20数年以上弁護士をして感じることは、弁護士の仕事には、たくさんの落とし穴があるように思います。
ベテランだから落とし穴に落ちないとは限りません。
まず、知識がないことから生じる落とし穴です。弁護士が取り扱う業務は幅広いことから、特定の分野でさえ専門的な知見を得ることは困難です。交通事故で言えば、赤本や青本の編集者の1名になれば、交通事故に詳しいということを謳ってもよいと思いますが、地方の弁護士で交通事故に詳しいといっても限度があるように思います。そして、それは、交通事故だけではなくて、他の分野にもいえることだと思います。広く、浅くというのが現状だと思います。
こればかりは、書籍や研修会等で知識を得るしかありませんが、今はかなりこの種の書籍等を手に入れることは可能です。
第2に、経験がないことから生じる落とし穴です。例えば、ある手続をとればこの位の目安で解決できるだろうというのは、経験がなければ獲得することは困難です。
これは、書籍や研修会等で得た知見を元にどんどん新しいことにチャレンジしていくしかありません。
第3に、仕事が多忙なことから生じる落とし穴です。1件、1件の案件に十分な時間をかけることができれば、知識や経験不足を補うことは可能ですが、薄利多売化しているような現状を考えると、十分な時間をかけるのは難しいと思います。そうすると、検討不足からくるミスというのは発生しやすいように思います。
これは、仕事の量を調整するしかありません。
(伊予富士から)
そして、これらの落とし穴に留意しつつ、田舎弁護士の信条としては、薄利多売の仕事はしない、オーダーメイド型の仕事をする、そして、それに応じた費用はいただくことを原則としております。
このようなスタイルの弁護士で将来も生き残れるかどうかはわかりませんが、田舎弁護士も還暦にそろそろ近づきつつあり、年金をもらえる位には、大過なく引退ができればと思っております。
弁護士の年金って、基本は、国民年金だけなんですね。。。
田舎弁護士の場合には、弁護士国民年金基金、法人化した以降の厚生年金、弁護士会の互助年金、民間の個人年金等に加入しています。ただ、受け取れる金額を試算すると、現役の時の収入より大幅に減少します。家内の年金とあわせれば、なんとかということですので、夫婦円満でなければなりませんね💦
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