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【行政】  国家賠償法

2017年7月27日 (木)

【行政】 クラブ活動で熱中症に罹患して脳梗塞を発症した事案

 判例時報No2331号で紹介された大阪高裁平成28年12月22日付判決です。

 原告側は、後遺障害等級第7級を前提に、約5600万円の請求をしているようですが、裁判所は、第1審、第2審ともに第12級を前提に、第1審では約411万円、第2審では約487万円の賠償を認めました。

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 環境整備義務の一貫として、温度計設置義務違反が認められた事例です。

2017年4月15日 (土)

【行政】 農地法5条1項の許可を受けた者の造成工事により、隣接農地の所有者が排水障害を被った場合において、右許可処分は違法であるとして国家賠償請求が認められた事例 広島高裁岡山支部平成28年6月30日判決

 判例時報No2319号で紹介された広島高裁岡山支部平成28年6月30日判決です。

 ある行政法規に基づく権限の行使により損害を受けた者が国家賠償を請求することができるか否かについては問題がありますが、

 最高裁昭和60年11月21日判決によれば、

 国家賠償1条1項にいう公務員の行為の違法とは、公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背したことをいうものと解されています。

 本件では、農地法5条2項4号が周辺農地の所有者等の個別の利益を保護する趣旨であるか否かが問題であり、第1審は、これを否定したのに対し、本判決はこれを肯定したものです。

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                  (江戸城)

2016年3月25日 (金)

【行政】 吹雪による雪の吹き溜まりに自動車が埋まり運転者が一酸化炭素中毒により死亡した事故

 判例時報No2280号で紹介された札幌高裁平成27年7月7日判決です。

 道路の設置又は管理上の瑕疵は、道路の通常有すべき安全性を欠く状態をいい、それは、道路の設置、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して個別的具体的に判断すべきであるとされています。

 事故が不可抗力による場合ないし回避可能性のない場合には、免責されるとするのが判例の立場です。

 札幌高裁平成27年7月7日判決は、特異な暴風雪によってできた吹き溜まりに埋まる事故の発生は予見できたとは認めがたいとして、道路管理者の国家賠償責任が否定されました。

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                   (鎌倉大仏)

2015年12月 3日 (木)

【行政】 地方公共団体の総務課長からパワーハラスメントを受けたことによりうつ病が悪化した等と主張する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求が一部認容された事例 福岡高裁平成25年7月30日判決

 判例タイムズNo1417号で紹介された平成25年7月30日付福岡高裁判決です。

 第1審は、原告の請求を棄却し、第2審は、原告の請求を認めましたが、慰謝料としては30万円にとどまりました(300万円)。

 治療費等については、因果関係を否定されています。

 総務課長が本来自主的な判断にゆだねるべき私生活上の事項に過度に介入したということで、職務義務違反が認定されています。

 

2015年6月19日 (金)

【行政】 県立高校のテニスのクラブ活動中の生徒が熱中症に罹患し、重大な後遺障害が残った事故について、同活動に立ち会っていなかった顧問の教師に過失があったとして学校側の損害賠償責任が認められた事例 大阪高裁平成27年1月22日判決

 判例時報No2254号(6月11日号)で紹介された大阪高裁平成27年1月22日判決です。

 第1審判決は、X1の心停止の原因が熱中症と認めるだけの根拠はないとした上で、仮に熱中症が原因としても、Xは自主的に休憩とることは可能であったという理由で、顧問の教師の過失を否定しました。

 これに対して、大阪高裁は、事故当時、コート内は、30度前後の高温で湿度も相当高かったことや当日は定期試験の最終日で、X1は十分な睡眠がとれていなかったことなどから、X1は、本件事故当時、熱中症に罹患し、これにより重度の心筋障害が生じたものと認めるのが相当であるとした上で、

 顧問教諭は、通常よりも練習時間も長く、練習内容も密度の高いメニューをX1に指示した上、水分補給に関する特段の指導もせず、水分補給のための十分な休憩時間を設定しない形で練習の指示をしたことが認められるとして、顧問教諭のX1に対する健康に配慮し熱中症を防止する義務に違反したとして、Yの損害賠償責任を肯定して、約2億3000万円の賠償を認めました。

 本判決は、出張のために練習に立ち会わなかった顧問教諭の過失を認めたという点に特色があります。

2015年4月12日 (日)

【行政】 浜松市が相続財産法人に属する不動産の差押えを解除しなかったことについて、国税徴収法79条1項2号の定める無益差押えを理由とする差押解除義務を怠ったとして、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例 静岡地裁平成26年9月8日判決

 判例時報No2246号で紹介された静岡地裁浜松支部平成26年9月8日付判決です。

 国税徴収法48条2項は、差し押さえることができる財産の価額がその差し押さえに係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先立つ他の国税、地方税その他の債権の金額の合計額を超える見込みがないときは、その財産は、差し押さえることができないとして無益差し押さえの禁止を定め、

 同法79条1項2号は、徴収職員は、差押財産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び差押えに係る国税に先立つ他の国税、地方税その他の債権の合計額を超える見込みがなくなったときは、当該差押えを解除しなければならないとして、差押後に無益差押えに至った場合の差押解除義務を定めている。

