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【行政】 地方自治

2017年8月 6日 (日)

【行政】 住民訴訟の係属中にされたその請求に係る市の損害賠償請求権及び不当利得返還請求権をいずれも放棄する旨の市議会の議決が違法であると判断された事例

 判例タイムズNo1437号で紹介された高松高裁平成29年1月31日判決です。

 高裁で追加された論点は、議会が住民訴訟の対象となる損害賠償請求権あるいは不当利得返還請求権を放棄する議決をした場合のその議決の適法性については、

 最高裁平成24年4月20日判決(神戸市債権放棄議決事件)、

 最高裁平成24年4月20日判決(大東市債権放棄議決事件)、

 最高裁平成24年4月23日判決(さくら市債権放棄議決事件)、

 が、住民訴訟の対象とされている普通地方公共団体の損害賠償請求権あるいは不当利得返還請求権を放棄する旨の議会の議決がされた場合において、

 当該請求権の発生原因である公金の支出等の財務会計行為等の性質、内容、原因、経緯及び影響(その違法事由の性格や当該支出等を受けた者の帰責性等を含む。)、当該議決の趣旨及び経緯、当該請求権の放棄又は行使の影響、住民訴訟の継続の有無及び経営、事後の状況その他の諸般の事情を総合考慮して、これを放棄することが普通地方公共団体の民主的かつ実効的な行政運営の確保を目的とする地方自治法の趣旨等に照らして不合理であってその裁量権の逸脱又はその濫用に当たると認められるときは、その議決は違法となり、当該放棄は無効となると判断しております。

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 高松高裁も、最高裁の枠組みに則り、検討を加えた結果、本議決は違法で、本件議決に基づく各請求権の放棄は無効であると判断しました。

2017年5月 9日 (火)

【行政】 地方公共団体が出資した会社の株主総会において、当該地方公共団体による議決権の行使が住民訴訟の対象とならないとされた事例 高知地裁平成27年3月10日判決

 判例時報No2322号で紹介された平成27年3月10日付高知地裁判決です。

 本件は、A社の株主総会において、株主であるB町の代表者であるYが、A社の財産を第三者に売却等する旨の議案を承認したことにつき、

 B町の住民であるXらが、その売却価額が不相当に安価であり、この議案を承認すべきではなかったのに、その承認をしたことにより、A社の財産的価値が減少し、B町に損害が生じたなどと主張して、地方自治法242条の2第1項4号本文に基づき、B町の町長であるYに対し、約2079万円と遅延損害金の支払いをYに求めるよう請求する住民訴訟です。

 本判決は、

 住民訴訟の対象となる事項は、地方自治法242条1項に定める違法な財務会計上の行為又は怠る事実に限定されており、財務会計上の行為のうち財産の管理とは、当該財産としての財産的価値に着目し、その価値の維持、保全を図る財務的処理を直接の目的とする財産管理行為がこれに該当すると指摘した上で、

                   ↓

 株主の有する議決権は、株主が会社経営に参与し、あるいは、取締役等の行為を監督是正する権利である共益権の一種である上、

 本議案についての議決権の行使は、経営危機に陥ったA社において木材の乾燥業を継続することは困難である一方、A社の保有する乾燥機を利用してきた業者にとってその使用を継続する必要があるため、乾燥業の受け皿となる林産組合が設立されたことを前提として、その林産組合にA社の有する固定資産を譲渡すべきかが、A社の経営上問題となったことから、A社の株主であるB町として、その経営上の判断の是非に賛否を明らかにすべく行使されたものであるから、この議決権の行使は、株式の財産的価値の維持・保全を図る財務的処理を直接の目的とするものであるとはいえず、したがって、財務会計上の行為であるとはいえないとして、Xらの訴えを却下しました。

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                 (西条・世田山)

2017年4月18日 (火)

【行政】 交際費を間違って食糧費から支出してしまった場合!?

