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【金融・企業法務】

2019年12月 4日 (水)

【金融・企業法務】 通貨オプション取引につき、適合性原則違反はなく、金融機関の担当者による説明義務違反等もなかったとして、不法行為責任が否定された事例 

 金融法務事情No2126号で紹介された東京地裁平成31年1月30日判決です。

 判決要旨は以下のとおりです。

 ① 金融機関の担当者による勧誘行為が適合性の原則から著しく逸脱していることを理由とする不法行為の成否に関し、顧客の適合性を判断するにあたっては、具体的な商品の特性を踏まえて、それとの相関関係において、顧客の取引経験、取引についての知識、取引意向、財産状態等の諸要素を総合的に考慮する必要があるところ、本件取引の仕組みは、将来の為替変動の予測が当たるか否かのみによって結果の有利不利が左右されるものであって、その基本的な構造ないし原理自体は、少なくとも企業経営者や一定の取引経験や知識を有するものであれば十分に理解することができ、

 原告は、本件各契約を締結する以前に本件取引と同じ基本的な仕組みを有する取引を含む、多数の為替デリバティブ取引を経験していたことなどを考慮すると、原告が本件の各契約締結のリスクを負うことに何らかの問題があるとは認められず、本件取引についての適合性に欠けるところはないというべきである。

 ② 被告の担当者は、原告の担当者に対し、必要な説明事項を記載した提案書に記載された事項を説明したものと認めるのが相当であり、その説明を受けた原告の担当者は、被告の担当者の説明内容を理解する能力を有していたものと評価され、被告の担当者は、本件取引の勧誘に際し、原告が本件各取引の実情を理解した上で本件各契約を締結したものと認めるのが相当である。

 

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 う~ん なかなか、原告にとって、厳しい判決だな。 まあ、原告は、会社のようです。

2019年11月10日 (日)

【金融・企業法務】 投資一任契約該当性!?

 金融法務事情No2125号で紹介された大阪地裁平成31年1月30日判決です。

 

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 判決要旨は、判示の事実関係によれば、株式等の自動売買システムを利用した先物取引について業者が顧客に対して投資助言サービスを提供する契約は、金融商品取引法2条8項12号ロの投資一任契約に該当せず、業者は顧客に対して投資一任契約を前提とする説明義務および配慮義務を負わないとされた事例です。
 投資一任契約該当性について、解説は(P83)、「業者と顧客との投資助言に関わる契約が法2条8項12号ロに定める投資一任契約に該当するか否かについて正面から判断された裁判例は少ない」、{投資一任運用行為と投資助言行為の区別は、自らが投資判断を行うか、投資判断の助言にとどまるかであると理解されている」、「投資判断を行う者が投資助言にしたがつて投資判断を行うとしても、それだけで直ちに投資助言を行う者が実質的に投資判断を行うものと認められるものではなく、また、投資権原を委任されていなければ、投資一任運用行為には該当しない。ただ、両者の境界は必ずしも明確ではなく、結局のところ、個別事例ごとに、実態に即した実質的な判断が要求される」と解説されています。

2019年11月 8日 (金)

【金融・企業法務】 月刊監査役 11月号

 田舎弁護士も複数の会社の監査役を引き受けさせていただいているので、月刊監査役を定期購読して読んでいます。

 

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(姫路城)
 関心のある記事としては、以下のとおりです。
P10~ 近時の動向を踏まえた上でのM&Aの場面における監査役等の実務上の留意点
P32~ 新任監査役等のための法律入門講座
P42~ 監査役等のための働き方改革入門講座 健康管理、有給休暇の取得義務、勤務間インターバルの努力義務化
P69~ IPO知識講座 IPO実現に資する監査役等監査について~業務管理体制
 知識として是非おさえておく必要がありますね。

2019年11月 7日 (木)

