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書籍紹介(交通事故)

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2019年1月

2019年1月16日 (水)

【自賠責等級より下がった裁判例】 自賠責併合2級 → 併合4級

 自保ジャーナルNo2029号(1月10日号)に掲載された大阪地裁平成30年6月28日判決です。

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 自賠責が併合2級なのでそれを前提に請求したところ、裁判では併合4級と返り討ちにあってしまったという事案です。そのため、1億3000万円を超える請求をしているにもかかわらず、1000万円弱程度しか認められていません。

 訴訟に至った場合、件数は多くはありませんが、後遺障害等級の見直し、逸失利益の労働能力喪失率の見直しは裁判例では散見されます。多くの場合は、自賠責保険が認定した等級が維持されますが、中にはそうではない場合もあります。

 田舎弁護士自身は幸いなことに被害者の立場の依頼でこのようなことを経験したことはありませんが、昔損保の代理人をしていた時に、相手方がこのような事態になってしまっていたことは何度か見たことがあります。

 弁護士が、「裁判すれば、金額が大幅にUPするよ」 ということを強調すると、返り討ちに遭ったときに大きなクレームとなります。リスクをきちんと説明すべきだろうと思いますが、インターネット等で交通事故被害者事案無料相談等を謳っている事務所のホームページにはリスクについての説明はほとんどされていないように感じました。

 最近のホームページは、相談料無料とか、着手金を無料とかを強調する事務所が増えております。確かに、田舎弁護士の事務所でも、そのような問合せが増えております。従って、相談料無料、着手金無料等で対応すれば、相談は増えるでしょう。。。

 他方で、弁護士は、公務員ではなく、顧客からの弁護士費用にて事務所の経営を成立させています。また、交通事故事案において、調査や書面の起案は弁護士自身が行う必要があります。

 相談料無料等で、その部分、相談時間が増えますが、これは、反面、他の依頼事件への時間の確保を困難にする事情ともなります。また、オーバーワーク的に依頼を受けると、執務時間の確保が困難となります。

 従って、田舎弁護士の事務所では、相談料無料、着手金無料というスタイルで相談にこられる方は、遠慮していただいております。

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 さて、今回の事案は、原付自転車で走行中に被告大型貨物車に衝突され、頭部外傷Ⅲ型、外傷性くも膜下出血、右下腿骨骨折等の傷害を負い、自賠責3級3号高次脳機能障害、同10級11号右下肢機能障害、同12級7号右膝関節機能障害等の併合2級認定の後遺傷害を残す46歳兼業主婦の原告の事案です。

 なお、労災は、高次脳機能障害について、5級の認定にとどまっているようです。

 裁判所は、

 原告は、身の回りの動作については、食事、更衣、排尿、排便は自立しており、入浴、車椅子操作はときどき介助、見守り、声かけが必要とされ、屋内歩行、屋外歩行はてつなぎ等であり、階段昇降はほとんどできない、公共交通機関の利用はできないなどとされたが、

 現在は、原告の夫、娘及び実母が見守る中、自宅で生活をしている、食事は家族が準備をすれば自ら取ることができ、排泄は1人で可能である、ただし、身体的な障害があることから、転倒のおそれが大きく、室内移動や入浴の際には、家族が見守っている等から、

 原告の症状からすれば、神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないものというべきであって、別表第二の5級2号に該当すると5級2号高次脳機能障害を認め、併合4級後遺障害を認定しました。

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 やはり、控訴中のようです。提訴の段階では、医療カルテまで取り付けて検討していることは少ないので、裁判になると怖いですね。ただ、本件は労災の認定が5級なので、そこで何か違和感を感じるべきだったんでしょうか。。。。

2019年1月15日 (火)

【高次脳機能障害】 当事務所が関与した松山地裁今治支部平成30年3月22日判決が、自動車保険ジャーナルNo2029号(1月10日号)で紹介されました。

 自動車保険ジャーナルNo2029号(1月10日号)で田舎弁護士が関与した松山地裁平成30年3月22日判決が紹介されていました。

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 自賠責7級4号高次脳機能障害、同14級10号顔面醜状から併合7級認定の後遺障害を残す19歳男子病院で就労し専門学校生の原告の後遺障害逸失利益の算定について、

