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【行政】 地方自治

2019年4月17日 (水)

【行政】 地方議会が行った議員に対する出席停止処分

 判例時報No2395号で紹介された仙台高裁平成30年8月29日判決です。

 地方議会が行った議員に対する出席停止処分が議員報酬減額につながるような場合には、その処分の取消等を求める訴えは、司法審査の対象となるとされた事例

 従来の最高裁判決は、出席停止は、法律上の争訟に該当しないが、除名は、法律上の争訟に該当すると判断されています。

 原審も、同様の判断ですが、仙台高裁は、出席停止といえども議員報酬の減額につながるような場合には、法律上の争訟に該当すると判断しました。

 最高裁に上告・上告受理申立てがされております。

 出席停止処分は議院の権利行使を一時的に制限するものにすぎないことから、仙台高裁の判断は覆るのではないかと思われます。地方議会の自律性こそ重んじられるべきでしょう。

2019年3月 4日 (月)

【行政】 町による地元出身衆議院議員の大臣就任祝賀式典の挙行及びこれに伴う公金の支出が違法でないとされた事例 最高裁平成元年7月4日判決

 判タNo734で紹介された最高裁平成元年7月4日判決です。

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                  (松下村塾)

 町が地元出身衆議院議員の大臣就任を祝うため提灯行列及び立食パーティ等を内容とする2日間の祝賀式典を挙行し、そのために約326万円の公金を支出した場合において、

 右議員は長年にわたり町の発展のために尽力してきたものであることから、各種団体の多数の代表の提案に基づき右式典が計画されたものであり、これに関する予算案は議会の圧倒的多数で可決されており、

 また、右式典には多数の町民が参加した等原判示の事実関係の下においては、

 右祝賀式典の挙行及びこれに伴う公金の支出は、社交儀礼の範囲を逸脱しているとまでは断定することができず、違法とはいえないと判断しております。

 なお、本判決には、伊藤正己裁判官の反対意見があります。

 伊藤裁判官は、

 ①本件祝賀式典の内容は全体として行き過ぎたものであり、この種の式典を挙行する場合に要請される配慮と抑制を欠くものである、

 ②本件支出は、一政治家の大臣就任を祝う式典に対する支出としては課題である、

 ③多数の式典参加者にすべて公費で飲食費をまかなうことは著しく妥当でないとし、したがって、本件支出は、全体として、社会儀礼の範囲を逸脱したものとして違法と言わざるを得ないと意見しております。

                   ↑

 これに対して、原判決も、本件祝賀式典について、その費用が金額的にも町予算総額に占める割合でも決して少額とはいえず、内容の点においても配慮に欠ける点がないではないとは指摘しているものの、社会儀礼の範囲を逸脱しているとまでは断定できないと判断し、最高裁の多数意見もこれを是認することができると判断しております。

 

2019年3月 3日 (日)

【行政】 普通地方公共団体の長その他の執行機関が一般的な友好、信頼関係の維持増進自体を目的として各種団体等の主催する会合に列席し祝金を交付するなどの交際をすることの適否 最高裁平成18年12月1日判決

 本件は、市長が各種団体の主催する会合に列席する際にされた祝金の支出を違法として、同市長及び資金前渡を受けて支払いをした秘書室長各個人に対し損害賠償を求めた住民訴訟についての、最高裁平成18年12月1日付判決です。

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                (津和野城)

 普通地方公共団体の長又はその他の執行機関が、各種団体等の主催する会合に列席するとともにその際に祝金を主催者に交付する等の交際をすることは、

 その交際が一般的な友好、信頼関係の維持増進自体を目的とされるものであったとしても、

 住民の福祉の増進を図ることを基本として地域における行政を自主的かつ総合的に実施するという普通地方公共団体の役割を果たすため相手方との友好、信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的にみることができ 

                   かつ

 社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り、

 当該普通地方公共団体の事務に含まれるものとして許容されるが、

 上記のことを目的とすると客観的にみることができず、又は社会通念上儀礼の範囲を逸脱したものである場合には、当該普通地方公共団体の事務に含まれるとはいえず、その費用を支出することは許されない。

