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書籍紹介(交通事故)

2018年11月
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2018年7月

2018年7月30日 (月)

【醜状痕】 自賠責12級神経障害を否認、13級視力障害、12級外貌醜状で、併合11級が認定された事案 神戸地裁平成29年12月13日判決

 自保ジャーナルNO2017号で紹介された神戸地裁平成29年12月13日判決です。 Kimg3135
 自賠責保険では、①頭部外傷で12級13号、②視野障害で13級3号、③外貌醜状で12級14号、④併合11級だったのが、

 裁判では、①頭部外傷は、×、②視野障害で13級、③外貌醜状で12級、④併合11級となりました。

 同じ11級だから、変わりないのでは?ということになりますが、③外貌醜状は逸失利益が認められないことがほとんどなので、結局、逸失利益の金額が異なってしまうのです💦

 裁判では、頭部外傷については、他覚的な所見はあるものの、神経症状はないと判断されて、12級13号がなくなってしまったという珍しい事案です💦

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 裁判すると、相当多くは金額は上がりますが、中には、示談提示の時よりも金額が小さくなることがあります。裁判にはリスクがつきものなのです。それはどうしても裁判になると、医療記録、刑事記録も精査されてしまい、その結果、認定された後遺障害認定が見直しされることもあるからです。

 田舎弁護士の場合、一般的には、金額は大きくなることが多いですが、中には、小さくなるケースもありますという説明をするようにしております。微妙な事案は、示談や紛セン申立てにより解決するようにしております。金額が小さくなっても、弁護士はその法的責任をとれませんので。。。

2018年7月23日 (月)

【醜状痕】 52歳女子の自賠責12級認定の右下腿瘢痕は、痛みを伴うとして、労働能力喪失5%で逸失利益を認定した 金沢地裁平成29年1月20日判決

 原付自転車搭乗中、店舗駐車場内で被告乗用車に衝突され、右下肢瘢痕から自賠責12級認定を受け、労働能力喪失14%を主張する52歳有職主婦の事案です。

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 原告は、

 本件事故後に歩行時や長時間立っていると右下肢に痛みが生じるようになり、1人で買い出しに行くことがなくなり、洗濯物を干したり下ろしたりすることも途中で辛くなったら夫に頼んでおり、掃除も夫に頼んでいるといったように、家事労働を行うことができないわけではないが、一定の支障が生じる状態となり、症状固定日である平成25年4月16日以降も同様の症状が継続しているものと認められること、

 D医師が、原告について、右下腿に外傷後の瘢痕があり、外傷に伴う同部位の皮下脂肪層、真皮組織の欠損により脛骨近傍のわずかな刺激に対する痛み等が生じていると診断していること

 からすれば、原告には本件事故によって右下肢に痛み等の神経症状が残存することになったとし、

 原告においては、本件事故によって前記右下肢の外傷部分になんらかの刺激があった際に痛み等が生じることがあり、このことによって家事労働に一定の支障が生じているものと認められ、家事労働が勤務時間等に拘束されることなく比較的柔軟に従事しうる面があることを踏まえても、将来にわたって、その労働能力の5%を喪失したとして、原告には現在も痛みの原因等に照らし、原告の労働能力喪失期間は17年と認めると、センサス女性学歴計全年齢平均を基礎収入に17年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定しました。

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2018年7月20日 (金)

【むち打ち損傷】 14級9号だけど、労働能力喪失期間は10年!?

 ぎょうせいの「交通事故民事裁判例集第50巻第3号」です。横浜地裁平成29年6月29日判決です。

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 被害者(女・美容院の代表社員)の後遺障害(頚部痛・頭痛頚部から右上肢のしびれー14級9号)による逸失利益につき、

 事故前年の収入を基礎に、外傷性の異常所見が認められないこと等から労働能力喪失率を5%、被害者の美容師という職業、櫛やハサミを自在につかえず、意識していないと道具を落としてしまう状況にあること等に鑑み、労働能力喪失期間を10年として、ライプニッツ方式で算定されました。

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 一般的には、労働能力喪失期間は、5年程度として評価されることが多いように思われますが、裁判所は10年と考えております。


2018年7月15日 (日)

【CRPS】 39歳男子の左足CRPSを労災認定同様12級13号認定した事案 神戸地裁平成29年11月15日判決

 左足関節内果骨折からの左足関節疼痛で、自賠責14級認定。ところが、労災では、左足につき、CRPSを理由に、12級12号の認定を受けているという事案でした。

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 自賠責と労災の認定が、ズレる時って、必ずといって、揉めますね。私が経験する限り、労災の方の等級が自賠責よりも高い場合がほとんどです。

 裁判所は、

 左足関節機能障害については、

 左足関節の骨折部についても骨癒合は良好であり画像上高度な可動域制限を来すような拘縮は残存していないこと、

 画像上関節の不整等も認められないこと等が認められ、他に骨折後の変形等があると認めるに足りる証拠もないから、上記可動域の制限自体は、その原因について客観的医学的知見に乏しいといわざるをえず、後遺障害には該当しないと判断しました。

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 他方、左足CRPSについては

 原告には、レントゲン画像上、左踵骨及び足関節部の透過性の亢進が認められ同部位の血流低下による骨萎縮が疑われること、

 皮膚温の左右差が他覚的に認められること、

 これらの所見に加え、可動域の制限や疼痛及び下腿浮腫といった症状も考慮すれば、原告には自律神経障害を伴う複合性局所疼痛症候群が生じているという確定診断がされていること等に加え、

