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書籍紹介(交通事故)

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2019年5月

2019年5月26日 (日)

【高次脳機能障害】 66歳女子主張の5級高次脳機能障害は認定基準の「4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの」と自賠責同様7級認定した事案

 自保ジャーナルNo2038号で紹介された横浜地裁平成30年11月2日判決です。

 急性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折、脳挫傷等の傷害を負い、自賠責7級4号高次脳機能障害認定も、5級高次脳機能障害を残したとする66歳兼業主婦の原告の事案につき、

 高次脳機能障害の認定基準の「4能力のうちの社会行動能力については、いずれもその半分程度が失われていることが認められるものの、それ以外の能力については、いずれもその半分程度以上が失われているとは認められないから、結局のところ、原告の高次脳機能障害の程度は、「4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの」として、後遺障害等級第7級の「高次機能障害のため、簡易な労務にしか服することができないもの」に当たるものと認めるのが相当である」として、自賠責同様7級4号高次脳機能障害を認定しました。

 5級の場合ですと、4能力の1つ以上の能力の大部分が失われていること、或いは、4能力の2つ以上の能力の半分程度が失われていることが必要になります。

 自賠責での認定は7級でしたが、裁判所も自賠責での認定を追認しました。

2019年5月25日 (土)

【施術費】 整骨院施術費用を全部否認

 自保ジャーナルNo2038号で紹介された横浜地裁川崎支部平成30年11月29日判決です。

 14級9号の腰部捻挫の後遺障害が得らえた方ですが、残念ながら、治療費と薬局代はほぼ全額は認められましたが、整骨院施術費用は全額否認されました。治療費施術費薬代は、約125万円ですが、治療費等は36万円程度はほぼ全て認められ、残りの整骨院施術費は全て否認という恐ろしい結果となっております。

 整骨院における施術費は、医師の明確な指示に基づくものでない限り、全部又は一部を否認されるという可能性を秘めているものです。

 整骨院における施術費については、とりわけ、訴訟の場合には、とんでもないことになるリスクもありますので、注意が必要です。

 必ず、医師の指示によるものであるかどうか、施術の効果がでているのかどうかなどを確認しておくべきです。

 

2019年5月24日 (金)

【ご相談】 「物損」交通事故の相手方が「無保険」の場合のご相談は、原則として、お引き受けしておりません。

 物損事案において、交通事故の相手方が「無保険」の場合のご相談については、ご紹介者がない方の場合には、現在、ご依頼を受けておりません。

 この場合でも弁護士費用特約のご相談が大半ですが、ここ数年の傾向からいえば、ほとんどの場合、交渉での解決は困難であり、提訴して判決を得て強制執行という形をとおっております。

 訴状自体を受け取っていただけない方も少なくなく、所在調査まで必要となります。

 そして、判決を得ても、財産を調査するために各種金融機関に弁護士会照会にて対応し、強制執行にまで及ぶのですが、判決で命じられた賠償金「満額」を回収できたケースが0ではありませんがそれほど数は多くはなく、複数回に及ぶ強制執行をしてかろうじて30%~70%程度、中にはほとんど回収できないというケースもあります。

 人身傷害であれば、ご相談者が人身傷害補償保険金等を付保している場合には提訴して訴訟基準によりご自身の保険会社から相応の賠償金を保険金として受領する方法もありますが、物損の場合にはそれができません。

 現在でも「無保険」事案を抱えておりますが、金額の多寡にかかわらずどのような事案でも誠心誠意対応させていただいている関係上、差押えのための弁護士会照会、差押え作業等事務処理に費やす時間量が増えてしまい、当事務所の負担が著しく大きくなっており、他の業務に影響がでているような現状です。

 従って、「物損」交通事故の相手方が「無保険」の場合のご相談については、仮に弁護士費用特約があったとしても、当事務所の顧問先等のご紹介者がない場合には、お引き受けをしないことにしました。

 

