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【医療事故】

2017年7月20日 (木)

【医療事故】 インプラントの事故 東京地裁平成28年9月8日判決

 判例時報No2330号で紹介された東京地裁平成28年9月8日判決です。

 Xの請求は以下のとおりです。

 Xは、Yとの間で、七本の歯についてインプラント治療を実施するとの歯科診療契約を締結し、治療を受けたことにつき、Yに対し、

 ① Yには右下八番部のフィクスチャ―(人工歯根)を埋入する際にフィクスチャ―をXの右下顎骨に過度に深く埋設した過失があり、これによりXは右側オトガイ感覚神経感覚障害(オトガイとは、下顎骨の前面にある孔を指し、下顎菅の前端でオトガイ神経とオトガイ動脈、オトガイ静脈が通っている)の後遺障害が残存することになったと主張して、債務不履行に基づき約2219万円余の損害の支払、

 ② 前記歯科診療契約に基づく債務の履行は7本の歯全てについて未了であり、Xは同契約を債務不履行に基づき解除したと主張して、既払の診療代金115万円の返還等を求めました。

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 判時の解説は以下のとおりです(P49~)。

 「インプラント治療は、フィクスチャー(人工歯根)の埋入、アバットメント(支台部分)の固定、上部構造の装着という課程からなっている。

 ところで、本件では、Yには右下八番部のフィクスチャー(人工歯根)を埋入する際にフィクスチャーをXの右下顎骨に過度に深く埋設した過失があることはほぼ争いがない。

 争点となっているのは、本件事故とXの主張する本件後遺障害との間に因果関係が存在するかという点である。

 この点につき、本件判決は、

 ① Xは本件事故の翌日から継続して唇付近の麻痺を訴えていること、

 ② Xは本件事故から約1ヶ月後にT病院を受診し、オトガイ神経麻痺との診断を受け、治療を受けていること、

 ③ T病院で実施されたパントモ撮影(歯科用のX線撮影)では下顎菅に達する透過像が認められ、同時に実施されたCT検査ではインプラント挿入で神経の断絶が認められることに照らすと、

 本件後遺障害は本件事故によるものである」

 「近時、インプラント手術を巡り、患者から歯科医師に対し、損害賠償請求を提起する事案が増えているように思われる。」

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2015年6月 8日 (月)

【医療事故】 日本賠償科学会第66回研究会に出席しました。

 東京の早稲田大学14号館で行われた日本賠償科学会第66回研究会に参加しました。

 私が20数年前に司法試験の論文を受けた会場の建物かその隣位の建物だと思うのですが、あのころの建物はとても老朽化した建物だったと記憶しているのですが、とても立派な建物に建て替えされていました。

 あのころは学内にいても余り違和感を感じることはありませんが、学生さんがどの人も同じ顔にみえるので、おっさんになったなあ~としみじみ感じました。

 それはさておき、第1部は、個別報告で、①韓国における医療紛争解決制度と被害救済への取り組み、②医療事故に対する補償制度の考察、

 第2部は、医療機関と法的問題というシンポジウムで、①医療機関で生じる法的諸問題、②医療機関の法的問題と対応、③複数医療機関の連携と法的問題、④組織医療における損害賠償責任でした。

 韓国の方が医療紛争解決制度としては日本よりも進んでいるようですが、医療被害者である患者側が、狼藉、業務妨害等という非合法な方法により、病院が閉鎖に追い込まれるような事態も発生していたということが背景にあるようです。

 また、個々の医療機関の法的諸問題が、2名の院内弁護士からのお話をうかがうことができたのは大変よかったです。

 次回は、12月5日に開催される予定で、研究会会長は、あの吉本智信先生です。

2015年3月18日 (水)

【医療事故】 仮死状態で出生した新生児が、医師及び助産師の分娩監視義務違反により脳性麻痺を発症し重度の後遺障害が残ったとして、病院に対し求めた診療上の債務不履行に基づく損害賠償請求が認容された事例

 判例時報NO2244号で紹介された名古屋地裁平成26年9月5日判決です。

 判決の概要を説明します。

 X2(母親)はY市の開設する市民病院に分娩を目的として入院し、甲医師がこれを担当したこと、

 甲医師は陣痛促進剤投与の必要性があるとしてプロスモルタン?Fの点滴注入をしたが、X1(新生児)の頸部に臍帯が巻き付いていたため臍帯を止血切断の上でX1を出生させたこと、

