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書籍紹介(交通事故)

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2018年1月

2018年1月28日 (日)

【休業損害・逸失利益】 申告していない自営業者の休業損害・逸失利益は、認定は厳しいですね。

 自保ジャーナルNo2006で紹介された福岡地裁平成29年6月22日です。

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 耳鳴等併合12級を残す38歳男子で、確定申告していない雑貨卸業の方ですが、

 休業損害については、否認されて、0円

 逸失利益についても、賃金センサスの50%である約260万円程度にとどまっております。

 労働者であれば会社の証明や源泉徴収票にての立証で足りることが大半ですが、収入を裏付けるものがない自営業者や主夫の場合は大変です。

 農業ですが、税務申告していない、していたとしても、僅少

 開業する準備だった

 主夫である

 いずれも、立証の壁というハードルがあります。

 まず、税務申告していない事案は、税務申告をするだけの資料の作成をお願いしているところですが、散逸していることが多く、本人が希望するような金額には到底ならないことが少なくないように思います。

 また、税務申告していたとしても過少申告だったというのも、難しい印象を受けます。

 開業する準備だったというのは、なおさらです。労働者で内定通知を受けていたというのであれば、認められたことがありましたが、自営で開業する準備だったというのは、よほどの裏付けがないと無理なような気がします。私は、開業する準備という理由で、休業損害を認められた事例を経験したことがありません。

 主夫についても、単なる無職ではないか、家事労働といっても仕事を持っている妻も担当しているのではないかという疑問を必ず呈されるので、ハードルが高いように思います。主夫ではありませんが、共働き家庭(夫婦ともに高学歴者)で夫の家事労働の休業損害が和解で認められたことがありますが、1週間及び月間の、夫婦の家事労働の役割分担表が詳細に作成され、且つ的確な裏付け資料が添付されていたという事案でした。他方で、認められたこともあるので、このケースのように詳細且つ具体的な主張立証がいかにできるかにかかっているのだと思います。

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 感じでいうと、うまく前進できないような印象を抱いております。

 ただ、最近、増加しているのですよね。この種の相談が。。。

 受ける際には、難しい事案であることを説明してから、受けるようにしております。

2018年1月27日 (土)

【日本損害保険協会】 医療セミナー 脊椎・脊髄の基礎知識

大阪千里ライフサイエンスセンターにて開催された日本損害保険協会主催医研センター主催の医療セミナーに参加しました。今回のテーマは、「脊椎・脊髄の基礎知識」で、講師は慶應義塾大学医学部整形外科岡田英二朗医師です。

 

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 3部構成です。

 第1部は、「脊椎・脊髄の構造と働きについて」でした。まず、脊椎は、生理的に、頸椎7個は前弯、胸椎12個は後弯、腰椎5個は前弯という解剖学的なお話から入りました。脊椎は、それぞれが連結し1つの関節としてつながり形もそれぞれが異なります。椎骨の形状について、第4腰椎を例に詳しく説明がありました。上位頸椎から始まり、中下位頸椎、胸椎、腰椎、仙骨・尾骨について解説がありました。そして、椎間板の構造、変性についてのお話があり、椎間板組織への血行減少に伴う損傷が椎間板変性のイニシエーションであり30歳以前にこの変化が生じるということでした。脊柱靭帯については、後縦靭帯、黄色靭帯についての解説がなされました。そして、脊髄や神経根という神経組織や主要な神経路や髄膜についての解説がありました。診察については、視診、問診、理学的な検査についての解説がありました。

 第2部は、「頚部・胸部・腰部によくある外傷およびその治療について」でした。

 まずは、脊椎・脊髄損傷についての解説です。脊椎損傷はせぼねの損傷、脊髄損傷は神経の損傷でした。脊髄損傷については、障害高位によって麻痺に違いがあります。また、完全損傷と不完全損傷があり、不完全損傷は、中心性損傷、片側損傷、横断損傷の3タイプがあります。麻痺の程度は、Frankel分類が参考になります。

 軟部組織損傷については外傷性頚部症候群が取り上げられ、また、脊椎損傷についても、上位頸椎損傷、中下位頸椎損傷、胸腰椎損傷とその診断、治療について解説がありました。

