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【倒産】

2018年4月30日 (月)

【倒産】 破産申立代理人の地位と責任

 金融財政事情研究会から、平成29年11月に、「破産申立代理人の地位と責任 」という書籍が出版されました。全国倒産処理弁護士ネットワークが編集しております。田舎弁護士も会員の一人です。

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               (京都国立博物館)

 全倒ネットと略称で呼ばれることが弁護士の間では多いですが、メーリングリストなどで活発に議論がされています。今から10年程前に伊藤眞先生の破産法の書籍にも紹介されるような非常に面倒な破産事件の管財人に就任し、その時に全倒ネットに参加させていただきました。財団もかなり形成できたので、最終的にはそれなりの管財人報酬をいただくことになりました。

 それ以降は、大型事案は来なくなりましたね。。。。。。

 また、破産の申立て件数も激減したことから、最近では、破産がらみは、大きなものにはあたっておりません。

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                 (京都御所)

 とはいえ、破産は地方の弁護士にとっても基本的な事案の1つなので勉強せざるをえません。

 この書籍は、Q&Aと、判例評釈にわかれています。

 申立代理人の立場で、弁護過誤等に発展しかねないのか、事例ごとに分析しており、参考になります。

 

2018年4月21日 (土)

【倒産】 個人再生の手引 第2版

 判タから、平成29年に、個人再生の手引 第2版 が、出版されていましたので、購入しました。

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 個人再生といえば、平成13年度に導入された制度ですが、田舎弁護士が松山地裁今治支部では第1号の申立てをしたことを思い出します。住宅ローン特則や、欠格資格事由のある方を中心に申立てをしてきましたが、過払いバブルの平成18年ころから少なくなり、田舎弁護士としても、10年位は申立てをしておりません。ただ、数年に1回程度、個人再生委員としてかかわることはあります。

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 個人再生や破産申立てというのは、件数が続けば、マニュアル化ができて、スタッフにても対応できる部分が増えて、弁護士としても楽になるのですが、ここ10年近く、田舎弁護士の事務所において、個人再生や破産申し立てをすることが激減していることから、ノウハウの蓄積とまでいかないのですね💦

 また、年齢的にも、新しい分野を開拓していくという力もなく、現状ご依頼いただいている案件を誠実に対応させていただくのに精いっぱいな状態です。

 

2018年4月18日 (水)

【倒産】 大阪地裁における事業再建型特定調停事件の概要

 金融法務事情No2087号の論説記事です。「大阪地方裁判所における事業再建型特定調停事件の概要」という論文です。現在は高松高裁の裁判官である方が執筆されています。

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 事業再建型特定調停事件は、田舎弁護士自身は担当したことがありません。が、私的整理に関するガイドラインに基づいた私的整理についてはちらほら相談にのる程度ですが、田舎弁護士の様に弁護士1名事務所では他の案件対応にも追われていることから急なご依頼対応が難しい事件の1つですね。

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 論説の中で、保証債務の整理に関する留意点として、①保証人である法人代表者の保証債務の一体処理、②保証人である法人代表者の資産開示等の重要性、③保証債務の履行猶予を求める際の留意点について詳しく説明がされているのは参考になると思いました。

2018年3月10日 (土)

【倒産】 民事再生と否認 最高裁平成29年11月16日判決

 金融法務事情No2084号の判決速報で紹介された最高裁平成29年11月16日付判決です。

 判決要旨は、再生債務者が無償行為もしくはこれと同視すべき有償行為の時に債務超過であることまたはその無償行為等により債務超過となることは、民事再生法127条3項に基づく否認権行使の要件ではないというものです。

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                   (ニコライ堂)

 学説上は、必要説と不要説とがあり、不要説が通説的だったようです。

2018年2月20日 (火)

【倒産】 法律事務所が、国を訴えた事例!?

