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【労働・労災】

2019年6月27日 (木)

【労働・労災】 労務管理実務セミナー No4

 続きです。

○ 日本ケミカル事件 (最判平成30年7月19日)

 →雇用契約に定める手当が時間外労働等に対する一括払いにあたるかは、雇用契約書などの記載および具体的事案に応じて関連する諸事情を考慮する必要があるが、手当額を超える時間外労働があつたときに労働者が直ちに支払いを求めることができ、基本給と定額残業代の金額のバランスが適切であることなどまでを必須としているものではないとされた事例

○ 電通事件 (最判平成12年3月24日)

○ 日本HP事件 (最判平成24年4月27日)

 →Xは、平成20年7月25日の出勤命令に対しては異議を述べながらも同月31日にはこれに応じて出社しているのであるから、Xの欠勤に対して精神的な不調が疑われるのであれば、本人あるいは家族、Y社のEHS(環境・衛生・安全部門)を通した職場復帰へ向けての働きかけや精神的な不調を回復するまでの休職を促すことが考えられたし、精神的な不調がなかったとすれば、Xが欠勤を長期間継続した場合には無断欠勤となり、超過処分の対象となることなどの不利益をXに告知する等の対応をY社がしておれば、約40日間Xが欠勤を継続することはなかったといえ、Y社が諭旨退職処分の理由としている懲戒事由(無断欠勤、欠勤を正当化する事由がない)を認めることはできず、上記処分が無効とされた原審が是認された事例

○ 東芝事件 (最判平成26年3月24日)

 →使用者は、労働者からの申告がなくても、その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っており、業務の軽減をするなどの措置を執ることなく、労働者がうつ病を発症し、それが増悪したことについて、労働者が情報を申告しなかったことを重視するのは相当ではなく、民法418条又は722条2項の規定による過失相殺をすることはできないとされた事例

○ さいたま市(環境局職員)事件 (東京高判平成29年10月26日)

 →本件センターの管理係長であったEや所長であったFは、亡労働者のうつ病による病気休暇の取得の情報を知らなかったというが、亡労働者を問題があるBと同じ管理係に配置したこと自体が問題ではなく、亡労働者からのパワハラの訴えに適切に対応しなかったことが職場環境を調整する義務を怠ったものと評価されれるものであるとされた事例

○ ハマキュウレックス事件 (最判平成30年6月1日)

 →損害賠償請求のうち、労働契約法20条が適用されることとなる平成25年4月1日以降の皆勤手当に掛かる部分を棄却すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、被上告人が皆勤手当の支給要件を満たしているか否かなどについて更に審理を尽くさせるため同部分につき原審に差し戻した事例

○ 長澤運輸事件 (最判平成30年6月1日)

 →嘱託乗務員と正社員との精勤手当及び超勤手当(時間外手当)に係る労働条件の相違は労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例

 

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2019年6月25日 (火)

【労働・労災】 労務管理実務セミナー No3

 続きです。17の裁判例が紹介されています。

 労働法の事案って、事件名が会社名がついていますね

1 三菱重工業長崎造船所事件(最判平成12年3月9日)

 →労働者が始業時刻及び終業時刻後の作業服及び保護具等の脱着等及び始業時刻前の副資材等の受け出し及び散水に要した時間が労働基準法の労働時間に該当するとされた例

2 大星ビル管理事件(最判平成14年2月28日)

 →仮眠時間は労働時間にあたり時間外労働割増賃金を支払えとした高裁判断を維持した例

3 NTT西日本ほか事件(大阪高判平成22年11月19日)

 →社内でWEB学習に従事した時間の労働時間性を否定した事例

4 NTT西日本ほか事件(原審)(大阪地判平成22年4月23日)

 →社内WEB学習に従事した時間の労基法上の労働時価性を肯定した事例

5 オリエンタルモーター事件(東京高判平成25年11月21日)

 →ICカードは施設管理のためのものであり、その履歴は会社構内における滞留時間を示すものに過ぎないから、履歴上の滞留時間をもって直ちに元従業員が時間外労働をした認めることはできないとされた事例

6 オリエンタルモーター事件(原審)(長野地判松本支平成25年5月24日)

 →会社自身が適正な労働時間管理をしていることを自認しているところ、会社の会社規模及び従業員数から考えて、会社においては、形骸化していたとうかがえる指示書以外にも何らかの労働時間管理のシステムが存在すると考えるのが自然であり、また、ICカードが時間外労働と結びつくものであるとの認識が会社従業者らに共有されていたことがうかがえられるところであり、会社のICカード使用利益は元従業員の労働時間の認定にあたっては基本的には信用性の高い証拠ということができるから、終業時間後については、原則に従い、信用性の高いICカードの使用履歴をもって時間外労働を認定するのが相当であるとされた事例