 第3部は、「脊椎・脊髄によくある疾患」でした。これについては、①変性疾患として、椎間板ヘルニア、脊椎症、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症、②腫瘍性疾患として、原発性脊椎損傷、転移性脊椎損傷、脊髄腫瘍等が、③炎症性疾患として、関節リウマチ、強直性脊椎炎等が、④外傷性疾患として、上位頸椎・頸髄損傷、中下位頸椎・頸髄損傷等が、⑤血管障害として、特発性硬膜外血腫等が、⑥脊柱変性として、脊柱側弯症、歯突起骨、頭蓋環椎癒合症等について解説がありました。

 数年前に私も腰椎椎間板ヘルニアを患い、手術により治したということがあります。腰椎椎間板ヘルニアにより、おしりから下肢にかけてしびれや痛みを感じ、ついには立つて歩行することも困難な状態に陥りました。腰椎椎間板ヘルニアの病態は、変性した髄核が繊維輪に生じた亀裂を通じて、脊柱管内へ膨隆、脱出し神経を圧迫し、腰椎・下肢痛をきたしたものです。L4/5ついでL5/S1椎間に後発しますが、私もまさのそのとおりでした。疼痛性跛行や疼痛性側弯の写真がのっていましたが、私の場合もまさにそのとおりでした。結局、手術適用となり、内視鏡下ヘルニア切除術が現在では低侵襲手術として実施例が多くなっており、私もその方法により治しました。現在では、新しい腰椎椎間板ヘルニアの治療法として、化学的髄核融解術が治験終了で近々認可される見通しのようです。

 今後とも医学の勉強は継続してきたいと思います。

 

 

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2018年1月16日 (火)

【弁護士費用特約】 弁護士費用特約で、依頼される法律事務所の弁護士費用が問題なく支払っていただけるわけではないので、注意下さい。

tennis 弁護士費用特約について、誤解されているご相談者様が非常に多いので、改めて、弁護士費用特約を利用されてのご相談者様のために、説明をさせていただきます。

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 弁護士費用特約については、損保会社・共済によって、その支払い基準が全く異なります。支払い基準については、保険・共済の約款で定めている場合、内部の基準による場合、LAC基準に基づく場合等いろいろです。

 不透明な基準も多く、当事務所でも、弁護士費用特約をつけている損保会社とのトラブルが増えております。

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 例えば、物損事故において、相手方が20万円を提示し、相談者が30万円位を確保したいと考えたとします。そして、まずは示談交渉ということになります。

 一般的な弁護士の交渉着手金は、最低額は、10万円です。

 ところが、ある損保Aは、10万円についてクレームをつけてきたことがあります。10万円位UPしかできない事案で、10万円を支払う依頼人はいないはず。着手金・成功報酬金含めて、5万円しか支払いをしないというのです。

 最終的には、損保Aに反論して、着手金10万円を出してもらうために、20時間の時間が必要になりました。

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 次に、相手方と交渉して、相談者の希望とおり、30万円を確保しました。

 この場合の成功報酬金についても、いろいろです。

 損保Bは、成功報酬金は、10万円増加していることから、10万円×16%であるから、1万6000円だ。

 →とても受任できるような金額ではありません。

 損保Cは、そのあたりを考慮して、例えば、請求額125万円以下のばあいには、報酬金として、20万円を明示しているものもあります。

 →良心的です。

 損保DやLACでは、1万6000円という金額は余りにも不都合なので、タイムチャージによる報酬も可能として、1時間2万円で、30時間までは保険会社が負担し、それを超える場合には、依頼人が負担するというのもあります。

 →きわめて良心的です。

 損保Eは、約款基準も内部基準もないようなところがあります。この場合には、事前に担当者と協議する必要があります。

 →面倒くさいです。

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 また、ステージが、示談交渉から、提訴、或いは、提訴から、強制執行に上がった場合でも、トラブルが発生したことがあります。

 損保Fからは、示談交渉の費用に、提訴の費用も含まれていると主張します。とにかく、これ以上、着手金は出しませんとの言いぶりです。

 →ひどすぎます。

 損保Gは、強制執行は弁護士費用の対象外です。依頼人の費用負担となります。これでは、相手方が保険に加入していない場合には、判決を執行するための強制執行のお金は、依頼人負担となります。