 金融法務事情No2083号で紹介された東京高裁平成28年3月23日判決です。

 破産の申立代理人の法律事務所が、財産散逸防止義務違反があったということで、破産管財人から訴えられたという事案です。

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                (日比谷公園・松本楼)

 10年程前から、法律事務所の不祥事が続いている印象を受けます。これも、申立代理人が、管財人や国を訴えるという事案です。少なくとも田舎弁護士が開業した20年程前にはきいたことがないような裁判です。弁護士が事実上裁判所を敵にするわけですから、よほど勝算がなければ通常はやらないと思います。

 判決要旨は以下のとおりです。

 破産裁判所の裁判官による破産法78条2項10号に基づく訴えの提起についての許可は、

 事柄の性質上、争訟の裁判と異なるものではないから、国家賠償法1条1項の違法性が認められる要件については、争訟の裁判と同様、

 当該裁判官が違法または不当な目的をもって裁判したなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に背いてこれを行使したと認め得るような特別な事情があることが必要であるところ、

 破産裁判所が破産管財人の破産申立人に対する訴えの提起および仮差押命令の申立てを許可したことについて、上記の特別の事情があるとは認められないから、同項の違法性は認められない。

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                  (松山城)

 判決文の内容は、違和感のないものであり、正当だろうと思いました。 

2018年2月19日 (月)

【倒産】 破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合における、破産手続開始時の債権の額を基礎として計算された配当額のうち実体法上の残債権額を超過する部分の配当方法 最高裁平成29年9月12日決定

 金融法務事情No2083号の「判決速報」で紹介された最高裁平成29年9月12日決定です。

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                   (江ノ電・極楽寺)

 破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において、破産手続開始の時における債権の額として確定したものを基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは、その超過する部分は当該債権について配当すべきである。

 超過部分の取扱いについては、学説は、(1)超過部分が求償債権者と破産財団のいずれに帰属すべきか、(2)超過部分が求償権者に帰属すべきであるとして、

 ア 破産手続においては超過部分も含めて債権者に配当した上で、求償権者の債権者に対する不当利得返還請求による処理をゆだねるか、

 イ 超過部分を求償権者に配当するか

 という2つの問題点を巡って、次の3説にわかれています。

① 超過部分は求償権者に帰属すべきものであるが、配当手続においては超過部分も含めて債権者に配当した上で、求償権者の債権者に対する不当利得返還請求による処理にゆだねるとする見解、

② 超過部分は求償権者に帰属すべきものであり、求償権者に配当するとの見解、

③ 超過部分は破産財団に帰属すべきものであるとの見解

 第1審決定は、①を、第2審決定は、③を、そして、最高裁決定は、①を採用したものです。

 ★実務上は、破産管財人が超過部分の存在を認識した場合には、債権者に対して、超過部分の配当請求権を求償権者に譲渡するよう促すことになりそうです。

2018年2月11日 (日)

【倒産】 破産申立て と 弁護過誤 

 金融法務事情No2082号で紹介された千葉地裁松戸支部平成28年3月25日判決です。

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                  (伊豆・山中城)

 被告となった弁護士法人は、解散されているようです。管財人からクレームが出るとは考えなかったのでしょうか。。。

 判決要旨を示します。

 株式会社Aから自己破産の申立てを受任した弁護士法人Y1の代表社員である弁護士Y2が、

① Aの代表取締役Bに対して日当等として115万8220円を支払い

② 委任契約の弁護士報酬として450万円をY1に入金し、

③ Aの有するゴルフクラブの会員資格保証金(ゴルフ預託金)2100万円の回収のための訴訟を提起して1600万円を回収して、弁護士報酬800万円をY1に入金した行為について、

 上記①は、偏頗弁済であって財産減少行為であるから財産散逸防止義務違反があり、

 上記②は、客観的な弁護士報酬相当額である200万円を超える部分について役務提供との合理的均衡を失するから上記義務違反があり、

 上記③は、客観的な弁護士報酬相当額である530万円をこえる部分について役務提供との合理的均衡を失するから上記義務違反があり、

 Yらは、破産管財人に対して損害賠償責任を負う。

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 本件は、受任から破産申立てまで3年が経過しているという事案であり、問題を多く含む案件だと思われます。 

