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【IT関連】

2016年5月19日 (木)

【IT関連】 発信者情報開示請求の手引き

  民事法研究会から、今年の3月に発行された「発信者情報開示請求の手引き 」です。

  掲示板やSNS等によって誹謗中傷されているというご相談を受けることがあります。それが匿名でなされることが多く、それをやめさせるためには発信者をつきとめる必要があります。

 本書は、そのための手引きとなるものです。

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               (フジグラン今治)

 第1部手続と実務、第2部書式、第3部裁判例一覧の、3部構成です。

 第1部は、Ⅰ発信者情報開示の概要、Ⅱインターネットにおける通信の仕組み、Ⅲ発信者情報開示の手順、Ⅳ発信者情報開示の要件、Ⅴ権利侵害の明白性、Ⅵプロバイダーの責任、Ⅶ平成27年省令改正 です。

 第2部の書式は、仮処分と訴訟についてのものです。

 インターネットにおける通信の仕組みですが、技術的な単語が多く、理解しずらいです。

 

2016年4月 4日 (月)

【IT関連】  「忘れられる権利」

 判例時報No2282号で紹介されたさいたま地裁平成27年12月22日決定です。

 インターネットの検索エンジンで住所と氏名を入力して検索すると3年余り前の女子高生に対する児童買春の罪での逮捕歴が検索結果として表示され、更生を妨げられない利益が侵害されるとして、

 検索エンジンの管理者に、検索結果の削除を求めた仮処分命令の申立てが、「忘れられる権利」に基づき認容されました。

 忘れられる権利って、浅学非才の田舎弁護士は初めて聞いた言葉です。。。

 解説によれば、忘れられる権利は、情報化社会において、「私生活を尊重される権利」(フランス民法9条)をより適切に保障する観点から、インターネット上の個人情報について検索エンジン事業者に対し検索結果からの削除を求める権利として、フランスなどで近年議論されているようです。

 どうりで、知らなかった訳だ。

 田舎弁護士が浅学非才というのも、忘れられたいものですが。。。

2015年1月 9日 (金)

【IT関連】 システム開発契約のトラブル

 判例タイムズNo1406号にて、システム開発契約のトラブルを巡る東京地裁平成25年11月12日判決が紹介されていました。

 ① システム開発契約の受注者には、納期に間に合うように仕様を確定させていく義務があるとして、履行遅滞の帰責性を認めた事例

 ② システムの不具合項目が直ちに発見することができない瑕疵にあたるとして、検査期間内に瑕疵の通知がなくても、瑕疵担保責任は排斥されないとした事例

 田舎弁護士の事務所でも、時折、この種の相談があります。日頃からアンテナをはっていないと、適切なアドバイスができないので、日頃の勉強が大切です。 

2013年8月 4日 (日)

【IT関連】 インターネット・クレーマー対策の法理と実務

 民事法研究会から今年の6月に出版された「インターネット・クレーマー対策の法理と実務」という書籍です。

 著者は、升田純弁護士です。升田弁護士は、中央ローの教授でもありますが、執筆活動も盛んで、多数の論文や著作があります。

 いつ執筆しているんだろう・・・

 升田教授の文章力には圧倒されます。

 傾向として、判例分析という手法をよく使われているようですが。

 本書は、4章に区分されています。

 ①インターネット・トラブルの概要と裁判の実効性、 ②インターネット・トラブルをめぐる判例と被害救済の実情、③法的な責任を追及された場合の対応、④インターネットを安全・安心して利用するために です。

 インターネット絡みの時の相談があれば、事前に読んでおきたい書籍の1つです。 

2012年8月31日 (金)

【IT関連】 コンピューターシステムの開発において、ベンダーのユーザーに対するプロジェクトマネンジメント義務の違反が認められた事例 東京地裁平成24年3月29日判決

