と考えられるのは、受傷間もない急性期における椎骨や椎間板、脊柱周辺の出血所見である。上記のMRI画像は、本件事故から約1年4ケ月が経過したものであって、本件事故による外傷性変化を評価できるものではないとし、

 MRI画像で認められる椎間板の膨隆は経年性の変化(老化現象)と捉えるのが自然である。

 なお、ソフトディスクヘルニアは、外傷性を意味するものではない。

 椎間板の軟骨ではなく、椎体辺縁から生じた骨棘が脊髄や神経根を圧迫し症状を発現させる場合に、これをハードディスクヘルニアと呼び、椎間板の軟骨が脊髄や神経根を圧迫し症状を発現させる場合をソフトディスクヘルニアと呼んでいる。

 後者についても、加齢変化に起因するものがほとんどである。

 上記のMRI画像は、無症状の健常者でもよく見られる所見であり、原告の訴える後頭部・後頚部の疼痛や上肢のしびれなどいわゆるむちうち症状を証明できる画像所見ではない。

 なお、加齢現象による頸椎椎間板ヘルニアは30歳代でもしばしば誘因なく発症すると言われているとし、本件事故により原告のC5/6、C6/7に椎間板ヘルニアが生じ、そのことにより右顔面部のしびれ、後頭部、後頚部の痛みの症状が現れていると認めることはできないとして、後遺障害の残存を否認しました。

 

2018年3月13日 (火)

【むち打ち損傷】  自賠責等級 14級 → 12級 素因減額10% の事案 名古屋地裁平成29年2月24日判決

 交通事故民事裁判例集第50巻第1号で紹介された名古屋地裁平成29年2月24日判決です。

 33歳の女性の頸椎椎間板ヘルニアに起因する頑固な神経症状事案です。

 自賠責保険上は、14級9号で、異議申し立てをしても変わらずの事案です。

 後遺障害診断書の内容を見る限り、ホフマンも、MMTも問題がないという事案で、これで12級というのは難しいだろうなという第1印象を受けます。また、被害者の女性の仕事は、パソコン入力作業が中心で、ストレートネックでもあるので、頸椎に無症状のヘルニアがあってもおかしくはないかなとも思われる事案です。

 裁判では、画像上、頸椎椎間板ヘルニアがあることから、原告は、これをもって、医学的に証明できるとして、12級13号を主張しております。

 裁判所は、なんと、12級13号を認めました!

 一番重要な理由は、本件交通事故が加害車両がセンターラインをはみ出し、正面衝突し、エアバックも作動する等大きな事故だったということです。

 そして、過去、首の痛みで治療を受けた形跡はなく、事故直後のMRIにヘルニアが確認できているということから、裁判所は、事故との因果関係を認めたわけです。

 とはいえ、頸椎捻挫に無症状の生理的退行変性等も理由に、10%程素因減額して、調整を図っております。

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2017年10月24日 (火)

【むち打ち損傷】 正面衝突された33歳女子の頸椎椎間板ヘルニアとの因果関係を認め、12級認定し、10%の素因減額を適用した 名古屋地裁平成29年2月24日判決

 自保ジャーナルNo1999で紹介された名古屋地裁平成29年2月24日判決です。

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 乗用車を運転中、センターラインオーバーの被告乗用車に正面衝突され、頸椎椎間板ヘルニア等で入通院し、自賠責14級9号認定も、12級13号後遺障害を残したとする症状固定時33歳女子会計事務所勤務の原告の事案につき、

 原告は、頸椎椎間板ヘルニアに起因する頸部痛を中心とする頑固な神経症状が残存しており、頸部痛、頭痛が継続しているため、制限勤務の状態であり、勤務中もパスコンの入力作業等をしていると頭痛、肩こりやしびれ等の症状が出ており、日常生活上の動作も支障があるものと認められ、原告の後遺障害は、「局部に頑固な神経症状を残すものとして、12級13号後遺障害を認定した。

 ⇒c5/6 の椎間板ヘルニアが他覚所見の最大の決め手になったようです。

 他方、10%程度の素因減額がされています。

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2017年6月24日 (土)

【むち打ち損傷】 田舎弁護士が被害者側で関与した松山地裁今治支部平成28年11月8日判決が自保ジャーナルNO1992号で紹介されました。

 自保ジャーナルNo1992号で、田舎弁護士が被害者側で関与した松山地裁今治支部平成28年11月8日判決が紹介されました。

 判決要旨を紹介いたします。

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 ①乗用車を運転、駐車場で停止中、後退してきた被告運転の乗用車に逆突された兼業主婦の原告の事案につき、

 原告は、「前回事故により、頸椎捻挫及び腰椎捻挫の各傷害を負い、平成22年4月30日に症状固定と診断されたこと、頸椎捻挫後の症状については、症状固定時において常時疼痛を生じる状況ではなく、症状固定後も通院することなく、自覚症状に応じて湿布等を使用するにとどまり、自覚症状も平成23年夏頃には消失していたこと、腰部捻挫後の症状については、他覚的所見のない疼痛であって、後遺障害別表等級第14級9号の後遺障害認定を受けたものの、症状固定後も通院することなく、自覚症状に応じて湿布等を使用するにとどまり、自覚症状も平成23年夏頃には消失していたことが認められる。その上、本件事故が平成25年5月9日であることを踏まえると、原告は、本件事故発生時において、前回事故による頸部痛が残存しておらず、また、前回事故による腰部の後遺障害が残存していなかったと認めるのが相当である」とし、原告は、「本件事故により、身体に一定の衝撃を受けたものと推認され、本件事故翌日にはG病院を受診していたものであって、その後の治療経過等にもかんがみると、原告は、本件事故により、頸椎捻挫及び腰椎捻挫の各傷害を負ったものと認めるのが相当である」と認定して、「原告が本件事故を契機として疼痛を訴えていることを考慮しても、原告について、外傷性に起因する頸椎捻挫椎間板ヘルニアが生じた、あるいは、外傷性に起因する下肢抹消神経傷害が生じたと認めることは困難である」と否認しました。

② 後遺障害の認定につき、原告は、「本件事故により、頸椎捻挫及び腰椎捻挫の各傷害を負い、通院治療を受けたにもかかわらず、疼痛の症状が残存したことが認めれる。そして、前回事故の症状固定日から本件事故日までが3年間を経過し、少なくとも1年以上は疼痛の残存が見られなかったことも考慮すると、原告は、本件事故により、頸椎捻挫及び腰椎捻挫の各傷害につき、それぞれ後遺障害別表等級表第14級9号の後遺障害を負ったものと認めるのが相当である」と14級9号後遺障害認定しました。

③約3年前に頸椎捻挫及び腰椎捻挫を負った原告の素因減額につき、「前回事故後の原告の頸部痛及び腰部痛については、いずれも本件事故時において疾患と評価し得るものとは認められない上、原告の頸部及び腰部の変性所見が経年性を超えるものと認められないこと及び前回事故における原告の腰部の後遺障害等級認定が後遺障害別表等級表第14級9号にとどまっていることも考慮すると、原告について、素因減額の対象となる既存障害を認めることはできないといわざるを得ない」と否認しました。

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