【交通事故】MIC 関節の医療画像鑑定セミナー 第1弾「肩」 に、WEBで参加しました😅
MIC様主催の関節の医療画像セミナー 第1弾「肩」に、参加しました。
◎後遺障害等級の認定要件(肩関節)
8級6号(用廃)、10級10号(著障)(1/2)、12級6号(単障)(3/4)、12級13号(証明)又は14級9号(説明可能)
画像診断としては、12級13号又は14級9号で必要
◎肩の外傷によって生じる変化
可動域制限は、筋腱の損傷で生じる ※靱帯損傷や関節唇損傷は痛みによる可動域制限や不安定 これらの軟部組織はCTやX線画像では明らかにならない。
X線で写らない組織 CRやXPではわからない。鑑定書でしっかり指摘すること。
MRIは、骨の中の組織の状態がわかる、筋肉や靱帯等の軟組織の状態がわかる、炎症の程度や時期がわかる
事故が原因で生じた病変であることが説明できる
◎肩の解剖
肩関節を構成する骨 肩複合体 棘上筋、棘下筋、肩甲下筋
肩外傷で障害される代表的疾患
腱板損傷(断裂) 棘上筋、棘下筋 肩甲下筋 小円筋
上腕二頭頭(※ポパイの腕の部分)腱損傷
上腕骨大結骨折
脱臼(※派手な所見)後関節唇損傷(※失念することが多い)
◎靱帯と腱の違い
腱とは、筋の先端部で繊維が細くなり繊維化して骨に付着している部分=筋と骨を繋いでいる繊維(繊維質が多くて束になっている)
筋の収縮を骨に伝える←可動域制限の原因となる
靱帯とは、骨と骨をつないで関節を安定させる繊維性結合組織 腱よりは組織密度が高い
骨を動かす機能は無く、関節の動きを安定化させる、固定させる ← 可動域制限の原因とはならない 動揺関節で問題となる
靱帯を切れると可動域が拡がることがある
棘上筋腱 インペジメント症候群 断裂しやすい
断裂といっても軽症のもから完全断裂まで含まれており、曖昧な表現なことが多い
損傷は治る、断裂は治らないというイメージあり
「損傷」 挫傷、過伸展、層間剥離、微少断裂
「断裂」 層間剥離、微少断裂、部分断裂、表層、下層、滑液包側(※割とおおい)、骨側断裂、全層断裂(ピンホール断裂)(必ずしも完全断裂ではない)、完全断裂
組織損傷(浮腫)に関するMRI画像の所見
T2強調系 白く見える 信号上昇 高輝度 液体貯留(水は明瞭な白) ※損傷すると浮腫ができて白く写る
T1強調系 灰色~黑 信号低下 低輝度 液体貯留(水は明瞭な低信号だが出血があると少し信号が高い
◎骨の損傷
骨折 骨(皮質)の破損 ひびが入る、砕ける、折れる
骨挫傷 骨の形は保たれており、骨の中の組織の損傷(骨髄浮腫)の状態 X線単純画像では骨挫傷はわからないことがある
骨折線が明らかでない場合、骨挫傷と骨折は曖昧に用いられる
大結節裂離骨折 骨が引っ張られて剥がれる 剥離骨折とは異なる
剥離骨折 骨の衝突や摩擦が原因で生じる骨折(直達外力)
裂離骨折 骨の筋の牽引力が作用して付着部の損傷を生じる場合(直達外力ではない)
◎症例提示
腱板損傷 腱板断裂 強制的な牽引力や突き上げによるてこの作用が加わると生じる
腕が引っ張られる状況 転倒で突き上げられる状況 肩の上外側部の強打
上腕二頭筋損傷(※ポパイの腕) 見つけられぬくい
肉離れ 筋肉の損傷
打撲による大結節骨折 挫傷しながら骨折する
脱臼 割とはでな所見 骨頭が出て断裂する、ぶっかって骨挫傷
腱板疎部損傷 腱板がない筋肉部分に損傷
◎肩の慢性病変 インピンジメント、五十肩、慢性腱板損傷、石灰沈着性腱板炎、変形性肩関節症、上腕骨骨懐死等
◎事故で生じた病変と慢性病変との区別
