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【行政】 

2019年6月10日 (月)

【行政】 市立記念館条例を廃止する条例の制定行為について、裁量権行使の逸脱及び濫用が認められず、違法性が認められないとされた事例

 判例時報No2401号で紹介された青森地裁平成30年11月2日判決です。

 

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 事案は、Yが、地自法244条1項所定の公の施設として十和田市立新渡戸記念館を設置し、十和田市立新渡戸記念館情条例において、その設置及び管理に関する事項を定めていたが、平成27年6月26日、本件記念館条例を廃止する条例を制定したところ、XがYに対して、本件廃止条例制定行為が行訴法3条2項の処分にあたることを前提として、本件廃止条例制定行為の取消を求めた事案です。
 
 本判決は、公の施設の廃止が地方公共団体の裁量的判断にゆだねられているとした上で、かかる裁量的判断も裁量権行使に逸脱又はその濫用がある場合には違法となるものとしています。
 
 公の施設を廃止する条例を制定する行為については、公立保育所の廃止に関する裁判例が散見されるようです。

2019年5月26日 (日)

【行政】 公務員が勤務時間中に猥褻な行為をした場合

 判例タイムズNo1459号で紹介された最高裁平成30年11月6日判決です。 

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(名護屋城)
 地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗においてその女性従業員の手を自らの下半身に接触させようとするなどのわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6か月の懲戒処分がされた場合において、次の(1)~(5)など判示の事情の下では、上記処分に裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断は、懲戒権者の濫用権に関する法令の解釈適用を誤つた違法がある。
 (1) 上記行為は、上記職員と上記従業者が客と店員の関係にあって拒絶が困難であることに乗じて行われた
 (2) 上記行為は、勤務時間中に市の制服を着用してされたものである上、複数の新聞で報道されるなどしており、上記地方公共団体の公務一般に対する住民の信頼を大きく損なうものであった
 (3) 上記職員は、以前から上記店舗の従業員らを不快に思わせる不適切な言動をしており、これを理由の1つとして退職した女性従業員もいた
 (4) 上記(1)の従業員が終始笑顔で行動し、上記職員から手や腕を絡められるという身体的接触に抵抗を示さなかったとしても、それは客との間のトラブルを避けるためのものであったとみる余地がある
 (5) 上記従業員及び上記店舗のオーナーが上記職員の処罰を臨まないとしてもそれは事情聴取の負担や上記店舗の営業への悪影響等を懸念したことによるものとも解される。
 → 当然と思える判断です。

2019年5月24日 (金)

【行政】 厚生年金保険と別居中の妻

 判例時報No2399号で紹介された福岡高裁平成29年6月20日判決です。

 

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 厚生年金保険の被保険者の死亡に伴い別居中の妻がした遺族厚生年金不支給決定処分取消請求につき、第1審が生計同一要件を充たさないとして請求を棄却したのに対して、第2審は、生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」の生計維持関係等の認定基準の例外条項に該当するとして、原判決を取り消して、請求を認めました。
 
 別居している妻の場合でも、生計同一要件を充たすと判断される場合がありますので、あきらめずに、遺族厚生年金不支給決定処分取消訴訟を提訴すべきといえます。

2019年3月 7日 (木)

【行政】 生活保護

 消費者法ニュースNo118号で掲載された奈良地裁平成30年3月27日判決です。

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 生活保護の通院移送費(交通費)について、実施機関が遡ってこれを支給する態度をいったんは示しながら、後で、これを覆し、申請却下処分を行ったことが禁反言の法理に反し、裁量逸脱・違法であるとして、同処分の取消及び保護費支給の義務付けが認容された事例

 通院交通費ですが、徒歩でいけない場合には交通費をいただけないと治療を受けることができなくなります。

2019年1月11日 (金)

【行政】 行政法概説Ⅱ

 平成30年に、有斐閣から、宇賀克也先生の「行政法概説Ⅱ」 が出ていました。第6版です。以前の書籍が第3版だったので、久しぶりに更新しました。

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 日弁連会館の本屋さんで購入しました。行政救済法なんて、10年位前まではほとんど縁のない分野ですが、数年前から勉強しなければならないことが増えております。

 大学生、司法修習生の時代にしっかり勉強しておけばよかったけど、後の祭りです。。

2018年9月25日 (火)

【行政】 戸籍の附票の写しがとれない!?

 判例時報NO2375・NO2376号です。 「秋季合併号」となっているみたいです。。。

 さて、大阪高裁平成30年1月26日判決です。

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                (熊本城)

 ドメスティックバイオレンスの加害者とされる者の代理人弁護士から、住民基本台帳法に基づき、その被害者とされる者に係る戸籍の附票の写しが必要である旨の申出がされた場合、

 住民基本台帳事務処理要領が定めるところに従って当該戸籍の附票の写しを交付しないとした市長の処分に裁量権の逸脱・濫用の違法はないとされた事例です。

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 離婚訴訟の際の和解条項には、A(夫)は、A宅にあるB(妻)の仏壇等をBが引き取ることを認め、その日時、場所等は別居協議して定めるとなっていたようです。

 AとBとにはそれぞれ代理人弁護士がついていたようですが、Bの代理人弁護士が、今後はBと直接連絡をとって協議して欲しいと言われたようです。

 Aの弁護士としては、とても困ったことになりました。

 そのため、Bの住所を知るために、戸籍の附票の写しをとろうとしたのですが、拒絶されてしまったわけです。

 最高裁に上告・上告受理申立てされているようです。

 このような和解を行う場合には、和解についても裁判の時の代理人がきちんと処理してもらえるのかを確認する必要があります。

 田舎弁護士も、和解の後はしらん!と言われて、困ったことがあります💦

 

