金融法務事情No2067号で紹介された東京地裁平成29年11月29日判決です。
判決要旨は、
住民基本台帳カード等を偽造して不動産の所有名義人になりすまし、買主との間で売買契約を締結して決済がされた後、上記偽造の事実が明らかになり、真の所有者から所有権移転登記の抹消登記手続を求められて当該不動産の所有権を取得できなかった買主に対し、
住民基本台帳カード等の偽造に気付かないまま誤った売主の本人確認情報を提供した弁護士には過失があり、不法行為に基づく損害賠償責任を負う(過失相殺4割)と判断された事案ですが、
認められた賠償金は、約1億6000万円+遅延損害金です。。。
被告の弁護士は、弁護士賠償保険に加入しており、当該会社が補助参加しております。。。
この事案の怖さは、だました人は、元クライアントでその依頼の時は特に問題がなかったということでした。報酬金30万円で売買の立ち合いに立ったというわけですが、売主が偽物で、弁護士を利用して、本人確認方法を簡略化させて、売買代金をだまし取ろうとしたものでした。
被告の弁護士は、弁護士会に懲戒申立てられましたが、懲戒はされていません。
しかしながら、民事の裁判では、過失ありとして、賠償義務が認められています。
怖いです。。。。

判決書をよむ限り、被告の弁護士は立派な方のようなので、その肩書を利用されたのではないかと思います。本人確認も、著しく怠っているようには思えませんが、半分、結果責任を問われているような内容にも思えました。
恐ろしや~ です。。。。
最近のコメント