 X1は出生啼泣がなく出生1分後のアプガースコアは心拍数100以下、呼吸なし、筋緊張弛緩等の状態であったため、甲医師はX1の背部を刺激し、バック&マスクによる人工呼吸を開始したこと、

 甲医師と交代した乙医師もバック&マスクによる換気を継続したところ、アプガースコアの改善が認められたものの自発呼吸の徴候がみられなかったため、出生後4~9分までの間に気管挿管を実施し処置が続けられた後、X1は大学病院に搬送され新生児集中治療室で治療を受け、重症新生児仮死及び低酸素性虚血性脳症と診断されたこと

 ところで、甲医師によるプロスタルモン・Fの投与判断及び投与量にかかる注意義務違反は認められないが、

 甲医師・助産師の分娩監視義務違反については、15時40分頃から15時45分頃の所見に照らし、甲医師らには、母体の体位転換、陣痛促進剤の投与停止を行い、並行して急速分娩(緊急帝王切開)の準備を行うべき注意義務があり、母体の体位転換や陣痛促進剤の投与停止等によりX1の状態が改善しない場合には、15時45分頃の時点において急速分娩の措置をとるべきであったことが認められること

 甲医師及び助産師らの分娩監視義務違反により、X1は16時36分に出生するまで約48分間胎内で胎児機能不全の状態に置かれ、その間にX1の脳性麻痺が発生したと推認できること

 などを理由に、病院の責任を認めました。

 平成20年2月に社団法人日本産婦人科医会が発行した「胎児の評価法ー胎児評価による分娩方針の決定ー」には、胎児機能不全への対応として、母体の体位変換、母体への酸素投与、陣痛促進剤投与の中止等により胎児低酸素状態の改善のための処置を実施しつつ、急速分娩術の準備を行い、児の状態が改善しない場合には、急速分娩を行うことが記載されています。

 急速分娩を行う必要があるにもかかわらず、それを怠ったという過失が認められるわけです。 

2014年2月11日 (火)

【医療事故】 病院・診療所経営の法律相談

 愛媛の弁護士の寄井です。

 青林書院から、昨年9月に、「病院・診療所経営の法律相談 」が出版されました。

 これまで病院とは余り取引はなかったのですが、昨年実弟が診療所を開業したことから、もしもの時に備えて、少しずつ勉強するようにしています。

 白い巨塔のイメージしかありませんが、病院経営に強い弁護士が執筆している本書を購入して、休みの間に一読しようと思っています。

 これがきっかけで、診療所の顧問が少しくるといいのですが。。。 

 

2013年3月 2日 (土)

【医療事故】 下腹部痛及び呼吸苦を訴えて救急車で搬入されて入院した患者が大動脈解離で死亡した場合に、医療水準にかなう医療行為が実施されていたならば死亡時点においてなお生存した相当程度の可能性は認められるとして、診療契約上の債務不履行に基づき患者に対して慰謝料400万円を支払うのが相当であるとされた事例 札幌地裁平成24年9月5日判決

 判例時報No2169号(2月1日号)で紹介された裁判例です。

 判決の概要は以下のとおりです。

 Aの胸部単純CT検査画像上、胸部大動脈病変を疑うべき所見が認められ、所定の診療を行うべき義務があったと認められる

                  ↓

 腹部単純CT検査や胸腹部造影CT検査を実施しなかったのであるから、Yには、診療契約上の注意義務違反が認められる

                  ↓

 右義務違反とAの死亡との間に因果関係を認めることはできない

                  ↓

 医療水準にかなう医療行為が実施されていたならばAが死亡時点においてなお生存した相当の可能性を認めることができる

                  ↓

 相当程度の可能性を侵害されたことに対する慰謝料は400万円

2012年11月20日 (火)

【医療事故】 精神科医師がうつ病で通院中で過量服用を繰り返した患者に対して抗うつ剤を処方するに際し、患者の夫に対して過量服用した場合には、医療機関の診療時間でなければ119番通報することを含めて直ちに医療機関を受診するよう指導すべき注意義務があったとされた事例 大阪地裁平成24年3月30日判決