2018年1月11日 (木)

【倒産】 配当表記載の配当額が実体債権額を超過する場合における当該超過配当分の配当先 最決平成29年9月12日

 銀行法務21・No822で紹介された最決平成29年9月12日です。

 本件は、破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた破産債権者である相手方が、破産手続開始の時における債権の額として確定したものを基礎として計算された配当額のうち、

 実体法上の残債権額を超過する部分を物上保証人に配当すべきものとした抗告人作成の配当表に対する異議申立てをした事案です。

 結論的にはあまりしっくりいきませんが、最高裁は、破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において、破産手続開始の時における債権の額として確定したものを基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは、その超過する部分は当該債権について配当すべきであると判断しました。

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 そういえば、数年前に銀行法務21で後見業務についての小論文を掲載してもらったことがあったけど、今となれば懐かしいな coldsweats01

 実務家なので、実務に役立つようなものが執筆できれば一番なんだけど、なかなか仕事に追われて難しいな。

2018年1月 4日 (木)

【倒産】  最高裁平成29年12月7日付判決

 金融法務事情No2080号で紹介された最高裁平成29年12月7日付判決です。

 自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ、売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後、購入者の破産手続が開始した場合において、その開始の時点で当該自動車につき販売会社を所有者とする登録がされているときは、保証人は、上記合意に基づく留保された所有権を別除権として行使することができると判断しました。

 要は、法定代位構成による別除権行使を認めた事例として参考になります。

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2017年12月25日 (月)

【倒産】 今治海事クラスターにみる村上水軍の系譜

 金融法務事情No2078号に、園尾隆司弁護士の論説文 今治海事クラスターにみる村上水軍の系譜が掲載されていました。

 園尾弁護士は、倒産法の大家の元裁判官というイメージがありますが、ご出身は四国・徳島のようです。

 同論説の前書きを紹介します。

 「今治海域の島々と沿岸部を市域とする愛媛県今治市は世界4大船主都市の1つに数えられており、その中核に村上水軍の末裔といわれる方々が存在する。しかし、村上水軍は豊臣秀吉の海賊禁止令により中世末に瀬戸内海から放逐されて滅亡したというのが文献上の通説であり、村上水軍と今治海域を結ぶ直接の史料・記録はない。にもかかわらず、今治の地元では村上水軍の末裔がこれを支えていると信じられている。」

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 「筆者は、国際海運会社の民事再生事件を代理人の一人として担当し、その事件の債権者で、再生債務者の自主再生に理解を示して多額の資金提供をしてくれた今治の船主の方々と接する中で、村上水軍と村上水軍哲学の存在を感じてきた。その後、たちたび今治海域の島々を訪れ、史料・記録に表れない江戸時代の村上水軍の存在について聞き取り調査を行う中で、村上水軍が江戸時代を生き抜いてきた事実及び村上水軍哲学が倒産手続における日本型債権者行動の起源の1つであることに行きあたった。」

 すごいことが書かれています。

 「日本の保有外航船舶の3分の1がここで保有されており、日本で建造される船舶の17%がここで建造されている。世界に目を転じると、北欧、香港、ビレウス(ギリシャ)、と並んで、今治は、世界4大船主都市の1つである。」

 確かに、今治地域においては、今治人の田舎弁護士からみても、造船、海運が盛んのようにみえます。都会の海事を専門とする法律事務所も、2つも支店を出しており、また、ロイドや大手商社の営業所もあります。

 弁護士の関連からすれば、昨今の司法改革の影響で、今治地区は、急激に弁護士の数が増加したところでもあります。

 都会の大手の法律事務所も、非常に関心をいだいている地域であり、また、園尾弁護士が所属する事務所は、いわゆる4大法律事務所の1つでもあります。

 このように、厳しい環境にありますが、田舎弁護士も、村上水軍の末裔として、豊臣秀吉のような大きな法律事務所に対して、縦横無尽に、闘っていきたいと思います。coldsweats01

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