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 悪しからず、ご了解ください。

 但し、弁護士費用特約が付保されている方の場合には、他の法律事務所では、ご相談・対応にのっていただけることが多いと思います。

 

2019年5月23日 (木)

【施術費】 整骨院の施術費を全部否認

 東京高判平成30年9月20日(自保ジャーナルNo2037号)です。

 平成28年2月22日、乗用車を運転、信号待ち停止中、Yが運転するタクシーに追突され、頚椎委捻挫、右肩関節捻挫、腰部捻挫を負い、約6ケ月間整骨院に通院したX(整形外科9万0040円、薬局3万4480円、整骨院87万9430円)につき、「B整形外科の医師は、Xが整骨院への通院を希望したのに対し、これを勧めることはせず、自己の判断で通院するように述べるにとどまり、整骨院への通院の必要性を認めなかったものである。しかも、C整骨院では、医師による診断が下されていない右肩関節捻挫及び腰部捻挫の負傷名での施術も行われている上、C整骨院への通院が頻繁で、通院開始から治療に至るまでの通院状況に変化がない一方で、Xは、平成28年3月18日以降は、B整形外科にはほとんど通院していない。そして、C整骨院での施術についても、主としてXが訴える疼痛の緩和や指導に終始し、治療として客観的な改善効果を確認し得るものではない」とし、「XのC整骨院への通院の必要性は認め難いものといわざるを得ず、本件事故との間に相当因果関係を見出すことは困難である」として、整骨院施術費を否認した。

 整骨院の施術については、最近問題となることが少なくありません。典型的なのは、整形外科には余り通院しておらず、整骨院の施術が中心となっている場合です。

 整骨院の施術を中心とする方の場合には、後遺障害認定を受けることが難しくなります。後遺障害申請をするための後遺障害診断書は医師が作成しますので、整形外科に継続的に通院していなければ、それすら入手することが困難となります。

 さらにいえば、整骨院施術事案は週に3~5回も施術を受けている方も少なくなく、施術費が相当高額になっております。将来賠償交渉をする際に、相手損保から、施術費の全部とはいいませんが、一部否認されることもあります。

 少なくとも、整形外科と整骨院の通院の頻度が逆転するようなことはあってはならないでしょう。

 交通事故賠償において適切な賠償を得たいのであれば、整形外科に通院されることをお勧めいたします。

2019年5月22日 (水)

【書籍】 平成31年赤い本下巻講演録「非器質性精神障害をめぐる問題」

 平成31年赤い本下巻P49~の野々山優子裁判官の講演の「3非器質性精神障害をめぐる問題」です。

1 非器質性精神障害

 非器質性精神障害とは、脳の器質的損傷を伴わない精神障害とされていますが、「外力による器質的損傷と異なり、精神機能の障害の存在及びその原因を客観的に確認することは難しく、患者の愁訴に基づいて病態を把握せざるを得ない面があり、精神医学的に不明な領域も多く、その原因や機序を明らかにすることは困難である上、事故以外の様々なストレス因子により発症することがあり、また、精神的既往症に基づく場合もあるため、事故と非器質性精神障害との因果関係の判断には困難な伴うとされています。」。

2 非器質性精神障害の特質性

 ①多因性、②精神医学的に適切な治療により完治し得る、③精神科専門医による診断及び治療

3 障害認定基準とその策定の経緯

 →この心理的負荷認定基準の考え方は、脳疾患・心臓疾患が発症した場合の業務上認定の基本的な考え方である相対的有力原因説に基づくもので、交通事故のような損害賠償分野でこれをストレートには適用できないと思われるとの指摘がされています。現在の損害賠償実務においては因果関係認定についての明確な手法や基準は確立されていないことから、当該事案における具体的な事情を検討し、事故と障害との因果関係を判断していくことになります。

 

