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【行政】 地方自治

2020年5月19日 (火)

【行政】 近年における地方議会の内部紛争における「部分社会の法理」の扱い

 判例時報No2435号(4月21日号)で掲載中の論文(統治構造において司法権が果たすべき役割第2部【第7回】「部分社会の法理」と司法権の限界)です。執筆者は、木下智史関西大学教授です。 

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(笠松山)
 131頁から132頁にかけて以下のとおり解説されています。
 「近年、地方議会における議員の処分をめぐる紛争が増加傾向にある。処分が議会の「内部的な問題」にとどまる限り「法律上の争訟」性を充たさず、司法権が及ばないと判断する判決がある一方、議会の自律性尊重をうたうものの、司法審査の排除とは結びつけない判決もある。」
 「前者の例として、議場の規律保持に関する地方自治法129条1項に基づき、ある議員の一般質問における発言の一部を取り消すよう命じた愛知県議会議長の命令の取消しが求められた発言取消請求事件に関する最高裁判決(最一小判平成30・4・26判時2377号10頁)がある。
  最高裁は、村議会出席停止事件判決(最大判昭和35年・10・19民集14巻12号2633頁)を参照して、「普通地方公共団体の議会における法律上の係争については、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、その自主的、自律的な解決に委ねるのを適当とし、裁判所の司法審査の対象とはならないと解するのが相当である」との「部分社会の法理」の原則を再言したうえで、「県議会議長により取消しを命じられた発言が配布用会議録に掲載されないことをもって、当該発言の取消命令の適否が一般市民法秩序と直接の関係を有するものと認めることはできず、その適否は県議会における内部的な問題としてその自主的、自律的な解決に委ねられるべきもの」とした。
  後者の例として、議会による調査旅行に参加せず旅行の実施を批判したため厳重注意処分に付された市議会議員が、当該処分と議長による処分の公表について名誉毀損にあたるとして国家賠償を請求した名張市議会事件についての最高裁判決(最一小判平31・2・14民集73巻2号123頁)がある。
  最高裁は、まず、「私法上の権利利益の侵害を理由とする国家賠償請求であり、その性質上、法令の適用による終局的な解決に適しないものとはいえないから、本件訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たり、適法というべきである。」と認めた。
  そのうえで、判決は、村議会出席停止事件判決を参照にしつつ、「普通地方公共団体の議会は、地方自治法の本旨に基づき自律的な法規範を有するものであり、議会の議員に対する懲罰その他の措置については、議会の内部規律の問題にとどまる限り、その自律的な判断に委ねるのが適当である」との一般原則を示しつつ、
  地方議会の議員に対する懲罰等が議員の私法上の権利利益を侵害とすることを理由とする国家賠償請求の当否を判断するに当たっては、「当該措置が議会の内部規律の問題にとどまる限り、議会の自律的な判断を尊重し、これを前提として請求の当否を判断すべきもの」とし、議会の処分と公表について「違法な公権力の行使に当たるものということはできない」との結論を導き出した。
  いずれの最高判決も原告の請求を認めなかったが、前者は「法律上の争訟」にあたらないとし、後者は本案判断を行った。
  前者の判決が「法律上の争訟」性を認めなかった理由は「一般市民法秩序と直接の関係を有」しないというものであり、後者の判決が「法律上の争訟」性を肯定したのは「私法上の権利利益の侵害を理由とする国家賠償請求」であることが理由とされている。
  両者の違いについては、権利・利益の性質の違いや「内部事項」・「重大事項」といった処分の性格の違いによって説明しようとする見解もある。
  しかし、むしろ「懲罰や決議の効力それ自体を争うのではなく、市民法レベルでの損害賠償を請求する場合はどうであるかは同判決(村議会出席停止判決)の射程外と考えられる」との説明の方がよりよく符号するように思われる。すなわち、前者の判決は、議会内での発言の取消命令の取消請求が訴訟物であり、議会の内部規律そのものの効力が争われていたのに対し、後者の判決は、名誉毀損に基づく損害賠償請求が訴訟物であり「当事者の権利義務ないし法律関係の存否に関する争訟」であることは明らかであった。このように最高裁は、地方議会の内部紛争に関しては、基本的に、訴訟物が議会内部決定の効力を争うものか、一般民事法上の争いかどうかによって「法律上の争訟」性の有無を判断し、後者の場合、地方議会の自律性の保護は請求の当否をめぐる判断のなかで考慮するという姿勢を確立しつつあるといえよう。」
 
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2020年4月16日 (木)