【金融・企業法務】 銀行法務21・11月号

 銀行法務21・11月号が送られてきました。銀行法務21は10年以上定期購読しておりますが、日々日々内容が難しくなっているように感じます。

 それは、銀行が伝統的な銀行業に限らず業務分野が増えていることや、業法絡みの記事が増えていることが原因だろうなと思います。

 マネロン・テロ資金供与対策の態勢整備のチェックポイントー第3線(内部監査部門)は有効に機能しているか

 事業性評価に活かす企業分析の基礎

 金融庁の発信情報の読み解き方

 実効的な不正防止態勢の構築および全社的な機能発揮に向けて

 保険募集コンプライアンスの再確認

 田舎弁護士が弁護士になったころの業務のほとんどは、債権保全、債権回収でした。

 現在は、債権保全、債権回収についての相談はほとんどありません。

 代わって、事業承継等が少しずつ増えている様に思いますが、法務だけにとどまらないので、弁護士1名事務所では大きな案件は対応が難しいこともあります。

 銀行は、地方の弁護士に何を期待しているんでしょうか。。。

 

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(姫路城)

2019年11月 3日 (日)

【金融・企業法務】 金融法務事情第2124号

 東証一部上場会社である地方銀行の顧問をしていることから、田舎弁護士の業務の中には、金融法務が含まれており、そのために、金融法務事情や銀行法務21を購読しております。

 数年前は、金融法務懇話会に出席するために大阪の銀行協会会館を訪ねていたものです。

 

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(姫路)
 ただ、ここ数年の金融法務事情ですが、記事の内容が難しくなったように感じます。1ページ目から、「日本におけるオルタナティブ投資の潮流ーオフショア・ファンドの台頭ー」から始まります。。。。
 伊藤眞東大名誉教授の「特別清算手続における清算株式会社の地位と清算人の機関性」については、特別清算人に就任しても余り意識したことがないところなので、参考になります。過去、3社程の特別清算に対応させていただきましたが、最近は一息ついています。
 そして、地域金融機関の持続可能なビジネスモデルの構築に向けた対話。これは、わかりにくい。銀行外部の弁護士にもわかるように、もう少し分かりやすく解説してくれてもいいのにと思います。
 判例速報は、大阪地裁令和元年6月21日判決の、家賃債務保証契約中の複数の条項について、消費者契約法上の要件該当性を判断した事例です。5つの条項のうち、4つは、消費者契約法違反にならないと判示しており、消費者契約法違反となる条項は、さすがに無理でしょうと思う条項なので、実質的には、適格消費者団体側の敗訴ではないかと思います。

2019年10月17日 (木)

【金融・企業法務】 所有権留保と譲渡担保 最高裁平成30年12月7日判決

 最高裁平成30年12月7日判決です。判タ1463号で紹介されていました。

 

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(高松城)
 金属スクラップ等の継続的な売買契約において目的物の所有権が売買代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に、上記契約では、毎月21日から翌月20日までを1つの期間として、期間ごとに納品された金属スクラップ等の売買代金の額が算定され、一つの期間に納品された金属スクラップ等の所有権は、当該期間の売買代金の完済まで売主に留保されることが定められ、これと異なる期間の売買代金の支払を確保するために売主に留保されるものではないこと、
 
 売主は買主に金属スクラップ等の転売を包括的に承諾していたが、これは売主が買主に上記契約の売買代金を支払うための資金を確保させる趣旨であると解されることなど判示の事情の下においては、買主が保管する金属スクラップ等を含む在庫製品等につき集合動産譲渡担保権の設定を受けた者は、売買代金が完済されていない金属スクラップ等につき売主に上記譲渡担保権を主張することができない。
 

2019年10月 7日 (月)

【金融・企業法務】 独占禁止法・下請法(第一法規)

 第一法規から、独占禁止法・下請法という書籍が出版されていました。神奈川県弁護士会独占禁止法研究会編著です。

 

