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書籍紹介(交通事故)

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2018年9月

2018年9月28日 (金)

【腱板断裂】 42歳男子10級主張の右肩腱板断裂を否認して自賠責同様14級9号後遺障害を認定した事例

 自保ジャーナルNo2021号で紹介された名古屋地裁平成30年1月12日判決です。

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 なかなか腱板断裂は難しそうな事案です。

 本件事故後に原告を最初に診察したB医師は、当初、原告の右肩について、腱板不全損傷と診断し、C医師は、初診時に剥離骨折を疑い、右上腕骨大結節剥離骨折とする診断書を発行したものの、CT、MRI、超音波検査及び数種の神経学的検査の結果を踏まえて、右上腕骨近位端骨挫傷と診断し、また、明らかな腱板断裂は認められないと診断し、その診断をB医師も支持してその後の治療にあたったものと認められ、この診断を否定すべき事情は認められない

 ということで、裁判の結果、腱板断裂の傷害は否認されています。

 田舎弁護士の相談でも、当初の医師のカルテ類の記載は、ある傷病名(疑いを含む)を記載しながら、途中で、その後の診断書ではその傷病名がでてこない場合に、当初の傷病名にこだわる相談者の方もおられます。

 ただ、主治医が当該傷病名を用いた後遺障害診断書を作成されていない場合に、少なくとも、当該後遺障害診断書を作成された医師の協力が絶対に必要不可欠ですが、これを得られないケースも少なくありません。

 しかも、多くの場合には、事故後かなり経過してからの相談になることから、さらに、事故との因果関係も問題となります。

 他方で、主治医等の積極的な協力が得られる事案、例えば、田舎弁護士が経験した腱板断裂の事案でしたが、主治医の積極的な協力のみならず、遠方にまで診察に訪ね、超有名大学病院の教授レベルの医師の意見書をいただけた事案では、自賠責等級14級の事案でしたが、かなりの上位の等級で裁判上の和解をしたことがあります。

 最近でも、神経麻痺のケースで、微妙な事案でしたが、主治医(権威のある病院です)の意見書を添付の上、申請したところ、自賠責保険上、12級の認定をいただくことができました。

 後遺障害の認定のためには、主治医の協力が必要不可欠です。主治医の協力が得られない事案の場合には、後遺障害を得ることはできません。

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2018年9月24日 (月)

【その他】 既判力

 判例タイムズNo1451号で紹介された平成29年10月25日判決です。

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 交通事故に基づき後遺障害が残存したと主張して提起された損害賠償請求の訴え(前訴)について、一部認容判決が確定した後に、後遺障害が悪化したと主張して提起された後遺障害に係る損害賠償請求の訴え(後訴)が、前訴確定判決の既判力に抵触するかという論点については、東京地裁平成29年10月25日判決は、消極的な判断をしております。

 もっとも、結論としては、原告の主張する神経症状は認められないとして、請求を棄却しております💦

2018年9月18日 (火)

【非器質的精神障害】 43歳女子12級主張の外傷後ストレス障害を否認、自賠責同様非器質的精神障害等併合14級認定した事例

 自保ジャーナルNo2021号で紹介された東京地裁平成29年7月18日判決です。

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 外傷後ストレス障害は否認されて、非器質的精神障害として14級が認定されたという事案です。

 なお、自賠責14級9号の頚椎捻挫後の頚・腰部痛、14級9号非器質的精神障害の、併合14級が認定され、裁判所においても同様ですが、後遺障害慰謝料については110万円の相場どおり、逸失利益については、労働能力喪失率は5%と相場どおりですが、喪失期間は10年と相場の5年よりは長く認めてくれています。

2018年9月16日 (日)

【醜状痕】  考え方についての文献 No2

LP交通事故損害関係訴訟)

  「外貌醜状は、デスクワーク、荷物の搬送等の通常の労働にとって特段影響を及ぼさないことから、逸失利益は発生しないとも考えられるが、被害者が女性で芸能人、モデル、ホステル等の容姿が重視される職業に就いている場合や、男性でもアナウンサー、営業マン、ウエイター等それなりの容姿が必要とされる職業に就いている場合には、特に顔面は醜状痕が残ったことにより、ファンや店の客足が減る、勤務先の会社で営業職から内勤に配置転換となり昇進が遅れる、転職に支障を生じ職業選択の幅が狭められるなどの影響を及ぼすことが生じ得る。このように労働に直接影響を及ぼすおそれがある場合には、自賠責制度の運用において用いられる当該等級の後遺障害等級表の労働能力喪失率を参考として、被害者の職業、年齢、性別等も考慮したうえで、被害者の外貌醜状がその労働に与える影響を考慮して労働能力喪失率を決することになろう。」

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 (交通事故関係訴訟の実務)

 「実際のところ、外貌の醜状障害による労働能力喪失の有無及び程度は、主として醜状障害の内容及び程度と被害者の職業との相関によって判断されているといえる。

  醜状障害の内容及び程度については、後遺障害等級表の区分が比較的大まかなものであることから、事案に即して個別具体的な検討がされなければならないが、これが重大なものになればなるほど、労働能力に対する影響が具体化し深刻化することは当然である。

  被害者の職業については、例えばモデル等、外貌を含めた容姿が仕事の有無及び内容に直結するような職業に被害者が就いている場合には、醜状障害は、当然職業を前提とした身体的機能・能力を減少させ、場合によってはこれを喪失させるものにほかならず、労働能力に対する影響を認めることは容易である。