 金融法務事情No1952号(8月25日号)で紹介された東京地裁平成24年3月29日判決です。

 判決要旨は以下のとおりです。

 コンピューターシステムの開発において、

① ベンダーである本訴被告が、原告の銀行業務全般をつかさどる情報システムの開発を開始するにあたり、用いられるパッケージソフトウェアの機能や充実度、その適切な開発方法等についてあらかじめ十分に検証または検討したものとはいえないし、また、本件システム開発を遂行するに際し、適切な開発方法を採用したものということもできないこと

② 被告が、上記パッケージソフトウェアの改変権を有しているFIS社との間で協議をするなどしてそのカスタマイズ作業を適切に実施出来る体制を整えていたとはいえないこと

③ 被告が、上記パッケージソフトウェアの改変権を有していないことが本件システム開発において作業の阻害要因になりうること、上記パッケージソフトウェアを改変するために必要とされる役割分担、作業量・作業時間、費用等に関して被告とFIS社との間で十分な協議が整っていないことなどの事情について、被告がユーザーである原告に対してこれを説明してはいなかったこと

④ 被告が本訴原告との間で合意したサービスインの時期すらも遵守することができず、サービスインがそこから大幅に遅れる見通しとなってしまうこと

 などの判示の事情のもとでは、

 被告には、本件システム開発のベンダーとして適切にシステム開発を管理することなどを内容とするプロジェクトマネイジメント義務の違反がある。

 ものすごく分厚い判決書です・・・・・

 原告のスルガ銀行の代理人は、日比谷パークの先生方で、静岡の弁護士はおられないようです。

 訴額が115億円ですので、すごいです・・・・

2012年3月 3日 (土)

【IT関連】 IT法入門 (民事法研究会)

 民事法研究会から昨年12月7日に発行されたビジネスマンと法律事務家のためのIT法入門という書籍です。

 著者の石井弁護士は、1999年に弁護士登録された渉外系の弁護士さんにようです。

 全部で7章に区分されています。

 第1章 IT・インターネットの発展・普及と情報媒体からの解放

 第2章 「情報の媒体からの解放」に伴う新しいサービスと著作権法

 第3章 情報発信に伴う法的責任

 第4章 インターネット上の情報発信と媒介者の責任

 第5章 個人に関する情報の利用と保護

 第6章 IT・インターネットの発展と決済

 第7章 クラウドコンピューチィング

 

 斜め読みするぐらいですが、まだ最近まで使い捨てカメラを使っていた古代人のような田舎弁護士にとっては、本書は、未来の法律書のようで、???でした。

 

2011年10月 6日 (木)

【IT関連】 独占禁止法2条5項にいう「他の事業者の事業活動を排除」する行為に該当するとされた事例 最高裁平成22年12月17日

 金融法務事情No1930(9月25日)号で紹介された最高裁平成22年12月17日判決です。

 独占禁止法3条が問題となった事案ですが、判旨の概要を説明します。

 自ら設置した加入者光ファイバ設備を用いて戸建て住宅向けの通信サービスを加入者に提供している第1種電気通信事業者Xが、

 他の電気通信事業者に対して上記設備を接続させて利用させる法令上の義務を負っていた場合において、

 自ら提供する上記サービスの加入者から利用の対価として徴収するユーザー料金の届出にあたっては、光ファイバ1芯を複数の加入者で共用する安価な方式を用いることを前提としながら、

 実際の加入者への上記サービスの提供に際しては光ファイバ1芯を1人の加入者で専用する高価な方式を用いる一方で、その方式による上記設備への接続の対価として他の電気通信事業者から取得すべき接続料金については自らユーザー料金を上回る金額の認可を受けてこれを提示し、自らのユーザー料金が当該接続料金を下回るようになるものとした行為が、

 独禁法2条5項にいう「他の事業者の事業を排除」する行為に該当すると判断しました。

 これだと、競争事業者が、Xのファイア設備に接続する以上、価格の上では、赤字を覚悟しなければXと競争できないということになります。

 独禁法絡みの判決ですが、田舎弁護士でも参考になると思い紹介しました。

2011年8月31日 (水)

