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【子ども】

2025年3月 4日 (火)

【子ども】 面会交流の書籍

 最近、面会交流についての、ご相談やご依頼が増えております。

 そのため、知見を深めるために、いくつか書籍を購入しました。

 第1は、第2版裁判例からみた面会交流調停・審判の実務です。

 面会交流原則実施論に対する批判的な検討を加えた後、裁判例が分析されています。裁判例を広く知る上ではいいのですが、面会交流原則実施論の話が大半であるため、利用しづらいです。Amazonの評価も、3月2日時点では、1★です。

 第2は、面会交流実施要領から理解する面会交流の条件・条項です。

 これは、面会交流の条件や条項を作成する時には役立ちますが、全体的な理解を得られるものではありません。Amazonの評価は、4★です。

 第3は、裁判官の視点に見るその在り方 面会交流です。

 この書籍は、全体的な理解も得られるために、お勧めです。Amazonの評価は、3.8★です。田舎弁護士的には、この書籍が一番よかったように思います。

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(朝倉・水大師)

 

 

2025年1月28日 (火)

【子ども】面会交流の可否について!?

   新日本法規から出版された離婚事件における家庭裁判所の判断基準と弁護士の留意点です。

 非常に利用しやすい書籍です。Amazonでも高評価がついております。

 さて、本日のお話です。面会交流の可否については、平成29年頃までの家裁実務では、特段の事情がない限り、直接交流を実施すべきという面会交流原則実施論に立脚された運用が行われていました。

 面会交流原則実施論とは、面会交流は、基本的には子の健全な成長に有益なものであることを前提に、面会交流の実施がかえって子の福祉を害するといえる特段の事情(面会交流を禁止・制限すべき事由)が認められない限り、直接交流の実施に向けて調整・審理・判断するという考え方をいいます。

 しかしながら、面会交流原則実施論については、弊害も多く、令和元年10月、面会交流事件の新たな運用モデルが発表されました(新運用モデル)。

 新運用モデルは、建前上は、これまでの調停運営の実務を大きく変えようとするものではないとされていますが、中味をみると、原則実施論的な考え方は後退しております。 

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(松山日浦・丸味)
 新運用モデルでは、面会交流の可否の判断に当たっては、子の利益を最も優先し、直接交流又は間接交流を実施することにより子の利益に反する事情があるかどうかについて、ニュートラル・フラットな立場で、当事者双方から、
 子、同居親及び別居親の安全に関する事情
 子の状況に関する事情
 同居親及び別居親の関係に関する事情
 同居親及び別居親と子との関係に関する事情
 子、同居親及び別居親を取り巻く環境に関する事情
 その他の子をめぐる一切の事情を
 丁寧に聴き取り、これを具体的かつ総合的に踏まえ、子の利益を最も優先して考慮するとの観点から慎重に検討し(この検討に際しては、課題の把握、当事者に対する働きかけ、その結果の評価等の過程を円環的に繰り返していく)、
 面会交流を実施することによって子の利益に反する事情があるといえる場合には、面会交流を禁止・制限し、
 そのような事情があるとはいえない場合には、面会交流の具体的な内容の検討・調整に進む、という判断枠組みがとられており(新たな運営モデル)、原則実施論的な考えは後退しているといえます。
 そこで、面会交流の禁止・制限事由(子の利益に反する事情)が問題となります。 

2025年1月24日 (金)

【子ども】 児童相談所長には保護者の意思に反して強制的に面会交流の求めを拒絶する権限があるか、その法的根拠をどこに求めるのかという問題

 判例時報第2610号で紹介された①大阪高裁令和5年8月30日付判決と、②大阪高裁令和5年12月15日判決です。

 ①事件及び②事件は、いずれも、保護者(親権者)が、児童福祉法33条に基づく児童の一時保護中において児童との面会を求めたところ、児童相談所長が児童虐待防止法12条1項によらず児童との面会通信を拒絶(あるいは制限)したことは違法であると主張して、大阪府に対して国賠法上の慰謝料請求を行った事件です。

 ①事件及び②事件においては、児童相談所長は、児福法33条の2第2項に規定する監護に関する「必要な措置」として、保護者の意思に反しても(すなわち強制的に)面会通信の制限を行うことができるかが争点となりました。