 判例タイムズNp1433号で紹介された仙台高裁平成28年9月15日判決です。

 交際費の性質を有する市長の懇親会出席に際しての寸志5000円を、食糧費として資金前渡を受けた前渡金から支出したことが、単なる内部手続違反にとどまらない違法な公金の支出に当たり、市長及び資金前渡職員はこれにより生じた損害について賠償責任を負うと判断された事案です。

 地域の活性化を図るための地域自治組織連絡協議会の1つである「雄勝野づくり連絡協議会」後の懇親会に出席するための寸志として、5000円を支出したという事案でした。

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                (皇居前広場)

2017年3月14日 (火)

【行政】 鳴門市競艇従業員共済会への補助金違法支出損害賠償等請求事件

 判例時報No2316号で紹介された最高裁平成28年7月15日判決です。

 Ⅰ 市の経営する競艇事業の臨時従業員等により組織される共済会から臨時従業員に対して支給される離職せん別金にあてるための、市の共済会に対する補助金交付が地方自治法232条の2所定の公益上の必要性の判断に関する裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものとして違法であるとされた事例

 ⅱ 市の経営する競艇事業の臨時従業員等により組織される共済会から臨時従業員に対して支給される離職せん別金にあてるための、市の共済会に対する補助金交付が、その後の条例の制定にさかのぼって適法なものとなるとした原審の判断に、違法があるとされた事例

 第1審、第2審とも、鳴門市を勝たせていますので、最高裁では逆転判決となっております。

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2017年2月25日 (土)

【行政】 地方公共団体の長が、右地方公共団体が発行済株式の全部を保有する株式会社の代表取締役の地位にあった者に対し会社法847条に基づく責任追及等の訴えを提起しないことが、違法に財産の管理を怠る事実に該当しないとされた例 東京地裁平成27年7月23日判決

 判例時報No2315号で紹介された東京地裁平成27年7月23日判決です。

 本件は、渋谷区が発行済株式の全部を保有する株式会社で、渋谷区から使用料免除、転貸禁止等の条件で行政財産使用許可を受けて行政財産たる建物の一部を使用していたAが、

 同使用許可部分の一部(本件専用部分)を約3年弱の間法人Bに転貸していたことに関して渋谷区に本件専用部分に係る使用料相当額及び利息相当額(本件返還金)を支払ったことに関する住民訴訟の事案です。

 渋谷区の住民であるXは、本件返還金の支払により渋谷区の有するA株式の価値が下がり、渋谷区が損害を被っているから、渋谷区長(Y)はその損害を回復させるため、Aの代表取締役の地位にあったCに対し、会社法847条に基づき責任追及等の訴えを提起しなければならないのに、Yがこれを提起しないことは、違法に財産の管理を怠る事実に当たるとして、地方自治法242条の2第1項3号に基づき、当該怠る事実の違法確認を求めました。

 裁判所は、以下のとおり判断しております。

 Xの請求について判断する際の枠組みとして、株主として株式会社に対し役員等の責任追及等の訴え提起の請求をしたり、当該株式会社のために自ら訴えを提起する場合、その実体的な要件である当該役員等の違法行為や当該株式会社の損害の存否自体が必ずしも明らかでない場合が多いことからすると、地方公共団体の長において提訴請求や責任追及等の訴え提起をしないことが違法な怠る事実に当たるというためには、

 少なくとも、客観的に見て当該役員等の違法行為、当該株式会社の損害、その他提訴請求や責任追及等の訴えの要件の存在を認定するに足りる証拠資料を入手し又は入手し得たことを要するとしました。

 その上で、本件判決は、

 地方公共団体の長が証拠資料を入手し、又は入手し得たとしても、そのことにより直ちに責任追及等の訴えを提起すべき義務を負うと認めるのは相当ではなく、責任追及等の訴えをとるべき必要性やその実効性等諸般の事情を考慮して、訴えを提起しないという判断が合理性を欠くものであり、その裁量権の範囲の逸脱又は濫用があると認められる場合に限り、責任追及等の訴えを提起しないことが違法な怠る事実にあたるというべきであるとしました。

 そして、本件事案に即してあてはめした結果、違法に財産の管理を怠る事実に該当するということはできないと結論づけました。

 