 「平成21年産業計企業規模計高卒男子全年齢平均賃金と平成26年のそれとの差額が年額5万円強にとどまっていること、

 原告が当時若年であったこと、

 及び就労可能年数が長かったことも考慮すると、

 原告は、平成26年男子高卒全年齢平均賃金である年額466万3500円を取得する蓋然性があったこと」と基礎収入を認め、

 「原告の後遺障害は、頭部外傷後遺症について後遺障害別等級表第7級4号に該当すると認定され、自賠法施行令ではその労働能力喪失率は56%とされている。

 この点、原告は、平成23年から平成27年までの給与収入と前記賃金センサスの乖離の程度が56%を上回っていることから、少なくとも労働能力喪失率が60%程度に達していると主張する」が、「本件に顕れた一切の事情を考慮しても、原告の前記後遺障害に伴う労働能力喪失率は、56%とする」とし、「原告の労働喪失期間は45年であ」るとしえ、センサス男子高卒全年齢平均賃金を基礎収入に45年間56%の労働能力喪失で認定しました。

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 この事案は、当初は他の弁護士に依頼されていたのですが、解任後に紹介者を通じて田舎弁護士が依頼を受けさせていただいた事案です。

2019年1月14日 (月)

【その他】 労災11級  → 自賠責14級 

 自保ジャーナルNo2028号で紹介された京都地裁平成30年3月19日判決です。

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 54歳男子の労災11級認定の聴力障害及び同12級耳鳴は、本件事故との因果関係ないと否認し、自賠責同様併合14級を認定しました。

 労災での等級が、自賠責の等級よりも、高い場合に、自賠責の等級についておかしいとして、労災での等級を求める方が時折おられます。

 ただ、労災と自賠責ですが、審査基準はほぼ同一とされていますが、等級が労災の方が自賠責よりも高いケースを散見します。

 そのために、異議申立を行うことがありますが、労災と自賠責との等級が一致していないことのみをもって異議申立てを行ってもそれが認められたケースに、私は見たことがありません。

 やはり審査基準に沿う立証資料を整えることができるかどうかであろうと思います。

 また、労災から申請した方がいいのか、自賠責から申請した方がいいのかという質問を受けることがあります。労災を先行することについては労基はいやがる傾向にあります。

 が、ネットサーフィンをすると、労災を先行させて労災の認定を受けてから自賠責での認定を受けた方がよいとする解説もあります。

 田舎弁護士的には、労災と自賠責とは認定機関が異なるので、同時に申請してもよいのではないかと思うのですが、前記解説もあったために現時点では労災を先行することをお勧めしております。

2019年1月13日 (日)

【自賠責等級より下がった裁判例】 12級7号 → 14級9号 トホホ判決

自保ジャーナルNo2028号で紹介された京都地裁平成30年6月14日判決です。

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 53歳男子の自賠責12級7号認定の右膝関節機能障害は器質的変化の残存が認められず、関節可動域の測定値も採用しがたいとして否認、14級9号に落ちてしまったという事案です。

 約1800万円近くを請求して、判決は、約300万円程度です。

 裁判所は、

 事前認定において、右膝の関節機能障害については12級7号とされたが、

 ①右膝の半月板損傷は改善していて、器質的変化が残存したとはいえない

 ②関節可動域についてみても、初診時から90度の屈曲が可能だったところ、治療期間中にいったん130度程度まで回復した後に、症状固定時の測定値90度に至ったことからすると、症状固定時の測定値をただちには採用しがたい等から、12級7号は認められないと否認して、

 14級9号局部に神経症状を残すものに該当すると判断しました。

 被害者にとって、トホホ判決です。

2019年1月12日 (土)

【その他】 成年後見人の報酬

 交通事故民事裁判例集第50巻第6号で紹介された東京地裁平成29年4月13日判決です。

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 被害者(男・症状固定時41歳・会社員)の成年後見人(弁護士)報酬につき、報酬付与審判のあった88万3000円に加え、引き続き成年後見人の職務を遂行する必要があり、その報酬額は月額2万円を下らないとして、平均余命までの35年間につきライプニッツ方式により算定した金額を併せて、411万6040円を損害として認めた事例

 昔、加害者側損保の代理人事件を取り扱っていた際に、この請求を落としている被害者側代理人弁護士が散見されていました。しっかりと加害者側から回収する必要があります。

2019年1月11日 (金)

【過失相殺】 歩行者との非接触事故につき、自動車運転者の過失責任が認められた事例 

 判例タイムズNo1454号で紹介された大阪高裁平成30年1月26日判決です。

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 非接触事故は、過去、相談案件が多く、加害者側、被害者側どの立までも豊富な経験があります。

