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2019年6月

2019年6月28日 (金)

【高次脳機能障害】 労災と自賠責との後遺障害等級が異なる場合!?

 交通事故が交通災害にあたる場合には、労災保険でも障害等級の認定がなされることをよく見ます。

 問題は、労災との相違がある場合です。

 相談の多くは、労災が高くて、自賠責保険が低いというものです。

 今回の日弁連交通事故相談センターでの研修でもこの点についての解説がありました。

 「労災認定と自賠責認定が相違する例は一般論として珍しくないが、今回調査した表2の裁判例では、特に、労災保険で高次脳機能障害が認定されている一方で、自賠責保険でも認められず、訴訟でも否定されている例が目だつた。」と解説されています。

 

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  労災との相違は、認定する機関が異なるためにやむを得ないところがありますが、その違いについて、労災保険の社会保障的性格と、賠償場面における認定の相違について言及する裁判例もあるようです。

 労災が高いからといって、自賠責も同じになるわけではありません。基準が同じでも、見る視点が異なるというべきでしょう。

 事実関係に争いがない刑事事件において、検察官側からみるのか、弁護人側からみるのかということに近いのではないかと思います。

 なお、田舎弁護士の場合、通勤労災が競合する場合には、難しい案件のケースでは、先に労災申請を行うことを勧めることがあります。そして、労災の認定が相談者の希望にそったものであれば、調査復命書等についての個人情報開示請求を行って、労災の認定理由の詳細や医員の意見等を把握して、証拠として有用なものがないか探すようにしております。研修の先生も同じことを解説されています。

 田舎弁護士は、田舎の弁護士ですが、日々、研修等の成果も仕事に即取り入れています。

2019年6月27日 (木)

【交通事故相談センター】 「高次脳機能障害に関する裁判例の動向」を受講しました。

 「高次脳機能障害に関する裁判例の動向」として、自賠責保険の認定が争われた事例を中心に、札幌の弁護士さんが解説されていました。高次脳機能障害事案もかなりの件数を取り扱われておられるようです。 

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 また、その弁護士さんですが、交通賠償と金融商品関係の2分野を専門でされておられるようです。札幌は都会なので、ある程度の専門分野を作るのが可能なんでしょうね。それはさておき、講義の内容はとてもよかったです。田舎弁護士の頭の整理のために、目次だけでも拾い出してみます😃
第1 高次脳機能障害の後遺障害等級
1 自賠責保険
(1)認定基準
 ア 存否
 イ 程度
(2)手続
 ア 提出する資料
 イ 認定手続
 ウ 異議
 エ 自賠責保険・共済紛争処理機構
2 労災保険
(1)認定基準
(2)手続
3 民事訴訟
 
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第2 裁判例の分析
1 表1~表3の見方
2 高次脳機能障害の存否が争われたケース
(1)否定判決
(2)肯定判決
(3)若干の分析
ア 意識障害の有無・程度
イ 画像所見
ウ 神経心理学的検査
エ 事故の重大性(あるいは軽微性)
オ 症状の経過
(4)高次脳機能障害の有無についての判断基準
(5)MTBIの主張
(6)労災との相違
(7)長期経過後の提訴
(8)その他の論点について
ア 画像上の脳萎縮・脳室拡大の所見の扱い
イ 慢性期の画像で異常所見が消失している例
ウ 画像所見はあるが意識障害がない(もしくは軽度)のケース
エ 原告の立証責任
3 高次脳機能障害の程度が争われているケース
(1)当事者が争ったが自賠責保険と同じ等級を認定した例
(2)自賠責保険よりも下位等級を認定した例
(3)自賠責保険よりも上位等級を認定した例
(4)分析(主張立証のポイント)
ア 意識障害と画像所見
イ 神経心理学的検査
ウ 日常生活状況・就労状況
エ 立証方法について
① 医師の意見及び医療記録
② 被告側の反証
③ 原告本人尋問
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第3 請求側弁護士としての準備・対応
1 意識障害についての所見
2 画像
3 症状の経過の確認
4 労災事案での資料の取得
5 手続の選択について
 ⇒田舎弁護士も、思えば登録5年未満のころは、交通事案も慣れておらず、自保ジャーナル等で紹介されるような裁判例もほとんどとれませんでした。3社の大手損保会社から依頼を受け、損保弁護士として、大活躍した(?)数年がなければ、事件数もなく、交通事故事案も得意という分野までに昇華させることができなかったと思います。
 今では損保弁護士はほぼ卒業しているので、被害者の方の適切な補償を得るために、精一杯頑張らせていただくことに幸せを感じております。
 損保会社からの相談や紹介はなくなりましたが、被害者の方からのご相談の予約は継続して対応させていただいております。
 頑張りたいと思います(他方で、無理なものについては無理と言わせていただいております)
 このような研修を受けられることは、被害者側弁護士としては大変ありがたいことです。
 

2019年6月26日 (水)