【行政】 法曹実務のための行政法入門

 判例時報では、高橋滋先生の法曹実務のための行政法入門が連載され、判例時報N02433号で終了となっております。 

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(今治・桜)
 住民訴訟は、昭和22年に規定され、その後、昭和38年に改正され、平成14年に4号訴訟が制度改正され、再び、平成29年にも、4号訴訟が制度改正されています。
 
 今回の解説では、4号訴訟の平成29年の制度改正が説明されていました。
 
 「普通地方公共団体の長等の応訴に係る負担は軽減されたものの、長等の政策的決定の違憲・違法が4号請求において認定された場合、賠償金や返還金は個人の負担に耐えられない額になることもある。そこで、損害賠償・不当利得に係る債権を議会が放棄し、免除する議決を行い、同趣旨の条例を制定する普通地方公共団体が登場するに至った。
 そして、この現象については、住民訴訟の制度趣旨を没却するとの批判が加えられる一方、議会に債権放棄の権限が認められている以上、住民代表者である議会の意思は尊重されるべきであるとの見解もあり、評価は分かれていた。そのなかで、最高裁判所は、議会の裁量的な判断権を尊重する一方で、裁量権の濫用・逸脱となる場合には債権放棄の議決等は違法になるとする判断を示した。
 そこで、監督委員による監査機能の強化を図るとともに、所定の手続を経て、普通地方公共団体の長、委員会の委員又は委員、職員について、議会の条例をもって一定の範囲内で免責することを認め、債権放棄の議決等をルール化するなどの地方自治法の改正が行われている。
 具体的には、普通地方公共団体の議会は、監査委員の合議に基づく意見を聴いた上で、地方公共団体の長等が職務遂行につき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から、職責そのほかの事情を考慮して政令で定める基準を参酌し、政令で定める額以上で条例で定める額を控除して得た額について免れさせる旨を定めることができる
 また、多額の賠償を請求された地方公共団体の長等が死亡し、遺族が支払いに困却する事態がありうることを想定し、住民監査請求が熱田後に、財務会計行為又は怠る事実に係る損害賠償又は不当利得返還の請求等を放棄する議決のできることが明文化された。
 ただし、この場合、あらかじめ監査委員の合議に基づく意見をきかなければならない。」
 平成29年改正はそれほど大きく取り上げられていませんでしたが、公共団体の顧問弁護士はぜひおさえておく必要のある知識です。

 

2020年1月15日 (水)

【行政】 第5次改訂版 地方財務ハンドブック

 同じくぎょせいから、平成26年に出た「第5次改訂版 地方財務ハンドブック」を、松山のジュンク堂書店で購入しました。 

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(金沢城)
 15項目に分類されています。①財務の組織、②会計年度及び会計の区分、③予算、④収入、⑤支出、⑥決算、⑦契約、⑧現金及び有価証券、⑨時効、⑩財産、⑪住民による監査請求及び訴訟、⑫職員の賠償責任、⑬財政状況の公表等、⑭公の施設、⑮監査 です
 今治市行政改革推進審議会の委員をさせていただいたころから、地方財政については興味を少しずつ抱くようになりました。
 最近では、仕事で地方財政を専門的に知る必要があり、いろいろな書籍を購入して読んでおります。
 えっ、他人の懐よりも、自分の懐を心配しろ ですか。。。。

2020年1月14日 (火)

【行政】 改訂版自治体財務の実務と理論

 ぎょうせいから、昨年8月に、「改訂版自治体財務の実務と理論ー違法・不当といわれないために」を購入しました。 

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(加賀料理)
 ある依頼事件のために旧版を購入していたのですが、東京霞が関の日弁連会館の本屋さんを訪ねたら、改訂版が出ていたので、購入することにしました。図書費等が弁護士にとっては仕入れのようなものですが、難しい事件ですと、その事件のための図書費が20万円を超えたりします。医療過誤や建築瑕疵事案はその典型です。
 さて、改訂版も、5部構成です。①自治体の内部統制ーガバナンスとコンプライアンス、②事務事業のプロセスとコンプライアンス、③財務に係る基本法令の定め、④契約、⑤財務規定の条文別留意点です。
 田舎弁護士も、老眼なために、読むスピードが落ちているんですよね。。。。残念ながら。。。

2019年12月28日 (土)

【行政】 政務活動費と住民訴訟 金沢地裁平成31年1月21日判決(控訴)

 判例時報2422号で紹介された金沢地裁平成31年1月21日判決です。

 市議会の3議員が、交付された政務活動費を市政報告書の作成及び発送に係る費用に支出したことが、同報告書の内容等に照らして一部違法であり、同議員らは、同市に対し前記違法支出金額から自己資金その他の政務活動費以外の資金を控除した残額に相当する不当利得返還義務を負うとして、