 ①事件判決は、これを否定し、児童虐待防止法12条1項によらない面会通信制限を行政指導と解し、保護者の任意の協力がなかった時点以降の面会通信制限は違法と判断して、慰謝料請求を一部認容した原審(大阪地裁令和4年3月24日判決)の判断を是認しました。

 他方、②事件判決は、これを肯定し、慰謝料請求を棄却した原審(大阪地裁令和5年4月27日判決)の判断を是認しました。

 ①事件判決、②事件判決ともに、最高裁に上告されておらず、確定されています。

 解説でも、「この度、相前後して出された2つの高裁判決が真っ向から異なる解釈論を展開したことで問題点が浮き彫りになったといえる」とコメントがされています。

 実務も混乱しますね😵

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                            (旧東予・そば宏)

2025年1月 7日 (火)

【子ども】婚姻費用・養育費審理の課題と展望

 判例タイムズNo1526号で掲載された「婚姻費用・養育費審理の課題と展望」です。この論文では、①収入認定に関する判断の在り方、②既払い額の処理についての検討がなされています。 

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(世田山・山頂)
 当事者の収入に関する審理運営の展望として、まずは、原則として、客観的な収入に関する資料から収入を認定して、これを算定の基礎とする必要があります。
 しかしながら、確定申告の内容に婚姻費用・養育費算定に影響を及ぼす程度に不自然な点がある事案、確定申告書が義務者の就労状況や生活実態から大きく乖離している事案、無職による無収入や収入の減少の事案の場合には、適切な収入を把握した上で、婚姻費用等が算定されることになります。
 確定申告書が義務者の就労状況や生活実態から大きく乖離している事案では、同居時の生活水準を踏まえつつ、賃金センサスを参照して収入を把握する手法が紹介されています。
 次に、支出済み費用に関する問題については、なかなか難しい問題のようで、義務者が婚姻費用・養育費の始期以前に負担したものは、清算の対象にならない、審判時までに義務者が負担した費用であっても、債務弁済に充てられた支払ということはできず、婚姻費用・養育費の具体的請求権額を形成するにあたっての一要素として処理されるに過ぎないということです。
 審理の迅速化のためには、一覧表による支出済み費用の確認という方法の他、統計方式を用いた審理運営もあるようです。
 勉強になりました😄

2025年1月 6日 (月)

【子ども】司法研修所編 子の監護・引渡しをめぐる紛争の審理及び判断に関する研究

 令和6年8月に、法曹会から、司法研修所編 子の監護・引渡しをめぐる紛争の審理及び判断に関する研究 が出版されていましたので、早速、購入しました。

 2章から構成されています。第1章は、子の監護者指定の判断の枠組み、第2章は、審判前の保全処分です。

 後者の審判前の保全処分は、田舎弁護士も30年近く弁護士をしておりますが、片手で数えるくらいしか対応したことがありません。子の監護者指定については、割とあるように思います。