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 非器質性精神障害と事故との相当因果関係の有無については、一般的には、①事故態様や事故の衝撃の程度からうかがわれる、事故が被害者の心身に与えた影響の程度、②受傷内容、③精神症状の発症時期、④事故から通院開始までの時期を含めた精神科等専門医への受診状況等を手がかりに判断することとなります。その他の判断要素としては、⑤既往症の有無、⑥被害者の精神に影響を与えているものとみられる事故以外の要因の存否及びその影響の程度などが考えられます。

 PTSDについては、DSMやICDといった一般的な判断基準に基づいて判断。

 うつ病や適応障害については、必ずしもうつ病や適応障害の診断基準にあてはめてその障害を認定するのではなく、精神症状全般につき、発症の有無や事故との相当因果関係を判断しているものがほとんどです。

 症状固定日については、遅くとも事故から3年以内を症状固定時期と認定する裁判例が多いといえます。

 また、逸失利益の労働能力の喪失との関係においては、5年ないし10年程度に喪失期間が制限されることが多いと考えられています。

 

2019年5月21日 (火)

【書籍】 平成31年赤い本講演録 「全損における損害概念及び賠償者代位との関係」 続き

 昨日の続きです。ここからが核心です。

2 自動車損害の損害額の主張立証活動 

(1) 適正修理費用を巡る主張立証活動

 → 適正修理費用

  (被害者) 「被害車両の損傷の部位と損傷状況並びにこれに対する修理の内容を、それが当該事故による損傷であり、修理の方法としても不当なものでないことが分かる程度に、無理のない範囲で明らかにする必要がある。」「また、適正修理費用は比較的少額であることが多いものですから、その主張立証のあり方については、回復を受けようとする被害額に見合う主張立証の負担という観点をも踏まえて考える必要があります。この点、東京高裁平成29年12月12日判決は、『不要な修理が行われた又は修理代金が社会通念に照らし不当に高額であるといえるような特別の事情が認められるのであればともかく、加害者は、請求額が相当と考える金額より高額であるというだけでは支払いを拒むことはできないし、裁判所もその相当額について当事者双方に主張立証を促して審理をすることが適当であるとは考えられない。』と判示しており、これは、適正修理費用を巡る主張立証活動の在り方を考える上で参考にすべきものといえます。」

(2) 修理及び買替えの実行の有無

 →自動車の所有者でない者が請求をするなら格別、自動車の所有者が損害賠償請求をする場合には、実際に修理や買替えを行ったことは、請求が認められるための要件とはなりません。

(3) 車両時価額等の主張立証

 →適正修理費用が車両時価額等を上回ることは、適正修理費用の賠償を免れようとする加害者において主張立証することが必要であると解され、この場合、加害者において車両時価額等を主張立証することになります。

3 自動車損害の把握の仕方と賠償者代位について

(1) 賠償者代位

(2) 損害額の査定におけるスクラップ価額の位置づけ

 →①車両時価額等からスクラップの売却価額相当額を控除した残額をもって被害者に生じた損害額と把握する考え方と、②被害者がスクラップの売却代金を取得して初めて損益相殺するとの考え方の2とおりの考え方にわかれる。

 →そして、これら2つのいずれの考え方をとるにしても、

ⅰ 賠償以前にスクラップの売却代金を被害者が取得している場合には、原則として、その代金額が売却価額相当額として認められ、同額が損害額から控除されることとなり、

ⅱ また、賠償以前にスクラップが売却されていない場合には、加害者において、その主張に係る価額で売却できることを具体的に主張、立証しなければ、結論として、売却価額相当額が控除されることはないとすることが、実務的な損害額認定のあり方としては相当なものでないかと考えます。

(3)賠償者代位の帰趨

ア 賠償以前にスクラップの売却代金を得ている場合

  →代位なし

イ 被害車両について、単純な廃車手続をしてしまった場合

  →代位なし

ウ スクラップが被害者の手元に残っている場合

  →車両時価額等の全額の賠償により加害者が代位する

  →車両時価額等の全額が賠償された際に、経済的全損となった被害車両の修理がなされていた、或いは修理が予定されていた場合。。結論として、代位を認めず、不当利得の法理で対応。

