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書籍紹介(交通事故)

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2019年2月18日 (月)

【その他】 労災2級高次脳機能障害が非該当で、自賠責14級相当になった事案

 自保ジャーナルNo2030号で紹介された千葉地裁平成30年5月17日判決です。

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 労災では高次脳機能障害で2級認定だった被害者でしたが、裁判では結局のところは高次脳機能障害自体は否認されてしまいました。

 裁判所は、

① 本件事故後に意識喪失や健忘といつた意識障害はなかったこと、

② 本件事故直後に異常傾向はなく、原告が主張する異常傾向が発症したとしても、本件事故後相当期間が経過してから発症し、増悪したと認められること、

③ 頭部MRIやCTなどの頭部の画像所見においても、原告に外傷性の脳損傷や脳梗塞の所見があると直ちに認めることはできないから、前記認定事実記載の高次脳機能障害の診断基準に該当しないし、

 K医師やJ医師及びL医師の意見や労災の認定を踏まえても、本件事故による外傷性脳損傷(脳梗塞)により、原告が高次脳機能障害を発症したと認めることはできないと判断したものです。

 労災で高い等級が認められても、自賠責保険や裁判所が同じような認定をするのかについてはわかりません。

 時折、労災と自賠責保険での等級が異なるとして相談にこられる方がおられますが、乖離は認定機関が異なる以上やむを得ないこともあります。

2019年2月17日 (日)

【弁護士費用特約】 LAC 交通事故を中心とした偶発事故対応弁護士費用保険について

 最近、過去の日弁連の研修が、日弁連の会員であれば無料で聴講できるシステムになっております。

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 LACを利用した場合の、保険商品の概要、手続の流れと報酬等の請求方法、着手金・報酬金方式における経済的利益の考え方、弁護士報酬等についての事例演習についての説明がありました。

 事案簡明な自賠責保険請求は、着手金とは別に、経済的利益の2%(最低額3万円)が手数料として請求できます。異議申立等事案は、簡明ではない自賠責保険請求の場合とされています。

 田舎弁護士の事務所では、適宜、LACの研修を受けて、お客様の信頼を失わないよう日々勉強しております。

 

 

 

2019年2月11日 (月)

【弁護士費用特約】 弁護士費用特約を付けていたとしても、安心できない!?

 最近、自動車保険にいわゆる弁護士費用特約を付保する方の数は、増えました。

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 とはいっても、弁護士費用特約の内容については、各社によってその内容は大きく異なっております。

 法律相談料の枠が10万円というのは、どこの保険会社でも同じだとは思います。

 しかしながら、2回程相談を受けたら3回以降の相談料は請求しないで欲しいと要求されたこともあります。

 また、消費税は相談料の対象にはならないと言われたこともあります。

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 事件依頼時の弁護士費用については、各社によって大きく異なります。

 約款で支払うべき弁護士費用の金額をこまかく規定している所もあります。

 保全手続や執行手続は対象とはならないと言われた所もあります。

 着手金や報酬金についても、内規の規定を示されて、その範囲にして欲しいと言われたこともあります。

 最近、よく言われるようになっているのは、医師等にお願いする鑑定書の意見書作成費用です。

 弁護士費用はともかく、実費についてはクレームが出たことはありませんが、最近は、費用対効果に見合わない実費は支払えないと言われることが増えました。

 特に14級等の軽微な後遺障害申請に対する異議申立てを行う時に、鑑定費用の負担について言われるようになり、閉口しております💦

 鞭打ち症の異議申立て手続ですが、被害者請求手続については弁護士費用特約の対象にならない所、対象になったとしても、手数料3万円にとどまる所がほとんどです。

 そのため、後遺障害についての異議申立てについては、事実上、弁護士のボランティア活動に近い状態になっているにもかかわらず、そのために必要な鑑定書の意見書作成費用を負担していただけないことがあるのです。

 これだとなんのために弁護士費用特約を付保しているのかわかりません。

 田舎弁護士も依頼人様の保険会社に対して何度も交渉することが増えてきました。

 最終的にはコンプライアンス担当役員に内容証明郵便を出したり、損保ADRの申立てをしたり等、相手方と交渉する前に、このような作業が入ることがあります。

 最近、弁護士費用特約を利用してご相談に来られる方は増えておりますが、ご相談者のための弁護士費用や実費がスムーズに支払わない場合も発生しておりますので、ご注意下さい。

2019年1月16日 (水)

【自賠責等級より下がった裁判例】 自賠責併合2級 → 併合4級

 自保ジャーナルNo2029号(1月10日号)に掲載された大阪地裁平成30年6月28日判決です。

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 自賠責が併合2級なのでそれを前提に請求したところ、裁判では併合4級と返り討ちにあってしまったという事案です。そのため、1億3000万円を超える請求をしているにもかかわらず、1000万円弱程度しか認められていません。

