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【倒産】

2019年7月11日 (木)

【倒産】 倒産状態に陥って請負工事を完成させることができなくなった場合に約定により発生する違約金債権を自働債権とする相殺は、当該請負契約に係る未払請負報酬債権との関係でのみ相殺権を行使することができるとされた事例

 金融法務事情No2117号で紹介された福岡高裁平成30年9月21日判決です。

 

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(高知城)
 判決要旨を紹介します。
 
 倒産状態に陥って請負工事を完成させることができなくなった場合に違約金が発生するとの約定は、損害賠償額の予定であり、当該違約金債権が仕事の履行請求権が変容したものといえるから、これを自働債権とする相殺は、当該請負契約に係る未払請負報酬債権との関係では合理的な期待を認めることができるので、破産法72条1項2号または3号に該当しても同条2項2号により例外的に相殺権を行使することができるが、
 同一当事者間の別個の請負契約の未払請負報酬債権との関係では相殺についての合理的な期待があると認めることができないので、相殺権を行使することができない。
 
 第1審と第2審とで結論を異にしております。

2019年6月19日 (水)

【倒産】 破産会社からの事業譲渡  大阪高裁平成30年12月20日判決

 金融法務事情第2115号で紹介された大阪高裁平成30年12月20日判決です。

 

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(今治・大島)
 判決要旨は以下のとおりです。
 ①破産会社が、一連の取引に係る事業(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む)を経済的な対価を得ないで譲渡した場合、破産法160条3項の無償行為に該当する。
 ②期限前弁済のうち、本来の弁済期が支払不能よりも前に到来する債務に対する弁済も、破産法162条1項2号本文の「その時期が破産者の義務に属しない行為」に該当し、その場合、同号ただし書の「他の破産債権者を害する事実」とは「本来の弁済期まで待てば、支払不能に陥ることが確実であるという状態」をいう。
 否認の問題が発生した場合、申立人代理人はなかなかつらい立場におかれますよね。特に否認の相手方が、援助してくれた会社だったりすると。。。
 
 また破産会社ですが、8000万円をこえる複数の従業員の横領行為等があり、それで金融機関からの借入が増えたようです。
 
 老舗の会社だったようですが、ガバナンスに大きな問題がありそうです。

2019年2月23日 (土)

【倒産】 ビットコインと破産

 判例時報No2387号で紹介された東京地裁平成30年1月31日判決です。

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                  (津和野)

 仮想通貨ビットコインの交換取引所を運営していた会社が破産し、同取引所の利用者がビットコインの返還請求権として届け出た破産債権の金額が争われた破産債権査定異議事件において、利用者の主張する破産債権額が認められなかった事例

 最近、仮想通貨が対象となる事案の相談がわずかですが、少しずう出る様になりました。

 正直、仕組みがよくわからないのですねえ。。。

 老弁になりつつある、田舎弁護士にはついていけんわい💦

 仮想通貨ビットコインの交換取引所

2019年2月 8日 (金)

【倒産】 強制執行はいる終わる!?

 金融法務事情No2105(1月10日号)の「判例・実務から考える民事執行」で掲載されたテーマです。

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               (山口・湯田温泉)

 強制執行手続が先行し、その後に破産手続が開始された場合、破産法42条2項の適用を巡って、差押債権者と破産管財人との間で深刻な利害対立が発生したという事案です。

 最高裁平成30年4月18日決定は、破産管財人を勝たせました!。

 株券が発行されていない株式に対する強制執行の手続において、当該株式につき売却命令による売却がされた後、配当表記載の債権者の配当額について配当異議の訴えが提起されたために上記配当額に相当する金銭の供託がされた場合において、

 その供託の事由が消滅して供託金の支払委託がされるまでに債務者が破産手続開始の決定を受けたときは、当該強制執行の手続につき、破産法42条2項本文の適用があると解するのが相当である。

 ★解説によれば、「取立権の行使により請求債権の満つるまでの支払を第三債務者から受けたが、取立完了届を提出しないままにしていたところ、その間に債務者につき破産手続開始決定がされ、破産管財人から債権差押命令の取り消しが上申された場合も、取消が認められることになろう。その場合、既に取り立てた金銭の帰属については、本決定と同じような問題が生じることになる。本決定の射程がここで及ぶとすれば、既に取り立てた金銭等についても、破産財団に対してはその効力を失うということになる。いずれにせよ、差押債権者としては、取立権の迅速かつ的確な行使、及び取立後の事後処理(取立届等の早期提出)等に万全を尽くすべきということになろう。」と説明されています。

 クワバラ クワバラ

2019年1月16日 (水)

【倒産】 最高裁平成29年12月7日判決

 判例時報No2385号で紹介された最高裁平成29年12月7日判決です。

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 自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ、

 売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後、購入者の破産手続が開始した場合において、保証人が留保所有権を別除権として行使することの可否についての判決です。

 数年ほど前から、この論点が議論されるようになっていますね

2019年1月14日 (月)

【倒産】 個人再生の実務 Q&A 120問

 平成30年11月に出版された「個人再生の実務Q&A120問」 です。田舎弁護士も全国倒産処理弁護士ネットワークの会員ですので、同書が送られてきました。

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                 (人形町周辺)