 

   

 

2019年5月20日 (月)

【書籍】 平成31年赤い本講演録 「全損における損害概念及び賠償者代位との関係」

 平成31年赤い本講演⑥の石井義規裁判官による講演録が紹介されていました。

 「全損事故における損害概念及び賠償者代位との関係」です。

 項目等を引用しながら感想を述べたいと思います。

1 交通事故訴訟における損害額の算定について

(1)不法行為に基づく損害賠償制度の目的と方法

 「③の損害については、加害行為がなかった場合に想定される利益状態と加害行為によって現実に発生した利益状態をそれぞれ金銭的に評価して得られた差額であるとする差額説が、通説及び判例の基本的な立場です」

 →基礎的なお話ですが、各論になると難しい議論がある論点ですね。

(2)物的損害に対する金銭的評価の方法

 「不法行為により物が滅失、毀損した場合の損害の金銭的評価については、大審院の連合部判決が、原則として、滅失毀損当時の交換価値により定めるべきものと判示しており、このことは最高裁の判決でも確認されています。」

 →富喜丸事件判決ですね。なつかしい。

(3)中古自動車の損害に対する金銭的評価の方法

ア 物理的全損に関する評価の方法

  原則として、中古車市場価額(最高裁昭和49年4月15日判決) + 買替諸費用

イ 物理的に修理可能な損傷に対する評価の方法

  適正修理費用  (+評価損)

ウ 経済的全損

  適正修理費用(+評価損)  >  車両時価額等

エ 交換価値を基礎とした賠償によっては賄いきれない損害

  代車費用、休車損

(4) 小括

→ここまでは、基礎的な説明ですが、理由がわかりやすいので、参考になります。

(続き)

 

 

 

2019年5月18日 (土)

【脳脊髄液漏出症】 自賠責保険非該当、労災併合14級  → 裁判の結果、後遺障害全て否認

 自保ジャーナルNo37号で紹介された平成31年2月21日付広島高裁判決です。

 労災では、14級頚部神経症状及び14級耳鳴から、併合14級が認定。

 しかしながら、自賠責保険では、異議申し立てにかかわらず、後遺障害非該当という事案です。

 第1審では、頚椎捻挫を理由に、14級9号を認定しております。耳鳴りは否認。

 高裁では、脳脊髄液漏出症での治療も否認し、頚椎捻挫での神経症状も常時性がないとして否認されています。

 労災保険と自賠責保険での後遺障害の判断が異なることがあり、たいていは、労災保険の方が後遺障害認定が高くなりがちです。

 このようなことになると、多くの方は自賠責保険での認定がおかしい という気持ちを抱くことになります。

 交通事故をよく取り扱う弁護士の事務所では、このようなケースは散見されますので、あまり不思議には感じませんが、ご相談者の納得は得にくいところでもあります。

 昔、加害者側でセカンドオピニオンで相談を受けた際に、労災保険は12級、自賠責保険は非該当というようなケースで、加害者側の弁護士さんが後遺障害等級を争っていないこと、また、万が一に備えて、自賠責保険社に訴訟告知をしていないこと等の対応をしておらず、せめて後者の対応は行うようアドバイスを差し上げたこともあります。

 この事案も、第1審では約310万円だったのが、第2審で約55万円になってしまいました。このような場合には、高裁では和解を勧めるはずなのですが、当事者のどちらかが難しかったんですかね。

 

2019年5月17日 (金)

【解決実績】 異議申立て(被害者請求)により、後遺障害非該当から後遺障害14級9号(腰椎捻挫)を獲得しました。

 30歳代女性、腰部、両膝の神経症状(治療期間約9ヵ月。但し、加害者側損保会社治療立替は6ヵ月で打ち切り)ですが、初回被害者請求では、非該当(XPのみ)、主治医の協力を得て意見書を作成して、異議申立てをしたところ、腰部捻挫後の神経症状については、後遺障害14級9号が認定されたという事案です。

