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2019年3月

2019年3月31日 (日)

【むち打ち損傷】 腰部痛の後遺障害を否認

 自保ジャーナルNo2034号の京都地裁平成30年8月20日判決です。

 原告は、腰部痛につき、「腰部については、ヘルニアが確認されており、ラセーグテストも陽性で、足のしびれの原因となっていると推測される。原告には本件診断書に記載されたような神経症状が残つており、これは12級13号の後遺障害に該当する」と主張されています。

 う~ん。この理由で、被害者の方は、53歳大工の方のようですが、12級13号はきついなと思います。

 裁判所は、

 原告は、平成28年12月7日、腰痛を訴えたが、B医師は、事故との因果関係が証明できないと判断しており、腰部についての治療も実施されていない。

そして、転院後のD医院では、原告は腰部の症状を訴え、その治療がされているものの、そこでの傷病名は、「腰椎ヘルニア(L4/5)とされており、これは変性所見(加齢による所見)とされているばかりか、交通事故の後遺障害診断書(本件診断書)の傷病名欄には「腰椎ヘルニア」との傷病名は記載されていない」等から、「本件事故は原告車及び被告車が相当程度破損する事故であり、原告の身体に大きな衝撃が加わったことが認められることを考慮しても、受傷の早い段階から症状を訴えていた事実は認定できないといわざるをえず、その結果、本件事故により原告が腰部を受傷したとの事実は証明できていないと腰部受傷を否認しました。

 本件交通事故の大きさを考えると、被害者の方が受傷直後から腰痛を訴え、適切な治療を受けておれば、もしかしたら、14級9号の認定はあったのかもしれませんが、頚部神経症状では14級9号が認定されているので、併合しても等級には変化がないので、結果的には腰部痛で14級9号認定を受けても大きく変わるところはないと思われます。👓

2019年3月30日 (土)

【むち打ち損傷】  症状固定時期!?

 交通事故民事裁判例集第51巻第1号で紹介された京都地裁平成30年1月18日判決です。

 

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 追突事故により頸部痛、腰痛等を訴え、約1年1ケ月余治療を受けて症状固定と診断された原告(男・63歳・無職)につき、

 

 治療期間は一般的な頚椎捻挫、腰椎捻挫の治療期間である3ケ月とするべきだとの被告の主張を認めず、

 

 症状固定日には頚部痛及び腰痛が軽減していたこと、軽減に至ったのは同日までの治療費の結果であると考えられるとして、同日までの治療と事故との因果関係を認めました。

 

 ※後遺障害については、軽減を理由に否認されています。ということは、後遺障害非該当事案については、軽減を理由に、ある程度の治療期間は認められやすいということになるのでは!?

 

 

2019年3月29日 (金)

【高次脳機能障害】 66歳男子労災5級認定高次脳機能障害 → 高次脳機能障害非該当

 自保ジャーナルNo2034号で紹介された東京地裁平成30年9月26日付判決です。

 労災では5級認定高次脳機能障害、自賠責では自賠責12級13号認定、裁判も自賠責12級13号認定というケースです。

 労災の認定と、自賠責・裁判の認定との間には、大きな開きがあります 😠

 高次脳機能障害について、裁判所は、

① 本件事故当時にB病院で実施された頭部CT検査画像の読影医は、頭部の両側に薄い硬膜下液体貯留を認める以外には、外傷由来の異常所見は認められないとの所見を示している

② 事故直後からの意識障害の有無についてみると、本件事故当日に救急搬送されたB病院では、意識障害はないとされており、認定事実の他、各医療機関の診療録その他の医証を精査しても、それ以降の間もない時期に原告に意識障害が生じたことをうかがわせる記載は見当たらない

 本件事故によって原告の頭部に外力による衝撃が加わったことが推認できるものの、頭部に骨折ないし挫裂創は総じておらず、本件事故後の頭部の画像所見及び意識障害の有無等に照らせば、これによって原告の脳に一次的損傷が生じたことを認めるに足りず、そうである以上、かかる脳の一次的損傷によって、原告が高次脳機能障害を発症したことは認められないと否認し、

 脳の二次的損傷による高次脳機能障害の発症については、原告の慢性硬膜下血腫による症状の内容・程度、治療状況及び症状経過等に照らせば、原告に本件事故により発症した慢性硬膜下血腫によって脳が圧迫されたことで脳全体が損傷したとの高度の蓋然性があることを認めるに足らず、このことは、平成25年6月13日に頭部CT検査の画像により外傷性変化と捉えられる脳室拡大が認められたことをもって、直ちに左右されるものではない。

 そうであれば、本件事故により原告の脳に二次的損傷は生じたものの、それにより原告が高次脳機能障害を発症したことは認められない。

 💔労災と、自賠責との後遺障害の認定が大きく異なります。たいていの場合、労災の方が高くでる傾向にありますので、それよりも低く認定された自賠責保険の認定については、大きな不満を抱かれることが多いように思われます。

2019年3月 8日 (金)

【高次脳機能障害】 自賠責3級高次脳機能障害等併合2級を残す36歳男子の将来介護費を両親及び姉と同居等から近親者介護のみとして日額4000円で認定した 東京地裁平成30年7月17日判決