 既に労災保険給付において、上記骨萎縮や冷感等の神経症状が認められることを前提に、後遺障害等級12級12号の局部に頑固な神経症状を残すもの(自賠責後遺障害等級の12級13号と同じ)に該当すると判断され、これを前提とする障害補償一時等支給決定がされていることが認められ、これらの事情に徴すれば、原告はCRPSに罹患し、12級13号に該当する後遺障害が残存していると認めると判断されました。

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 CRPSの要件を満たす事案だったようですが、自賠責保険での認定は難しかったんですね。。。う~ん。。。


 

 

2018年7月10日 (火)

【高齢者】 高齢主婦の方の休業損害、逸失利益等

 ぎょうせいの交通事故民事裁判例集第50巻第3号で紹介された大阪地裁平成29年6月27日判決です。

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 ①高齢の被害者(主婦・80歳)の休業損害(死亡までの9日間)につき、賃金センサス70歳以上女性平均賃金を20%減額した額を基礎収入として算定した事例

 ②高齢の被害者(主婦・80歳)の死亡による逸失利益につき、就労可能年数を5年とした上で、就労期間中にも加齢による一定程度の稼働能力の喪失は認めざるをえないとして、賃金センサス70歳以上女性平均賃金を30%減額した額を基礎収入として、生活費控除率40%としてライプニッツ方式により算定した事例

 ③被害者の夫(85歳)の、被害者死亡の衰弱と事故との間の相当因果関係を認めることは困難であるとして、衰弱によるケアハウス入居やマンションを購入してリフォームをしたことに伴う転居費用と事故との間に相当因果関係を認めなかった事例

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 ③の指摘は、時折、被害者側から主張されますが、ハードルは高いですね。

2018年7月 6日 (金)

【書籍】 交通事故民事裁判例集 の WEBサービス

 ぎょうせいから発行されている「交通事故民事裁判例集」ですが、6月1日より、なんと、収録裁判例の横断的検索が可能となったようです。

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 サービスのURLは、これ を検索してみてください。ただ、現在のところは、44巻から50巻(最新号)までのようです。

 ちなみに、「松山地裁」で検索すると、松山地裁今治支部の裁判例を、3つ検索できます。 

検索条件=裁判所:松山地裁


ヒット件数:3件

巻・号番号裁判所裁判年月日事件番号ページ
第47巻第2号 32 松山地裁今治支部 平成26年3月25日 平24(ワ)136 410
第48巻第2号 30 松山地裁今治支部 平成27年3月10日 平26(ワ)28 367
第49巻第1号 12 松山地裁今治支部 平成28年2月9日 平25(ワ)114 136

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 なんとなんと、松山地裁本庁がヒットせずに、今治支部の裁判例が3つもヒットするのです💦

 今治は、愛媛では、交通事故分野については、最先端を走つているのかもしれませんね。

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 田舎弁護士ももっともっと勉強して、地方から発信していきたいと願っております💦 

2018年7月 2日 (月)

【物損】 司法研修所編 簡易裁判所における交通事故損害賠償訴訟事件の審理・判決に関する研究

 平成28年12月に、司法研修所から、簡易裁判所における交通損害賠償訴訟事件の審理・判決に関する研究が出版されていました。

 噂にはきいていましたが、日弁連会館を訪ねた際に地下の本屋さんで購入しました。

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 第1編本編と、第2編資料編にわかれています。

 本編は、①本研究の概要、②裁判官が理解しておくべき事項、③審理の進め方、④新モデルの解説、⑤新モデルの具体例です。

 最近、簡裁の物損事案への対応がものすごく増えているので、勉強しておく必要がありそうです💦

2018年7月 1日 (日)

【むち打ち損傷】 追突され頚部及び腰部受傷の42歳原告の受傷程度は、事故後の通院加療1ケ月と認定した事案 大阪地裁平成29年12月22日判決

 自保ジャーナルNo2015で紹介された大阪地裁平成29年12月22日判決です。

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 平成28年1月29日、普通乗用車を運転して信号待ち停止中、被告貨物車に追突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負い、約5ケ月間通院したとする42歳原告の事案につき、

 本件事故による原告車の損傷は、リヤバンパカバーの擦過痕及びマフラーの接触痕にとどまり、内部部品には損傷が生じておらず、被告車にあっては、本件事故による損傷は生じていないとし、

 衝突実験の結果によっても、時速4.4キロメートルで固定バリヤに衝突した場合、衝突車両には、バンパカバー中央部が全体的に押し込まれて変形する等の損傷が生じることと比較すると、被告車の追突時の速度は時速4.4キロメートルを下回っていたとするのが自然で合理的である

 原告が最後にB病院を受診したのは平成28年3月2日で、同月3日以降、原告は、同病院でのリハビリを勧められるも同病院に通院することなく、C整骨院に通院していたことなどを考慮すると、

 原告の受傷の程度としては、同年6月24日までの5ケ月近くに及ぶ通院加療を要するものであったとは認めがたく、1ケ月程度の通院加療で足りる程度のものであったとして、受傷の程度は通院加療1ケ月と認定しました。

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 時折、病院での通院治療ではなく、整骨院の施術が中心になっている相談者を散見します。

 しかし、お気をつけて下さい。後遺障害の認定が難しくなる場合、整骨院の施術費の一部を否認される場合、本件の様に事故との因果関係が問題となる場合等が発生しております。

 頸椎捻挫、腰椎捻挫は、まずは、整形外科医にきちんと治療してもらいましょう💦

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