 判例タイムズの1379号(11月15日号)で紹介された大阪地裁平成24年3月30日判決です。

 カルテの改ざんもあり、それが裁判官の心証に悪影響を与えたかもしれませんね。

 うつ病患者の方の逸失利益については、10年程度で区切るのが一般的だと書かれていました。

 よくなる可能性があるということを含んでいるのでしょうね。

2011年6月28日 (火)

【医療事故】 病院に入院中の患者がベットから転落し負傷した事件について、病院側に転落防止のための抑制帯使用義務違反及び看護師の監視義務違反があるとして、病院の責任が認められた事例 平成22年12月9日広島高裁岡山支部 

 判例時報No2110(6月21日)号で紹介された平成22年12月9日付け広島高裁岡山支部判決です。

 病院関係者にとっては、真っ青になるような事件です。

 診療報酬として約500万円弱の金銭を支払わなかったため病院が患者さんに対して診療費等を請求したところ、患者側が頸髄損傷を受けたとして約1億1000万円強の損害賠償請求の支払いを求めて反訴を提訴したという事案です。

 第1審は、病院側は勝たせました。

 ところが、第2審は、患者側を勝たせて約4400万円強の支払いを認めました。

 争点は、患者の体幹を抑制する義務があったかどうかがでした。

 第1審は、セレネースの投与後、いたずらに不穏状態を招きかねない抑制帯をあえて使用し、被告を体幹抑制するまでの必要があったとは認められないから、これをしなかった原告病院の看護師には、義務違反はないと判断しました。

 ところが、第2審は、入院患者の身体を抑制することは、患者の受傷を防止するため等の必要やむをえないと認められる場合にのみ許されるとした上で、

 本件では、控訴人が既に1回転落しており、その後もベット上に立ち上がるなど転落の危険性が非常に大きく切迫していて、ベットの高さからも転落の場合重大な傷害に至る可能性が高かったのに対して、鎮痛剤の効果が十分ではなく鎮痛剤のみで転落を防止できるか疑問がある上、睡眠薬等他の薬剤を用いることもできないこと、

 看護師による常時監視はICUの体制上困難でありどうしても短時間は監視がない状況が生じること、

 控訴人の意識障害は入院時と比較すると大きく回復してきており拘束しても短時間で幻覚等が生じる状態から離脱できると期待されること、

 したがって、拘束することにより失われる利益よりも得られるメリットの方が大きいこと等を考慮すると、

 被控訴人は、控訴人を、4月2日23時の時点で抑制帯を用いて拘束することも必要やむをえない事情があったと言わなければならない。

 まあ第1審で病院側が勝訴していることから、控訴審でまさか逆転するとは思わなかったのでしょうね。

 控訴審の弁論終結後になって、病院は、損保会社に対して訴訟告知しています。雲行きが怪しくなったと思って訴訟告知されたのではないかと勝手に想像しています。

2011年3月 4日 (金)

【医療事故】 医薬品の設計上の欠陥、指示・警告上の欠陥が否定された事例 東京地裁平成22年5月26日判決

 判例時報No2098号(2月21日号)で紹介された東京地裁平成22年5月26日判決です。

 医薬品の設計上の欠陥、指示・警告上の欠陥が否定された裁判例ですが、この判決文を読んでいていままで知らなかったことを知りました。

 医薬品により副作用が生じてしまった場合には、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(機構)に対して、被害者は、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法28条1項に基づいて、医療費や医療手当を請求することができるんですね。

 インターネットで調べると、機構のHPがありました。

 

 医薬品副作用被害救済制度の仕組みも参照下さい。

2009年4月17日 (金)

【医療事故】 急性心筋梗塞の患者が病院で診察を受けた後、他の病院に転送されたが、心室細動を発症して死亡した場合、病院側に転送義務違反による損害賠償責任が認められた事例(神戸地裁平成19年4月10日)

 判例時報No2031(4月11日)号で紹介された裁判例です。

 事案は以下のとおりです。

 訴外A(昭和13年生)が、平成15年3月30日、自宅で息苦しくなったため、Yの開設するB病院に赴き診察を受けたところ、急性心筋梗塞が疑われ、点滴を受けたが、その後、救急車で別のC病院に転送され、C病院において心室細動を発症して死亡しました。