 そのため、第1章の子の監護者指定の判断の枠組みを中心に眺めてみました。 

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(笠松山・謹賀新年)
 第1章では、まずは、子の監護者指定等事件の特質を確認し(第2)、その上で、これまで発表された裁判例の傾向や判断枠組みを分析した論稿(先行文献)を参照しながら、子の監護者指定の判断枠組みをめぐる従前の議論の状況を振り返り、子の監護者指定の判断枠組みについて、行動科学の知見等を踏まえつつ、より体系的な整理が必要であることを明らかにする(第3)。そして、子の監護者指定の判断を支える行動科学の知見等について、子の監護者指定等事件における家庭裁判所調査官の調査の在り方を研究した令和2年度家庭裁判所調査官実務研究(指定研究)の結果報告である「子の監護者指定をめぐる事件の調査実務についての研究ー子のニーズに着目した試みー」(指定研究)の概要を紹介し(第4)、さらに、諸外国における子の監護をめぐる紛争に関する制度とその運用を紹介した上(第5)、最後に、それらまでに分析、紹介した内容のほか近時の裁判例も踏まえ、子の利益の観点から、子の監護者指定の判断枠組みを検討し、提唱することとする(第6)という、内容になっております。
 このブログでは、第3と第6について触れたいと思います。まず、第3で指摘されているこれまで発表された先行文献についてです。
 先行文献による裁判例の分析の概要として、諸事情を比較衡量するに当たって考慮される点として、①主たる監護者、②監護環境の継続性、③子の意思の尊重、④きょうだい不分離、⑤監護開始の違法性、⑥面会交流の許容性、⑦婚姻関係破綻の有責性が挙げられているところ、「先行文献が示す各考慮要素をなぜ考慮する必要があるのか、子の監護の在り方が多様化する中で諸事情の総合考慮をどのような観点から行うべきかなどの点について、行動科学の知見等を踏まえつつ、子の利益を中心に据えた更なる体系的な整理が必要であると考えられる」としております。
 そして、第6の子の監護者指定の判断枠組みとしては、「子の監護者指定に当たっては、子の利益が最優先の考慮要素とされ(民法766条1項)、第2で述べたとおり、子の監護者指定は、子の利益の観点から、父母それぞれの監護を評価し、今後、子が父母のいずれかの監護下で生活することがより子の利益にかなうかという基準で判断すべきである。そこで、父母それぞれの監護がどのように評価すべきかが問題となるが、本研究では、子の利益を中心に据え、父母の監護を評価する際のポイント(着眼点)として、①子が従前どのように監護養育されてきたか(従前の監護状況)、②子が今度どのような監護養育を受けられるか(監護態勢)、③子が親とどのような関係を築いているか(子との関係性)、④子が親から他方の親との関係を維持するために必要な配慮を受けられるか(他方の親と子の関係に対する姿勢)の4点を提唱することとしたい。」として、各ポイントについて説明されています。
 この判断枠組みが、家裁に早期に浸透していくのかどうかはわかりませんが、司法研修所編ですので、実務に対する一定の指針にはなるのではないかと思います。

 

2024年11月 1日 (金)

【子ども】 共同親権の話が増えました。

 父母の離婚後の子の養育に関する民法等の一部を改正する法律が成立し、令和6年5月24日に公布されました。公布から2年以内の施行が予定されています。

 「家庭の法と裁判」No52に法務省の担当者による解説がありました。

 新民法819条1項は、父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定めるとされています。

        2項は、裁判上の離婚の場合は、裁判所が定めることになります。

 裁判所が親権者を定める場合には、子の利益のため、父母と子の関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならないと定め、父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められる場合には、裁判所は必ず父母の一方を親権者と定めなければならないと規定しております。

 多くの場合、離婚後も父母の共同親権となるのではないかと思いますが、この場合の親権の行使については、共同して行うということになっております。

 但し、子の利益のため急迫の事情がある場合や、監護及び教育に関する日常の行為については、単独で行為することが可能です。

 なお、父母の意見対立の場合には、家裁にて判断することになります。

 そして、争点になる監護権については、必須とはされていませんが、実際に子どもを育てるということからすれば、監護権者の指定が今後は最大の争点になるのではないかと思います。

 なお、親権者の定めの協議が整わない場合でも、親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされていれば、協議離婚の届出が受理されることになりました。

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                             (九谷・赤絵)

2024年10月15日 (火)

【子ども】 養育費の消滅時効!?

 ある大手法律事務所のHPに記載されている「離婚のご相談によくある質問」と「回答」です。

 「10年前に離婚し、養育費支払いの取決めをしました。しかし6年前から支払われなくなっています。今からでも請求することはできますか?


 養育費の取決めをしていれば、支払いが滞っている過去の養育費を請求することができます。しかし、過去の養育費をどこまで遡って請求できるかは、取決めの方法によって異なるので注意が必要です。

 お互いの話合いにより、「養育費として毎月○万円支払う」と取り決めた場合、月々の養育費の請求権は5年で時効消滅してしまいます。公正証書を作成した場合でも同様です。つまり、話合いで決めた養育費は、相手方から時効の主張をされた場合、原則として遡って5年分しか認められないのです。ただし、時効の更新(※)という制度もありますので、残りの1年分につき認められるのかは事案によります。