2016年12月 1日 (木)

【行政】 市が土地開発公社の取得した土地をその簿価に基づき正常価格の約1.35倍の価格で買い取る売買契約を締結した市長の判断が、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとして違法となるとはいえないとされた事例

 判例タイズムの1429号で紹介された最高裁平成28年6月27日判決です。

 愛媛県内の某市の事案です。

 判決要旨は以下のとおりです。

 市が既に取得していた隣接地と一体のものとして事業の用に供するため、土地開発公社の取得した土地をその簿価に基づき正常価格の約1.35倍の価格で買い取る売買契約を締結した市長の判断は、

 ① 上記隣接地の取得価格は、近隣土地の分譲価格等を参考にして定められたものであり、相応の合理性を有するものであったこと、

 ② 上記売買契約に係る土地の1㎡当たりの取得価格は、上記隣接地の1㎡当たりの取得価格を下回るものであり、これを地価変動率で上記売買契約締結当時のものに引き直した価格をも下回るものであったことなど判示の事情の下では、

 その裁量権の範囲を逸脱しまたはこれを濫用するものとして違法となるとはいえないと判断して、第1審及び第2審判決を見直しました。

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                (明治大学周辺)

2016年11月30日 (水)

【行政】 地方自治法(改正前)100条12項及び13項の政務調査費制度が設けられた後において、普通地方公共団体が地方議会の会派に対し、地方自治法232条の2に基づき補助金を交付することの可否

 判例タイムズN01429号で紹介された最高裁平成28年6月28日判決です。

 普通地方公共団体は、地方自治法(改正前)100条12項及び13項の政務調査費の制度が設けられた後においても、

 地方議会の会派に対し、同12項に定める「調査研究に資するため必要な経費」以外の経費を対象にして、地方自治法232条の2に基づき、補助金を交付することができると判断しました。

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2016年6月14日 (火)

【行政】 特別の利害関係を有する理事が加わってされた漁協の理事会の議決の効力 最高裁平成28年1月22日判決

 判例タイムズNo1423号です。

 今回の判タは、「遺言能力(遺言能力の理論的検討及びその判断・心理方法」と、「介護事故による損害賠償請求訴訟の裁判例概観」が特集として組まれていました。

 それはさておき、頭書タイトルについての最高裁平成28年1月22日判決が紹介されていましたが、四国での事件のようです。

 高知県安芸郡東洋町が、台風の被害に遭った漁業者の所属する町内の漁協に対して、当該漁業者の被害復旧等にあてるための資金として、町の規則に基づいて1000万円を貸し付けたことにつき、同町の住民である原告が、本件貸付けに係る支出負担行為等が違法であるとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、当時の町長らに対し、1000万円の損害賠償請求をすることを、被告である東洋町長に求めた住民訴訟の事案です。

 高裁は、本件貸付けの根拠となった本件規則は適法な公布手続きを経ていないから効力が生じていないとした上で、本件貸付けが町長の裁量によるものとして適法であるかを検討し、

 本件規則には、資金の貸付けを受ける漁協において、理事会の議決がされている必要があると定められているところ、本件議決には、被害を受けた漁業者の経営者等が理事として加わっており、そのような理事会の議決は、水産業協同組合法37条2項等に反する手続上の瑕疵があって無効であり、このような瑕疵のある理事会の議決を前提に行われた本件支出負担行為等は、町長の裁量権の範囲を逸脱してされたもので違法であると解するべきであると判断しました。

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 最高裁は、漁業協同組合の理事会の議決が、当該議決について特別の利害関係を有する理事が加わってされたものであっても、当該理事を除外してもなお議決の成立に必要な多数が存するときは、その効力は否定されるものではないと解するのが相当であると判示し、

 本件漁協の理事8名から特別の利害関係を有する理事2名を除外した6名の過半数にあたる4名が出席してその全員が賛成してされた本件貸付に係る理事会の議決は、無効であるとはいえないとして、

