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書籍紹介(交通事故)

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2018年10月

2018年10月14日 (日)

【医療セミナー】  画像鑑定の基礎 MRIについて

 東京日比谷で開催された「画像鑑定の基礎 MRIについて」を受講いたしました。

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 最近、交通事故事案や医療過誤事案等医療に絡む相談や依頼を受けることが増えております。

 特に、交通事故事案においては、弁護士費用特約の普及に伴い、画像鑑定費用も支払っていただける損保会社が少なくないので、鑑定会社から、医学意見書をいただくことも増えております。

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 特に、むち打ち症例、手足の機能障害等についての相談がケースとしては多いのですが、画像がレントゲン程度しかないことが多くて、等級認定に支障が生じることも目につくようになっております。

 現在、鑑定会社は1社を中心にお願いすることがほとんどですが、それぞれに個性があると思い、今回、思い切って、医療セミナーに参加することになりました。

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 医療画像の種類としては、①X線を使用する画像(XP、TV撮影、血管造影、CT)、②X線を使用しない画像(US、MRI)、③γ線を使用する画像(RI)があり、それぞれについての概要説明がありました。

 XPは、椎間板ヘルニア、腱板損傷、TFCC損傷は診断できない

 当然、脳の損傷もわからない

 ということは、最低限押さえておくべきことです。

 CTについては、撮影時間が短い、脳血流に対する感度がよい、骨の異常がわかる、身体に金属やペースメーカーあ入っていても撮影できる、急性期脳梗塞に対する感度は低い等の特色があるようです。

 MRIについては、歴史から説明がありましたが、医学鑑定に多い6大部位としては、頭部(矢状断)、頚椎(矢状断)、腰椎(矢状断)、膝関節(矢状断)、肩関節(冠状断)、手関節(冠状断)についての説明がありました。

 RIについては、各種シンチ検査があげられます。脳槽脊髄腔シンチが有名ですね。

 RIは、半減期の短い放射線同位元素を、目的部位にあわせて作られた化合物に標識して静脈注射(吸入)し、体内での分布や臓器の機能を調べる検査ですが、形態画像ではなく機能画像ということに注意をする必要があります。

 MRIについては、磁場を用いて核磁気共鳴現象を起こす、身体に電波を送り、身体から出る信号を受信する、画像化の対象は水素原子という機器です。

 特徴としては、撮影時間が長い、カラに金属やペースメーカが入っていると撮影しない、放射線被ばくしない、脳や骨盤や骨など動かない臓器に強い、病気の発症時期や状態がわかる、いろいろな撮影方法があり、画像鑑定では必要不可欠なものです。

 MRIでわかることはたくさんですが、例をあげると、

① 神経や靭帯

   圧迫されている、途切れている、炎症を起こしている

② 最近の障害か古い障害か(活動性の炎症)

   T2強調画像で白く写る 脂肪抑制画像

③ 骨挫傷や不顕性骨折

   T2強調画像で白く写る 脂肪抑制画像

  これらには、高磁場1.5テスラ以上のMRIが必要。脂肪抑制画像が撮影できるかどうか。

  ※T1強調画像は解剖的な構造がわかり、T2強調画像は病変がわかりやすいとされています。

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 画像鑑定には、MRIが必要。

 MRIは、骨の中の組織の状態がわかる、筋肉や靭帯等の軟組織の状態がわかる、炎症の程度や時期がわかる という特徴があり、事故が原因で生じた病変であることが表現されるのです。

 今回のセミナーを受講して、大変勉強になりました。



2018年10月10日 (水)

【日本損害保険協会】 医療セミナー 救急医療の実際と治療法

 先日、日本損害保険協会医研センター主催の医療セミナー「救急医療の実際と治療法~胸腹部を中心に~」を受講してまいりました(東京・損保会館)。

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 講師は、東京都済生会中央病院救急診療科部長の関根和彦先生です。

 まず、救急医療の現在、過去、未来として、①救急医療システム、②救急医療の実際、③救急医療の問題点と未来というテーマを設定され、以下、各テーマごとにお話をされました。

 ②の救急医療の実際のテーマでは、外傷診療のトピックとして、1 ダメージ・コントロール手術、2 非手術的治療、3 血流遮断の技術(救急室開胸)についてお話をされました。