【交通事故相談センター】 損害保険料率算出機構の方の講演 高次脳機能障害認定の手続きの流れと問題点

 日弁連交通事故相談センター主催の研修会が、東京御茶ノ水でありました。

 損害保険料率算出機構の方のご講演でしたが、基本的な説明で、交通事故事案をよく勉強している😃 田舎弁護士的にはいささか物足りなかったです😃 。

 認定の流れについてはよくわかりましたが、問題点についてはあまり言及がなかったように思われます。

 例えば、「頭部への受傷が軽度とされ、画像検査資料を得ることが難しい場合でも、高次脳機能障害の症状が認められる場合は、受傷当初の意識障害の有無や程度、症状経過等を把握するため、救急搬送時の記録や、他院に転院される際に転院先に提供される連絡文書などの情報の提供をお願いすることがあります。」と説明されていますが、頭部への受傷が軽度とされ、画像検査資料が得ることが難しい場合において、かかる資料の提供により、自賠責保険において高次脳機能障害が認定されるのか、認定されるとすれば、どのような場合なのかを知りたかったのですが、説明がありませんでした。

 また、「MRI・CT等の画像所見が認められず、MTBI、軽度外傷性脳損傷の診断がなされている事案については、労災保険での取り扱いと同様、損保料率機構の本部において慎重に審査・認定を行います。」とありますが、認定されたようなことがあったのかどうかも知りたかったのですが、説明がありませんでした。

 我々弁護士は、加害者側、被害者側、いずれの立場に立っても、高次脳機能障害が自賠責保険で認定を受けられるかどうかに極めて大きな関心を抱いております。微妙な事案の場合、何が理由で認定が受けられたのか、或いは、受けられなかったのかを知りたいのです。

 もっとも、欲しかった「頭部外傷後の意識障害についての所見」等が手に入ったのはよかったです。

 平成30年報告により書式がかわったのですが、ネット等で探してもみつけることができなかったので、よかったです。

2019年6月25日 (火)

【交通事故相談センター】 2019年度高次脳機能障害相談研修会に参加しました。

 日弁連交通事故相談センターの2019年度高次脳機能障害相談研修会に参加しました。

 場所は、TKPお茶の水カンファレンスセンターです。

 テーマは、次のとおりでした。

 損害保険料率算出機構の方から、高次脳機能障害認定手続の流れと問題点

 青野渉弁護士から、高次脳機能障害の障害等級争点事案裁判例の傾向 

 研修終了後は、懇親会です。 

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 田舎弁護士ですが、現在、おそらく業務の4分の1くらいが交通事故、しかも、被害者の方からの依頼事件がほとんどとなっております。

 高次脳機能障害事案も複数件あります。

 高次脳機能障害事案においても、被害者のため、適切な補償が得られるよう勉強を重ねたいと考えて降ります。

 交通事故事案(被害者事案)は、しまなみ法律事務所におまかせあれ~

2019年6月23日 (日)

【むち打ち】 自賠責非該当も22歳男子消防士の左膝神経症状は職務に影響があるとして、14級9号が認定された事案

 自保ジャーナルNo2039号で紹介された京都地裁平成30年11月12日判決です。

 

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 自動二輪車に搭乗して交差点を直進中、先行被告乗用車が左折したため、急制動したが衝突して、左大腿部挫傷等の傷害を負い、自賠責非該当も14級9号左膝神経症状を残したと主張する22歳男子消防士の原告の事案です。

 原告の症状固定後の症状は、さほど強くなく、かつ、常時自発痛があるわけではないものの、左膝に痛みが生じることがあると認められる

 そして、原告が消防士として火災、救助・救急等の出勤をしていることに照らすと、通常神野勤務と比較して肉体上の影響があることが職務に影響を及ぼしやすいといい得る

 そうすると、原告にほとんど常時疼痛が残存しているとまでは認めがたいが、

 職務上の支障が生じることは否定できない

 原告の述べる痛みについては、C整形外科において診断されているとおり、創傷によるものとして医学的に説明が可能なものとして、

 左大腿挫滅創に伴う左膝創部の圧痛などの症状は、14級9号に該当する

 

 →14級9号の一般的な要件を充足しているとはいいにくような事案ですが、原告が消防士であることに着目した救済裁判例ではないかと思われます。

2019年6月13日 (木)

【高次脳機能障害】 労災12級を、自賠責3級で請求し、頚部腰部症候群を理由に14級を認定した事案

 自保ジャーナルNO2039号で紹介された静岡地裁平成30年10月12日判決です。

 自賠責保険については、事前認定又は被害者請求手続は行われていない事案で、労災では、局部に頑固な神経症状を残すものとして、12級の12が認定されたという事案です。

 

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 事案をみてみると、脳脊髄液減少症の疑い、MTBIが議論されたとても難しい内容を含んだケースであることがわかります。
 裁判所は、オーソドックな判断手法、つま、外力により脳に損傷が生じたと合理的に推認できることが必要であること、そのためには、①受傷時の意識障害の有無程度、②画像上(CT、MRI)の異常所見、③受傷時の外力の強さ、事故前後の受傷者の状況の比較、神経心理学的テストの結果等を考慮しております。
 
