【相続】 相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合において、遺留分の侵害額の算定にあたり、遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することの可否
判例タイムズNo1295号(7月1日号)で紹介されている最高裁判所の判決です(平成21年3月24日)。
被相続人Aは、積極財産として、4億3231万7003円、消極財産として、4億2483万2503円の財産を有していました。
被相続人Aは、公正証書遺言にて、全財産を子である被告に相続させました。
そこで、同じく子である原告が、被告に対して、遺留分減殺請求を行使しました。
原告の考え方は、以下のとおりです。
Aの消極財産のうち可分債務については法定相続分に応じて当然に分割され、その2分の1を原告が負担することになる。
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原告の遺留分の侵害額の算定においては、積極財産4億3231万7003円から消極財産4億2483万2503円を差し引いた748万4500円の4分の1である187万1125円に、相続債務の2分の1に相当する2億1241万6252円を加算すべき
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従って、侵害額は、187万1125円 + 2億1241万6252円 の合計額の 2億1428万7377円となる。
これに対して、被告の考え方は、以下のとおりです。
原告の遺留分の侵害額は、積極財産4億3231万7003円から消極財産4億2483万2503円を差し引いた748万4500円の4分の1である187万1125円となる。
相続債務については、本件遺言により被告がすえて負担することになるから、加算はできない。
最高裁は、被告の考え方をとりました。
判決要旨は、以下のとおりです。
相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合には、
遺言の趣旨等から相続債務については当該相続人に全てを相続させる意思のないことが明らかであるなどの特段の事情のない限り、
相続人間においては当該相続人が相続債務もすべて承継したと解され、遺留分の侵害額の算定に当たり、遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することは許されない。
気をつけましょう。
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