<(_ _)>

  • 弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータル

書籍紹介(交通事故)

無料ブログはココログ

« 【書籍】 平成31年赤い本講演録 「全損における損害概念及び賠償者代位との関係」 | トップページ | 【書籍】 平成31年赤い本下巻講演録「非器質性精神障害をめぐる問題」 »

2019年5月21日 (火)

【書籍】 平成31年赤い本講演録 「全損における損害概念及び賠償者代位との関係」 続き

 昨日の続きです。ここからが核心です。

2 自動車損害の損害額の主張立証活動 

(1) 適正修理費用を巡る主張立証活動

 → 適正修理費用

  (被害者) 「被害車両の損傷の部位と損傷状況並びにこれに対する修理の内容を、それが当該事故による損傷であり、修理の方法としても不当なものでないことが分かる程度に、無理のない範囲で明らかにする必要がある。」「また、適正修理費用は比較的少額であることが多いものですから、その主張立証のあり方については、回復を受けようとする被害額に見合う主張立証の負担という観点をも踏まえて考える必要があります。この点、東京高裁平成29年12月12日判決は、『不要な修理が行われた又は修理代金が社会通念に照らし不当に高額であるといえるような特別の事情が認められるのであればともかく、加害者は、請求額が相当と考える金額より高額であるというだけでは支払いを拒むことはできないし、裁判所もその相当額について当事者双方に主張立証を促して審理をすることが適当であるとは考えられない。』と判示しており、これは、適正修理費用を巡る主張立証活動の在り方を考える上で参考にすべきものといえます。」

(2) 修理及び買替えの実行の有無

 →自動車の所有者でない者が請求をするなら格別、自動車の所有者が損害賠償請求をする場合には、実際に修理や買替えを行ったことは、請求が認められるための要件とはなりません。

(3) 車両時価額等の主張立証

 →適正修理費用が車両時価額等を上回ることは、適正修理費用の賠償を免れようとする加害者において主張立証することが必要であると解され、この場合、加害者において車両時価額等を主張立証することになります。

3 自動車損害の把握の仕方と賠償者代位について

(1) 賠償者代位

(2) 損害額の査定におけるスクラップ価額の位置づけ

 →①車両時価額等からスクラップの売却価額相当額を控除した残額をもって被害者に生じた損害額と把握する考え方と、②被害者がスクラップの売却代金を取得して初めて損益相殺するとの考え方の2とおりの考え方にわかれる。

 →そして、これら2つのいずれの考え方をとるにしても、

ⅰ 賠償以前にスクラップの売却代金を被害者が取得している場合には、原則として、その代金額が売却価額相当額として認められ、同額が損害額から控除されることとなり、

ⅱ また、賠償以前にスクラップが売却されていない場合には、加害者において、その主張に係る価額で売却できることを具体的に主張、立証しなければ、結論として、売却価額相当額が控除されることはないとすることが、実務的な損害額認定のあり方としては相当なものでないかと考えます。

(3)賠償者代位の帰趨

ア 賠償以前にスクラップの売却代金を得ている場合

  →代位なし

イ 被害車両について、単純な廃車手続をしてしまった場合

  →代位なし

ウ スクラップが被害者の手元に残っている場合

  →車両時価額等の全額の賠償により加害者が代位する

  →車両時価額等の全額が賠償された際に、経済的全損となった被害車両の修理がなされていた、或いは修理が予定されていた場合。。結論として、代位を認めず、不当利得の法理で対応。

 

   

 

« 【書籍】 平成31年赤い本講演録 「全損における損害概念及び賠償者代位との関係」 | トップページ | 【書籍】 平成31年赤い本下巻講演録「非器質性精神障害をめぐる問題」 »

【書籍】 」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 【書籍】 平成31年赤い本講演録 「全損における損害概念及び賠償者代位との関係」 | トップページ | 【書籍】 平成31年赤い本下巻講演録「非器質性精神障害をめぐる問題」 »

2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30