 自保ジャーナルNo2032号で紹介された東京地裁平成30年7月17日判決です。

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 将来介護費について、

 原告の状況は、リハビリ治療の効果もあって、スプーン等であれば自分で食事をとったり、ボタン等がない服について時間はかかるものの着替えたり等できるほか、一定距離であれば杖等を用いて独立で歩行することも可能であり、E整形外科へのリハビリ通院等の慣れた経路で遠距離でなければ付き添いなく電車に乗ることもできる等の改善も認められる等から、原告の症状の改善状況に加えて、原告がその父母であるZやWのほか、姉のVと同居していることなどを考慮し、その将来介護費用は日額4000円として親族介護のみとするのが相当であると平均余命の45年間につき日額4000円で認定しました。

 姉のVと同居していることに着目されて、親族介護のみとされてしまったようです。でもどうなんでしょうかね。。。

2019年3月 6日 (水)

【施術費】 医師の同意のない柔道整復師の骨折等に対する施術は必要性・相当性は認められないと本件事故との因果関係を否認した事例 東京高裁平成30年7月18日判決

 自保ジャーナルNo2032号で紹介された東京高裁平成30年7月18日判決です。

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 東京高裁は、施術の必要性について、XがVの施術をした時には、医師による骨折の診断はされていなかったのみならず、かえって、医師は、Vを経過観察とした上で、痛みが増強するようであればCT検査で評価するとの治療方針を決定していたから、Xによる上記施術は、医師の治療方針に合わないものであったとし、

 VがD整形外科において骨折と診断されたのは、本件事故から2ケ月が経過した後であるから、このことをもって、Vが本件事故時に骨折していたと直ちにいうこともできないとして、上記施術は、その必要性・相当性に疑問があるといわざるを得ず、少なくとも、その費用が本件事故と相当因果関係がある損害に当たるとは認められないとして否認しました。

 事故直後のレントゲンでは骨折の所見はなかったということですから、仕方ないのでしょうね。。。

2019年3月 5日 (火)

【脳脊髄液漏出症】 39歳女子主張の9級脳脊髄液減少症は画像所見認められず典型的な起立性頭痛なく2回のブラッドパッチも症状は軽快しなかったと発症を否認した 東京高裁平成30年6月6日判決

 自保ジャーナルNo2032号で紹介された東京高裁平成30年6月6日判決です。

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 脳脊髄液減少症を発症し9級10号後遺障害を残したと主張する39歳女子Xの事案につき、

 RI脳槽シンチ画像での非対称性の漏出所見は、脳脊髄液循環不全を伴う場合でなければ厚労省基準の強疑所見に該当しないところ、Xにつき脳脊髄液循環不全の所見があったことを疑わせる証拠はないとし、XのCTミエロの画像に、厚労省基準に該当する漏出所見があると認めることはできないと否認、

 造影脳MRI画像における硬膜造影は、典型例に比べて全体に淡く、とぎれとぎれであり、しかも側頭部にほとんど肥厚が見られないのであり、C医師も、上記画像につき、びまん性の硬膜肥厚の所見を否定する意見を述べていることからすると、Xにつき、硬膜外静脈拡張や硬膜肥厚を認めることはできない他、

 Xの髄液圧は、本件事故に近い時点では髄液圧が60ml水柱を上回っていることからすると、平成25年12月7日の髄液圧が60ml水柱であったことをもって、Xに脳脊髄液減少症が発症したものと認めることはできないと、画像所見等による脳脊髄液減少症の発症を否認しました。

 それ以外にも、典型的な起立性頭痛がないこと、ブラッドパッチ治療の効果がなかったことも、発症否認の理由とされています。

2019年3月 1日 (金)

【むち打ち損傷】 自動車工学の専門家による事故態様についての私的鑑定書が排斥された事例 

 判例タイムズNo1455号で紹介された東京高裁平成30年8月8日判決です。

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               (佐川町・青山文庫)

 加害者側損保会社から、自動車工学の専門家と称する方の工学についての私的鑑定書が提出されることがあります。被害者いじめの最たるものと言えます。

 交通事故に詳しい裁判官であれば、惑わされることなく、排斥していただけるのですが、そうでない裁判官もおられるために、このような私的鑑定書が提出されますと、こちらも同様の私的鑑定書を提出せざるを得ず、経済的に苦しい立場に陥っている被害者がさらに厳しい立場に置かれることになります

 東京高裁は、このような私的鑑定書の問題点を正確に指摘して、証拠として排斥しております。妥当な判断です。

 すなわち、重力加速度1Gは、①常時24時間加わり続けるものであり、②常時上から下方向に加わるものであるのに対して、本件非接触事故により加わる加速度は、①加速度の加わっていない状態から新たに加速度が加わっている状態に予告なく突然変化するものであり、②加速度が加わる方向も斜め前、斜め後、横からなど定まっていないものであることから、両者の加速度数値(1と1未満)の比較により科学的に何が解明できるのか分からないことを指摘している。

 また、これと併せて、車体のような剛体に加わる加速度の影響と、人体のような剛性でないものに加わる加速度の影響を同一に論じることはできないことなどを指摘している。

 そして、結論的には、自動車工学の専門家を自称する工学博士による私的鑑定書は、読者を誤解に導き、裁判を混乱に陥れ、鑑定と名乗るに値しないものとして、厳しく指摘しております。

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 田舎弁護士が経験した案件も、やたら分厚い私的鑑定書が出てきて、閉口した記憶があります。田舎弁護士は、加害者事案は被害者の方に同情してしまうケースが多いので、現在では、ほとんど受けておりません。

 被害者の請求に相応の合理性がある場合には、加害者損保は支払うべきものはきちんと支払って欲しいと思います。 

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