MRIの撮影時期が事故後半年以内ならば病変の浮腫や損傷に応じた輝度変化が認められるので最新の病変といえる
T2強調像(脂肪抑制)で高信号(白色) →他のエピソードがなければ事故で生じた可能性が高い
石灰化、筋萎縮、水は溜まっているが浮腫がない 病変の境界が明瞭 各病変に特徴的な所見がある
◎症状や病態が説明できる事故の状況は非常に重要
→筋腱が断裂する状態になるのは、強制的な牽引力が加わっている状況が必要 引っ張られるか 突き上げられるか
歩行者、バイクや自転車で転倒した場合などは様々な損傷の可能性がある
◎MRIについて
CTやCRなどのX線画像では骨の状態しかわからない
骨折がない場合、MRIがなければそれ以上の説明ができない
靱帯や腱の断裂や損傷、椎間板はMRIでなければ写らない
MRIでは、病変の発症時期がわかる 超急性期 急性期 亜急性期 慢性期
T2強調像では損傷や炎勝負が白く(高信号)写る
肩の撮影では、その他に、STIR法、プロトン脂肪抑制 T2※等も用いられる
CR画像しかなく、骨傷がなければ、可動域制限があわなければ12級はほぼ無理
◎MRIのを撮影するタイミング
事故直後の早い時期のMRIはある方がよい
3か月から1年は必ずいる 症状固定の直前くらい
初回撮影が事故から1年を超えると厳しい 慢性病変と区別がつかない
頚椎や腰椎の撮影は比較的容易
肩、膝、手首、肘、足首などの撮影は、経験豊富が必要 ※救急外来では理学所見は丁寧にとっていないことがある
1.5テスラー以上の新しいMRI機器での撮影が望ましい
自動車乗車中で肩が損傷するほどの状況はかなり大きな衝撃でないと難しく、元来の病変があり悪化したと説明する方が真実に近い
画像所見と可動域制限は関連しないこともある 完全断裂でも動く人がいる 他の筋を使って動かせる
拘縮は左右差が必要 あっても可動域との関連は言及できない(リハビリの可能性あり)
◎14級9号認定のポイント
①同じ部位に常に支障を来す疼痛が生じている状態であること
②症状が不変で推移していること(事故時に比べてどんどん軽快して少しだけ痛いというレベルではないこと)
③事故から一定期間、一定量の治療を受けても、症状が残存してしまっている
具体的に言えば、6か月以上の治療期間が必要で、その間に100日程度、整形外科で治療を継続していたこと 治療に専念もせず、症状が残存してもそれは自己責任 治療の継続性と症状の一貫性 整骨院の通院回数は含まない
④1か月以上の治療中断期間がないこと
※頚椎や腰椎に比べて、実は相応の画像所見があれば、関節の等級認定は得やすい印象
大昔損保弁護士をしていたころは、全国各地で開催される損保協会の有料の医療セミナーを受講していました。けっこう値段も高く、また、往復の交通費も自己負担なので、地方から受講ということになれば、1回当たりでもかなりの負担になっていました。もっとも、今は、損保弁護士ではないので、このような研修には無縁の存在となりました。
物損関係の自研センターも損保会社の推薦がありませんので、基本的には受講できておりませんが、たまに、LACの推薦で受講できることがありますね。これも受講料と交通費は自己負担となります。
交通事故事案を取り扱う以上、専門医のお話は非常に貴重で、勉強になります。
しかも、無料で提供していただけております😇
田舎弁護士も、後遺障害認定申請の際には、いつも、MIC様にお世話になっております
相談機能も充実しておりますので、画像鑑定で困ったらMIC様の利用を検討されてみて下さい😇
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