一方家庭裁判所の審判や調停により養育費を取り決めた場合には、養育費の請求権の消滅時効は10年となります。この場合、過去の養育費について10年分遡って請求できるので、6年間滞納されている養育費については、全額の請求が可能です。」 

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(大聖寺城登山口)
 あれ この説明間違っているのでは???
 確かに、民法169条1項は、確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年と定めていますが、2項では、前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しないと定めています。
 つまり、将来の養育費は、民法の原則どおり、5年です。(のはず)
 6年滞納されているのであれば、義務者から消滅時効を援用された場合には、5年分のみの請求が可能ということになります。
 ちなみに、養育費ではなくて、夫婦関係を前提とする婚姻費用であれば、まだ離婚していないために、夫婦である間は、消滅時効を心配することはありません。(のはず)
  

2024年9月24日 (火)

【子ども】 決まった養育費の減額!?

 時折、1度決まった養育費の減額についてのご相談を受けることがあります。田舎弁護士の経験では、2類型にわかれます。1つめが、再婚して、子どもが産まれたので養育費を減額したいというケース、もう1つが、不況により大幅に給料がさがったので養育費を減額したいというケースです。

 後者の場合は、養育費の減額に余り問題がないように思いますが、前者の場合にはいろいろと課題がありそうです。

 即ち、養育費の減額が認められるためには、事情変更の基準を満たす必要があり、前者の類型では、そのハードルが高い場合があります。

 事情変更が認められるためには、元の合意や裁判のとおりに履行させることが当事者間の公平に反する結果となる場合であって、①合意等の前提となっていた客観的事情に変更が生じたことに加えて、②その事情変更を当事者が予見できなかったこと、③事情変更が当事者の責めに帰すべからざる事由によって生じたこと、④合意どおりの履行を強制することが著しく公正に反することが必要とされています。 

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(鼻ご岩・観音寺)
 松本元裁判官の婚姻費用・養育費の算定実務には、なかなか厳しい解説が紹介されています。
 Q義務者が、離婚及び養育費の合意後の3か月後に再婚し、再婚相手は無職であるとして養育費の減額を求めてきた。減額は認められるか?
 ⇒合意時に交際していたのであれば、その後の再婚は予測の範囲内である。したがって、事業変更といえず、減額は認められない。
 Q先程の場合で、12ヶ月後に実子がうまれたとして、養育費の減額請求をしたが。
 
 ⇒再婚、子の出生とも、予測の範囲内といえる。したがって、事情変更は認められないので、減額請求は認められない。
 この解説が全体だとすれば、安易なアドバイスは禁物ですね。

 

2024年5月 1日 (水)

【子ども】 せっかく、公正証書を作成したのに、養育費が支払われない場合にどうすればいいの⁉

 公証人役場で離婚の際に養育費の取り決めをされるケースは、弁護士をしていれば、日常的な業務でよく遭遇します。

 養育費を取り決める際に、公正証書を作成する最大の目的は、義務者である相手方が養育費を支払わなくなった場合に、給料等を差し押さえて(直接強制)、養育費を回収するということにあります。

 ご相談者から依頼を受けて、給料の差押えや、預貯金の差押えというのは、一般的な業務の1つといえます。

 しかしながら、公正証書や裁判所で作成された調停調書等の債務名義をもっていても、相手方が支払わず、しかも、差し押さえたとしても、空振りに終わるということも、決して少なくありません。

 しかも、仮に調停や審判書で養育費を取り決めしたとしても、将来分については、消滅時効は、10年ではなくて、5年ですので注意が必要です(★これ、多分、田舎弁護士レベルの弁護士10人いれば5人は、10年と回答すると思います。弁護過誤になりそうです。)。

 債務名義をもっているにもかかかわらず、相手方の財産状況がわからず、相手方の財産を差し押さえることができないという場合には、どのように対応したらいいのかが問題となります。

 第1は、財産開示の申立てです。

 公正証書の場合でも、令和2年4月1日から、財産開示制度が利用できるようになりました。

 ただ、この制度を利用するためには、一度強制執行に失敗しているか、知れている債務者の財産に強制執行をしても完全な弁済を得られないことを要件としております。

 そして、財産開示命令が出ても、相手方が隠さずに申告しているかどうかは債権者側にはわからないこと等から、田舎弁護士の場合は、財産開示申立ては、10回以上行いましたが、この制度によって、債権回収ができたということは過去ありません。