2018年6月28日 (木)

【行政】 水俣病と障害補償費不支給決定取消

 判例時報No2366号で紹介された最高裁平成29年9月8日判決です。

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 公務健康被害の補償等に関する法律4条2項の認定を受けた者が、原因者に対する損害賠償請求訴訟の判決により確定された損害賠償義務の全ての履行を既に受けている場合における都道府県知事の同法に基づく障害補償費の支給義務については、消極的な判断を最高裁は示しました。

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 本判決は、公健法4条2項の認定を受けた者に対する障害補償費の支給義務と原因企業の損害賠償義務の関係という先例のない論点につき、最高裁が初めて判断を示したものであり、実務上参考になると解説されています。

2018年4月11日 (水)

【行政】 地方自治法224条、228条1項にいう「分担金」

 判例時報No2359号で紹介された最高裁平成29年9月14日判決です。

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 事案は、大阪府が営む工業用水道事業に係る条例に基づき、府との間で給水契約を締結して工業用水道を使用していたYが、その使用を廃止したため、府から前記事業を承継した一部事務組合であるXが、前記給水契約に基づき、Yに対して、前記条例において工業用水道の使用を廃止した者が納付すべきこととされる負担金の支払いを求める事案です。

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 本判決の意義は以下のとおり解説されています(P4)。

 工業用水道の使用を廃止した者に負担金を納付させる制度は、他の地方公共団体等が営む工業用水道事業においても少なからず採用されているが、

 前記負担金に関する事項は、必ずしも条例という形式で定められているわけではないようである。

 本件判決は、本件条例及び本件規程に基づく廃止負担金につき、その目的や額の算定方法に照らして分担金に当たらないと判断したにとどまり、その射程は他の工業用水道事業における負担金の法的性質に関して直ちに及ぶものではないが、その判断における観点は、同種事案に参考になるものといえる。



2018年2月21日 (水)

【行政】 公立小学校教員の採用処分後、選考試験の成績に不正な加点操作があったとして行われた採用処分 判例時報No2352号

 判例時報No2352号で紹介された、福岡高裁平成29年6月5日判決(①事件)と、福岡高裁平成29年9月5日判決(②事件)です。

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                  (中央大学・多摩)

 ①事件では、採用処分の取消処分が有効、②事件では、採用取消処分が取り消されたという事案です。

 判決文を比較する限り、①事件と②事件とでは、

ア 採用希望(小学校か、中学校か、その科目)

イ 不正な加点の理由(①事件 Xが参加していた勉強会の指導官の依頼であることが判明、②事件 一切判明していない)

ウ 受験の経過等(①事件 最初の受験でその後は受験していない、②事件 臨時講師を続けながら受験を続けていたもので平成22年度から再び受験を続けて平成27年度に合格している)

についての相違点はあるものの、

エ 受験者本人や親族が不正な加点にかかわっていたとは認められないこと

オ 加点前の点数では合格にかなりの点数が足りなかったとされていること

などを含めて、かなりの点で類似しているようです。

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                  (隅田川)

 合格点に達していなかった以上、いずれも、採用は取消されるべきのように感じますが

2017年10月17日 (火)

【行政】 行政関係訴訟の実務

 商事法務から平成27年に出版された「行政関係訴訟の実務」です。

 編著者は、定塚誠東京高裁判事で、前東京地裁行政訴訟専門部の部総括判事なので、安心感があります。

 11部で構成されています。

 第1部は、外国人関係で、①外国人の強制退去、在留資格等をめぐる紛争、②難民認定手続に関する紛争 です。

 第2部は、社会保障関係で、③公的年金給付を巡る紛争、④生活保護申請却下、保護廃止処分をめぐる紛争です。

 第3部は、租税関係で、⑤租税法の基本事項、⑥所得税、⑦・⑧法人税をめぐる紛争、⑨相続税、⑩過少申告加算税、⑪重加算税、⑫地方税(固定資産の登録価格を巡る不服の訴訟)、⑬徴収関係をめぐる紛争、⑭いわゆる租税回避行為の「否認」についてです。

 第4部は、建築関係で、⑮開発許可、建築確認に関する紛争です。

 第5部は、公用負担関係で、⑯都市計画事業をめぐる紛争、⑰土地区画整理をめぐる紛争、⑱土地収用をめぐる紛争です。

 第6部は、運転免許関係で、⑲運転免許に関する争訟です。

 第7部は、営業許可、事業許可関係で、⑳医師免許、弁護士資格等をめぐる紛争、㉑道路運送事業をめぐる紛争、㉒廃棄物処理、墓地をめぐる紛争です。

 第8部は、営造物関係で、㉓学校関係をめぐる紛争、㉔公共施設等の利用をめぐる紛争、㉕上水道・下水道に関する紛争、㉖公共用物です。

 第9部は、情報公開関係で、㉗情報公開訴訟です。

 第10部は、住民関係訴訟で、㉘住民監査請求手続、㉙住民訴訟(4号請求)です。

 第11部は、手続の違法で、㉚行政手続等の瑕疵をめぐる紛争です。

 執筆者は、いずれも行政訴訟に詳しい裁判官によるものであり、安心して読めますね。

 第9部は、

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