 同市住民による市長に対する地方自治法242条の2第1項4号に基づく請求が一部認容された事例

 

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 政務活動費の支出が使途基準に合致したものであるか否かに関する主張立証責任の所在については、これを直接判示した最高裁判決はみあたらないものの、

 多くの裁判例が、使途基準に合致した政務活動費の支出がされなかったことを推認させる一般的、外形的事実の主張立証された場合において、相手方がこれに適切な反証を行わないときは、当該政務活動費の支出は使途基準に合致しないものであるとしており、本判決も同様の見解を採用した上で、地方自治法100条14項に基づき政務活動費をあてることができる範囲等を定める本件条例の解釈をふまえ、個々の支出について、具体的な用途等を認定し、政務活動との関連性の有無等について詳細な判断を示したものです。

 →勉強になります。

2019年12月 6日 (金)

【行政】 指名型プロポーザルと住民訴訟

 判例時報No2421号で紹介された奈良地裁平成30年12月18日判決です。

 指名型プロポーザルを経た後に、市が廃棄物処理業者との間で随意契約の方法により締結した一般廃棄物収集運搬業務委託契約が、地方自治法234条2項、同法施行令167条の2第1項2号に違反して締結されたものとして、私法上も無効と判断された事例。

 プロポーザルって、初めて知りました。

 

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2019年10月12日 (土)

【行政】 最高裁平成31年2月14日判決 名張事件

 最判平成31年2月14日です。判例時報2415号で紹介されました。 

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(ケイオーホテル・湯ノ浦)
 事案は、上告人(名張市)の市議会議員である被上告人が、上告人に対し、市議会運営委員会が被上告人に対する厳重注意処分の決定(本件措置)をし、市議会議長がこれを公表したこと(これらをあわせて本件措置等)により、被上告人の名誉が毀損されたとして、国賠法1条1項に基づき、慰謝料等の支払いを求めた事案です。
 第1審は、本件措置等は、被上告人に対する名誉毀損行為に該当するとしつつ、市議会の自律権の範囲内で決定された事項であって、その真実性又は真実相当性の抗弁については司法審査が及ぼないとして、被上告人の請求を棄却しました。
 
 第2審は、被上告人の請求は、名誉権という私権の侵害を理由とする国家賠償請求である以上、紛争の実態に照らしても、一般市民法秩序において保障される移動の自由や思想信条の自由という重大な権利侵害を問題とするものであり、一般市民法秩序と直接関係を有するから、本件訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たるとし、本件措置等は、被上告人の市議会議員としての社会的評価の低下をもたらすと認められ、その真実性又は真実相当性の抗弁が認められないなどとして、被上告人の請求を慰謝料50万円の支払を求める限度で認容しました。
 司法試験の憲法の問題に出てきそうな論点です。
 では、最高裁はどのように判断したのでしょうか。。。。
(続く)
 

2019年10月11日 (金)

【行政】神奈川県政務活動費の交付等に関する条例についての最高裁判決  解説

 判タ1463号の続きです。判タの解説が参考になります。

 

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(高松)
 「不当利得返還請求権と損害賠償請求権のいずれを対象にするかについては、不当利得返還請求権を選択する例が多いようであるところ、政務活動費等の個々の支出の適法性の判断については、比較的多くの判例、裁判例等が存在しているものの、それ以外の不当利得返還請求権の発生要件についてはさほど注目されてこなかったように思われる。」
 「民法703条の不当利得返還請求権の成立要件は、伝統的な理解に従えば、①損失、②利得、③損失と利得の間の因果関係、④利得が法律上の原因に基づかないことである。
 このうち、①~③の要件については、地方公共団体が会派又は議員に対して政務活動費等を交付し、会派又は議員がこれを受領したことであり、通常は問題なく認められるであろうから、問題は④の要件である。
 政務活動費等の法律上の根拠を検討すると、政務活動費等は地方自治法及び条例上、その使途を限定して交付されるものであり、使途基準に適合する支出を行った結果残余が生じた場合には当然に返還すべき性質のものであることからすれば、「交付を受けた政務活動費等のうち、使途基準に適合する支出を当てていない部分がある」場合には、その部分については、「④法律上の原因に基づかない利得となろう。本件返還規定は、これを返還すべきことを明確にしたものであると考えられる。そうすると、本件のように、使途基準に適合する収支報告書上の支出の総額が政務活動費等の交付額を上回っている場合には、基本的には、交付された政務活動費等のうち使途基準に適合する支出に充てられていない部分は存在しないものといわざるを得ないから、④法律上の原因に基づかない利得があると認められないことになろう。
 次に、このような場合であっても、所定の支出が実際にも存在しないにもかかわらず架空の領収書を提出したような場合には、これが違法な支出のために政務活動費等を取得するものであり、そのように取得された政務活動費等は④法律上の原因基づかない利得であるとの評価が可能であるか否かがさらに検討されることとなろう。」と解説されています。
 要は、地方公共団体の条例の規律内容により、判断がわかれるということのようです。