 財産開示制度以外の、情報取得手続としては、3つあります。

 1つめが、預貯金・振替社債等の情報開示の申立てです。

 これは、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所、この普通裁判籍がわからないときは各金融機関の本店の所在地を管轄する地方裁判所ということになります。

 ただし、この制度を利用すると、債務者に対して情報の提供がされた旨の通知がされるために、それ以前に差し押さえる必要があります。

 2つめが、不動産に係る情報開示の申立て、3つめが、給与に係る情報開示の申立て、ですが、いずれも、先行して財産開示手続が実施されていることが要件となっております。

 以上の制度を前提にすると、きちんとした会社等に勤めている相手方であれば、強制執行により養育費を回収できる可能性はありますが、田舎弁護士も度々経験しますが、点々として勤務先がわからないような方の場合には、養育費の回収は至難の業としかいいようがありません。 

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(弓削)
 養育費を受け取れない家庭への公的支援については、「養育費・紺品費用事後対応」(令和3年7月)では、①国による養育費立替払い制度は、検討はされているようですが、実現まではいっていないようです。②自治体独自のものとしては、大阪市、港区では、民間会社が養育費保証サービスについて保証料の助成を行っているようです。③明石市では、あの有名市長の下では、1か月分に限り最大5万円を市が立て替えて支払うこと、明石市にて相手方に支払い催促がされるという制度があったようです。
 なお、現在、家族法制の見直しの1つとして法定養育費が国会で審議されているところですが、これがとおれば、先取特権の効果として、担保権実行としての債権差押えが可能ということになります。もっとも、金額は、審判で定められる金額よりは低額になろうと思います。
 最近では、国や自治体でも頑張っているとは思いますが、それでも、養育費は踏み倒す不届き者がいます。
 支払えるのに支払わない、支払う能力があるにに支払わない不届き者は、最終的には、財産開示制度と同様に刑事罰をもって対処すべきだと田舎弁護士は思います。

2024年4月27日 (土)

【子ども】親子法改正!?

 「家庭の法と裁判」2024.4月号の特集です。最近、民法がらみもいろいろ改正が続き、フォローが大変です。令和4年に改正がありました。改正法は、①懲戒権規定の見直し、②嫡出推定・否認制度の見直し、③女性の再婚禁止期間の廃止、④認知無効訴えの規律の見直し、⑤第三者の精子を用いた生殖補助医療により生まれた子の嫡出否認についての規定の見直しなどと多岐にわたっております。

 気になる箇所から少し引用してみます。

 まずは、嫡出推定規定の見直しです。「第一に、婚姻成立から200日以内に生まれた子、つまり、妻が婚姻前に懐胎し、婚姻成立後に出生した子にも嫡出推定が及ぶ」ことになりました。夫の子である蓋然性が相当高いこと、夫婦による子の養育が期待できることなどが理由です。「第二に、母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた子は、再婚後の夫の子と推定する」ことになりました。つまり、「婚姻の解消・取消から300日以内に生まれた子に嫡出推定が及ぶという従前のルールを維持した上で、母が再婚した場合の例外を設けました」再婚後の夫婦の子である蓋然性が高いこと、当該夫婦による子の養育が期待できることが理由です。

 次に、嫡出否認制度については、否認権者の拡大と出訴期間の伸長という2つの改正が行われました。「否認権は、父のみならず、子、母、再婚後の夫の子と推定される子については、前夫にも認められました。」 また、「出訴期間は3年とされ、起算点は、父と前夫については、子の出生を知った日、子と母については子の出生時」とされました。

 さらに、認知については、改正法は、①事実に反する認知の無効の主張は、訴えによることを明確にした上で、嫡出子と嫡出でない子の制度間のバランス・整合性を意識し、②提訴権者と出訴期間を限定しました。また、嫡出否認の訴えの場合と同様に、③認知が無効とされた場合であっても、子は、認知をした者が支出した子の監護に要した費用を償還する義務を負わないなどとしました。

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(リーガロイヤルホテルから)

 

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