 XPがない事案でしたが、診療録の分析、そして、主治医の協力が認定を受けることができた最大のポイントだと思われます。

 医師により積極的な協力をいただけない病院も少なくありませんので、患者の立場に立って、医師ができる範囲での協力をいただける病院に通院する必要があります。

 👂なお、被害者請求手続についての弁護士費用ですが、弁護士費用特約で手数料が対応できる損保会社とそうではない損保会社があります。そうではない損保会社の中には、国内大手の損保会社が含まれておりますので、注意が必要です。LAC加盟の損保・共済会社であれば、その心配がありません。

 弁護士費用特約で手数料が対応できない損保会社の弁護士費用特約の場合には、LAC規定の準じた手数料は自己負担となりますので、ご注意下さい。

2019年5月15日 (水)

【書籍】 平成31年赤い本 最近の東京地裁民事交通訴訟の実情

 早速、最新の赤い本が送られてきました。谷口部総括判事の講演から、興味をひいた点を引用します。

 求償金請求事件における主張立証(P5~P8)についてです。

 「A所有・B運転の甲車両とY運転の乙車両との間の物損事故について、Aとの間で締結した自動車保険契約に基づき、車両保険金として、甲車両の修理費用を修理業者Cに支払った保険会社Xが、保険法25条1項によりAに代位して、Yに対し、不法行為に基づく損害賠償請求をする事案」を題材に、いろいろ検討しております。

 例えば、「訴訟物(被代位債権)の明示について」は、訴状には、「車両保険金の支払いをした」と一括して記載されているものの、事実関係を確認していくと、実は、甲車両の修理費用の支払と、甲乙間の事故に巻き込まれた丙車両の修理費用の支払いが混在していることがあります。

 前者(甲車両の修理費用の支払い)を理由とする求償金債権は、車両保険金(車両条項に基づく保険金)の支払により、甲車両の所有者Aに代位して、加害者であるYに対し、不法行為に基づく損害賠償請求をするものであるのに対して、

 後者(丙車両の修理費用の支払い)を理由とする求償金債権は、対物賠償責任条項に基づく保険金の支払いにより、共同不法行為者の一人(甲車両の運転者B又はその使用者A)に代位して、もう一人の共同不法行為者であるYに対し、被害者(丙車両の所有者C)に対する賠償額のうちYの過失割合に応じた負担部分について求償をするものであって、訴訟物が異なります

 また、遅延損害金の起算日についても、後者については、これを期限の定めのない債務とみて、保険金支払い日の翌日ではなく、求償金支払催告日の翌日とした原審の判断を是認した最高裁判決があるので、留意が必要です。

 その他、「約款の内容の明示について」として、ア 一部てん補の場合の帰趨について、イ 車両保険によるてん補損害の範囲についてなども参考になります。

 ただ、求償金請求事案は、損保弁護士の時は損保からのご依頼もありましたが、損保弁護士を辞めてからは、損保を原告とする訴訟の原告代理人を務めることはなくなりましたので、今は原告事案としてはありません💦

2019年5月 9日 (木)

【自賠法】 名義貸与の依頼を承諾して自動車の名義上の所有者兼使用者となった者が、自賠法3条にいう運行供用者にあたるとされた事例

 判例タイムズNo1458号で紹介された最高裁平成30年12月17日判決です。

 生活保護者であるAが、弟であるYに対して、車の名義をYにして、Aが車を利用していた時の事故ということです。Aではなくて、Yを被告にしたのは、おそらくは、Aが任意保険をかけていなかったのでしょう。