 ただ、田舎弁護士が取り扱った事案は、四輪車 と バイク というのがほとんどであり、大阪高裁のように、四輪車 と 歩行者 というのは珍しいのではないかと思いました。

 判タの解説は以下のとおりです。

 「非接触事故では、接触事故に比べて証拠が少ないこともあってか、事故態様、過失や相当因果関係が激しく争われることがあり、専門家医師や工学専門家による私的鑑定書が提出されることもある。

 また、非接触事故による過失割合が接触事故の場合と異なるかも問題になる。

 非接触事故の事案は、どのような結果回避行動がとれるのかを含めて、具体的事実関係に基づく証拠評価にかかっており、類型的考察が困難な事例が多い。」

 確かに、そのとおりですね💦

2019年1月10日 (木)

【和解】 物損で示談したからといって、人損で責任を認めたことにはならない!?

 交通事故民事裁判例集第50巻第6号で紹介された大阪地裁平成29年11月28日判決です。

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 信号機による交通整理が行われている変則的な交差点において、青信号に従い対向して交差点に進入した原告車両(普通乗用自動車)と被告車両(普通貨物自動車)の衝突事故について、

 事故の原因は原告車両が自車の進行方向を間違え、右折の合図を出さすに右折方向である道路に十分に減速せずに進行しようとして被告車両の進路を遮ったことにあるとして、事故における被告車両の過失割合を、0と認めた事例

 この事例は、物損では示談を5対5の過失割合で解決していたのですが、これは紛争の早期解決のためであり、人損の過失割合を物損の過失割合を考慮して決するべきとはいえないとして、物損での示談があることが被告の民事上の責任を負わないとする判断を左右するものではないと判断しております。

2019年1月 9日 (水)

【過失相殺】 中央線のない道路における衝突事故

 交通事故民事裁判例集第50巻第6号が届きました。

 名古屋地裁平成29年11月1日判決です。

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 中央線のない幅員約4mの道路における対向する原告車(原動機付自転車)と被告車(普通乗用自動車)との衝突事故につき、

 被告に、道路左側部分のみでの走行が可能であったのに中央からはみ出して走行した過失、及び、道路の見とおしが悪く、前方に対向車等を発見した場合に停止できる速度で走行する義務に違反し、前方の安全確認が不十分なまま、すぐに停止することが困難な時速約30㎞前後で進行した過失があるとし、

 他方、原告にも、進路前方の見通しが悪い道路であり、可能な限り左側に寄り、安全な速度で進行すべき義務を怠り、漫然と走行させた過失があるとして、過失割合を原告15%、被告85%とした事例。

 
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 こういう事案って、原告側が無過失を主張することが多いですよね。本件事案も、第1次的には無過失を主張されてみたいです。

2019年1月 7日 (月)

【むち打ち損傷】 41歳男子主張の頚部痛等の12級13号後遺障害は外傷性の器質的損傷及び他覚所見は認められないとして、後遺障害の残存を否認した 神戸地裁平成30年4月19日判決

 自保ジャーナルNO2027号で紹介された神戸地裁平成30年4月19日判決です。

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 後遺障害診断における頸部痛、両手・背部のしびれ、首を急に廻せないなどの症状及び頚椎部の運動障害については、

 レントゲンやMRIで外傷性の器質的損傷は窺われず、

 神経学的テストでも特に異常は窺われず、

 他覚的所見は認められず、

 また、原告のC病院における症状経過及び治療経過に照らしても、頸部痛、両手・背部のしびれ等の症状が頑固かつ強度であるとまで認められず、

 頸部痛、両手・背部のしびれ等の症状が将来においても回復が困難と見込まれる症状であると認めることはできない、

 として、否定されています。

 過去に既存障害もあったようです。

2019年1月 6日 (日)

【解決実績】 20歳代専業主婦(頚椎捻挫・腰椎捻挫)につき、当初提案約70万円を、約120万円にて、解決しました。

 20歳代専業主婦(頚椎捻挫・腰椎捻挫)(通院3ヵ月)につき、加害者側損保会社当初提案約70万円を、紛セン・示談にて、約120万円にて解決しました。

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                 (今治城)

2019年1月 3日 (木)

【解決実績】 20歳代男子会社員(腰部捻挫)につき、約30万円提示を、約50万円にて、解決しました。

 20歳代男子会社員(腰部捻挫)(後遺障害なし)事案(通院3ヵ月)で、加害者側損保の提案 約30万円を、弁護士による介入により、約50万円で、紛セン・示談交渉にて、解決しました。

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                 (広島の公園)

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