 ダメージ・コントロール手術の功罪として、1 分割手術による手術難易度の低下、2 ガーゼ圧迫術の濫用、3 膨大な医療資源の確保が必要 ということでした。

 非手術的治療については、より侵襲の少ない治療へということで、開腹手術 → 内視鏡下手術 → 血管内治療(非手術的治療)へと流れているようです。

 血管内治療については、経カテーテル的動脈塞栓術について、骨盤骨折の事案、肝損傷、脾損傷、腎損傷についての症例についての説明がありました。

 もっとも、非手術的治療の功罪としては、1 非手術的治療の濫用、2 手術治療の減少、3 入院期間の延長 が挙げられています。

 血流遮断の技術(救急室開胸等)については、大動脈閉塞バルーンカテーテル、救急室開胸と大静脈遮断カテとの比較等について解説がありました。

 大動脈遮断カテーテルの問題点としては、1 高価 2 下肢の阻血症状 3 挿入操作が困難なことがあるということが挙げられています。

 ERでの外傷診療から手術室までの流れについてはビデオをみせていただきました。

 救急医療の問題点と未来については、1 たらいまわし 2 救急医 救急病院の不足についてお話がありました。

 最後に、災害と救急医学についてのお話がありました。

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 勉強になりました。

2018年10月 3日 (水)

【頸髄損傷】 40歳男子主張の1級脊髄損傷は、他覚的所見等なく否認し、同主張の非器質的精神障害を14級認定しました。東京地裁平成30年3月15日判決

 自保ジャーナルNo2022号で紹介された東京地裁平成30年3月15日判決です。

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 40歳男子自営業者の原告は、原付自転車でT字路交差点を直進中、左方道路から右折進行してきた被告自動二輪車に出合い頭衝突され、脊髄損傷等を負い、両下肢麻痺、膀胱直腸障害から、1級1号または1級6号後遺障害等を残したと主張する事案です。

 原告について、本件事故後に実施された頚椎、胸椎及び腰椎のX-P画像上、外傷性の異常所見は何ら認められず、頚椎、胸椎及び腰椎のMRI画像上も、第7/8胸椎間にヘルニアが認められたのみであり、髄内輝度変化等の明らかな脊髄変性所見は認められていない。

 なお、椎間板ヘルニアは一般に経年性変化であることが多く、原告の代7/8胸椎間のヘルニアについても本件事故により生じたものであることが明らかとはいえないが、いずれにせよ、上記ヘルニアによる脊髄の圧迫は顕著なものではないし、上記ヘルニアの部位と本件事故後の原告の知覚消失部位は相関していないから、上記ヘルニアは本件事故による胸髄損傷の発生を示す画像所見とはいえない。

 以上によれば、原告が本件事故により脊髄損傷(胸髄損傷又は中心性頸髄損傷)を負ったと認めることはできない。

 なかなか難しいものです。

 主治医は、胸髄損傷、頸髄中心性損傷とする後遺障害診断書を作成されたようですが、

 自賠責等級認定手続、異議申立手続、裁判所、いずれの手続きにおいても、否定されています。

 主治医がその傷病名を診断書に記載したからといって、裁判所が認めてくれる保証はないのですが、一般の方にこの説明をしてもなかなか理解していただけませんね。

2018年10月 1日 (月)

【素因減額】 58歳男子の頸髄損傷から既存障害7級加重の3級後遺障害を認め、脊柱管狭窄症から、後遺障害にも4割の素因減額を適用した事例 仙台高裁平成29年11月24日判決

 自保ジャーナルNo2022号で紹介された仙台高裁平成29年11月24日判決です。

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 自賠責7級4号認定の既存障害を有する58歳男子Xは、信号T字路交差点を乗用車で右折中、右側車道から直進してきたY乗用車に衝突され(第1事故)、頸髄損傷の傷害を負い、

 その後、歩道を超えて路外に転落し(第2事故)、自賠責3級3号認定の加重障害を残した事案での、

 Xの脊柱管狭窄による素因減額につき、

 実際の脊柱管狭窄の度合いを最も反映するMRI画像では、頸髄損傷を来したXのC5/6椎間には脊柱管前後径(5.1ミリメートル)が平均値(12ミリメートル)の半分以下という著しい脊柱管狭窄が認められており、その程度は通常の加齢性変化(老化現象)の程度を著しく越えるものといわざるを得ないこと、

 Xの頸髄損傷は骨傷なしに生じたものであるところ、脊柱管狭窄があるあめに頸髄に衝撃が加わり、非骨傷性の頸髄損傷が発生したものであり、脊柱管狭窄がなければ頸髄損傷が生じなかったことに照らすと、

 本件事故以前に脊柱管狭窄に対する治療措置が行われていたことを認めるに足りる証拠がないとしても、

 Xの頚部脊柱管狭窄は、損害の減額要素となる素因と評価するのが相当であるとして、素因減額4割を認定しました。

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