 判決要旨を紹介いたします。

 YがAからの名義貸与の依頼を承諾して自動車の名義上の所有者兼使用者となり、Aが上記の承諾の下で所有していた上記自動車を運転して事故を起こした場合において、

 Aは、当時、生活保護を受けており、自己の名義で上記自動車を所有すると生活保護を受けることができなくなるおそれがあると考え、上記自動車を購入する際に、弟であるYに名義貸与を依頼したなどの判示の事情の下では、Yは、上記自動車の運行について、自賠法3条にいう運行供用者にあたる。

 

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2019年5月 8日 (水)

【その他】 主婦X主張の左肩関節拘縮は、事故4ケ月後からの出現で本件事故により発症したとは認められないとして否認

 自保ジャーナルNo2036号の福岡高裁平成30年9月28日付判決です。

 

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 平成25年8月19日、主婦Xが片側3車線道路の第2車線で乗用車を運転して停止中、第1車線のY大型貨物車が左折した際に右後部をX車の左ドアミラーに衝突され、頚椎・腰椎・左肩関節捻挫を負い、左肩関節拘縮を発症したとする事案でした。

 裁判所は、本件事故はY車両の右後部がX車両の左ドアに衝突したというもので、X車両の左ドアミラーが破損した程度であること、本件事故時、X車両が揺れることはなかったことからすると、本件事故により、Xの上肢に大きな負担がかかったとは認めがたい

 そして、B病院におけるレントゲン撮影の結果、頚椎に中程度の変性、腰椎に軽度椎間板狭小が認められることを併せて考えると、Y車両が衝突した際、ハンドルを強く握り、身体を緊張させたというXの主張を前提としても、本件事故と因果関係のある治療は、平成25年10月23日まえと認めるとし、

 Xは、左肩関節拘縮も本件事故による傷害であると主張する。

 しかし、左肩関節拘縮は同年12月ころより出現したものであるところ、本件事故態様に加えて、上記のとおり、本件事故によりX車両に揺れは生じていないことからすると、本件事故から約4ケ月経過した後、左肩に症状が現れるとは言い難いし、B病院の医師も本件事故と左肩関節拘縮との関連性を否定している。左肩関節拘縮が本件事故により生じたとは認められないと判断しました。

 

 

2019年5月 7日 (火)

【その他】 刑事関係諸費用って請求できるの?

 自保ジャーナルNo2036で紹介されたさいたま地裁平成30年10月11日判決です。

 刑事事件関係費用について、裁判所は次のとおり述べます。

 「原告らは、本件刑事事件において、原告甲野がF地方検察庁で参考人として事情聴取を受けた際の交通費(往復高速道路利用料)の支払を求めるが、事故の被害者の親族として捜査に協力することは市民の義務といえるから、上記交通費は本件事故と相当因果関係のある損害とは認められない。」と判断しております。

 

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2019年5月 6日 (月)

【脊柱の変形】 脊柱の変形で11級7号の逸失利益

 交通事故民事裁判例集51巻2号で紹介された東京地裁平成30年4月17日判決です。

 腰椎圧迫骨折による脊柱変形で11級7号の後遺障害の逸失利益についての裁判例です。

 現在は大学に進学していることから、賃金センサスは男性大卒全年齢平均を基礎収入にした上で、

 同人は右足が義足であること(既存障害)、同人がいまだに若年であり圧迫骨折した局所の疼痛が解消し消失する可能性も否定できず、後遺障害の残存期間やその程度の予測が難しいことなどから、

 労働能力喪失率につき、症状固定から10年(逸失利益は大学卒業予定時の22歳から4年間)は14%、その後67歳までの41年間は5%として、ライプニッツ方式に寄り算定しました。

2019年5月 5日 (日)

【解決実績】 当初提案約50万円を、交渉・紛セン利用により、約90万円で解決しました。

 40歳台兼業主婦が通院約7ケ月腰部捻挫(後遺障害申請なし)の事案です。

 当初提案約50万円を、交渉・紛セン利用により、約90万円で解決しました。

 主な損害として、休業損害が、0提示から、約20万円に、慰謝料が、約30万円が、約70万円とそれぞれUPしました。

 兼業主婦は、主婦休業損害が提示されていないことが少なくないので、要注意です。

2019年5月 4日 (土)