                  ↓

 ライブハウスの新店主披露祝賀会(店主は市議会議員を歴任した市政功労者)、部課長会(市のすべての部課長により構成された団体)、お寺の継承披露祝賀会(住職が民生・児童委員を歴任)は、アウト

 市同窓会、市民クラブ(市議会の会派)、焼酎愛飲党については、OK

 

 
 

2019年3月 2日 (土)

【行政】 政治的団体に対する地方公共団体の補助金の支出が地方自治法232条の2にいう「公益上の必要」に基づくものであるとされた事例 最高裁昭和53年8月29日判決

 判タNo369号で掲載された最高裁昭和53年8月29日判決です。

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                  (今治城)

 第1審は、公金が補助金として無償で一党一派の政治的団体に流出することは憲法の禁止するところであるという見解を前提とし、地方自治法232条の解釈上、政治的団体への補助金の支出は、公益上必要なものではなく、このことは、当該政治的団体の公益的活動のみに対する補助金としての支出であったとしても、左右されるものではないとし、給連の正確を政治的団体と認定し、本件補助金の支出は違法であると判断しました。

                    ↓

 第2審は、政治的団体に対する補助金の支出を全面的に違法とする見解を斥け、もっぱら、地方自治法232条の2の「公益上の必要」の見地から補助金支出の適否を判断すべきものとし、

 給連は政治資金規正法3条2項の政治的団体であるが、本件補助金は主として、給連各支部の公益(文化・体育・衛生・福祉等)活動を対象として支出されており、仮にその一部が給連の政治資金、選挙資金に流れ込むことがあったとしても、その量は微々たるもので実害に乏しいと認定判断し、本件補助金の支出は公益上の必要に基づかない違法な支出とは言えないと判断しました。

                   ↓

 最高裁は、本件補助金が公益上の必要に基づくものであるとした原審の判断を正当として支持したものです。

 

 

2019年1月13日 (日)

【行政】 100条調査ハンドブック

 ぎょうせいから、平成25年に出版された「100条調査ハンドブック 」を東京の裁判所の本屋さんで購入しました。

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 100条委員会なんて、田舎弁護士の弁護士業務とは無関係と思っていましたが、地方のマチ弁はいろんなことについて勉強しておく必要があります。

 老眼もきているので、書籍を読むのは本当に大変ですわい。


 

2019年1月10日 (木)

【行政】  政務活動費違反判例集

 国政情報センターから平成27年に出版された政務活動費違反判例集 を、東京の裁判所の本屋さんで購入しました。

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 地方自治法100条第14項は、「普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するために必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない。」と定めております。

 本書は、「政務活動費の基本的な考え方を理解し、不適切な支出を事前に防ぐために、政務活動費に関する過去の判例のうち、主に適法性が認められなかったケースを紹介、特に問題になりやすい費目や適法・違法の判断基準をわかりやすくまとめて」おります。

 参考になると思い、裁判所の本屋さんで購入しました💦

 なお、東京の裁判所って、子どもたちを連れて何度か裁判所を訪ねたことを思い出します。東京地裁で提起したある訴訟の第1回期日が8月だったので、子どもたちを連れて裁判所を訪ね、田舎弁護士の弁護ぶりを観察してもらったことがあります。裁判官はイケメンだったとか、書記官は親切だったとか、お父さんは期日を決めるだけでペコペコしていたとか、相手方は誰も出頭していないのはなぜかとか、田舎弁護士にとっては辛口の意見もありました。東京の裁判所の作法が地方の裁判所とは異なるので、おっかなびっくりでした💦 

 上の子は裁判所の傍聴が好きになって、今、大学の法学部の学生ですが、将来は裁判所の事務官・書記官さんになりたいそうです。

2019年1月 5日 (土)

【行政】 広報紙に治する政務活動費支出の判断枠組 神戸地裁平成30年4月11日判決

 判例タイムズNo1454号で紹介された平成30年4月11日判決です。

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                 (日本橋)

 市議会の2会派が、交付された政務活動費を広報紙に係る費用に支出したことが、同広報紙の内容からして一部違法であり、被告による同支出金額に相当する不当利得返還請求権の不行使が怠る事実に該当するとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、同2会派に返還請求することを被告に対して求める請求が、一部認容された事例