 そこで、Aの遺族であるXらは、B病院の医師には、Aを直ちに心筋梗塞患者を専門的に治療することができる病院に転送すべき義務を怠った過失があるなどと主張して、Yに対して損害賠償を請求した事案です。

 神戸地裁は、

 B病院での診察による所見は、ほぼ間違いなく急性心筋梗塞であると診断するに足りたとして上、

 医師としては、最善の治療法である再灌流療法を実施することができ、かつ、救急患者の受け入れ態勢がある近隣の専門病院に早期に転送すべき注意義務があるのに、

 血液検査の結果を求めるなどしたため、転送装置の開始が約70分も遅れたとしてその過失を認めた上、

 早期に転送されて治療を受けていれば、90%以上の確率で生存していたと推認することが出来るとして、右過失とAの死亡との間の因果関係を肯定して、本件請求を全面的に認めました。

 心筋梗塞については、私も病院の措置に対して大きな不信感を抱いたことがありました。

 私の近親者が、プールで泳いでいた時に、胸の痛みをうったえて、救急車に救急病院に運ばれたことがあり、「心筋梗塞」ではないかと家族全員が心配し、病院に駆けつけたことがありました。心電図等の検査の結果、心筋梗塞ではなく、「筋肉痛」だとの説明を受け、一同安堵し、医師である弟が念のために、検査入院(いろんな所を調べて貰う)を病院にお願いし、しばらくの間検査入院することになりました。「筋肉痛」のわりには、患者は顔面蒼白であり、ヒア汗もかいていたことから、心配した弟が、検査入院を依頼したのでした。

 患者の方は、「筋肉痛」という説明を受けていたことから、軽く考えてしまい、なんと外出許可をとり、温泉にまでいく始末です。

 ところが、1週間たって、専門医に診て貰ったところ、「心筋梗塞」という説明を受けました。

 担当医師からの説明は、「超急性期だったので、気づかなかった」ということでした。また、その病院には、PCIを実施できる施設がないということで、急いで、別の転院手続をとることになりました。

 一命はとりとめましたが、後遺症が残ることになりました・・・

 通常の医療の水準で、救急車で運ばれた当時は超急性期であるため、心筋梗塞であることが気づかなかったというのであれば、運命だと思ってあきらめることもできそうですが、

 一週間にわたり検査入院しているにもかかわらず、専門医が訪ねるまで、患者が心筋梗塞であることに気づいてくれなったことに対して、大きな不満を感じ、釈然としない気持ちを抱いています。

 もっとも安心できる場所が安心できなかった・・・ 

 幸いなことに、転送先の病院では的確な治療を受けられ、次第に回復の兆しをみせていますが、失った代償も少なくありません。

 治療に専念したいので、事を大きくするつもりはありませんが、専門家責任の大きさを痛感した次第です。

 弁護士も、命こそは扱いませんが、法律専門家として、その人の人生にとっては極めて大きな問題の解決に関与することになりますので、1件1件を、誠実に対応していきたいと思います。

2008年3月29日 (土)

【医療事故】 医師の説明義務

 判例タイムズ1260(4月1日)号に、京都地裁の裁判官が執筆された「医師の説明義務」という論文が紹介されていました。

 目次は、

 第1 はじめに

 第2 判例にみる説明義務の範囲

  1 説明義務の類型

  2 生き方の自己決定のための説明義務

    ※エホバの証人事件(最判平成12・2・29)

  3 治療方法選択の自己決定のための説明義務

    (1) 治療方法についての説明義務

    ※乳房温存療法=未確立の治療法の説明(最判平成12・11・27)

    (2) 治療方法が複数あるが、他方は、未確立の治療である場合

    ※乳房温存療法=未確立の治療法の説明(最判平成12・11・27)

    (3) 確立した治療方法が複数ある場合

    ※乳房温存療法の説明(高松高判平成17・6・30)

      帝王切開か経膣分娩かの説明(最判平成17・9・8)

 4 新たな説明義務

    (1) 医療機関の情報提供義務

    (2) 治療の顛末報告義務

 5 今後の問題点 

  田舎弁護士の事務所には、医療事故の相談はほとんどありませんが、医師の説明義務を弁護士の説明義務に置き換えても、興味深いかと思います。

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