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書籍紹介(交通事故)

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2018年4月

2018年4月25日 (水)

【むち打ち損傷】 追突された65歳女子の頚椎椎間板ヘルニアは事故を契機に症状が発現したとして、自賠責同様14級9号を認定した裁判例 京都地裁平成29年9月15日付判決

 自保ジャーナルNo2011で紹介された京都地裁平成29年9月15日付判決です。

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 乗用車の後部座席に同乗して信号停止中、被告貨物車に追突され、頚椎椎間板ヘルニアと診断されて自賠責14級9号後遺障害認定を受ける65歳有職主婦の原告の事案につき、

 自賠責保険の後遺障害等級認定においては、頚椎椎間板ヘルニア、右肩関節捻挫に伴う頸部~右肩甲部痛、右上腕筋萎縮等の症状については、提出画像上、本件事故による骨折、脱臼等の明らかな外傷性変化は認めがたく、後遺障害診断書及びその他の診断書上、自覚症状の裏付けとなる客観的な医学的所見には乏しいことから、他覚的に神経系統の障害が証明されたものとは捉えられない。

 しかしながら、症状経過、治療経過等を勘案すれば、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから、「局部に神経症状を残すもの」として、別表第二第14級9号に該当すると自賠責同様14級9号後遺障害を認定しました。

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 頚椎椎間板ヘルニアにつき、自賠責の後遺障害認定手続においては、画像上外傷性変化はないとされており、外傷によるものと認めるのは困難であるが、本件事故前は、原告にはしびれ等の症状はなかったのであるから、本件事故を契機として症状が発現したものと認められる。そのため、頸椎椎間板ヘルニアに対する治療も本件事故により必要な治療として認めると認定しました。

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 素因減額については、原告が本件事故前にしびれ等の症状が現れておらず、頸椎椎間板ヘルニアと診断されたこともその治療を受けていたことも認められないのであるから、本件事故前から変性があったとしても疾患には当たらない程度のものであり、さほど重いものでなかったといえる。そして、原告の年齢及び上記治療期間も踏まえれば、損害の拡大に寄与したものと素因減額を行うことが損害の公平な分担の見地から相当であるとは認められないと否認しました。

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2018年4月20日 (金)

【遷延性意識障害】 54歳男子の平均余命を症状固定後8年と認定した事例 松山地裁西条支部平成29年3月30日判決

 当事務所が加害者側事案で関与していた裁判例が、交通事故民事裁判例集第50巻第2号で紹介されていました。平成29年3月30日付松山地裁西条支部判決です。

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 判旨は以下のとおりです。

① 前頭側頭葉変性(FTLD)のうち失語症群である意味性認知症(SD)の既存障害を有する被害者(男・54歳・症状固定時55歳・会社員)が事故受傷により遷延性意識障害(いわゆる植物状態ー別表第一第1級1号)に陥った場合に、事故がなかった場合の余命は症状固定日から10年と認めるのが相当としたうえで、遷延性意識障害に陥ることでさらに短縮されたものとして推察されるとして、事故受傷後の余命を症状固定後8年と認定した事例

② 逸失利益については、障害の状態や既存障害の意味性認知症が進行性疾患であることを考慮して、労働能力喪失期間を症状固定日から3年と認めるのを相当とした事例

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 LP交通損害関係訴訟によれば、遷延性意識障害については、「加害者側から、平均余命まで生存できる可能性は低いとして、生存可能期間を平均余命よりも短期間に限定すべきであると主張されることがある。」という説明につづき、

 「近時の裁判例は、一般に、上記統計資料や疫学調査が存在するとしても、これらが過去の一定期間に集められた少ないサンプル数に基づいているにすぎず、生存可能期間を判断する資料としては十分なものとはいえないことなどを理由として、平均余命まで生存する蓋然性が否定される特別な事情、例えば、被害者の健康状態が重度の合併症の存在等によって思わしくない状況にあるなどといった事情が認められない限り、被害者がいわゆる植物状態にある場合であっても、生存可能期間を平均余命の年数をもって認める傾向にある。」と説明されています。

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 松山地裁西条支部の判決は、生存可能年数を平均余命の年数をもって認定せず、症状固定後8年としております。これは、特別な事情の立証が成功した故でありますが、数多くの裁判例の流れからいえば、少し離れた裁判例となっており、実務上参考になるものと思われます。

2018年4月10日 (火)

【和解】 交通事故被害者等の判断能力と示談の効力に関する問題 

 交通事故相談ニュースNo40に掲載された「交通事故被害者等の判断能力と示談の効力に関する問題」です。

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 「交通事故被害者等との示談における示談能力や代理人の権限等については、本人確認資料(保険証や手帳等)を精査し、特に本人が高齢である場合や、知的・精神等の障害がある場合等は、本人と示談交渉を主導する者との人的関係性や、示談交渉の場における本人の発言内容や態度(自発的な発言の有無や前回交渉内容の記憶の程度、簡単な金額計算ができるかどうか等)に留意する必要があると思われる。

 これらの確認により本人の判断能力に疑問が生じた場合は、被害者の入院先医療機関への照会や、医師の診断書の提出を求め、介護認定を受けている場合には介護保険証等を確認させてもらう等して客観的に本人の判断能力がわかる資料を入手・確認する必要も生じよう。

 その結果、有効な示談交渉が困難であると判断した場合には、相手方に後見申立てを促す、または弁護士に相談するよう示唆しその弁護士から後見申立てにつなげてもらう等の対応が考えられる。

 これらが奏功せず賠償の実現の目途が立たない場合は、支払側から債務不存在確認請求訴訟と特別代理人選任申立てを行うことも考えられるよう。

 訴訟を契機に後見につながる可能性もあり、特別代理人が受訴裁判所の裁判長から特別授権を得て裁判上の和解をすることも可能と解されている。」

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