 同議決が無効であることから本件支出負担行為等は町長の裁量権の範囲を逸脱してされたものとして違法であるとした原判決の被告敗訴部分を破棄し、原告が他に主張する本件支出負担行為等の違法事由の有無等について審理を尽くさせるために、上記部分につき本件を原審に差し戻す旨の判決をしました。

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2015年9月28日 (月)

【行政】 公有財産管理の実務(学陽書房)

 平成25年10月に出版された「自治体公有財産管理の実務 」を、東京の裁判所を訪ねた際に、地下の本屋さんで購入しました。

 全部で10章に分かれています。①公有財産の意義と分類、②公有財産に関する事務、③行政財産の管理、④行政代執行法、⑤行政財産の消滅、⑥普通財産の管理、⑦普通財産の処分、⑧取得時効の問題、⑨公の施設、⑩公有財産の管理と住民訴訟です。

 参考資料としては、①不法占拠財産取扱要領、②北海道FM導入基本方針に基づく取組みについて、③「今後の国有地の管理処分の在り方について」中間報告、④取得時効事務取扱要領です。

 著者の江原薫先生は、中央大学法学部出身の都庁マンだったようです。

2014年12月11日 (木)

【行政】 東京高裁平成25年8月8日判決(檜原村事件)

 判例タイムズNo1405号では、東京高裁平成25年8月8日判決、先行の住民訴訟において村の嘱託員に支払われた諸手当が地方自治法に違反するとして村長個人に756万円余の損害賠償を請求するよう命じられたところ、村議会が村の村長個人に対する上記損害賠償債権の放棄を議決するなどしたため、村民らが新たに村議会の上記議決の違法確認等を求めた住民訴訟において、これを違法とした第1審判決を取り消して、請求が棄却された事例が紹介されていました。 

 第1審は、先行の住民訴訟で違法とされたことにより発生した村長個人に対する損害賠償債権を放棄した村議会の議決は、その経緯や村の財政に少なからぬ影響を及ぼすことを考慮すると、裁量権の範囲を逸脱した違法なものであり、これに基づく債権の放棄も無効であると判断しました。

 これに対して、第2審は、本件で違法とされた支出は、実質的には村の財政健全化の一環として雇用された嘱託員に対する報酬の一部であり、村の歳出削減に有益なものであり、その額も実質的には不当なものではなく、これを放棄しても村の財政に与える影響は大きなものではないのに対して、これを行使すると村の行政に混乱を生じさせるおそれがあるものであるから、村の実情を最もよく知る村議会の政治的判断に委ねるのが相当であるなどとして、村議会としての裁量権の範囲を逸脱し、その権限を濫用したものではないとして、違法とした第1審判決を取り消して、請求を棄却しました。

 第1審判決も第2審判決も、下記最高裁判決(平成24年4月20日、平成24年4月23日)の判断枠組みを前提にしつつも、結論を異にしました。

 最高裁判決の枠組みは以下のとおりでした。

 地方自治法上、普通地方公共団体がその債権の放棄をするに当たって、その適否の実体的判断については、住民による直接の選挙を通じて選出された議員により構成される普通地方公共団体の議決機関である議会の裁量権を基本的に委ねられているというべきであるとした上で、

 住民訴訟の対象とされている損害賠償請求権等を放棄するとの議決がされた場合には、個々の事案ごとに、当該請求権の発生原因である財務会計行為等の性質、内容、原因、経緯及び影響、当該議決の趣旨及び経緯、当該請求権の放棄又は行使の影響、住民訴訟の係属の有無及び経緯、事後の状況その他の諸般の事情を総合考慮して、これを放棄することが普通地方公共団体の民主的かつ実効的な行政運営の確保を旨とする同法の趣旨に照らして不合理であって上記の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たると認められるときはその議決は違法となり、当該放棄は無効となると解するのが相当である。

 そして、当該公金の支出等の財務会計行為等の性質、内容等については、その違法事由の性格や当該職員又は当該支出等を受けた者の帰責性等が考慮の対象とされるべきものと解されると判断しています。

 基準は一緒だが、事実認定は異なるということなのでしょう。 

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