7 国際自動車事件(最判平成29年2月28日)

 →労基法37条は、法定の方法により算出された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまり、法定の算定方法を義務づけるものではないとされた事例

8 国際自動車事件(差戻審)(東京高判平成30年2月15日)

 →本件の歩合給は、賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額にあたり、本件の割増金の支払は、法37条の定める支給要件を満たしており、未払の割増金または歩合給があるとは認められないとされた事例

 

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2019年6月24日 (月)

【労働・労災】労務管理実務セミナーに参加しました。No2

□  次のテーマは、従業員の健康管理でした。

1 過労死・過労自殺と安全配慮義務

2 健康管理のための労働時間の状況把握義務

 →事業者は、安衛法所定の長時間労働者に対する面接指導を実施するため、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。

3 長時間労働者への医師の面接指導の強化

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□ 3つめのテーマは、多様な働き方でした。

 高度プロフェッショナル制度と、フレックスタイム制の拡充、兼業副業、テレワークの考え方でした。

□ 4つめのテーマは、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保で、不合理な待遇差とならないための検討ポイント、待遇に関する説明の行い方について解説がありました。

 

 

2019年6月23日 (日)

【労働・労災】労務管理実務セミナーに参加しました。

 四国生産性本部主催の「労務管理実務セミナー」に参加しました。働き方改革関連法と近時の重要判例をふまえた労務管理の在り方でした。

 労働法制は最近改正が続いており、フォローが大変です。

 テーマ1は、長時間労働の是正です。このブログでも何度か触れいますが、時間外労働の上限規制です。

 時間外労働の上限規制は、改正前の時間外労働の限度に関する労働大臣告示を法律に格上げし、罰則による強制力をもたせるとともに、従来、上限なく時間外労働が可能となっていた臨時的な特別の事情がある場合について労使が合資した場合であっても、上回ることができない上限を設定したことに重大な意味があります。

□ 36協定の締結にあたっての留意点として、

(1)上限規制の具体的内容

ア 原則(36条4項 時間外労働のみ)

 ・月45時間 ・年360時間

イ 例外①(36条5項 時間外労働のみ)

 ・月45時間超は年間6か月まで

 ・年720時間

ウ 例外②(36条6項 時間外労働+休日労働)

 ・複数月平均80時間(2~6か月)

 ・月100時間未満

(2)1日・1か月・1年について限度を定める

(3)対象期間は1年間に限る

(4)特別条項(労働させることができる事由、限度時間、限度回数、労使がとるべき手続)

(5)過半数代表者の選任

□ 労働時間をどのように把握・管理すべきか

□ 長時間労働を削減するうえでの検討ポイント

□ 年次有給休暇の消化義務をどのように果たすのか

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 ここまでは現時点ではおさえている弁護士も多いでしょう

 

2019年5月28日 (火)

【労働・労災】 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めが労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものであるとされた事例

 金融法務事情No2114号で紹介された最高裁平成30年9月14日判決です。

 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めは、次の(1)、(2)など判示の事情のもとにおいては、労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものである。

 (1) 上記期間雇用社員の従事する業務は屋外業務、立った状態での作業、機動車の乗務、機械操作等であるところ、当該就業規則の定めは、高齢の期間雇用社員について、これらの業務に対する適性が加齢により逓減しうることを前提に、その雇用管理の方法を定めたものである。

 (2) 当該就業規則の定めの内容は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に抵触するものではない。

 

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 当たり前の判旨のような気がしますが、旧公社の時代はそのような定めがなかったようですね。

2019年5月27日 (月)

【労働・労災】 時間外手当 

 我が国の労働法制や裁判例は、労働者保護に傾きすぎていると感じるところがありますが、今回の最高裁判決は少し軌道修正されたものと捉えることが可能かもしれません。

 判決要旨は次のとおりです。

 使用者が労働者に対し、雇用契約に基づいて定額の手当を支払った場合において、当該手当は当該雇用契約において時間外労働、休日労働及び深夜労働に対する対価として支払われるものとされていたにもかかわらず、

 当該手当を上回る金額の割増賃金請求権が発生した事実を労働者が認識して直ちに支払いを請求することができる仕組みが備わっていないなどとして、当該手当の支払いにより労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断には、

 割増賃金に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。

 