 訴訟に至った場合、件数は多くはありませんが、後遺障害等級の見直し、逸失利益の労働能力喪失率の見直しは裁判例では散見されます。多くの場合は、自賠責保険が認定した等級が維持されますが、中にはそうではない場合もあります。

 田舎弁護士自身は幸いなことに被害者の立場の依頼でこのようなことを経験したことはありませんが、昔損保の代理人をしていた時に、相手方がこのような事態になってしまっていたことは何度か見たことがあります。

 弁護士が、「裁判すれば、金額が大幅にUPするよ」 ということを強調すると、返り討ちに遭ったときに大きなクレームとなります。リスクをきちんと説明すべきだろうと思いますが、インターネット等で交通事故被害者事案無料相談等を謳っている事務所のホームページにはリスクについての説明はほとんどされていないように感じました。

 最近のホームページは、相談料無料とか、着手金を無料とかを強調する事務所が増えております。確かに、田舎弁護士の事務所でも、そのような問合せが増えております。従って、相談料無料、着手金無料等で対応すれば、相談は増えるでしょう。。。

 他方で、弁護士は、公務員ではなく、顧客からの弁護士費用にて事務所の経営を成立させています。また、交通事故事案において、調査や書面の起案は弁護士自身が行う必要があります。

 相談料無料等で、その部分、相談時間が増えますが、これは、反面、他の依頼事件への時間の確保を困難にする事情ともなります。また、オーバーワーク的に依頼を受けると、執務時間の確保が困難となります。

 従って、田舎弁護士の事務所では、相談料無料、着手金無料というスタイルで相談にこられる方は、遠慮していただいております。

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 さて、今回の事案は、原付自転車で走行中に被告大型貨物車に衝突され、頭部外傷Ⅲ型、外傷性くも膜下出血、右下腿骨骨折等の傷害を負い、自賠責3級3号高次脳機能障害、同10級11号右下肢機能障害、同12級7号右膝関節機能障害等の併合2級認定の後遺傷害を残す46歳兼業主婦の原告の事案です。

 なお、労災は、高次脳機能障害について、5級の認定にとどまっているようです。

 裁判所は、

 原告は、身の回りの動作については、食事、更衣、排尿、排便は自立しており、入浴、車椅子操作はときどき介助、見守り、声かけが必要とされ、屋内歩行、屋外歩行はてつなぎ等であり、階段昇降はほとんどできない、公共交通機関の利用はできないなどとされたが、

 現在は、原告の夫、娘及び実母が見守る中、自宅で生活をしている、食事は家族が準備をすれば自ら取ることができ、排泄は1人で可能である、ただし、身体的な障害があることから、転倒のおそれが大きく、室内移動や入浴の際には、家族が見守っている等から、

 原告の症状からすれば、神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないものというべきであって、別表第二の5級2号に該当すると5級2号高次脳機能障害を認め、併合4級後遺障害を認定しました。

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 やはり、控訴中のようです。提訴の段階では、医療カルテまで取り付けて検討していることは少ないので、裁判になると怖いですね。ただ、本件は労災の認定が5級なので、そこで何か違和感を感じるべきだったんでしょうか。。。。

2019年1月15日 (火)

【高次脳機能障害】 当事務所が関与した松山地裁今治支部平成30年3月22日判決が、自動車保険ジャーナルNo2029号(1月10日号)で紹介されました。

 自動車保険ジャーナルNo2029号(1月10日号)で田舎弁護士が関与した松山地裁平成30年3月22日判決が紹介されていました。

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 自賠責7級4号高次脳機能障害、同14級10号顔面醜状から併合7級認定の後遺障害を残す19歳男子病院で就労し専門学校生の原告の後遺障害逸失利益の算定について、

 「平成21年産業計企業規模計高卒男子全年齢平均賃金と平成26年のそれとの差額が年額5万円強にとどまっていること、

 原告が当時若年であったこと、

 及び就労可能年数が長かったことも考慮すると、

 原告は、平成26年男子高卒全年齢平均賃金である年額466万3500円を取得する蓋然性があったこと」と基礎収入を認め、

 「原告の後遺障害は、頭部外傷後遺症について後遺障害別等級表第7級4号に該当すると認定され、自賠法施行令ではその労働能力喪失率は56%とされている。

 この点、原告は、平成23年から平成27年までの給与収入と前記賃金センサスの乖離の程度が56%を上回っていることから、少なくとも労働能力喪失率が60%程度に達していると主張する」が、「本件に顕れた一切の事情を考慮しても、原告の前記後遺障害に伴う労働能力喪失率は、56%とする」とし、「原告の労働喪失期間は45年であ」るとしえ、センサス男子高卒全年齢平均賃金を基礎収入に45年間56%の労働能力喪失で認定しました。

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 この事案は、当初は他の弁護士に依頼されていたのですが、解任後に紹介者を通じて田舎弁護士が依頼を受けさせていただいた事案です。

2019年1月14日 (月)

