【裁判】 執行官が茶葉に対してした執行が杜撰で違法な執行行為であり、これにより差押債務者に損害を生じせしめたが、その額を立証することが極めて困難であるとし、相当な損害として30万円が認定された事例
判例時報NO2045(2月11日)号に搭載されている裁判例(福岡高裁平成20年5月29日)の紹介です。
事案は、執行官が、茶葉の競り売りに際し、その種類、産地、採取時期、品質、容量等について調査せず、しかも、その重量を「手秤」(茶葉をいくつかの袋を両手で持ち上げてみてその重量についての見当をつけること)により、一袋30キログラムで一キロあたり1000円と評価して売却してしまったことについて、差押債権者が国家賠償請求をしたケースです。
第1審は、執行は違法だが、損害が発生したとは認められないとして、原告の請求を棄却しました。
第2審は、茶葉の数量、評価を正確に認定できないから、損害を認定できないが、執行官の杜撰極まりない執行により、なにがしの損害を生じせしめた可能性は否定できないから、民訴法248条に基づいて、その損害は30万円と算定するのが相当であると判断しました。
判時の解説者によれば、民訴法248条の適用にあたっては、損害が生じたことが認められる場合と立証することが困難であるときの区別があいまいであることから、実務での活用は、多くないようです。
件の執行官に対しては、動産執行のもっとも基礎的・初歩的な作業を欠いていること、このような態度は執行官としてはおよそ考えらない、杜撰さはまさにここに極まれりなどと、散々に非難されています。
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