 本件については、①意識障害はないこと、②CTやMRIに以上はないこと、③神経心理学的テスト等も問題がないことから、高次脳機能障害を否認しています。
 1億4000万円程請求して、認容されたのは300万円弱です。
 
 ただ、裁判所も、14級9号とはいいながらも、通常の14級9号よりは、逸失利益、慰謝料ともに増額させています。
 
 ある程度、予想された判決の結果とはいえ、MTBIが認容されるのはハードルが高いようです。

2019年6月12日 (水)

【自賠法】 名義貸与の依頼を承諾して自動車の名義上の所有者兼使用者となった者が、自動車損害賠償保障法3条にいう運行供用者に当たるとされた事例

 判例時報No2402号で紹介された最高裁平成30年12月17日判決です。

 

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 第1審は、運行供用者を認め、第2審は、運行供用者を否定し、第3審は、運行供用者を肯定しました。
 ただ、破棄自判ではなくて、原告の損害を吟味するために、差し戻しております。第1審で損害論については検討されているはずなんですが。。。
 
 それはさておき、本判決は、生活保護を受けているAに対する名義貸与について、事実上困難であったAによる本件自動車の所有及び使用を可能にし、自動車の運転に伴う危険の発生に寄与するものといえると評価し、Yは、Aによる本件自動車の運行を事実上支配、管理することができ、社会通念上その通行が社会に害悪をもたらさないよう監視、監督すべき立場にあったというべきとして、Yが運行供用者にあたると判断しております。
 本件では、原則的には自動車を所有することができない生活保護を受けている人への名義貸しが問題になっており、安易な名義貸しに警鐘をならす点でも、重要な意義を有すると解説されています。

2019年6月 7日 (金)

【書籍】 むち打ち損傷ハンドブック第3版

 むち打ち損傷ハンドブック第3版(2018年・丸善出版)です。

 東京医科大学整形外科の遠藤健司先生、同鈴木秀和先生が編著者になります。

 

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 17章で構成されています。①むち打ち損傷の歴史、②むち打ち損傷の分類、③頚椎・頸髄の解剖・生理、④追突のバイオメカニクス、⑤むち打ち損傷の海外での最近の知見、⑥むち打ち損傷の急性期症状、⑦むち打ち損傷の慢性期症状、⑧むち打ち損傷の慢性期病態、⑨脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の症状・病態と診断基準、⑩むち打ち損傷の検査、⑪むち打ち損傷の診断と自宅・外来治療、⑫むち打ち損傷の薬物治療・神経ブロック治療、⑬代表的頚椎疾患と治療、⑭むち打ち損傷の予後、⑮むち打ち損傷の矛盾と疑問、心理的問題、⑯むち打ち損傷の後遺症の法的問題と事故の補償制度、⑰後遺症書類作成と代表例
 
 
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 むち打ち症例事案は、田舎弁護士も毎日のように取り扱っております。医学分野での知見も必要となります。

2019年6月 2日 (日)

【日本賠償科学会】 日本賠償科学会第74回研究会に参加しました。

 6月1日に、東京の法政大学で、日本賠償科学会第74回研究会が開催されましたので、田舎弁護士も参加しました。

 

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  10年程前から会員となり、交通事故や医療事故の勉強のために、研究会や懇親会等にも参加させていただいております。
  
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 第1部は、有賀徹先生(労働者健康安全機構理事長)の「労働者を保護することの社会的意義について」という特別講演です。
 
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 第2部は、「過労自殺考える」というシンポジウムです。
 
 1 黒木宣夫東邦大学名誉教授の、「自殺の労災認定の現状と課題~訴訟事例を含めて」
 2 松本俊彦精神保健研究所薬物依存研究部部長の、「自殺に至る精神医学的機序と自殺予防」
 3 川人博弁護士の、「過労死・過労自殺と企業の責任」
 4 田村裕一郎弁護士の、「働き方改革によって過労自殺は解消されるか」
 5 吉野慶弁護士の、「過労自殺における過失相殺・素因減額の可否と事由」
 6 潘阿憲法政大学教授の、「精神障害者中の自殺と保険者免責」でした。
 
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 田舎弁護士にとっては、なかなか難しい議論で、途中、😵 もありましたが、今、ご相談を受けている事案にも参考になりそうなヒントもいただきまして、有意義な研究会参加となりました。
 次回は、12月7日(土)になります。

2019年6月 1日 (土)

【解決実績】 当初提案約140万円を、示談・紛セン利用にて、約2倍の約290万円で解決しました。

 60歳代兼業主婦の方です。片側の手骨骨折で、治療期間は約10か月、うち入院日数は半月程度という事案です。

 後遺障害については残念ながら非該当でした。

 当初提案は約140万円程度でしたが、示談・紛セン利用にて、約290万円で解決しました。

 大きくUPした点は、主婦休業損害及び傷害慰謝料でした。

 弁護士費用特約にての利用で解決です。

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