【その他】 労災11級  → 自賠責14級 

 自保ジャーナルNo2028号で紹介された京都地裁平成30年3月19日判決です。

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 54歳男子の労災11級認定の聴力障害及び同12級耳鳴は、本件事故との因果関係ないと否認し、自賠責同様併合14級を認定しました。

 労災での等級が、自賠責の等級よりも、高い場合に、自賠責の等級についておかしいとして、労災での等級を求める方が時折おられます。

 ただ、労災と自賠責ですが、審査基準はほぼ同一とされていますが、等級が労災の方が自賠責よりも高いケースを散見します。

 そのために、異議申立を行うことがありますが、労災と自賠責との等級が一致していないことのみをもって異議申立てを行ってもそれが認められたケースに、私は見たことがありません。

 やはり審査基準に沿う立証資料を整えることができるかどうかであろうと思います。

 また、労災から申請した方がいいのか、自賠責から申請した方がいいのかという質問を受けることがあります。労災を先行することについては労基はいやがる傾向にあります。

 が、ネットサーフィンをすると、労災を先行させて労災の認定を受けてから自賠責での認定を受けた方がよいとする解説もあります。

 田舎弁護士的には、労災と自賠責とは認定機関が異なるので、同時に申請してもよいのではないかと思うのですが、前記解説もあったために現時点では労災を先行することをお勧めしております。

2019年1月13日 (日)

【自賠責等級より下がった裁判例】 12級7号 → 14級9号 トホホ判決

自保ジャーナルNo2028号で紹介された京都地裁平成30年6月14日判決です。

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 53歳男子の自賠責12級7号認定の右膝関節機能障害は器質的変化の残存が認められず、関節可動域の測定値も採用しがたいとして否認、14級9号に落ちてしまったという事案です。

 約1800万円近くを請求して、判決は、約300万円程度です。

 裁判所は、

 事前認定において、右膝の関節機能障害については12級7号とされたが、

 ①右膝の半月板損傷は改善していて、器質的変化が残存したとはいえない

 ②関節可動域についてみても、初診時から90度の屈曲が可能だったところ、治療期間中にいったん130度程度まで回復した後に、症状固定時の測定値90度に至ったことからすると、症状固定時の測定値をただちには採用しがたい等から、12級7号は認められないと否認して、

 14級9号局部に神経症状を残すものに該当すると判断しました。

 被害者にとって、トホホ判決です。

2019年1月12日 (土)

【その他】 成年後見人の報酬

 交通事故民事裁判例集第50巻第6号で紹介された東京地裁平成29年4月13日判決です。

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 被害者(男・症状固定時41歳・会社員)の成年後見人(弁護士)報酬につき、報酬付与審判のあった88万3000円に加え、引き続き成年後見人の職務を遂行する必要があり、その報酬額は月額2万円を下らないとして、平均余命までの35年間につきライプニッツ方式により算定した金額を併せて、411万6040円を損害として認めた事例

 昔、加害者側損保の代理人事件を取り扱っていた際に、この請求を落としている被害者側代理人弁護士が散見されていました。しっかりと加害者側から回収する必要があります。

2019年1月11日 (金)

【過失相殺】 歩行者との非接触事故につき、自動車運転者の過失責任が認められた事例 

 判例タイムズNo1454号で紹介された大阪高裁平成30年1月26日判決です。

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 非接触事故は、過去、相談案件が多く、加害者側、被害者側どの立までも豊富な経験があります。

 ただ、田舎弁護士が取り扱った事案は、四輪車 と バイク というのがほとんどであり、大阪高裁のように、四輪車 と 歩行者 というのは珍しいのではないかと思いました。

 判タの解説は以下のとおりです。

 「非接触事故では、接触事故に比べて証拠が少ないこともあってか、事故態様、過失や相当因果関係が激しく争われることがあり、専門家医師や工学専門家による私的鑑定書が提出されることもある。

 また、非接触事故による過失割合が接触事故の場合と異なるかも問題になる。

 非接触事故の事案は、どのような結果回避行動がとれるのかを含めて、具体的事実関係に基づく証拠評価にかかっており、類型的考察が困難な事例が多い。」

 確かに、そのとおりですね💦

2019年1月10日 (木)

【和解】 物損で示談したからといって、人損で責任を認めたことにはならない!?

 交通事故民事裁判例集第50巻第6号で紹介された大阪地裁平成29年11月28日判決です。

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 信号機による交通整理が行われている変則的な交差点において、青信号に従い対向して交差点に進入した原告車両(普通乗用自動車)と被告車両(普通貨物自動車)の衝突事故について、

 事故の原因は原告車両が自車の進行方向を間違え、右折の合図を出さすに右折方向である道路に十分に減速せずに進行しようとして被告車両の進路を遮ったことにあるとして、事故における被告車両の過失割合を、0と認めた事例

 この事例は、物損では示談を5対5の過失割合で解決していたのですが、これは紛争の早期解決のためであり、人損の過失割合を物損の過失割合を考慮して決するべきとはいえないとして、物損での示談があることが被告の民事上の責任を負わないとする判断を左右するものではないと判断しております。

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