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書籍紹介(交通事故)

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2018年6月

2018年6月30日 (土)

【高次脳機能障害】  後見人費用と弁護士費用

 自保ジャーナルNo2016号で紹介された広島地裁平成29年12月7日付判決です。

 ここで着目したのは、後見人費用と、弁護士費用です。

 つまり、本人が1級1号の後遺障害を受けた場合、後見人としてA弁護士、そして、A弁護士がB弁護士に依頼した場合の弁護士費用です。

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 専門職後見人費用については、

 管理している流動資産が3600万円であること、本訴の結果によって流動資産が増加し合計額は5000万円を超えることがみこまれること、東京家裁では報酬のめやすとして流動資産5000万円をこえる場合、月額5万円から6万円とされていることがそれぞれみとめられる。

 以上によれば、平均月額5万円の報酬が発生するものとみとめらえるので、後見人費用としては、596万5560円(=60万円×(13.4886-3.5460)となっております。

 また、弁護士費用については、500万円をもって相当額と認められています。

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2018年6月29日 (金)

【醜状痕】 9級16号認定の外貌醜状を残す16歳男子高校生の後遺障害逸失利益を公務員内定等から2.5%の労働能力喪失で認めた事例 東京地裁平成29年4月25日判決

 自保ジャーナルNo2015で紹介された東京地裁平成29年4月25日付判決です。

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 原告は、平成25年4月にJ大学D学部に入学し、在学中に就職活動を行い、平成28年8月、K局に国家公務員の職種で就職することが内定した・・・その採用の過程やその他の就職活動時に醜状障害を理由に不利益を受けた様子はうかがわれない

 また、fの業務の内容に照らして、原告の醜状障害が原因で失職したり昇進が遅れたりする具体的な可能性は認めがたい。

 他方で、原告が、公務員の方が民間企業に就職するよりも容姿を理由に不利な取扱いを受ける可能性が低いと考えられることを考慮して就職先を決めたと供述していること、

 原告はfとして一定期間勤務した後に税理士に転職することも検討していると供述していて、原告が将来的に転職をする可能性はあるといえるところ、その際に醜状障害による不利益の可能性は否定できないこと、

 醜状障害を理由に交友、懇親の場にでないことにより、将来のキャリアアップに悪影響が生じる可能性が否定できないことからすれば、原告の醜状障害が労働能力に及ぼす影響は、限定的なものとはいえ、これを否定することはできないとし、

 後遺障害による原告の労働能力喪失率は、2.5%とすると判断しました。

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2018年6月25日 (月)

【脳脊髄液漏出症】 名古屋高裁が、脳脊髄液減少症を認める!!

 交通事故民事裁判例集第50巻第3号が送られてきました。なんと名古屋高裁平成29年6月1日判決(藤山雅行裁判長)は、脳脊髄液減少症と胸郭出口症候群の発症を認めております。

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 要旨を紹介いたします。

 追突された自動車に同乗していた被害者(主婦、症状固定時46歳)につき、脳脊髄液減少症及び胸郭出口症候群の発症を認めるが、

 今後の治療経過次第では緩和が見込まれないではないこと等を考慮し、

 後遺障害の程度としては、症状固定時から7年間については9級10号の「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」に該当し、その後の14年間については12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当するものと認められました。

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 第1審は、わずか130万円程度の認容判決でしたが、第2審は2300万円程度の認容判決に変更されました。「全般的に信用性の低いといわざるを得ない控訴人本人の供述」とまで書かれていますが、起立性頭痛については認められています。

2018年6月20日 (水)

【頸髄損傷】 52歳男子7級主張の中心性頸髄損傷は、特徴的な症状と合致しないと否認し、自賠責同様14級9号を認定した事案 大阪地裁平成29年10月18日判決

 自保ジャーナルNo2015号で紹介された大阪地裁平成29年10月18日判決です。

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 原告普通貨物車が停止中、被告普通貨物車に追突され、中心性頸髄損傷等から7級4号後遺障害(自賠責14級9号)を主張する52歳男子原告の事案につき、

 本件事故直後の原告の主な症状は、左足関節及び左足の底背屈の制限や、左大腿部後面の痛み、左足の知覚鈍麻であり、上肢については、本件事故翌日の平成23年7月12日頃から同月19日頃まで、左手指等の上肢のしびれを訴えているにすぎず、B病院退院後、平成24年5月25日に右手のしびれや脱力を訴えるまでの間、B病院やE診療所に退院した際に、上肢のしびれや麻痺等の訴えやこれに対する治療があったとは認められない

 中心性頸髄損傷では、上肢の麻痺が下肢と比較して重度であるところ、原告は、本件事故直後、下肢に運動制限や知覚鈍麻の症状が現れているのに対して、上肢は左手指のしびれがあったにすぎないから、原告の同症状は、中心性脊髄損傷の特徴的な症状と合致しないとして、原告主張の中心性頸髄損傷を否認しました。

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 田舎弁護士の事務所でも、時折、頸髄損傷という傷病名の方が相談にこられることがあります。ただ、中には確定的な所見がなく、期待する程の後遺障害認定が取れていないケースもあります。車椅子で事務所にこられて、非該当や14級程度しか認定されていないものもありますが、弁護士は医者でないので主治医の積極的な協力が得られない案件は非常に厳しいです(°°;)



2018年6月17日 (日)

【MTBI】 49歳主婦主張の7級高次脳機能障害は意識障害等認められ主張の根拠の診断書及び意見書は、採用し難いとして発症を否認しました。横浜地裁平成29年12月26日判決

 自保ジャーナルNo2015号で紹介された横浜地裁平成29年12月26日付判決です。

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 乗用車を運転して停止中に被告乗用車に追突され、頚部捻挫等から自賠責14級10号後遺障害認定も、

 軽度外傷性脳損傷による7級4号高次脳機能障害を残したとする49歳主婦の原告につき、

 本件事故前後の状況についての原告の説明には、具体性及び一貫性があり、本件事故当時の記憶に欠落があることはうかがわれず、原告自ら意識消失がなかった旨医療機関に申告していることからすれば、本件事故後、意識消失はなかったと認められる

 原告は、本件事故後パニック状態になった旨供述するが、原告が本件事故時にシートベルトを着用していたことや医療機関初診時に何ら頭部の打撲等について訴えがなかったことからすれば、本件事故時に原告が頭部を直接打撲することはなかったと推認される。

 原告が本件事故後、事故現場で警察の事情聴取に対応した後、後部に損傷が生じた原告車を通常よりも慎重に運転して帰宅したこと、本件事故後の健忘もなかったことに鑑みても、WHOによる軽度外傷性脳損傷の診断基準として挙げられているような意識障害が生じたとは認められない

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 MTBIはハードルが高そうです。。。なお、本件事故後に原告の主訴や症状の内容や程度の拡大、増悪が見られた点も、マイナスに働いたようです。

 

 

 

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