2019年10月10日 (木)

【行政】神奈川県政務活動費の交付等に関する条例についての最高裁判決

 第1審・第2審と、最高裁とで結論を異にした事案です。

 

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(姫路)
 本件は、神奈川県議会の会派であるBが平成23年度から同25年度までに交付を受けた政務活動費等に関し、収支報告書に支出として記載されたものの一部が実際には支出されていないから、Bはこれを不当利得として県に返還すべきであるにもかかわらず、知事がその返還請求を違法に怠っているとして、県の住民Xが、知事Yを相手として、地方自治法242条の2第1項3号に基づき、知事がBに対する不当利得返還請求の行使を怠ることが違法であることの確認を求めた住民訴訟です。
 争点は、収支報告書に記載された支出のうち一部は実際には存在しない架空のものであるものの、Bの収支報告書上の支出総額が、政務活動費等の交付額を大きく上回っており、支出総額から架空のものとされた支出を差し引いたとしても、なお支出総額が交付額を上回っていたため、このような場合にも、不当利得が成立するかどうかが争点となりました。
 最高裁は、政務調査費及び政務活動費につき、具体的な使途を個別に特定した上で政務活動費等を交付すべきものとは定めておらず、年度ごとに行われる決定に基づき月ごとに一定額を交付し、年度ごとに収支報告を行うこととされ、その返還に関して当該年度における交付額から使途基準に適合した支出の総額を控除して残余がある場合にはこれを返還しなければならない旨の定めのある神奈川県議会政務活動費の交付等に関する条例に基づいて交付された政務活動費について、
 その支出報告書上の支出の一部が実際には存在しないものあっても、当該年度において、収支報告書上の支出の総額から実際には存在しないもの及び使途基準に適合しないものの額を控除した額が政務活動費等の交付額を下回ることとならない場合には、
 
 当該政務活動費等の交付を受けた会派又は議員は、県に対する不当利得返還義務を負わない。
 第1審・第2審と異なる判断を示しました。

【行政】神奈川県政務活動費の交付等に関する条例についての最高裁判決

 第1審・第2審と、最高裁とで結論を異にした事案です。

 

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(姫路)
 本件は、神奈川県議会の会派であるBが平成23年度から同25年度までに交付を受けた政務活動費等に関し、収支報告書に支出として記載されたものの一部が実際には支出されていないから、Bはこれを不当利得として県に返還すべきであるにもかかわらず、知事がその返還請求を違法に怠っているとして、県の住民Xが、知事Yを相手として、地方自治法242条の2第1項3号に基づき、知事がBに対する不当利得返還請求の行使を怠ることが違法であることの確認を求めた住民訴訟です。
 争点は、収支報告書に記載された支出のうち一部は実際には存在しない架空のものであるものの、Bの収支報告書上の支出総額が、政務活動費等の交付額を大きく上回っており、支出総額から架空のものとされた支出を差し引いたとしても、なお支出総額が交付額を上回っていたため、このような場合にも、不当利得が成立するかどうかが争点となりました。
 最高裁は、政務調査費及び政務活動費につき、具体的な使途を個別に特定した上で政務活動費等を交付すべきものとは定めておらず、年度ごとに行われる決定に基づき月ごとに一定額を交付し、年度ごとに収支報告を行うこととされ、その返還に関して当該年度における交付額から使途基準に適合した支出の総額を控除して残余がある場合にはこれを返還しなければならない旨の定めのある神奈川県議会政務活動費の交付等に関する条例に基づいて交付された政務活動費について、
 その支出報告書上の支出の一部が実際には存在しないものあっても、当該年度において、収支報告書上の支出の総額から実際には存在しないもの及び使途基準に適合しないものの額を控除した額が政務活動費等の交付額を下回ることとならない場合には、
 
 当該政務活動費等の交付を受けた会派又は議員は、県に対する不当利得返還義務を負わない。
 第1審・第2審と異なる判断を示しました。

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