【IT関連】 スマートフォン時代の法とルール(中央経済社)

 中央経済社から、7月に、「スマートフォン時代の法とルール」という書物が発行されたので、購入しました。

  ツイッター、SNS・ブログ、YouTube、ニコニコ動画、スマートフォン・携帯電話、インターネット利用における問題点とその解決方法を、わかりやすく説明されています。

 ツイッター、ブログ、SNS(フェイスブック)、携帯電話は、現代人にとっては、もはや、必要不可欠なアイテムとなっているように思います。

 ユーチューブもよく利用しますね。

 平易にわかりやすく解説されていますので、参考になりました。

2011年4月13日 (水)

【IT関連】 ソフトウェア開発関連訴訟の審理

 判例タイムズNo1340号(4月1日号)で紹介された現役の裁判官のグループが執筆された論文です。

 確かに、ソフトウェア開発関連訴訟という文字からすれば、よくわかない技術系の裁判?という印象を抱きがちですが、実際には、技術面の理解や解釈が問題となることはないようです。

 論者は、

① ソフトウェア開発契約の手順、通常交わされる書面、各段階に応じて交わされるべき書面、当事者間の役割分担等に関する実務的知識、

② 仕事量や必要な人手の量を見積もることのできる実務感覚

③ ともすれば省略された、簡略な記載になりがちな発注者からの指示内容や書面から具体的な仕様が認識できるのかという実務感覚、

④ ともすれば複雑な条件分岐になりがちな処理手順を示したフローチャートを理解する力

 が必要なようです。

 田舎弁護士にとっては余り馴染みのない分野の訴訟ですが、万に一つ相談があっては困るので、一応読んでおきました。

2011年2月 5日 (土)

【IT関連】 ソフトウェア開発に当たり、請負人が、注文者に対し、追加費用を支払わなければソフトウェア開発を続行できないなどと告知し、ソフトウェア開発委託契約を解除したことについて、請負人に債務不履行(履行不能)、告知義務違反、契約締結上の過失があるとはいえないことを理由に、注文者の請負人に対する損害賠償請求が棄却された事例 東京地裁平成22年7月22日判決

 判例時報No2096(2月1日)号で紹介された東京地裁平成22年7月22日判決です。

 ソフトウェアの開発にあたり、請負人が追加請求し、注文者が支払ってくれないために、ソフトウエア開発委託契約を解除したため、注文者が、請負人に対して、損害賠償を請求したケースです。

 本件判決は、債務不履行(履行不能)に基づく責任の有無について、

 まず、ソフトウェアの開発は、注文者と請負人との間で開発すべきソフトウェアの性能、仕様、形態等に関する具体的なイメージを共有するため、注文者の技術担当者と請負人の技術担当者との間に密接な協力関係があることが必要不可欠であるところ、

 特に、開発の出発点である要件定義を確定する工程については、注文者の意向によってその内容を決せられることになるのであるから、注文者側がどのような内容のソフトウエアの開発を望んでいるかを提示又は説明する責任は、注文者側にそのような能力がないことが前提になっているなどの事情がない限り、注文者側にあるというべきであること

 次に、要件定義が定まらない時点で締結されるソフトウエアの開発委託契約については、一般に、開発規模それ自体の大きさなどを想定して契約金額が定められるのであるが、その後の打ち合わせにおいて、備えるべき新たな機能の追加など、当初の契約段階で客観的に想定されていた開発規模を超える内容を注文者が求めたような場合には、契約当事者の合意の基礎となった事情に変更が生じているのであるから、注文者は、ソフトウエア開発を当初の契約金額の範囲で受注者に対して製作することを求めることはできないとを判示しました。

 近時、ソフトウエア開発を巡ってのトラブルは増加傾向にあるような印象を持っていますので、今回の裁判例は大いに参考になるものと思われます。

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