ここ数年前から、グーグルや爆サイ等のネットに誹謗中傷等の書き込みをされたというご相談の問い合わせがボツボツと増えています。
もっとも、この種の問い合わせに対する回答は田舎弁護士には苦手でもあるため、専門外ということでご相談を断っているところでもあります。
他方で、全国でのご相談件数は増えているようでして、日弁連の研修等でもこの種のテーマが取り上げられることが増えました。
さて、ネットでの誹謗中傷については、それを得意とする法律事務所が対応の概要について、比較的詳しく説明されていますので、以下、ネットで収集した情報をもとに、紹介したいと思います。
例えば、爆サイの例では、侮辱、名誉毀損、プライバシー侵害という権利侵害があきらかな場合に、開示請求を行い、投稿者を特定します。
① まず、爆サイで書き込みをした人物を特定するためには、「悪質な書き込みの証拠」「投稿者のログ情報(IPアドレス・タイムスタンプといった通信記録)」が必要となります。
そのため、爆サイ側が保管している「ログ情報」に関しては、まず、爆サイ側に対して、A任意による開示請求※を求めます。
※メール送信後、数日後に爆サイ側から折り返しのメールが送られてくるため、その内容に従って、爆サイが指定する住所に必要書類を送ります。
但し、解説によれば、爆サイのようなネット上の掲示板では、伏せ字やイニシャルを用いて誹謗中傷するケースが多く、第三者からみて対象が明確ではないと判断された場合には、開示が認めラナイこともあること、また、爆サイなどのコンテンツプロバイダー、投稿者が利用している接続プロバイダー側が保管しているログ情報は保存期間(大体3か月程度と説明されていますが、見つけ次第早めとも説明されています)を過ぎてしまうと削除されてしまうことが説明されています。
ここで、爆サイ側がA任意による開示請求を拒絶した場合には、B発信者情報についての仮処分申立てを行うことになります。
B発信者情報についての関する仮処分についての弁護士費用は、解説によれば、合計で40万円~60万円、担保金については10万円~30万円と説明されています。
さらに、C投稿者を特定するための情報が消去されないよう求める裁判所への仮処分申立ても必要ということで、ここでも担保金と弁護士費用が必要になります。 ↓
② 爆サイがIPアロです発信者情報を開示したとしても、住所、氏名、メールアドレスは、爆サイ側にないために、今度は、各プロバイダー又は携帯キャリアに、契約者の氏名、電話番号、住所などの契約者情報の開示が必要になります。
今度は、「Who is」等のIPアロレスサーチを行い、接続プロバイダーを特定します。
↓
③ 接続プロバイダーが特定できれば、次に、契約者情報の開示を求めることになります。
A任意による開示請求を行い、それが認められれば問題ありませんが、ネットで収集した情報によれば、接続プロバイダーは任意での開示請求に応じることは難しいため、B契約者情報の開示を求めるため、発信者情報開示請求訴訟が必要になります。
Bの発信者情報開示請求訴訟の弁護士費用は、解説によれば、合計で40万円~60万円と説明されています。
(竜神平)
④ (まとめ)
爆サイが任意で開示したとしても、次の段階での接続プロバイダーに対する契約者情報は訴訟になることが多いということで、1つの書き込みに対して、80万円~100万円程費用がかかりそうです。爆サイが任意で開示しない場合には、爆サイに対しても裁判所の仮処分申立てが必要なので担保金や弁護士費用がさらに必要ということになります。しかも、ログの保存期間は非常に短いので、弁護士相談された時点ではすでに手遅れということもありそうです😟
やはり、田舎弁護士の事務所では取り扱うのが難しいようです😵
(参考)
弁護士法人法の里
ネット被害・IT法務解決ガイド
Authense
架け橋法律事務所
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