【日本交通法学会】 2019年度定期総会(第50回)

 令和元年6月29日に、東京弁護士会館で、日本交通法学会の2019年度定期総会(第50回)が開催されます。

 テーマは、「監督義務者の責任とその保険対応」です。

 報告は、柴田龍立正大学准教授の「監督義務者の責任について」

     石田瞳高岡法科大学専任講師の「民法714条における監督義務の内容ー2016年3月1日最高裁判決」

     星野茂明治大学法学部准教授の「家族法の視点からみた監督義務者の責任について」

     池田裕輔東京海上日動火災保険課長の「監督義務者への保険対応」

  です。

  監督義務者については、田舎弁護士でも少し前に監督義務者に対して損害賠償請求をしたことがありますが、件数は多くないものの、5年に1回くらいは遭遇する相談です。

  ただ、6月は出張が多いので、いけないな~😵

2019年5月 3日 (金)

【解決実績】 被害者請求手続で、頚椎捻挫後の神経症状及び腰椎捻挫後の神経症状で、併合14級を獲得しました。

 20歳代男性の、頚椎捻挫・腰椎捻挫(治療期間約半年)を受傷された方です。

 相手損保から打ち切り通告されたことから、当事務所に相談。🚗

 当事務所にて、被害者請求のための資料を整え、申請したところ、頚椎捻挫後の神経症状で、14級9号、腰椎捻挫後の神経症状で、14級9号、併合14級が獲得できました。☀

 要は、病院に対して、後遺障害診断に必要な検査を実施して貰うこと等を要請し、記載してもらうことが重要です。

 「交通事故110番」の書籍は、相談者様をアドバイスする際には、わかりやすく、非常に優れものだと思います(但し、弁護士や医師、損保に対して厳しい意見が記載されています。)。

 

2019年5月 2日 (木)

【解決実績】 当初提案約20万円を、示談・紛センの利用により、約50万円までUPしました。

 30歳代女性、頚椎捻挫、通院約4ヵ月程度の被害者の方の事案(後遺障害非申請)です。

 相手方損保当初提案約20万円でしたが、示談・紛センの利用により、約50万円までUPしました。

 但し、慰謝料は、いわゆる赤い本基準の80%程度でしたのでもう少し時間をかければ、さらに若干のUPは見込めましたが、ご相談者様の意向により、早期解決としました。

 ご相談者様の中には、弁護士依頼により大幅な金額UPを望む方ばかりではありません。

 不慣れな交渉を弁護士に依頼して早期に問題を解決したい方、事情により早期解決を希望される方などおられます。

 以前、ある案件の交渉で、当初提案の金額よりは、結果的に数倍金額がUPさせたことがあります。しかしながら、解決のために数ヶ月かかってきたこと(ただ、数ヶ月かかったという事情は加害者側のやむを得ない理由によるものです。)から、お客様から不満を抱かれたこともあります。

 金額の大幅なUPはお客様にとって重要な要素ではありますが、中には、早期解決を最も重要な要素とされる方もおられます。

 どうしても弁護士の場合、田舎弁護士含めて、いかに金額をUPさせたことを誇りたがりますが、解決に至る状況もお客様にとっては重要な要素とされる方も少なくありませんので、打ち合わせの際に、お客様の意向は確認しておく必要があります。 

2019年5月 1日 (水)

【解決実績】 物損事案で、交渉・紛センの利用により、約5万円の買換諸費用を認めさせました。

  車両の修理代が約25万円程度の事案でした。当初提案は、修理代のみでしたが、資料をつけて、買換諸費用の請求をしたところ、当方の請求満額が認められました。😃

 買換諸費用については、加害者側損害保険会社は、交渉の段階で、ほぼ損害として漏らしてくるところです。

 車が全損の場合には、買換諸費用が漏れていないかを確認しましょう。

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