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(平戸)
 田舎弁護士が住んでいるところは、中小企業が多くて、経営者も、労働者と同じような仕事に従事し、しかも、従業員よりも長時間働いている方が少なくありません。ところが、売り上げが立たなければ、経営者の報酬は後回しにして、従業員の給料の支払いを優先させます。その結果、経営者は、個人の資産を会社に入れて、事業を継続することになります。事業がうまくいけばいいのですが、田舎弁護士にところに相談にこられる中小企業の場合にはうまくいかないところだけです。我が国の法制は、このような中小企業の経営者をサポートする仕組みが弱いように思います。一例として、交通事故の被害者になっても、役員だからということで、或いは、確定申告の金額が小さいということで、適切な休業損害の支払いを受けることができません。中小企業の経営者を支える仕組みを充実させていただきたいです。

2019年4月 4日 (木)

【労働・労災】 労務管理の原則と例外

 新日本法規から出ている「労務管理の原則と例外」(働き方改革関連法対応)です。
 14章で構成されています。①就業規則に関する原則と例外、②募集に関する原則と例外、③採用に関する原則と例外、④労働時間に関する原則と例外、⑤賃金に関する原則と例外、⑥人事考課に関する原則と例外、⑦異動・配転に関する原則と例外、⑧休職に関する原則と例外、⑨懲戒処分に関する原則と例外、⑩労働をめぐる損害賠償請求に関する原則と例外、⑪退職に関する原則と例外、⑫退職金に関する原則と例外、⑬退職後の問題に関する原則と例外、⑭企業の組織変更に関する原則と例外 です。
  例えば、⑨懲戒処分に関する原則と例外ですが、原則は、就業規則に根拠があれば懲戒処分をすることができるとして、例外として、例外1 就業規則の根拠規定に合理性がない場合、例外2 懲戒事由があるとはいえない場合、例外3 権利濫用になる場合、例外4 手続上の瑕疵がある場合と、解説を続けております。
 原則と例外を明示する書き方はわかりやすいと思いました。
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(高知・佐川町)

2019年4月 2日 (火)

【労働・労災】 会社の主力事業の廃止に伴う解雇について、いわゆる整理解雇法理を適用しつつ、解雇を有効と判断した事例

 判例タイムズNo1456号で紹介された東京地裁平成30年3月29日判決です。😞
 東京地裁の判断は以下のとおりです。
 まず、判断の枠組みについては、被告が主力の油井菅事業を廃止したことをもって、解雇が原則として有効であるという考え方は採用せず、本件解雇は基本的には整理解雇であるとした上で、
 人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の合理性及び解雇手続の相当性等を総合考慮して、有効性を判断すべきであるとしました。
 その上で、被告において油井菅事業廃止後に継続している不動産の管理等について、被告の従業員は従事しておらず、関連業務に経理担当者のみが関わっていたこと等を、解雇回避努力義務の判断において考慮すべきであり、原告らの当面の生活維持や再就職の便宜を図るための措置についても整理解雇の効力判断の1要素として考慮することが相当であるとしました。
 解雇回避努力については、以下のとおり判断しております。
 原告らの不動産賃貸等の業務への配転や転籍の余地について、被告において、専門の業者への不動産管理の委託を止め、不動産管理部門を創設するなどして、入社以来油井菅製造事業のみ従事してきた原告らを配転する義務は認められず、配転以外の点として、被告が、従業員に対して、会社都合退職金に加えて1年分の年収に相当する特別退職金を支払い、再就職支援サービスの利用料を無期限で会社負担とする条件で希望退職を募ったこと、希望退職に応じなかった原告らに対しては、油井管事業終了後も、団体交渉継続期間中は事業撤退前と同額の賃金を支払ったことなどの事情は、整理解雇の有効性を基礎づける事情であると判断しました。
 手続きの相当性についても、被告は、油井菅事業からの撤退を決断した後、21回にわたって労働組合と団体交渉を行い、労働組合の求めに応じて資料等を開示しており、説明の経過や態度に不誠実な点は見当たらないとしました。
 ★ここまで手厚い条件の提示や対応をされていたら、整理解雇は有効でしょう。ただ、このようなことは、田舎弁護士の地域の零細企業では難しいでしょう。

2019年2月15日 (金)

【労働・労災】 懲戒処分の実務必携Q&A

 民事法研究会から平成30年1月に出版された「懲戒処分の実務必携Q&A」 です。

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                 (今治城)

 3部構成です。①企業秩序維持と懲戒、②事例からみる懲戒処分、③関連書式・懲戒処分判例一覧 となっております。

 著者の三上安雄弁護士は、修習同期で大学の先輩に当たります。田舎弁護士も、いつか民事法研究会から本を出してみたいと思いますが、広く、浅くの業務分野なので、難しいですね💦

 

2019年2月 4日 (月)

【労働・労災】 偽装請負  第2 Ⅱ 事業運営上の独立 Ⅳ・Ⅴ

 次に、Ⅳ 業務に必要な資金を全て請負事業主自らの責任において調達・支弁しているか

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             (ザビエル教会・踏み絵)

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