 →これでは、無保険事案は受けられません。

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 弁護士費用特約と言っても、会社に応じて、その中身は全く異なります。

 保険金額300万円、法律相談料10万円は共通しておりますが、その支払い基準は、各社各様で異なっております。

 田舎弁護士の事務所では、弁護士費用特約のお客様の場合で、物損だけの方の場合には、ご依頼をお断りすることが多いのは、弁護士費用特約の会社と事前に協議するのが大変だからです。

    しまなみ法律事務所の交通事故のホームページ

 弁護士費用特約は、あくまで、お客様と保険会社との契約によるものであり、当事務所が、損保会社の弁護士費用特約の基準に拘束されるいわれはありません。現状では、当事務所の報酬規程と、損保会社の弁護士費用特約の基準との間に乖離がでないよう努力はしておりますが、その努力がかなりの負担となっております。

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 LACを利用できる弁護士費用特約が、明確に基準が定められておりますので、一応、安心です。

 いずれにせよ、法律事務所の弁護士報酬規程と、弁護士費用特約の支払い金額が異なる場合には、その差額部分は、ご依頼人様負担となりますので、ご注意下さい。

2018年1月14日 (日)

【MTBI】 2級高次脳機能障害否認して7級後遺障害が認定された事案(労災は2級認定)

 自保ジャーナルN02005号で紹介された大阪高裁平成29年4月21日付判決です。

 原告が、2級高次脳障害を残したとして、それを前提に損害賠償請求を行ったという事案です。

 労災では、2級が認められていたのですが、損害保険料率算出機構は、事前認定中に提訴されたことに伴い、認定保留となっております。

 第1審は、5級の高次脳機能障害を認めましたが、第2審は、高次脳機能障害は否定しつつも、7級の後遺障害を認定しました。

 時折、労災の認定と自賠責保険での認定がずれることがあり、そのようなときは、たいてい、労災の認定の方が重くて、自賠責保険での認定に不満を抱いている被害者の方が少なくありません。一応、同じような基準での判断になっているのでしょうが、食い違いが生じているのです。

 閑話休題

 さて、今回の高裁は、

①Xに意識障害は認められるもののその程度は比較的軽度であり、JCSが3桁、GCSが8点以下の状態が6時間以上継続したことはなく、JCSが1~2桁、GCSが13~14点の状態が1週間程続いたこともない。

②また、画像所見についても、Xは、複数回にわたり、CT検査、MRI検査、MR検査、SPECT検査、MRI(薄いスライス)検査、SWI等の検査を受けているが、脳の器質的変性を示す所見は一切得られなかった

③神経心理学的検査の結果についても、検査結果の動揺はあるものの、成人知能評価、言語性、動作性、記銘力、有関係無関係対語、行動記憶などの諸要因において、事故後時間の経過とともに悪化傾向にあり、特に事故後約3年経過後になって、急激に悪化し、社会生活に障害を伴う程度に至っている そうすると、Xにおいて、症状固定時である平成23年10月31日の時点で、ADLの低下や前行性健忘、逆行性健忘、記銘力障害、書字障害、社会行動障害の症状が残存し、これらが高次脳機能障害の臨床像をうかがわせるものであったとしても、脳外傷後の急性期に始まり多少軽減しながら認知障害等が慢性期へと続く高次脳機能障害の病態とは大きく異なる他、

 Xの頭部外傷が、WHOの神経外傷作業部会報告におけるMTBIの基準を満たすとしても、大多数の研究において、成人のMTBIの急性期において認められた認知症状がほとんど3ケ月から12ケ月で回復し、症状が持続する場合に心理社会的因子以外の要因が関係することを一貫して示す証拠はほとんどないとされている。したがって、Xの頭部外傷がWHOの基準をみたすMTBIであったとしても、そのことからXの症状固定時の症状が本件事故により発生した高次脳機能障害によるものであったと認めることはできないとして、高次脳機能障害の発症を否認しました。

 第1審と第2審とで大きく内容がことなってしまいました。

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