 解説によれば、広報紙に対する政務活動費の支出の判断枠組みについては以下のとおり解説されています。

 「広報紙の記載を、法令により支出が許可されている目的との合理的関連性が認められる部分と、認められない部分に分け、その割合等に基づき紙面全体の目的を判断し、後者が無視できるほどに少なければ、全体として支出目的に沿った支出と評価できるが、無視できない分量となればそれに応じた割合の返還請求を認める。専ら支出が認められない議員個人の宣伝等を目的とするものであると評価された場合には、全額の返還請求を認めるというものである。」

 神戸地裁も同様の枠組みで判断されています。

2018年12月18日 (火)

【行政】 補助金交付 と 住民訴訟

 判例時報No2382号で紹介された盛岡地裁平成30年4月20日付判決です。

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 事案は、硬式野球部が甲子園全国大会への出場を決めたA高校を後援するために設立されたB後援会に対し、C市から1000万円の補助金(本件補助金)がC市の補助金交付規則及び要綱所定の用途以外の用途に使用されたとして、補助金交付決定を取り消して本件補助金の返還請求をしていないことの違法確認とB後援会に対して返還請求をすることを求めた住民訴訟です。

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 差戻前1審判決は、Xの主張する不当利得返還請求権は、補助金交付決定が取り消されて初めて発生するところ、これを取り消すべきか否かは行政管理上の判断事項であるから、前記不当利得返還請求権は地自法242条1項所定の「財産」に当たらないと判示しました。

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 差戻控訴審判決は、本件補助金が他用途に使用されたと認められる場合、その返還を求めるに際し交付決定の取消しをすることは手続上の要件にすぎず、Yには、特段の事情のない限り、本件補助金の返還を求めない裁量はないとした上で、同返還請求をしないことは、本件補助金の交付決定の取消しを行わないことも含めて、地自法242条1項所定の「財産」の管理を怠る行為に該当すると判示し、差戻前1審判決を取り消しました。

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 差戻後1審判決は、①補助金交付決定の取消前であっても当該補助金の返還を求めないことが違法になるとして、市長に対してその返還請求をすることを命じ、②補助金の目的外使用があった場合、補助金の返還を請求しないことを相当とする特段の事由が存しない限り、執行機関はその返還を求めなければならないとしました。

 再び、控訴されているみたいです💦








2018年12月15日 (土)

【行政】 政務活動費と住民訴訟

 判例時報No2381号で紹介された神戸地裁平成29年4月25日判決です。

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               (今治城前の銅像)

 県議会議員らによる政務活動費等の違法な支出について、県の執行機関が損害賠償又は不当利得返還の請求を怠っているとして提起された住民訴訟において、

 住民が政務活動費等の支出が条例に定める使途基準に適合しないことを推認させる一般的、外的的な事実を主張立証すれば、当該支出が使途基準に適合しないこと及び当該議員に過失があることが事実上推認されるとした事例


               (今治城と藤堂高虎)



2018年12月 9日 (日)

【行政】 政務調査費をめぐる住民訴訟

 判例時報No2380号で紹介された仙台高裁平成30年2月8日判決です。

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                (日銀・本店)

 「政務調査費をめぐる住民訴訟においては、一般的な論点として、①政務調査費の支出の適法・違法の判断枠組みと、②主張立証責任の分配が問題となります。

 このうち、①に関しては、条例等により定められた使途基準に合致するか否かを適法・違法の判断の基準とし、具体的には、政務調査費の支出と議員の調査研究活動費との間に合理的関連性がない場合を使途基準に合致しない場合として違法とする裁判例が多い。

 ②に関しては、いわゆる一般的・外形的な事実説(使途基準に合致した政務調査費の支出がなされなかったことを推認させる一般的・外形的な事実が立証されたときには、適切な反証がされない限り、当該支出が使途基準に合致しないものであることが事実上推認されるとする説)にたつ裁判例が多い。」

 仙台高裁平成30年2月8日判決も、仙台市議会の会派及び議員個人に対する政務調査費の支出の一部が違法であるとして、右支出に該当する金額を不当利得として返還請求することを市長に求める住民訴訟が一部認容しておりますが、前記のような多数の裁判例と同様の見解にたった上で判断されています。

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