  もっとも、これ以外の職業に被害者が就いている場合であっても、労働能力に対する影響が認められないわけではない。外貌がその者の印象を大きく左右する要素であることは明らかであるところ、醜状障害は、職務に従事する上で一般的に必要となる円満な対人関係の構築や円滑な意思疎通の実現を阻害する要因となりうる。醜状障害によって喪失する労働能力の実質は、伝統的な意味合いにおける身体的機能・能力の観点のみならず、このような対人関係円滑化の観点からも把握すべきであって、このように理解する場合には、醜状障害が労働能力に全く影響しないと職業はおよそ考えられず、かつて説明されてきた以上に後遺障害による逸失利益を認めていくべきではないかと思われる。」

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2018年9月15日 (土)

【醜状痕】  考え方についての文献

 

 (河邊義典裁判官による説明)

  被害者の性別、年齢、職業等を考慮した上で、①醜状痕の存在のために配置を転換させられたり、職業選択の幅が狭められるなどの形で、労働能力に直接的な影響を及ぼすおそれのある場合には、一定割合の労働能力の喪失を肯定し、逸失利益を認める。

  ②労働能力への直接的な影響は認め難いが、対人関係や対外的な活動に消極的になるなどの形で、間接的に労働能力に影響を及ぼすおそれが認められる場合には、後遺障害慰謝料の加算事由として考慮し、原則として、100万円~200万円の幅で後遺障害慰謝料を増額する。

  ③直接的にも間接的にも労働能力に影響を与えないと考えられる場合には、慰謝料も基準どおりとして増額しない。

 

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2018年9月13日 (木)

【休業損害・逸失利益】 タクシー乗務員の後遺障害(右下腿内側部の傷痕14級5号、左鎖骨の変形障害12級5号、併合12級該当)

 ぎょうせいの交通事故民事裁判例集第50巻第4号で紹介された大阪地裁平成29年7月7日判決です。

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 右下腿内側部の創痕で14級5号、左鎖骨の変形障害で12級5号、併合12級該当という事案です。

 この場合の逸失利益ですが、被害者側としては、平均余命の半分の7,74年間、14%(12級相当)の労働能力を喪失したとして逸失利益を請求しております。

 被害者としては、ありうる請求の内容です。

 ただ、傷痕で14級は通常は労働能力に関係しないですね。また、鎖骨の変形障害も、同様な指摘がされています。ただ、疼痛が残っている場合には、労働能力喪失率5%で労働能力喪失期間は5年程かなと、加害者サイトでは考えてしまいますね。

 判決は、労働能力喪失率については、やはり5%、他方で、労働能力喪失期間については、7年程を認定してくれたようです。

 このあたりの感覚は、少し経験を経ないとわからないと思います。

2018年9月 4日 (火)

【頸髄損傷】 51歳男子主張の頸髄損傷は異常所見等認められず、加齢性変性による頸髄圧迫によって生じているとも証明できるから否認された事例 東京地裁平成29年7月19日判決 

 自保ジャーナルNo2020号で紹介された東京地裁平成29年7月19日判決です。

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 乗用車を運転して走行中、右方の路外施設駐車場から右折進入してきた被告貨物車に衝突され、頸髄損傷等の傷害を負い、右上肢のしびれ等から自賠責14級9号認定も、12級13号後遺障害を残したとする51歳男子原告について、

 本件事故によって原告の頚部に衝撃が加わったものの、その程度は軽度であったと認められること、

 原告には頸髄損傷を裏付ける明らかな外傷性の異常所見はないといえること、

 原告には頸髄損傷の裏付けとなる有意的な神経学的な異常所見があるとは認められないこと、

 原告の本件事故後から生じた右上下肢の痺れ等の症状は、原告の加齢性の変性によって頸髄が圧迫されていることによって生じているとも説明できることに照らせば、

 原告が本件事故によって頸髄損傷(中心性頸髄損傷を含む)を負ったと認められないと頸髄損傷を否認しました。

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2018年9月 2日 (日)

【その他】 関節機能障害が労災で10級認定が、裁判すると12級まで等級ダウンした事案 横浜地裁平成30年1月17日判決 

 自保ジャーナルNo2020号で紹介された横浜地裁平成30年1月17日判決です。

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                  (京都駅)

 自転車で走行中に被告自転車に衝突され、左膝動揺関節から労災10級関節機能障害、左眼上瘢痕から同12級外貌醜状の併合9級後遺障害を受ける21歳男子会社員の原告の事案につき、

 原告の左膝関節動揺の障害が時々硬性補装具を必要とするものに当たることについては、調査復命書にその旨の記載があり、原告本人もその旨を供述するものの、硬性補装具の具体的な使用状況は明らかではない一方、診断書では、原告の労働に必要なのは軟性の装具とされ、また、現に、原告が軟性の補装具を着用した状態で、硬式の社会人野球の試合にピッチャーとして登板するなど、膝への高い負荷が想定される運動を行っていた事実があることに照らせば、前記労災認定の事実を踏まえても、困難というほかない

 として、労災認定の10級に疑問を呈した上で、

 原告の左膝関節動揺の障害は、重激な労働以外には硬性補装具を必要としないものにとどまり、後遺障害等級12級に準ずる関節の機能障害に当たるものと認めるのが相当である

 として、10級から、12級に後遺障害の等級がダウンしました。

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 労災の等級がダウンするケースって散見します💦



2018年9月 1日 (土)

【物損】  全損 

 保険毎日新聞社から、平成30年7月に出版されました「全損 」第3集という書籍です。

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 6部構成です。①車両全損請求、②国産乗用車全損の場合、③外国産乗用車全損の場合、④タクシーハイヤー全損の場合、⑤トラック全損の場合、⑥学説・文献にみる車両全損の場合です。

 最近、弁護士費用特約利用の物損の相談が増えておりますので、助かります。

 まずは、請求を裏付ける裁判例があるかどうかが重要ですから💦

 

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