 ただ、個人再生は平成13年に施行され、田舎弁護士の事務所が、松山地裁今治支部では、給与、小規模いずれも、第1号を獲得した積極的に活用してきましたが、過払いバブルともに個人再生事案が全くなくなり、おそらく10年位は申立てを経験していないのではないかなと思います。

 個人再生委員は、数は多くはありませんが、まれに裁判所から依頼の打診があります。

 個人再生申立ては、非常に使い勝手がよいのですが、申立て代理人の資料作成はかなり大変で、それに住宅ローン特別条項が入ると結構難解な条項になります。平成15,6年ころは、個人再生をよく利用していたことから、担当スタッフもそれなりの対応が可能でしたが、ここまで空白が続くと、スタッフにも1から教えないといけないので大変です。

 本書は、よく悩む問題について、的確なアドバイスが豊富にのっておりますので、参考になります。

2018年10月22日 (月)

【倒産】 自動車の所有権留保の最高裁判決 

Kimg5305                  (日銀本店)

 このブログでも複数回紹介している最高裁平成29年12月7日判決が、金融法務事情No2099号で紹介されていました。

 判決要旨は次のとおりです。

 自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ、売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後、購入者の破産手続が開始した場合において、その開始の時点で当該自動車につき販売会社を所有権とする登録がされているときは、保証人は、上記合意に基づき留保された所有権を別除権として行使することができる。

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2018年8月13日 (月)

【倒産】 債権者代理人は注意しましょう!?

 金融法務事情No2094号で紹介された東京地裁平成29年11月17日判決です。

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               (神戸ベイシェラトンのメインバー)

 判決要旨を紹介いたします。

① 原告(破産債権者)が債権届の「通知場所」(択一式)を空欄としていること、代理人弁護士名義で破産債権を届け出ていること、配当金受領に関する一切の件についても代理人弁護士に委任していること等本件の事実関係のもとでは、配当通知を代理人弁護士宛てに送付しても、原告の手続保障に欠けるものではなく、配当通知に瑕疵はない。

② 最後配当に関する除斥期間について定めた破産法198条の内容は一義的に明確であり、その除斥期間が破産債権査定手続の申立期間に合わせて伸長される旨の規定は存在しないから、最後配当に関する除斥期間を債権調査期日から1ケ月と解することはできない。

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 解説には、「原告代理人が注意喚起の文書を受けながら破産債権査定申立てを遅らせた理由は不明であるが、実務上注意を要する場面であり、とくに紹介する次第である」と書かれています。


2018年8月12日 (日)

【倒産】 商事法務・民事再生の実務

 昨年12月に、商事法務から、民事再生の実務 がでていましたので、購入しました。

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 この書籍は、大阪地裁第6民事部の民事再生手続についての解説本となっております。

 金融財政事情研究会の民事再生の運用指針が、東京地裁破産再生部での運用を解説されているものなので、両方持っていると役に立ちそうです。。。

 とはいえ、通常の民事再生事案って、数年に1回位しか廻ってきませんね💦

 

2018年8月 2日 (木)

【倒産】 民事再生の運用指針

 金融財政事情研究会から、平成30年6月に出版された「民事再生の運用方針 」という書籍です。

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                (神戸ファッション美術館)

 8章で構成されています。①再生手続総論、②再生手続開始の申立てと保全、③再生手続開始決定、④債権調査と再生債務者の財産関係の整理、⑤再生計画案の作成、⑥再生計画案の決議、⑦再生計画認可後の手続、⑧その他です。

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 「再生手続におけるスポンサー選定」というタイトルで、瀬戸英雄弁護士の説明が参考になります。

 「経営が逼迫し企業価値が日々劣化する中で、その事業に投資対象として価値を見出しスポンサーに名乗り出てくれるものが現れたなら、それだけでも幸運である。

  しかし、支援を受ける者が、将来、より有利な条件を提示する者が現れた場合にはそちらに乗り換えるかもしれないなど、曖昧な姿勢では、スポンサー候補者の再生支援は及び腰にならざるを得ない。

  また、危機時期における有形無形の援助があった場合には、それを軽視して、後出しジャンケンを認めることも不正義である。」

  その上で、「民事再生手続におけるスポンサーの優劣は、提示された買収価格の多寡や支払条件だけで決すべき筋合いのものではない」として、

 「再生モデルの具体性、従業員の雇用条件、取引先との関係、信用補完能力、再生の担い手としての熱意、誠実性等、再生の実現可能性と社会経済的効果等諸要素を総合的に判断すべきである。」と説明されていました。

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 田舎弁護士自身は、法人の民事再生手続申立代理人をしたことはありませんが、監督委員については2回就任した経験があります。

 スポンサーの選定はなかなか難しい作業です。

 申立て前に事実上決まっている場合には、うまくいく方向にいきますが、スポンサー選定過程の公正性等に監督委員としては目が行くところになります。

 申立代理人が誠実で熱意のある方であれば、うまくいく方法で働くのではないかと勝手に思っております。

 

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