 本件では、後者に関する国家賠償法上の違法性が問題とされたが、

 本判決では、職務行為基準説に依拠し、まず客観的に見て国税徴収法79条1項2号による差押解除義務が発生していたことを認定した上で、徴税吏員が同号所定の要件の認定判断において職務上の注意義務を尽くさなかったために本件差押えが解除されなかったという主観面を認定し、

 国家賠償法上の違法性を認めました。

2015年3月31日 (火)

【行政】 LP 国家賠償訴訟

 青林書院から今年の1月に発行された「LP国家賠償訴訟 」です。

 5章に分かれています。①国家賠償訴訟の現代的意義と適用範囲、②国家賠償法1条関係事件の要件事実、③国家賠償法2条関係事件の要件事実、④賠償責任者・求償、⑤訴えの提起とその審理です。

 LPなので、当然のことながら、必読書になろうかと思いますが、なんとこの書籍は完成するまで8年以上の年月を費やしたようです。。。。 

2015年3月12日 (木)

【行政】 原付が町道の穴にはまって怪我してしまった場合!?

 交通事故民事裁判例集第47巻第1号で紹介された東京高裁平成26年1月15日判決です。

 被害者(女・73歳)運転の原動機付自転車が、時速15~20㎞で、町道(幅員約5m程度で、中央線がない)を走行中、町道の穴にタイヤがはまり転倒し、負傷したという事故です。

 裁判所は、穴は町道の右端から約1.5mの位置にあって大きさが約20㎝×約30㎝、深さは約5㎝であり、地元の地区から補修の要請が出されていて町はその穴の存在とその危険性を認識していたことから、町道は通常の安全性を欠いていたとして、町に設置管理の瑕疵を認めました。

 もっとも、被害者も、町道を日常的に通行し、穴の存在をよく知っていたこと、事故が発生したのは昼間でありかつ現場の見通しが良いこと、町道の左側に隣接する空地と町道の左側部分に跨がる形で駐車していた軽トラックを避けることに気をとられ、同車の右斜め前方にあった穴の存在を失念していたこと、穴を避けて運転することは困難であったとはいえないことから、

 被害者に60%の過失相殺をしました。

 結局、町に責任は問えても、損害としては、40%部分しか請求できないことになりました。

 もっとも、高裁では、町に責任を認めましたが、第1審ではそもそも町の責任を否定しています。

 やはり、道を走る場合には、注意しながら走る必要があるようです。

 

2014年5月10日 (土)

【行政】 町の事業計画の用地の買収につき、町長が代わり施策が変更されて、町が買収を拒否したとしても、不法行為にあたらないとされた事例 福岡高裁宮崎支部平成25年11月29日判決

 判例時報の2213号で紹介された福岡高裁宮崎支部平成25年11月29日判決です。

 本判決は、

 地方公共団体が施策を変更することにより、特定の者がその信頼に反して所期の活動を妨げられ、社会観念上看過することのできない損害を被る場合には、

 やむを得ない客観的な事情によるものでない限り、

 当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯び、地方公共団体の不法行為責任を生じしめるとした上で、

 ①第1次買収当時には、事業計画の目的が具体化していなかったのであるから、Xの信頼は未だ法的保護に値しない

 ②第2次買収当時にも、事業計画の目的は具体化していなかったし、事業予定地の買受けに関する契約書、仮契約書、覚書すら作成されていなかったのであるから、Xの信頼は保護するに値しない

 ③第3次買収についても、Xが抱いていたという事業予定地の取得に対する信頼が法的に保護に値するものであったと認めることはできない

 と判断して、不法行為責任を否定しています。 

 第1審だと、不法行為責任を一部認めていたようですが、今回は全てについての責任を否定しています。 

2014年1月 7日 (火)

【行政】 フッ素汚染と国賠

 愛媛の弁護士の寄井です。

 判例タイムズNo1392号で紹介された平成24年2月7日付け東京地裁判決です。

 判旨の要旨は以下のとおりです。

 ① 国が土壌汚染対策法の政策及び施行に当たり、同法施行前に土地を取得した汚染原因者でない所有者の措置義務を免責する経過措置を定めなかったこと、自己資本3億円以上の法人に対する助成措置を定めなかったことが、国賠法1条1項の適用上違法とはいえないとされた事例

 ② フッ素に汚染されていたことを知らずに土地を購入した者が土壌汚染の除去のため多額の費用を負担することになったことを理由とする憲法29条3項に基づく国に対する損失補償請求が認められないとされた事例

 ③ フッ素に汚染されていたことを知らずに土地を購入した者が国に対して求めた水質汚濁防止法又は大気汚染防止法に係る規制権限不行使を理由とする国家賠償請求が認められないとされた事例

 ④ フッ素に汚染されていたことを知らずに土地を購入した者が県及び市に対して求めた規制権限不行使を理由とする国家賠償請求が認められないとされた事例

 ☆本件は、浄化に莫大な費用を要することが少なくない土壌汚染をめぐって、汚染を知らずに土地を取得した者が国、地方公共団体に国家賠償を求めた事例として、実務上参考になるものです。

 

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