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(高松で一人飯)
 独占禁止法は、マチ弁にはほとんどかかわりのない法律です。田舎弁護士の場合には、企業法務が比較的多いことから、取り扱う分野の1つとしておりますが、それでも、年に数件程度の相談です(ほとんど下請法絡みですが)。
 やはり大規模会になると違います。独占禁止法研究会なる研究会が弁護士会にあるようです。羨ましいな。
 とはいえ、最近、これまでマイナーだったと思っていた分野の相談が少しずつ増えており、50歳を過ぎた脳みそには最初からの勉強は少しつらいですわい。
 

2019年10月 6日 (日)

【金融・企業法務】 公取委実務から考える独占禁止法

 商事法務から昨年に出版された公取委実務から考える独占禁止法です。

 

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(高松)
 11章から構成されています。①独占禁止法の基本、②不当な取引制限、③事業者団体の行為への規制、④私的独占、⑤不公正な取引方法、⑥独占禁止法違反に対する行政上の措置と調査手続、⑦独占禁止法の罰則と刑事訴追、⑧企業結合規制、⑨知的財産権と独占禁止法、⑩協同組合の行為への独占禁止法の適用除外、⑪独占禁止法の国際的な適用です。
 著者の幕田英雄弁護士は、元検事正で公取委の委員にもなされた方ですが、刑法総論もとても実務的で読みやすいものです。
 将来は、こんな弁護士になりたいな (えっ 手遅れだって (´・ω・`) )

2019年10月 3日 (木)

【金融・企業法務】IPO準備会社における監査役等が知っておくべき基礎事項 No2

 月刊監査役9月号の続きです。

 直前期のポイントは、以下のとおりです。

 基本的に、直前期において上場会社となったときと同じレベルの内部管理体制で1年実績(運用)を示し、その実績(運用)自体が上場会社として相応しいとの判断のもとに、上場申請が行われることになります。

 証券審査部審査の開始までに上場申請書類等の審査に必要な書類のドラフトが作成されている必要があります。

 

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(大阪)
 上場申請期のポイントは、以下のとおりです。
 上場申請の直近の四半期レビュー報告書も必要になります。
 会社法監査は、通常の場合、株式上場した期から開始されます。
 内部統制監査は、株式上場をした期から開始されます。ただし、新規上場会社が上場後3年以内に提出する内部統制報告書について、一定規模の会社を除き監査を免除することができるものとされています。
 田舎弁護士の地域でも、IPOを検討されている会社は散見されます。
 最低限度のことは知っておく必要があるでしょうね。

2019年10月 2日 (水)

【金融・企業法務】IPO準備会社における監査役等が知っておくべき基礎事項

 月刊監査役9月号から、IPO知識講座が開講されます。

 過去5年間の各証券取引所の上場実績から、概ね100に近い会社が新規に上場されているようです。そのうち、ほとんどが東京証券取引所であり、且つ、同取引所では、7割以上が、マザーズ市場とジャスダック市場とが占めていることがわかります。

 

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(高松駅)
 これをみると、一般的なIPO準備監査は、4年程かけて準備をするようです。
 まず、直前々々期(N-3期)は、監査法人は、IPO上の課題洗出調査を行うことになります。
 一般的には、監査契約を締結する前に、監査法人によるIPOの課題の洗い出し調査(ショート・レビュー等)が実施されます。
 これは、株式上場に向けた課題を網羅的に洗い出すためのものです。
 
 課題の洗い出し調査のレポートは、主幹事証券会社にも共有し、上場準備開始後の準備にも進捗管理に利用することが一般的です。
 
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(高松城)
直前々期のポイントは、次のとおりです。
直前々期の監査意見を提出するためには、期首残高に対する監査法人による監査手続が必要になります。
期首残高に係る遡及監査は、棚卸立会など直前々期期首時点においてのみ実施可能な手続が実施できないなどの場合、必ずしも実施可能ではありません。
直前々期末には、基本的な経営管理体制の整備が完了している必要があります。
 

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